北朝鮮核問題

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南アフリカ [編集][ノート]

北朝鮮核問題(きたちょうせん かくもんだい)とは、北朝鮮の核に関するアメリカ日本韓国を中心とした国々並びに国連安全保障理事会国際原子力機関 (IAEA) 、朝鮮半島エネルギー開発機構 (KEDO) と北朝鮮との間の問題である。

以前は北朝鮮が大量破壊兵器の一つである核兵器を秘密裏に製造しているのではないかとの懸念があり、北朝鮮核開発疑惑(きたちょうせん かくかいはつ ぎわく)とも呼ばれており、各国が北朝鮮の核の平和利用を含めた核開発放棄などをすべく交渉を続けてきた。現在では北朝鮮が公式に核兵器保有宣言をし、2006年と2009年に核実験が実施されたため、疑惑という呼び方は使われない。これらの核実験により、東アジアの情勢は軍事的にもドラスティックに流動化しうる局面へと突入したと見られている。

目次

[編集] 概略

北朝鮮ミサイルの攻撃範囲

北朝鮮の核兵器開発に関しては現在のところ、北朝鮮自身による確実な情報が公開されているわけではないので、全て推測によってしか判断出来ない。本節では北朝鮮以外の国々で行われている推測の概略を示す。

北朝鮮は2006年10月9日2009年5月25日に地下核実験を実施し、2006年には公式に核兵器の保有を宣言をしていることから、一般的には北朝鮮は原子爆弾を保有したと認識されている[要出典]

2006年の核実験実施もあり、原子爆弾を小型化する技術についても見解は分かれるが、一般的には北朝鮮は140回程度の高爆実験により、原子爆弾の小型化の基準である1000kgの壁を突破しているとみられ、ミサイルに搭載できる初歩的な原爆弾頭を作れる、といわれている[要出典]。一説にはミサイル弾頭用のウラン爆縮原爆の設計図がパキスタンから北朝鮮に入っているとするものもある。広島型原爆のリトルボーイや長崎型原爆のファットマンの大きさから北朝鮮の原爆はミサイルに載らないとする説もあるが、当時の原爆は技術的不安が多く、計算よりもかなり多い爆薬をつかっており、構造も頑丈にしているため、重いものとなっており、核兵器に関する既存の研究も多く技術的背景も違う現在の北朝鮮の核と比較する事は適切ではない。

北朝鮮が、米朝枠組み合意以前に黒鉛減速炉から核爆弾1~2個分のプルトニウムを取り出したことは、ほぼ間違いないとされている[要出典]。また2003年から行ったと見られる8000本の使用済み核燃料棒から核爆弾4個から最大13個分のプルトニウムを取り出したと見られる[要出典]。2005年の春にも黒鉛減速炉から使用済み核燃料棒を取り出し、さらに1個分取り出した可能性もある[要出典]。また、パキスタンからウラン濃縮技術の購入を試み、核爆弾1個分程度のウランを入手した可能性もある[要出典]

