茂木健一郎

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もぎ けんいちろう
茂木 健一郎
Kenichiro Mogi 20071117.jpg
生誕 1962年10月20日(47歳)
日本の旗 東京都
出身校 東京大学理学部卒業
東京大学法学部卒業
東京大学大学院理学系研究科修了
職業 ソニーコンピュータサイエンス研究所上級研究員
  

茂木 健一郎(もぎ けんいちろう、 1962年10月20日 - )は、株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所上級研究員東京工業大学大学院連携教授。学位博士(理学)東京大学1992年)。

目次

[編集] 概要

東京都出身。「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとしての関係(心脳問題)についての研究を行っている。また、脳と神経に関する一般読者向けの解説書を多く執筆し、テレビ番組雑誌週刊誌などマスメディアで積極的に活動している。

一般に名が広く知られる一方、後述するように、自称「脳科学者」としてのマスメディアでの活動内容には著名人からの批判意見もある。

博士論文は『Mathematical Model of Muscle Contraction(筋収縮の数理的モデル)』(東京大学より学位取得)である。

[編集] 研究

博士論文は、「グラフ変換法」によって、反応ネットワークの性質を解析したもの。その後、グラフ変換法は非対称結合神経回路網の解析に応用される。クオリアも含んだすべての現象を扱いうる「拡張された物理学」を志向している。著書『クオリア入門』は「心も自然法則の一部である」という表題から始められており、「意識のほんとうの科学を目指す」という自身の方向性を示している。

また茂木は「脳内でのニューロンの時空間的な発火パターンに対応してクオリアが生起している」という作業仮説をとり、そこからクオリアが持つ(であろう)何らかの数学的構造を見つけることが出来るのではないか、として研究を行っている。神経科学における事実上の「セントラル・ドグマ」である「反応選択性」の概念では心脳問題を解決するには不十分だと主張し、「マッハの原理」や「相互作用同時性」といった概念を提案している。両眼視野闘争、マガーク効果、神経細胞の自発的活動についてのモデル、身体イメージ、不確実性の存在下での選択などに関する論文を発表している。[要出典]

[編集] 研究以外の活動

テレビ番組の司会コメンテーター文芸美術評論家としても活動している。また、朝日カルチャーセンター新宿教室で講師も務めている。NHKのテレビ番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』でパーソナリティーを務めるようにもなり、一般にもその顔を知られる存在となった。

また、ソニーの研究所に所属している繋がりから、携帯ゲーム機プレイステーション・ポータブル用ソフトの監修や、ソニーの高級AV機器ブランドQUALIA[1]。のコンセプター、パーソナルコンピュータVAIO』のCM出演(2008年7月〜現在)なども行っている。

2009年には日本テレビの全国高等学校クイズ選手権菊川怜と共に番組パーソナリティーを務めた[2]

[編集] アハ体験

茂木はテレビ番組や雑誌で、閃きや気づきの瞬間に「あっ!」と感じる体験を「アハ体験」として紹介している[3]。アハ体験は、脳を活性化するという。

「アハ」 (aha) は英語の間投詞で、「ああ、なるほど」といった意味に相当する(なお、a-ha experience という英語表現は、ドイツ心理学者ビューラー(Karl Bühler)がEureka(「見つけた」)と言うときのような現象をさしてAha-Erlebnisと呼んだものの英訳である。茂木の独創ではない)。人はアハ体験の瞬間に、わずか0.1秒の間に脳内の神経細胞が一斉に活性化するという。「誤解を恐れずに言えば」という前提ではあるが、アハ体験とは、わかった瞬間に頭がよくなる体験であるともしている。

茂木が監修する「ソニーコンピュータサイエンス研究所 茂木健一郎博士監修 脳に快感 アハ体験!」は、アハ体験をするためのPSP向けのゲームソフトである。

[編集] 評論

[編集] 文芸評論

小林秀雄
文芸評論家小林秀雄を、クオリアに代表される心の現象学の問題に自覚的であった点を含め、高く評価している。小林秀雄の講演の音声記録に出会い、衝撃を受けたという。[要出典]
赤毛のアン
学童期からの『赤毛のアン』のファンである事を、NHK教育テレビ2007年年末特集番組で明かした。[要出典]
高校時代には、原書で読破した(2008年、徹子の部屋)。そして、運命を受け入れることの美しさを描いた作品であると評価している(2008年、東京大学駒場キャンパスでの講演会)。赤毛のアンの舞台となった「プリンスエドワード島」への渡航歴も複数回に渡るという。

