菅野よう子

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菅野 よう子(かんの ようこ、yoko kanno、本名:菅野 洋子(読みは同じ)、1964年3月18日 - )は、日本作曲家編曲家ピアニスト宮城県出身。主にCMアニメゲームドラマ映画の音楽を手がけている。即興ピアニスト、作曲家の菅野洋子とは、同姓同名であるうえ、宮城県出身、早稲田大学卒業という経歴も似ているが、全くの別人である。

目次

[編集] 来歴

宮城県出身。父は大学教授、母は看護婦という家で生まれ、厳格なしつけを受け育つ。幼少時は、音楽コンクールに出場するたびに、賞をとっていた[1]

早稲田大学第一文学部在学中に「てつ100%」のキーボード担当としてデビュー、1stアルバム『てつ100%』、2ndアルバム『あと3cm』、3rdアルバム『Jack in the box』、4thアルバム『素直』をリリースした。同バンド解散後、光栄(現コーエー)の『信長の野望シリーズ』『大航海時代シリーズ』などの歴史シミュレーションゲームの楽曲を担当。それにより作編曲家として認知され、アニメやCM音楽畑へ活動を広げていった。

現在ではアニメとCMの音楽製作を主な活動の場としている。アニメにおいては、国内外のアニメファンから支持を得ている。テレビCM音楽も数多く手掛けており、TV-CMワーク集『CMようこ』を2007年に配信限定でリリースした(翌2008年にCD化)。それらと並行して、坂本真綾小泉今日子などのアルバムのプロデュースも手がけている。また、過去に手がけたサウンドトラックの楽曲がテレビ番組のBGMとして頻繁に使用される。

職業作曲家としてのサウンドトラック制作を表現活動のメインに据えるスタンスのため、多作でありながら個人名義のオリジナルアルバムリリースに関して積極的ではない。唯一本人名義である『Song to fly』も、音楽を担当した簡易フライトシミュレーションゲーム『アースウインズ』のサウンドトラックを同コンセプトの元で肉付けした構成であり、本人も「あれはゲーム音楽」と述べている[2]

[編集] 楽曲

オーケストラを用いた協奏曲調のもの、管楽器弦楽器鍵盤楽器の音色を巧みにアンサンブルさせた室内楽調のもの、『カウボーイビバップ』で披露したジャズ調のもの、電子楽器やブレイクビーツを多用したもの、ジョイスのバンドを起用したMPB調のもの、果てはハードロック調、プログレ調、AOR調、各大陸の民族音楽など、幅広い曲調を使い分ける。またジャズに絞ってもジャンルは多岐に渡り、コンボ、ビッグバンドフュージョン調、果ては電化マイルス調の作品まで見られる。ただし、本人の嗜好としては「ジャズはあまり好きではない」とのこと[3]。加えてクラブミュージックに見られる繰り返しの多いミニマルな展開やキックの4つ打ちもあまり好きではないが、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』では作品世界を意識した結果4つ打ちを取り入れた旨を、脚本で作品に参加した佐藤大が語っている。本人はピアノを始めとした鍵盤楽器全般を弾きこなす一方、シンセサイザー打ち込みの音作りに関しては本人のイメージする音を口頭で伝えた上でマニピュレーターが作り出すという共同作業の様子がインタビューで語られている[4]。また、ギターの今堀恒雄、ベースの渡辺等などに代表されるアドリブに強いジャズやフュージョン系のスタジオミュージシャンを古くからレコーディングに起用している。特にベースはアドリブと見られるフレーズが楽曲全体を通して頓に見受けられる上、楽器自体もフレットレスベースコントラバス坂本真綾の『奇跡の海』などにおけるEUBなど多岐にわたっている。多くのジャンルを扱うため、器用貧乏と言われ傷ついた事もあるというが、「器用貧乏も10年続けるとゴールデン器用(または金の小手先)に変わるのだ。何でもできて文句あっか?!」と或る意味自虐的に語っている[5]

アンサンブルを駆使する手腕と共に『WOLF'S RAIN』のサントラにおいて、東京で録音し完成していたバンド編成のオケを、アメリカのスタジオ作業中にふと聞いた印象で、ボーカルのアコースティック・ギター一本の弾き語りに差し替えるといった自由さも兼ね備えている。このエピソードはボーカルのスティーブ・コンテのウェブサイトの日記中[6]に語られているが、コンテ自身、ジャズギターの学校を卒業しているとはいえ、既に完成したオケを破棄し弾き語りに差し替えた事に相当驚いたと語っている。