北朝鮮の核兵器に関しては、朝鮮半島の情勢から極めて大きな不安材料になっており、周辺諸国はその動向を注目している。

[編集] 核開発問題と軽水炉供与

[編集] 六ヵ国枠組み合意

北朝鮮が保有する原子力発電所黒鉛減速炉は、核弾頭の原料となる純度の高いプルトニウムが生成されるため、長距離弾道弾への核搭載を危惧した諸国が、米国政府を中心として、北朝鮮政府に対し核開発の放棄を促した。交渉は難航し、1994年には米国は北朝鮮の爆撃を検討し、ソウルでは市民の大規模な避難が行われるなど朝鮮半島での戦争の危機が高まった。核開発に関する交渉は緊迫し、ジミー・カーター元大統領が1994年6月に訪朝し金日成国家主席と交渉にあたった。北朝鮮政府は「黒鉛減速炉はあくまで発電用」としたため、純度の高いプルトニウムが生成されにくい発電用原子炉を提供するということで、当事者各国(米国日本韓国ロシア中国)と北朝鮮政府の間で「枠組み合意」が成立。これにより北朝鮮が黒鉛減速炉の発電をストップし、その代わり建設費の30%を日本、70%を韓国の負担とし、代替軽水炉の発電所を北朝鮮に無償で建設し、完成までの間の火力発電用の重油朝鮮半島エネルギー開発機構 (KEDO) を通じ米国が提供する事となった。北朝鮮にとっては、外交での核カードによって、発電所と重油を外国の負担で入手することができ、大きな成果をあげたことになるが、このような米国クリントン政権の外交姿勢は、北朝鮮に甘すぎる対応だったとして、後に米国内でも批判を受けることになる。この後、1994年7月に突然、金日成が死去し、金正日体制のもと、北朝鮮は食糧危機が深刻になるなど混乱を深めたとも言われる。

[編集] 代替軽水炉工事開始の遅れ

代替軽水炉の建設は最初の1基を2003年までに稼動するとの合意であった。しかし、KEDOが建設する軽水炉の型が韓国型と言う事に対し、北朝鮮が猛反発を行う。また北朝鮮政府は労働者に対する賃金の上乗せを要求した。この要求により、日本や韓国は予算編成の見直しを迫られ、また、原子炉の形式の調整に手間取り、工期のズレ、つまり1基目の完成時期のズレが4年にも及ぶ事となった。これに対し、米国政府は4年間の重油供給の延長を行う事となっていたよ。

[編集] IAEAの査察拒否とKEDO

[編集] 代替軽水炉への査察保留

代替炉の軽水炉に対し、IAEAでは軽水炉組み立て前からの部品の査察を行うことが義務つけられている。これに要する期間は稼動前の4年間であり、実質は軽水炉本体の建設開始からの査察になる。枠組み合意ですでにこの査察が調印されていたにもかかわらず、北朝鮮政府はこの査察の開始に対し保留を続けた。つまり、IAEAの査察が行えない状態に陥り、原子炉の設置そのものの続行が不可能となったわけである。 米国政府はこの態度に反発し、長期化するようであれば原油の供給停止もやむなしと決めた。

[編集] 破られた枠組み合意

施設の建設途中、2002年10月4日、北朝鮮を訪問したケリー米大統領特使に対し、「核爆弾(ウラン型核爆弾の事)の保有を行うためのウラン濃縮計画(ウラン高濃縮計画)を持っている」との発言を行ったため、米国並びにKEDOはこれに反発、高濃縮ウラン計画の撤廃が具体的に示されるまでの間と言う期間を設けた上で、代替炉の建設並びに重油の提供をストップし現在に至っている。先の枠組み合意では核兵器の開発放棄を合意しており、この発言は枠組み合意を北朝鮮自ら破った形となったわけである。

[編集] 保障措置協定違反と再燃する核所有疑惑

北朝鮮はこの処置に対し、IAEA査察チームを国外退去させた上、IAEAの監視カメラも全て目隠しした上で黒鉛減速炉での発電を再開させ、IAEAを脱退した。 これにより、IAEA理事会が北朝鮮の保障措置協定違反を認定し、国連安全保障理事会に報告。国連安全保障理事会、IAEAなどは核兵器の開発計画を放棄するよう求めたが聞き入れられず、2003年には北朝鮮政府は8000本あまりの使用済み核燃料の再処理を完了したと発表した。再処理を行う際には使用済み核燃料から廃棄物として、必ずプルトニウムを分離する必要があるため、プルトニウムの抽出疑惑を北朝鮮は事実上、公にした。

[編集] 核兵器保有宣言と六ヶ国協議の継続

2003年11月に、KEDO理事会は軽水炉の建設を2004年10月まで停止することを決めた。しかし、当事者である北朝鮮と核開発を懸念した5カ国(中国、米国、日本、ロシア、韓国)の間で、現在「北朝鮮の核開発に関しての査察」について協議している(6カ国協議)。