[編集] 音楽評論

尾崎豊
尾崎豊をたいへん高く評価しており、特に歌詞に関しては「文学賞をとってもおかしくない」とコメント[4]NHKで放送されたプレミアム10「尾崎豊がいた夏」ではゲスト出演している。

[編集] 茂木への第三者の評価

瀬名秀明作家科学者
ブログ上にて「「クオリア」「アハ体験」「1回性の人生」などは、別に茂木さんがつくった言葉ではないし、茂木さんが初めて言い出したことでもない。でもあたかもそれらを自分で考えたかのように語ることで、茂木さんはポピュラリティを獲得した。」と述べ、『自分をうまく欺ける人の方が成功する』例として茂木の名を挙げた。[5]
斎藤環精神科医批評家
出版社の企画で最終的に単行本にするためとして毎月、斎藤環とウェブサイト上での公開往復書簡を交換することになった。斉藤は最初の手紙において、「(もし)クオリアという概念について考えることが可能であるとするならば、認識の主体となる「この私」(自我)の存在を認めることが前提となる」とし、それは「”懐疑する能力こそが、倫理の前提である”とする自身の考えとは対立する」とした。
また、茂木がクオリアを倫理やなどについての人間の価値判断の根拠に据えたそうにしている態度や世間の人々に「新しい価値を説く人」のように見られていることについて懸念を表明した。そして、人間の脳に倫理や美を感知する中枢があらかじめ存在すると考えているのかどうかという問いを投げかけた[6]
この手紙に対し茂木が1年以上返事を出さなかった(後に「精神分析と脳科学ではクオリアに対するアプローチの仕方が異なるため、熟考する時間が必要だった」とその理由を述べている)ことに対し、斉藤は「(反駁できない)痛いところを衝かれたのだろう」と述べている[7]
高橋悠治作曲家
NTT ICCでの公開トーク『他者の痛みを感じられるか』で高橋から批判を受けている[8]
大槻義彦物理学者
オカルト批判で知られる大槻はスピリチュアルカウンセラーの江原啓之を非科学的でインチキだとしている。茂木がその江原啓之と共著を出したり、各地の講演に一緒に出かけたりしていることなどの茂木自身の科学的態度を批判している[9]。これらに対して茂木自身は「江原のような人物や現象に対する態度は異なっても、大槻などの科学者と基本的な立場は同じである」旨を述べている[7]

[編集] 不祥事

無申告発覚直後の2009年11月29日高知県にて

[編集] 所得の「無申告」

所得の「無申告」による追徴課税
2009年11月、2009年までの3年間で約4億円の所得の申告漏れを指摘された。追徴税額は1億数千万円。2、3年前に税務署から申告を求められたが申告をせず、税理士に税務処理を依頼することもなかった[10]
茂木自身は「無申告」となった理由として、多忙な仕事に追われた結果、増加する印税や講演料等の雑所得の管理との両立ができなくなり、税務処理を依頼する税理士を探す暇も取れなかったと、読売新聞の取材に答えている。申告に必要な年収額が普通預金の預け入れ残高という形でしか把握されておらず、経費計上用の領収書が一部しか保管されていないという、所得申告そのものが困難になる状態であった事をうかがわせる発言も、取材時に行ったと報じられている[要出典]
周囲への影響
茂木が勤務するソニーコンピュータサイエンス研究所の親会社であるソニーは、広報部を通じてコメントを公表している。茂木が所得の申告を行わなかった理由について、同社は「ここ数年、忙しくなって、申告書類が膨大になったものの、自分でできるだろうと軽く考えて、税理士にお願いしなかった」[11]ためと説明している。この不祥事を受け、ソニーは納税に関する期日を厳守するよう指示したものの、茂木に対する社内処分は一切行わないとしている[11]
また、茂木はテレビ番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』に司会者として出演している。不祥事発覚後、同番組では茂木の司会続投を伝える字幕を流した。さらに、番組を制作する日本放送協会では、放送総局長が茂木の続投を明言するコメントを発表した[12]。その結果、視聴者らから抗議が殺到し、日本放送協会には約800件もの意見が寄せられた[12]