ボーカル曲を好んで作る。また、ボーカル曲、非ボーカル曲を問わずテンション・ノートトライ・トーンも用いたコーラスワークを多用しており(坂本真綾『指輪』など)、シンセパッドの様にコード感を出したり、ストリングスブラスの様にオブリガートに使うことで、曲に独特の風合いをもたらしている(かなりの曲中に見られる)。ボーカル曲の間奏にギターソロを置かずコーラスワークを聞かせるケースも多く見られる(坂本真綾『走る』など)。

作曲以外にも、『カウボーイビバップ』の「3.14」や『オーバン・スターレーサーズ』の主題歌「CHANCE TO SHINE」(岩里祐穂との共作)など、少数ではあるが菅野よう子名義での作詞も手掛けており、ボーカル曲(東京電力CM曲『でんこの日時計』など)もある。

1999年に放送された『∀ガンダム』の作曲を担当した際、総監督の富野由悠季から「男性と女性の裏に秘められた、その、レズとかホモとか、そういう危うさも含んだところでの、あの、遺伝子が暗躍する感じの曲」を作るよう注文され、どういう曲なのか非常に悩んだというエピソードがある。

菅野がゲスト出演した『林原めぐみのHeartful Station』において「楽曲から想像される切れ者的な印象とは大変な落差がある」という内容のトークが展開されたことがある。ちなみに、普段の話し声はややアニメ声。話していると時折一人称が「オレ」になる事がある。『カウボーイビバップ』のエドは菅野がモデルになっているという。

[編集] 評価

現代ジャズ/フュージョン界の第一人者で、グラミー受賞アーティストのパット・メセニーは自身のアルバムのプロモーションのインタビュー中、前後の脈絡無く唐突に菅野の楽曲に好意的なメッセージを残している[7]。歌手のMIKAは、世界中で一番好きなアレンジャーやプロデューサーとして彼女の名前を挙げている[8]

青土社で『特集菅野よう子 ユリイカ詩と批評 2009年8月号』が刊行される。

[編集] Gabriela Robin

ボーカル曲の歌い手としてGabriela Robinという女性歌手が頻繁に参加しており、その正体が菅野ではないかと取沙汰された。多数の楽曲の作詞者としてもこの人物名がクレジットされている。作詞者としては比較的文法などから自由な日本語、英語などを駆使して詞を綴る。変わったところではあたかも仏語であるかのように書かれた日本語詞があり(多田葵『Wo qui non coin』)、菅野よう子はこれをハナモゲラと呼んでいる。

通常、コンサートでは坂本真綾Origaが代役を務めていたが、2009年7月7日のコンサート「超時空七夕ソニック」において、Gabriela Robinが聴衆の前で歌うことを事前に告知したうえ[9]、ワルシャワ・フィルの指揮台を降りた菅野がそのままRobin名義「Moon」を歌いあげた。このことは、事実上菅野本人がRobinと同一人物であることをカミングアウトしたと言える。

[編集] 作品

[編集] アニメ

[編集] 音楽担当

[編集] 主題歌・挿入歌

(音楽を担当した作品を除く)

[編集] 声優として参加

  • Genius Party Beyond 『次元爆弾』(2008年) - クウ役

[編集] ゲーム

[編集] 実写映画

[編集] テレビドラマ

[編集] CM

500本以上の楽曲を手がけており、現在でも多くの作品が放映されている。菅野本人は1000本以上とも語っている。ただし数えた事は無いという。採用企業の中で代表的なものを以下に挙げる。

コスモ石油日本石油東京電力東京メトロシャープマイクロソフトカシオパイオニア日立製作所富士通富士ゼロックス富士フイルムキヤノンインテルトヨタ自動車日産自動車本田技研工業富士重工ヤマハ発動機ダイムラー・クライスラー日本IBMアサヒビールキリンビールキリンビバレッジサッポロビールサントリーコカコーラ資生堂ポーラ化粧品カネボウコーセーみずほ銀行UFJ銀行森永製菓明治製菓グリコJ-PHONEボーダフォンNTT DoCoMoKDDIほっともっとミヤギテレビ