しかし2005年2月10日に北朝鮮政府は6カ国協議の中止と、核拡散防止条約 (NPT) からの脱退、さらに核兵器保有宣言を行った。北朝鮮一流の瀬戸際外交との見方も強いが、これによって北朝鮮核問題が新たな局面を迎えたとも言える。その後北朝鮮への五ヶ国による協議復活への説得が続けられ協議は再開したが、今のところ核開発計画を断念する気配は見せていない。日本は核開発放棄以外、北朝鮮との重要問題である日本人拉致問題も6カ国協議に加えているが、中・韓・朝・露は拉致問題を持ちこむことに対して後ろ向きの姿勢を見せている。しかし、日米は核問題と人権問題(日本人拉致問題含)で連携することを確認した。また米政府、デトラニ・6カ国協議担当特使は、拉致問題の解決が北朝鮮の国際テロ支援国家指定を解除する条件と述べた。第4回協議で採択した共同声明履行のため、日米は人権問題の作業部会の設置を検討している。

KEDOは2005年11月22日、ニューヨークで理事会を開き、軽水炉建設事業を廃止することで合意した。これを受け、北朝鮮は朝鮮中央通信を通じ同年12月20日、「ブッシュ政権はわが国に対する軽水炉提供を放棄した」と米国を非難、「わが国は5万キロワットと20万キロワットの黒鉛減速炉と関連施設により、独自の原子力工業を積極的に発展させる」とし、また、軽水炉についても「いずれ独自の開発で建設する」と発表して、年間に核兵器50発分のPuを生産できる大型黒鉛炉の建設再開と、軽水炉建設によって、自衛力強化を図る意向を表明した。米国務省スポークスマン、ジャスティン・ヒギンズ (Justin Higgins) は、核開発事業の廃止と核兵器開発の断念を要求している。

[編集] 2006年核実験とブッシュ政権の妥協

[編集] 北朝鮮核実験とその波紋

2006年10月に北朝鮮は予告していた核実験を強行した。事前の中国への通告では「4kt(広島は20kt)の放射能漏洩のない核実験を行う」と言う通告であったが、各国の計測によれ核爆発の規模は0.8ktであった。通常の示威的核実験に比べるとあまりにも小さい爆発力であったので「核実験ではなく爆薬だったのではないか?」「過早爆発で失敗した?」「4ktという事前通知なので一足飛びにミサイル用ミニニュークの実験に挑んだのではないか?過早爆発は事実だろうが設計4ktで実出力0.8ktなら部分的成功」など様々な憶測を呼んだ。

米国国連大使ジョン・ボルトン等は安保理で北朝鮮武力制裁決議を提出したが、中国・ロシアの反対で可決しなかった。米国は核兵器の移転を防ぐため日本と共同で北朝鮮に入出航する船舶の臨検をしようとしたが、日本の法律では海上自衛隊は「公海臨検で停船命令は出来ず、停船依頼を無視されても危害射撃はできない」という法整備の遅れが露見して臨検の話は急速に萎んでいった。当時の日本の首相安倍晋三は就任早々訪中・訪韓して善後策を協議したが、当時の韓国大統領盧武鉉は親朝的な太陽政策の推進者であったため、危急の折であったにもかかわらず日韓歴史認識問題に話題を限定して北朝鮮核実験善後策協議を拒否した。 米国防総省は核実験直後に、トマホーク巡航ミサイルで寧辺再処理施設を破壊する案をブッシュ大統領に提案したが採用されなかった。 尚、北朝鮮は2005年に50MW黒鉛炉(寧辺)200MW黒鉛炉(秦川)の建設再開を各国に通知したが、核実験後、米国で核施設攻撃破壊論が浮上したため建設を再度中断している。 一方で2006年秋、日本では麻生太郎外相と中川昭一政調会長は「核武装を含めた日本の安保政策見直し議論」を提唱、コンドリーザ・ライス国務長官は来日して「米国は日本を核の傘で守る」と強調し日本核武装論沈静化に躍起となる一幕もあった(核武装論 参照)。