[編集] 略歴

[編集] 賞歴

[編集] 著書

[編集] 学術論文

以下に掲げるもの以外にも存在する。

  • Sekine T, Mogi K. (2009), Distinct neural processes of bodily awareness in crossed fingers illusion., Neuroreport, Mar 25;20(5):467-72.
  • Omata, K. and Mogi, K. (2008), Fusion and combination in audio-visual integration., Proceedings of the Royal Society of London A 464, 319–340.
  • Onzo A, Mogi K. (2005), Dynamics of betting behavior under flat reward condition., International Journal of Neural System, Feb-Apr;15(1-2):93-9.
  • Taya F, Mogi K. (2005), Spatio-temporal dynamics of the visual system revealed in binocular rivalry, Neurosci Letter, Jun 10-17;381(1-2):63-8. Epub 2005 Mar.
  • Mogi, K. (1994), Multiple-valued energy function in neural networks with asymmetric connections., Phys. Rev. E, 49, p.4616-4626.

[編集] 学会報告

  • Mogi, K & Barlow, H B (1999), The source of variability in neural responses from MT., J.Physiol 515, 101-102 P. [13]

[編集] 単著

『脳と仮想』 新潮社 のちに文庫化 2007年3月 ISBN 978-4101299525 
『脳内現象 - 〈私〉はいかに創られるか』 NHK出版 2004年6月24日 ISBN 978-4140910023
『脳の中の小さな神々』 柏書房 2004年6月25日 ISBN 978-4760125722
  • 2005年
『脳と創造性 「この私」というクオリアへ』 PHP研究所 2005年3月19日 ISBN 978-4569633534
『クオリア降臨』 文藝春秋 2005年11月25日 ISBN 978-4163677309
『脳の中の人生』中公新書ラクレ 2005年12月 ISBN 978-4121502001
『「脳」整理法』ちくま新書 2005年12月 ISBN 978-4121502001
  • 2006年
『クオリア入門―心が脳を感じるとき』 筑摩書房 2006年3月9日 ISBN 978-4480089830
『脳を鍛える!ケータイでできるみんなの脳力トレーニング』 ローカス 2006年10月 ISBN 978-4898146897 ISBN 4898146899
『プロセス・アイ』 徳間書店 2006年1月 ISBN 978-4198621032
『ひらめき脳』 新潮新書 2006年4月15日 ISBN 978-4106101625
『生きて死ぬ私』 筑摩書房 2006年5月 ISBN 978-4480422187
『食のクオリア』 青土社 2006年6月 ISBN 978-4791762767
『やわらか脳―茂木健一郎「クオリア日記」』 徳間書店 2006年11月 ISBN 978-4198622589
『すべては脳からはじまる』 中公新書ラクレ 2006年12月 ISBN 978-4121502339
  • 2007年
『天才論 - ダ・ヴィンチに学ぶ「総合力」の秘訣』 朝日選書 2007年3月16日 ISBN 978-4022599186
『芸術の神様が降りてくる瞬間』 光文社 2007年10月24日 ISBN 978-4334975265
『欲望する脳』 集英社新書 2007年11月16日 ISBN 978-4087204186
『それでも脳はたくらむ』 中公新書ラクレ 2007年12月 ISBN 978-4121502643
『脳を活かす勉強法 - 奇跡の「強化学習」』 PHP研究所 2007年12月3日 ISBN 978-4569696799
『すべては音楽から生まれる - 脳とシューベルト』 PHP新書 2007年12月14日 ISBN 978-4569696249
  • 2008年
『思考の補助線』 ちくま新書 2008年2月 ISBN 978-4480064158
『トゥープゥートゥーのすむエリー星』 毎日新聞社 2008年5月29日 ISBN 978-4620107240
『ひらめきの導火線 - トヨタとノーベル賞』 PHP新書 2008年8月19日 ISBN 978-4569701127
『脳を活かす仕事術 - 「わかる」を「できる」に変える』 PHP研究所 2008年9月10日 ISBN 978-4569701936
『クオリア立国論』 ウェッジ 2008年12月20日

[編集] 共著

共著者:竹内薫 『脳のからくり―わくわくドキドキする脳の話』 中経出版 ISBN 4806118745
共著者:養老孟司 『スルメを見てイカがわかるか! 』 角川書店 ISBN 4047041548
共著者:田谷文彦 『脳とコンピュータはどう違うか―究極のコンピュータは意識をもつか』 講談社 ISBN 4062574128
共著者:富永裕久 『目からウロコの脳科学―心と脳はここまで分かった!』 PHPエディターズグループ ISBN 4569648614
共著者:ラケータ 『脳を鍛える!パソコンでできるみんなの脳力トレーニング』ローカス ISBN 4898146716
共著者:竹内薫 『脳のからくり』 新潮社 ISBN 978-4101299518
共著者:竹内薫 『異端の脳がホンモノ! 』 大和書房 ISBN 978-4479300595
共著者:養老孟司 『養老孟司&茂木健一郎の「天才脳」の育て方』 アスコム ISBN 4776203499
共著者:田中洋, 編:電通ニューロマーケティング研究会 『欲望解剖』 幻冬舎 ISBN 4344012631
  • 2007年
共著者:松岡正剛 『脳と日本人』 文藝春秋 ISBN 4163697101
共著者:波頭亮 『日本人の精神と資本主義の倫理』 幻冬舎 ISBN 978-4344980570
共著者:江村哲二 『音楽を「考える」』 筑摩書房 2007年5月 ISBN 978-4480687609
  • 2008年
共著者:河合隼雄 『こころと脳の対話』 潮出版社 2008年7月 ISBN 978-4267017995
共著者:黛まどか 『俳句脳―発想、ひらめき、美意識』角川書店 2008年8月10日 ISBN 978-4047101470
共著者:江原啓之 『偶有性幸福論(エンジン01選書)』 ぴあ 2008年11月15日 ISBN 978-4835617220

[編集] 翻訳

[編集] 編集・監修・監訳

[編集] テレビ出演

[編集] 脚注

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  1. ^ このQUALIA(クオリア)というブランド名は当時ソニーのCEOであった出井伸之が雑誌に掲載されていた当時ソニーコンピューターサイエンス研究所の研究員であった茂木と作家の井沢元彦の対談を読んだことがきっかけだったとされる。
  2. ^ 高校生クイズ2009公式サイト
  3. ^ 『わかった瞬間、頭がよくなる アハ!体験 4つの間違い探し』 ISBN 4877711937
  4. ^ 『プレミアム10 尾崎豊がいた夏 知られざる19歳の素顔』 NHKデジタル総合 2007年8月10日放送
  5. ^ 『研究者の作法』([http://news.senahideaki.com/ 瀬名NEWS
  6. ^ 斎藤環と茂木健一郎の往復書簡 「脳は心を記述できるのか」 第1信  「価値のクオリア」は存在するか?(斎藤環)双風舎
  7. ^ a b いまやオカルト研究者?!脳科学者・茂木健一郎へ噴出した「批判」(月刊『テーミス』2008年6月号)
  8. ^ アート&テクノロジーの過去と未来 ATAK@ICC 高橋悠治+茂木健一郎:公開トーク『他者の痛みを感じられるか』HIVE
  9. ^ 1月 第2回 【江原に擦り寄る文化人】12月 第5回 【読者の方々からのメール】大槻義彦のページ
  10. ^ 茂木健一郎氏、所得4億無申告…印税や出演料など読売新聞2009年11月10日13S版39面
  11. ^ a b茂木健一郎「多忙で申告漏れ」 なぜ税理士つけなかったのか : J-CASTニュース』2009/11/11
  12. ^ a b茂木健一郎氏の申告漏れ:NHKに批判多数 「プロフェッショナル」打ち切り検討 - 毎日jp(毎日新聞)」2009年12月9日
  13. ^ The Physiological Societyにおける学会発表のプロシーディングである。PubMedにも記述あり。また、Werner, JS & Chalupa, LM (2003), The Visual Neurosciences, MIT Press. (ISBN 0262033089)に引用されている。

[編集] 外部リンク

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