草履

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女物の革草履
履物店での陳列

草履(ぞうり)は、鼻緒を有する日本の伝統的な履物[1]明治時代以降に洋靴が普及するまで日本で広く使用された。

現代では、大量生産されたビニール素材の軽装草履や軽装履(「雪駄」と呼ばれることも多い)が普及しており、夏場の履物としてカジュアルな洋装と組み合わせてよく履かれている。

本式の草履は、現代日本においては主に和装時に履く。下駄よりも格式があり、改まった履物とされる。

草履の種類[編集]

草履の種類はいくつかあるが、現代では「革草履」が主流で、男性用・女性用ともビニール、などで覆われた小判型の靴底(ソール)に同種の表をつけ、鼻緒を据える。靴底の素材は良質のコルク製であったが、和装の衰退にともない安価なウレタンにとって代わられた。正装で用いられるような高級品は底を重ねて厚みを持たせてあり、「何枚草履」などと呼んだ。地面と接する底裏の部分は硬質のウレタンゴムが貼られる。

の材料であるイグサ素材を編んだ古風な「畳表草履」は、歌舞伎などの舞台用か、ごく一部の男性用として見かける程度に過ぎず、現代では廃れてしまった。

藁草履

男性用で、厚みのない台の裏に牛革やウレタンゴムを張り、鼻緒を据えた四角い草履を雪駄という。
また、草履に似た形状で布やを素材とし、後部に足首に固定するための結び紐を付けた履物は草鞋(わらじ)と呼び、古くは労働などの日常作業用の履物として普及した。

最近では、使い古した布地を再利用するため、また室内で鼻緒付の履物を取り入れるためスリッパに代わる存在として、手作りの「布ぞうり」を製作する人が増えている。あくまで室内履きであるが、鼻緒の効用として注目されつつある。

草履と健康[編集]

着用の様子

最近では鼻緒付きの履物が足の鍛練に効果があるという意見から、子供らに下駄や草履をはかせることが注目されている。鼻緒を挟み、台を踏ん張るため足の筋肉が鍛えられ足裏の土踏まずの形成や外反母趾の予防にもよいとされる。はだし教育として幼稚園保育園小学校などの施設で指定の履物にするところもある。学校納入用では奈良県三郷町で生産される製品、健康草履「ミサトっ子」や高知県で生産される竹皮草履がある。基本的に素足で履くことが多く、足が蒸れないという効用もある。はだし教育で取り入れる場合は必ず素足で履くよう取り組んでいる。

また、靴底の厚い高いスニーカーなどは草履に比べ履いた時の安定性が悪く、更に底が不均一に磨耗した場合、より傾きX脚O脚,「ハの字」や「Vの字逆ハの字)」歩きを誘発したり悪循環を助長すると考えられ、草履はスニーカーなど靴の変形進化した履物と比較して足腰の安定、強化や美脚に良い。また、転び易い、長時間起立出来ない、歩行で疲れるといった子供が昔と比べ増えているが、草履などは靴・スニーカーなどと違い足を包み込まず開放的で足そのものが幅広く成長し、広い足の裏の面積でより安定した支えをするためこの点でも健康に良い履物と言える。

一方、まったくの裸足で生活する人が多く、産業や医療が未発達なケニアでは、足の傷からの感染症を予防するために、日本人栄養学者の岸田袈裟が現地の材料で手作りできる草履の製法を導入し、好評を呼んでいる。[2]

備考[編集]

  • 良く似た形状のリゾート用の履物にビーチサンダルがあり、それを指して「草履」という場合もある。沖縄のビーチサンダルに島ぞうりがある。通常100円-1000円程度の廉価で販売される。夏季にはビーチサンダルで外出し涼をとる光景も見られる。
  • 江戸時代に造られていた金剛草履(堅くて丈夫な草履という意味)は、2束で3文という売られ方をされていたことから、安価や投げ売りという意味で二束三文という言葉が生まれている。

出典[編集]

  1. ^ 意匠分類定義カード(B5) 特許庁
  2. ^ 「エンザロ村のかまど」(さくまゆみこ著、沢田としきイラスト、2009年、福音館書店、ISBN-13: 978-4834024494)

外部リンク[編集]

関連項目[編集]