[編集] 2006年米中間選挙共和党敗北とブッシュ政権の変節

北朝鮮が行った核実験の以前から、ドナルド・ラムズフェルド国防長官らネオコンが多かったブッシュ政権の対北朝鮮要求は、下記の「5施設」に対する「検証可能な後戻りできない解体」であった(これは1994年の枠組み合意が破られたあと、北朝鮮が核施設を再稼動したことによる)。

  • 1)稼動中の老朽化した5MW黒鉛炉(年間核兵器1個分のPu生産)
  • 2)核燃料製造設備
  • 3)再処理施設x2ライン
  • 4)建設中断中の寧辺50MW黒鉛炉(年間核兵器10個分のPu生産)
  • 5)建設中断中の秦川200MW黒鉛炉(年間核兵器40個分のPu生産)

しかし、イラク戦争での死傷者が続出したことや開戦理由だったイラクの大量破壊兵器開発が誤りだったことが判明したため、国民の反発を受けてアメリカ共和党は上下両院で米民主党に多数を奪還された。そのためブッシュ政権ではイラク戦争を推進してきたネオコンが次々に辞職に追い込まれ、北朝鮮に対して大幅に妥協し、実質はなくても形式的に「対話による核廃棄」を妥結させて政権浮揚材料にしようとするコンドリーザ・ライス国務長官の勢力が主導権を握った。

2006年12月から2007年2月が葛藤の時期であった。2007年1月にクリントン政権で国防長官であったウィリアム・ペリーは米下院外交委員会で下記の発言を行った

  • 「北朝鮮は寧辺に50MW黒鉛炉を建設中で此れが完成すると極めて危険である。まず中韓からの北朝鮮支援を絶つべきだが、それでも効果がない場合、(ソウル報復砲撃等)不測の事態覚悟で、大型原子炉を空爆破壊することも検討すべき」

2007年2月に国防総省は在韓米空軍基地にF-117 (航空機)を嘉手納にF-22 (戦闘機)などステルスを進出させた。 2007年2月にブッシュ政権は方針転換を発表、同年3月クリストファー・ヒル国務次官補と金桂冠外務次官が合意したが、その内容はブッシュ政権の当初の主張内容から著しく後退したものであった。すなわち下記の通りである。

  • A)「検証可能な後戻りできない解体」は北朝鮮に拒否され「(1年程度で再稼動可能な)無力化」に変更された
  • B)上記4)5)建設中の50MW/200MW黒鉛炉は無力化対象からも外された
  • C)北朝鮮は2007年6月までに1)の5MW黒鉛炉を停止する代わりに、韓国が重油5万tの提供を同時に行う(米国は金融制裁は解除の方向と発言)。
  • D) 北朝鮮は1)2)3)を無力化し、ウラン原爆計画を含む核開発計画の全貌を申告する代わり、5カ国は重油95万tを援助する

全般的にブッシュ政権は「対話による北朝鮮核廃棄を実現した」と国内に宣伝して政権浮揚を図れる「名」を取る事ができ、北朝鮮側は米軍による核施設空爆破壊も、詰め腹を切らされる形での核施設自主解体も免れて核施設を温存でき、重油100万tを援助として手に入れた「実」を取った形となった。北朝鮮核問題に於いて日韓の安全保障に非常に重要であった「北朝鮮核施設の解体」と「ミサイルの解体」は全く蔑ろにされた形での決着となった。

韓国は米軍による北朝鮮核施設空爆が38度線の北朝鮮砲兵によるソウルへの報復砲撃を招く恐れがあるため、北朝鮮核施設空爆のためにはソウル市民の避難等の大決断が必要であったが、2007年夏まで反日米・親北朝鮮政策の盧武鉉が大統領の地位にあったので、ソウル市民を避難させての空爆など思いもよらぬ状態であった。

日本では2006年核実験から2007年夏までは安倍晋三首相、麻生太郎外相体制であったが、支持率の低下にともない、主婦層集票の意図から拉致問題に傾斜するようになった。米国が北朝鮮の大型黒鉛炉解体やミサイル解体など日本の安全保障上重要な問題について実質的に何の解決もしないまま、北朝鮮と手打ちをしたことには何も抗議せず、核問題を話し合う場である6カ国協議において「拉致問題解決までは北朝鮮のテロ支援国家指定解除は行わないで欲しい」と自民党の集票の都合を繰り返すばかりであった。

また、米国のこのような方針に反発したのか、2007年5-6月麻生太郎外相と久間章生防衛相は、当時イラク戦争処理問題で苦境にあったブッシュ政権に対して、イラク戦争批判を行った。しかし、報復にブッシュ大統領、ディック・チェイニー副大統領から面談拒否され、(外相/防相)2プラス2会談の日程も決まらなくなるに及んで両人は陳謝した。2プラス2会談で両人は「米国の核の傘は有効(つまり日本核武装も米国による北朝鮮核施設空爆も不要)と認めます」と宣言させられて帰国し、日本の「核議論」は旗を揚げた当人によって幕引きされた形となった。

2008年現在、北朝鮮の核廃棄を象徴する政治ショーとして寧辺の老朽5MW黒鉛炉の蒸気冷却塔が爆破されたが、50MW炉、200MW炉も200基のノドン弾道弾も今のところ何も爆破/解体される予定はない。日本が核問題に優先して「拉致解決まで北朝鮮のテロ支援国家指定解除は待って欲しい」とブッシュ政権に頼んだ拉致問題も「拉致問題は忘れない」というライス長官の外交辞令と言える発言とともに、北朝鮮のテロ支援国家指定は解除されつつあるようにみえたが、大統領令によって国際緊急事態経済権限法が発動されたため、これらの制裁は大統領令が有効な間は継続される。また、米国財務省報道官は、「マネーロンダリング・違法金融・核拡散を防止するための金融制裁」を継続することを発表し、報道官は「まだ北朝鮮が国際金融システムへアクセスすることは認められない」と指摘しているため、今回は米国による対北制裁の主導権が国務省から財務省へ移っただけの形になっただけと言える。

尚、テロ支援国家指定解除になると北朝鮮はアジア開発銀行の融資対象となるため、朝銀信用組合問題類似の融資資金の核開発への不正転用問題の発生が懸念されているが、前述のとおり米国財務省によって国際金融システムへのアクセスが遮断されているために一切のドル決済ができないので(北朝鮮の資金の送金に関わった銀行は米国財務省の制裁対象になるため)、これは杞憂と言える。

[編集] 周辺国への核の脅威

現在、北朝鮮が保有しているとされる中距離弾道ミサイルは数種類あり、射程は1000km~4000kmほどあるといわれ日本全土が射程内に入る。また、射程6700km以上とも言われるミサイル(テポドン2)も開発中であるとされ、もしこれらのミサイルに核弾頭を 搭載すれば周辺諸国はもとより北アメリカ大陸の米国の州、アラスカまでミサイルでの核攻撃が可能となる。また、北朝鮮は外貨獲得の為、ミサイル関連技術を他国へ輸出しており、大量破壊兵器の拡散に繋がらないかと各国から懸念されている。