[編集] その他

  • 遊佐未森渋谷パルコ劇場で行われた『6Episodes』コンサートにおいて、ヴァイオリニスト中西俊博をコンマスとして編成された中西俊博室内管弦楽団にピアノで参加。(1990年)
  • 中西俊博オリジナルソロアルバム1990年『In The Pocket』、1991年『Walkin' in Paris』、1992年『Sailling On Strings』(すべてFOR LIFEレコード)にピアノや編曲で参加。1990年の中西氏のコンサート(於:FM東京ホール)にもピアノ・キーボードで参加している。この数年間、中西氏のJAZZクラブでのライブにも出現し、生ピアノだけでなく、MacintoshをMIDI楽器として併用したパフォーマンスを披露していた。
  • 米米CLUB『ICTL no.2/K2C Produce』(1992年、テレビドラマ「素顔のままで」サウンドトラック)
    • 「愛してるのに (Piano Version)」の編曲を担当。
  • NHKスペシャル 中国~12億人の改革開放1994年
  • 今井美樹のアルバム『Love Of My Life』およびコンサートのサウンドプロデュース(1995年
  • 井上陽水『エンジの雨』の編曲(アルバム『九段』、1998年
  • 坂本真綾の楽曲プロデュース(1996年2003年
  • Crystal Kay 『Eternal Memories』, 『Good Morning Sue』の作編曲
    • 『Eternal Memories』は1998年にサントリーのビタミンウォーターのCM曲として採用され、同年の三木鶏郎広告音楽賞を受賞した。その後1999年7月に同タイトルのデビューシングルとしてリリースされた。
    • 『Good Morning Sue』は味の素のクノールカップスープのCM曲として使用され、3枚目のシングル『こみちの花』のカップリング曲として収録された。
  • T.M.Revolutionのセルフカバーアルバム『UNDER:COVER』内のTHUNDERBIRDの編曲。(2006年
    • 同年に行われたT.M.Revolutionの日本武道館でのライブでは、ゲストピアニストとして出演した。
  • Say Hello! あのこによろしく。(2006年、サウンドトラックは配信限定)
  • 湯川潮音『木漏れび』(ミニアルバム『雪のワルツ』、2007年
    • キヤノンのデジタルビデオカメラのCM曲として使用された。
  • 『CMようこ(オフィシャルTV-CMワーク集)』(2007年、配信限定。2008年、CDリリース)
  • 元ちとせ『恵みの雨』(オムニバスアルバム『image7』、2008年)
    • P&GのH&SシャンプーのCM曲として使用された。
  • SMAP『Jazz』(『super.modern.artistic.performance』、2008年)
    • 作曲提供。

[編集] オリジナル作品

[編集] 受賞

  • 広告音楽大賞競技会金賞受賞
  • 三木鶏郎広告音楽賞(1998年サントリービタミンウォーター)
  • 第13回日本ゴールドディスク大賞 アニメーション・オブ・ザ・イヤー - COWBOY BEBOP オリジナルサウンドトラック
  • 東京アニメアワードアニメーション・オブ・ザ・イヤー音楽賞 - 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX (2003年)、劇場版アクエリオン(2008年)、マクロスF(2009年)
  • 2008年度JASRAC賞銀賞(創聖のアクエリオン

[編集] 脚注

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  1. ^ 『ミュージック・マガジン』2009年7月号
  2. ^ bounce.com (2005年5月24日). "ミュージカル・ジャーニー第5回 - 作曲家菅野よう子という不思議な世界 Part 2". 2008年8月8日 閲覧。
  3. ^ bounce.com (2005年4月27日). "ミュージカル・ジャーニー第4回 - 作曲家菅野よう子という不思議な世界 Part 1". 2008年8月8日 閲覧。
  4. ^ カウボーイビバップ公式HP (2002年). "COWBOY BEBOP「 天国の扉 - Knockin' on heaven's door 」 菅野よう子×ツッチー対談". 2008年8月8日 閲覧。
  5. ^ edition GASPARD, inc. (2002年). "アーティストPR 渡辺等". 2008年8月8日 閲覧。
  6. ^ Behind The Music: The Solo Version Of "Could You Bite The Hand?" From Wolf's Rain.
  7. ^週刊ヤングジャンプ』2005年2月誌より
  8. ^ ロッキング・オン2007年7月号
  9. ^ コンサートパンフレット『超時空七夕ソニック』「Interview with Gabriela Robin」(2009年7月7日)。「でも今年に入って星が巡り、時の輪が接したことを感じて、みなさんの前に出て歌うこと、つまりはみなさんと波動を共有することに決めたの。」

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク