姜尚中
| 姜 尚中 (강 상중) |
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|---|---|
| 人物情報 | |
| 誕生 | 1950年8月12日(61歳) |
| 居住 | |
| 国籍 | |
| 学問 | |
| 研究分野 | 政治学 |
| 研究機関 | (国際基督教大学→) 東京大学 |
| 母校 | 早稲田大学政治経済学部卒業 早稲田大学大学院政治学研究科 博士課程修了 |
| 博士課程 指導教員 |
藤原保信 |
| 主な受賞歴 | 青丘文化賞(1995年) |
姜 尚中(カン サンジュン。朝鮮語:강 상중。英語:Kang Sang-jung。1950年8月12日 - )は、日本の政治学者。日本名は永野 鉄男(ながの てつお)。日本式の音読みでは姜 尚中はキョウ ショウチュウ。熊本市出身。東京大学大学院情報学環教授、東京大学現代韓国研究センターセンター長。国籍は韓国[1]。
国際基督教大学準教授、東京大学社会情報研究所教授などを歴任した。
目次 |
来歴
1950年に、熊本市で在日韓国・朝鮮人二世として生まれる。父は、1916年に朝鮮南部の慶尚南道昌原郡南山里(現・昌原市義昌区)に生まれ、1931年に仕事を求めて自らの意思で来日した。母は1923年に朝鮮で生まれ、1941年に釜山近くの鎮海(現・昌原市鎮海区)から許嫁の父を訪ねるべく関釜連絡船で来日した。両親とも「強制連行」で来日した者ではない[2]。
熊本県立済々黌高等学校、早稲田大学政治経済学部卒業、早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。西ドイツ・エアランゲン大学留学(1979年 - 1981年)後、明治学院大学講師、国際基督教大学準教授を経て、東京大学教授(所属:社会情報研究所 情報行動部門)。現在、東京大学情報学環教授。専攻は政治学・政治思想史。研究分野はアジア地域主義論・日本の帝国主義を対象としたポストコロニアル理論。
当初、日本名永野鉄男(ながのてつお)を名乗っていたが、早稲田大学在学中に韓国文化研究会に参加し、1972年の訪韓以来、朝鮮名を使用する。2011年に開催された句会の席上、姜は自らの生い立ちについて「生まれは熊本で本名は永野鉄男です。でも今から三十八年前、二十二歳のときに、思うところがあって姜尚中を名乗りました」[3]と語っている。
在日韓国学生同盟(韓国文化研究会)が連帯を謳っていた韓国における学生運動から「左の独裁にも右の独裁にも反対する」という声明が出たときに、これを、丸山眞男の「民主主義の永久革命」と読み替えていくことにより北朝鮮に対してさめた眼を保ち得たと後に[いつ?]語っている[要出典]。1984年、外国人登録法を根拠とした外国人登録証への指紋押捺を拒否するが、最終的には押捺に応じる[要出典]。この間の苦渋に満ちた経験からプロテスタントの洗礼を受けた[要出典]。
1995年、青丘文化賞受賞。
2008年に開設したインターナショナル・スクール、コリア国際学園の理事長に就任する予定だったが、東大の兼業規程に違反するとの指摘があり、辞退している。
近年は『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)をはじめ、多くの討論番組やトーク番組に頻繁に出演し、独特の語り口調で発言・主張をしている。『朝まで…』における論敵は親米保守の村田晃嗣であり、主に外交問題で対立している。
思想・主張
在日韓国・朝鮮人という立場を、エドワード・サイードの言う「周辺者」あるいは「亡命者」とみなし、日本と韓国という二つの祖国を持つ独自の存在とし、日本社会が歴史的に捉えてきた朝鮮史観、およびそこにあるいわゆる「偏見」に対して批判を加えている。ここでは、日本の戦前の朝鮮史観の始まりは、山縣有朋の「主権線・利益線」にまで遡ると主張。日本の近代化としての理想像が西欧社会であるならば、その反転としての未開地域、停滞地域として朝鮮半島・東北アジアが「発見」されたと主張している。また、戦後の日本の対朝鮮史観については、丸山眞男のいう「悔恨の共同体」を経て、経済復興、高度経済成長を背景に「日本特殊論」などが登場してくる中で、西欧との同一化と差異化のプロセスとして、再び戦前と同様の対朝鮮・東北アジア史観が「再発見」されたと主張している。
ナショナリズム批判についての著作も多い。ただし、現在の世界システムを自由主義経済による支配システムとして考えた場合、その中枢にいる一握りの経済大国と周辺に追いやられた諸国との経済格差はますます大きくなっているとし、有無を言わさず周辺化される力学に反抗する手段としての、いわばイマニュエル・ウォーラーステインのいう「反システム運動」として発現するナショナリズムに対しては一定の理解を示している。また、サミュエル・P・ハンティントンが主張した「文明の衝突」に対しても、世界システムにおける中枢国と周辺国の格差を無視したオリエンタリズム的観点であると批判している[要出典]。
イスラーム主義
- たびたびイスラーム主義(政治的イスラーム)に好意的な発言をしている[要出典]。自著『在日』の文庫版では、第三者機関によりたびたびイスラームを名目とした悲惨な人権侵害が起こっていると指摘されているイランを「中東の中で比較的民主的」と評価している[要出典]。
政治活動
2016年夏季オリンピックの立候補都市を巡る誘致では、韓国・釜山の共同開催を期待して福岡市の応援活動を行った[4]。
政治評論
日韓・日朝関係
- 日韓両国が新しい時代に対応するために東アジア共同体を構成する必要があると考えている。東アジア共同体の中心はソウルに置くべきだと主張している[5]。
- 日米関係ではなく日韓関係を外交の基軸とするべきだと主張している[6]。
- 日韓関係の改善には5つの障害物(竹島問題、過去の歴史の清算、北朝鮮による日本人拉致問題、在日韓国人の参政権、日韓貿易における韓国側の貿易赤字) を取り除く必要があると述べている。この5つの問題の解決のためには、天皇の訪韓や自由貿易協定(FTA)の締結などが必要としている。
- 2010年現在、日本は韓国に追い抜かれるかもしれないという危機感が高まっていると主張し、この現象をキム・ヨナ症候群と呼んでいる[7]。
竹島問題
- 2010年1月2日、韓国MBCの取材を受けて、竹島問題に関して「独島は韓国が実効支配してるじゃないか。だから日本は戦争をしない限り、独島を実効支配することは不可能です。日本が竹島だと主張しても、放っておいてかまいません。私達が我々の領土を実行支配しているからね」と述べている[5]。
- 2010年3月10日、韓国中央日報の取材を受けて、「日本から独島問題をめぐる妄言が出てきても、韓国は実効的支配をしているため感情的に対応する必要はない」と述べている[8]。
北朝鮮による日本人拉致問題
- ソウル大学での統一政策フォーラムにて、北朝鮮による日本人拉致問題に関して、「日本が拉致問題を理由に北朝鮮を支援しない態度でいれば、国際社会から孤立してしまうので経済支援をするべきである」と主張した[9]。
- 2006年11月25日の世界海外韓人貿易協会での講演にて、「北朝鮮核問題や拉致問題を取り上げて北朝鮮を批判する日本の世論を変えねばならない。在日同胞たちが過去に日本に連れて来られたことに対しては何も言わず、冷戦時代の拉致ばかり話すというのは矛盾したことだ。私は横に横田夫妻(横田滋、横田早紀江)がいても、これを言うことができる」と、日本社会の対北朝鮮世論を批判した[10]。
日本の政治と政治家評
- 日本の政治家に関する発言としては、「田中真紀子さんに日本の首相になってほしい」[11]と発言している。また、吉田茂、岸信介、池田勇人、佐藤栄作、田中角栄を指して、日本のリーダーは米国におむつを履かされた存在に過ぎないが、金大中はおむつを履いた似非リーダーたちと戦った真のリーダーであり、日本人は金大中を見習いなさいと主張している[12]。
- 2008年11月、『朝まで生テレビ!』において、「田母神俊雄の発言に共感できるか?」という質問に61%が「共感できる」、「自衛隊を憲法に明記すべきか?」という質問に80%が「明記すべき」という結果となったことについて、姜は「朝生にどんな人がアレしてるかわからないから、世論全般から見たらちょっと良くわからない」と主張した[13]。
- 2008年12月、『久米宏のテレビってヤツは!?』(毎日放送)において、麻生内閣における定額給付金案について、日本国民に給付するのではなく外国人留学生へ給付すべきであり、そうすれば日本の評判も高くなると主張した[14]。
人物
50歳で運転免許を取得。
最近の趣味は登山・ドライブ・絵画。また、俳句の鑑賞も好んでおり、2011年には金子兜太が宗匠を務める句会にも参加している[3]。癌で亡くなった友人を悼む気持ちを布団の情景に重ねた句や、諧謔を凝らした句などを披露した[15]。
絵画趣味に関連して、2009年4月 - 2011年3月には『日曜美術館』(NHK教育テレビ)の司会を務めた。
親族
韓国帰郷時に訪ねた叔父は日本の大学出身であり、その後は日本軍憲兵となり日本人女性と結婚して子供をもうけ、戦後に妻子を残して韓国に帰郷。良家の韓国人女性と結婚し弁護士として成功している[16]。叔母にあたる日本人女性と混血の従妹は行方不明であるとしている[16]。
著書
単著
- 『マックス・ウェーバーと近代 合理化論のプロブレマティーク』(1986年、御茶の水書房→2003年、岩波現代文庫)
- 『アジアから読む日本国憲法』(1993年、かもがわ出版)
- 『アジアから日本を問う』(1994年、岩波ブックレット)
- 『ふたつの戦後と日本-アジアから問う戦後50年』(1995年、三一書房)
- 『オリエンタリズムの彼方へ―近代文化批判』(1996年、岩波書店→2004年、岩波現代文庫)
- 『ナショナリズム』(2001年、岩波書店)
- 『東北アジア共同の家をめざして』(2001年、平凡社)
- 『暮らしから考える政治-女性・戦争・食』(2002年、岩波ブックレット)
- 『日朝関係の克服-なぜ国交正常化交渉が必要なのか』(2003年、集英社新書)
- 『反ナショナリズム-帝国の妄想と国家の暴力に抗して』(2003年、教育史料出版会→2005年、講談社+α文庫)
- 『在日』(2004年、講談社)
- 『在日 ふたつの「祖国」への思い』(2005年、講談社+α新書)
- 『姜尚中の政治学入門』(2006年、集英社新書)
- 『愛国の作法』(2006年、朝日新書)
- 『ニッポン・サバイバル』(2007年、集英社新書)
- 『悩む力』(2008年、集英社新書)ISBN 4087204448
- 『母 -オモニ- 』(2010年、集英社)ISBN 4087814440
共著
- (安斎育郎・朱建栄・松井やより・村山晃)『アジア・女性・沖縄が問う日本』(1996年、かもがわ出版)
- (石田雄)『丸山眞男と市民社会』(1997年、世織書房)
- (中村雄二郎)『インターネット哲学アゴラ-文化』(1999年、岩波書店)
- (宮台真司・水木しげる・中西新太郎・若桑みどり・石坂啓・沢田竜夫・梅野正信)『戦争論妄想論』(1999年、教育史料出版会)
- (宮崎学)『ぼくたちが石原都知事を買えない四つの理由。』(2000年、朝日新聞社)
- (吉見俊哉)『グローバル化の遠近法 新しい公共空間を求めて』(2001年、岩波書店)
- (網野善彦・田中優子・樺山紘一・成田龍一・三浦雅士・小熊英二)『「日本」をめぐって 網野善彦対談集』(2001年、講談社)
- (森巣博)『ナショナリズムの克服』(2002年、集英社新書)
- (齋藤純一・杉田敦・高橋哲哉)『思考をひらく 分断される世界のなかで』(2002年、岩波書店)
- (キャロル・グラッグ・テッサ・モーリス=スズキ・比屋根照夫・岩崎奈緒子・タカシ・フジタニ・ハリー・ハルトゥーニアン)『日本の歴史(25)日本はどこへ行くのか』(2003年、講談社)
- (田原総一朗・西部邁)『愛国心』(2003年、講談社→2005年、講談社+α文庫)
- (内田雅敏)『在日からの手紙』(2003年、太田出版)
- (宮台真司)『挑発する知 国家、思想、そして知識を考える』(2003年、双風舎)
- (きくちゆみ・田島泰彦・渡辺治)『「イラク」後の世界と日本 いま考えるべきこと、言うべきこと』(2003年、岩波ブックレット)
- (佐高信)『日本論』(2004年、毎日新聞社)
- (テッサ・モーリス=スズキ)『デモクラシーの冒険』(2004年、集英社新書)
- (森達也)『戦争の世紀を超えて その場所で語られるべき戦争の記憶がある』(2004年、講談社)
- (井筒和幸・井上ひさし・香山リカ・木村裕一・黒柳徹子・猿谷要・品川正治・辛酸なめ子・田島征三・中村哲・半藤一利・ピーコ・松本侑子・美輪明宏・森永卓郎・吉永小百合・渡辺えり子)『憲法を変えて戦争に行こう-という世の中にしないための18人の発言』(2005年、岩波ブックレット)ISBN 4000093576
- (吉田司)『そして、憲法九条は。』(2006年、晶文社)
- (落合恵子・香山リカ・森永卓郎・佐高信・城山三郎・辛淑玉ほか)『戦争で得たものは憲法だけだ 憲法行脚の思想』(2006年、七つ森書館)
- (小森陽一)『戦後日本は戦争をしてきた』(2007年、角川oneテーマ21) ISBN 978-4-04-710115-9
- (C・ダグラス・ラミス・萱野稔人)『国家とアイデンティティを問う』(岩波書店[岩波ブックレット], 2009年)
- (玄武岩)『興亡の世界史18 大日本・満州帝国の遺産』(2010年、講談社) ISBN 978-4-06-280718-0
編著
- 『ポストコロニアリズム』(2001年、作品社)
- 『「日米関係」からの自立 9・11からイラク・北朝鮮危機まで』(2003年、藤原書店)
共編著
- (西川長夫・西成彦)『20世紀をいかに越えるか 多言語・多文化主義を手がかりにして』(2000年、平凡社)
- (青木保・小杉泰・坂元ひろ子・莫邦富・山室信一・吉見俊哉・四方田犬彦)『アジア新世紀』全8巻(2002-2003年、岩波書店)
- (水野直樹・李鍾元)『日朝交渉 課題と展望』(岩波書店, 2003年)
- (『アリエス』編集部)『姜尚中にきいてみた! 東北アジア・ナショナリズム問答』(2005年、講談社文庫)
- (小熊英二)『在日一世の記憶』(2008年、集英社新書)
- (大澤真幸)『ナショナリズム論・入門』(2009年、有斐閣)
共訳書
- Z・A・ペルチンスキー編『ヘーゲルの政治哲学-課題と展望』(1989年、御茶の水書房)
その他
- 慶應MCC夕学セレクション 姜尚中「日本とアジアの共生」(日本音声保存)
関連項目
脚注
- ^ 「韓国は日本民主党政権とネットワーク構築を」…姜尚中東大教授
- ^ 姜尚中『在日』(2004年、講談社)27-29頁
- ^ a b 金子兜太・F・モレシャン・姜尚中・P・ジローラモ・楊逸・A・ビナード「吉例新春外国人句会--大型新人姜尚中はじめての俳句の巻--『蒲団上げ世界を描くわが粗相』作者はまさかの……」『文藝春秋』89巻3号、文藝春秋、2011年3月1日、160頁。
- ^ 市民フォーラム 2016福岡・九州オリンピック計画について考える 招致への期待と懸念 [1]
- ^ a b 韓-日 역사 인식 바꾸자「MBCニュース」2010年1月2日更新、3日閲覧
- ^ 民主党ホームページ:民主党日韓議員交流委員会が設立総会を開く[2]
- ^ 「韓国に追い越されるかも…日本で危機感増大」 朝鮮日報 [3]
- ^ “「韓国は日本民主党政権とネットワーク構築を」…姜尚中東大教授(2)”. 中央日報. (2010年3月10日) 2010年3月10日閲覧。
- ^ 聯合ニュース(2007年10月1日)
- ^ 2006年12月1日オーマイニュース(韓国語)
- ^ 『月刊現代』2007年4月号
- ^ 일본은 ‘미국 기저귀’ 벗고 DJ를 배우라 (日本はアメリカ製おむつを脱いで、金大中を見習いなさい)
- ^ 2008年11月28日放送。
- ^ 2008年12月3日放送
- ^ 金子兜太・F・モレシャン・姜尚中・P・ジローラモ・楊逸・A・ビナード「吉例新春外国人句会--大型新人姜尚中はじめての俳句の巻--『蒲団上げ世界を描くわが粗相』作者はまさかの……」『文藝春秋』89巻3号、文藝春秋、2011年3月1日、169頁。
- ^ a b 『在日』(2008年、集英社文庫)
外部リンク
- 姜尚中ホームページ | Kang Sang-jung Official Homepage(公式サイト)
- 姜 尚中|東京大学大学院 情報学環・学際情報学府(東京大学のサイト)
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