  • 1.ミサイル装着可能な小型核弾頭
  • 北朝鮮の核兵器小型化技術水準については下記のように非常に見解が分かれている。しかしいずれにせよ、日本に届くノドン弾道弾100-200基に化学兵器弾頭をつけて発射する能力は既に持っていると看做されている。
    • 1)核実験自体失敗しており、航空用核爆弾すらもっていないと言う見解
      • 根拠としては2006年の核実験が0.8キロトンだったので過早爆発(原子爆弾参照)だったとの見方
    • 2)航空用核爆弾を10個前後持っているだろうと言う見解
      • 根拠としては1994年にCIAが「CIAは北朝鮮が大型で原始的な核爆弾を持っていると51%信じている」と言う報告を行ったことと、1998年のパキスタンとの共同核実験疑惑。2006年の北朝鮮による核実験。
    • 3)日本に届くノドン弾道弾に搭載可能な小型核弾頭を最大20個前後保有しており、現在東京を核攻撃できる能力がある他、航空用核爆弾数個持っていると言う観測
      • 北朝鮮が1994年時点でCIAの言う様に大型核爆弾を持っていたなら12年後2006年には小型核弾頭を開発完了していて当然である。1994年に作動試験の済んでいない核爆弾1-2個持っていて、パキスタンの核実験の一部が大型核兵器の作動信頼性を確かめる北朝鮮の委託実験で、2006年にミサイルにつめる核を実験した可能性もある。
      • また、過去はプルトニウム5-7kgないと核爆弾は作れないと言われていたが、最近1.5-3kgでも爆発力の小さな核爆弾(ミニニューク)を作れるという事が一般に知られるようになった(核兵器専門家トーマス・コクラン博士らが、最新の技術を検討、核爆弾製造可能量を計算し直した結果、プルトニウム1キロで核爆弾製造が可能。多くの国が持つ中程度の技術でも、1.5キロで核爆弾が製造できることが明らかになったとのこと)。実際広島は確実な作動を目指して核物質を多めに遣っているので爆発力16キロトン前後だったが、北朝鮮が中国に事前通知した2006年核実験の設計計画爆発力は僅か4キロトンであったが、核物質を限界まで節約して一足飛びに高度なミニニュークに挑んだ可能性がある。少なくとも0.8キロトンとの実験結果だけ聞いて侮るのは早計。設計4キロトンで実験結果が0.8キロトンなら過早爆発が起き核分裂が不完全だった可能性が高いとはいえ、初回にしては部分的成功といえ、データー収集した以上、次回は既に相当な作動信頼性のある小型核兵器を作れる可能性が高い。
      • ミニニューク記事
      • 2004年2月27日、ニューヨークタイムズは「パキスタンの核実験の際、アメリカの偵察航空機が空中のサンプルを採取し、大気中から当時のパキスタンの核開発には存在しないと考えれるプルトニウムを検出。北朝鮮のプルトニウム型原爆を、パキスタン国内で爆発実験した疑いがある」と報じた。2006年の核実験において、北朝鮮は高度なミニニュークに挑戦した疑いがあるが、通常、高度な実験を行うには基本となる核実験が求められる事から、事件の疑惑を深めるものとなっている。[1]
      • 2008年6月 ワシントンポストは「核の闇市場関係者のスイス人が逮捕され、そのPCにミサイル用核弾頭の設計図が入っており北朝鮮にその設計図が流れた可能性がある」と報じ[2]、朝日新聞は「北は核実験に使われたPuは2kgと申告した(ミニニュークと申告した)」と報じた。[3]
      • 米国の調査機関ISISは「北朝鮮は3発のノドンミサイル用核弾頭と数個の核爆弾を持っている可能性が高い」(=東京核攻撃も可能かもしれないと言うこと)と発表している
      • 北朝鮮は(東京に届くノドンミサイルに搭載できる)小型核弾頭3発持っている可能性があるとのISISの報告書[4]
      • 2009年3月10日、米国防情報局が上院軍事委員会に提出した書面で、弾道ミサイルに搭載可能な核弾頭の小型化技術獲得に成功した可能性があるとの見方を示した。[1]
      • 2009年3月31日、核爆弾の小型化に成功し、ノドンミサイルに搭載できるまでになり、北朝鮮北部の地下施設で保存しているという情報を米韓情報当局が得ていることが明らかになった。[2]
  • 2.核物質の現有量と建設中のプルトニウム量産用大型原子炉
    • 現在までに実験用5メガワット黒鉛炉で作った核物質はプルトニウム50kg(10-20個分)で衆目が一致している。この古い5メガワット黒鉛炉は無力化対象だが、建設が途中まで進んでいる50メガワット炉と200メガワット炉は2007年合意では何故か『無力化対象外』にされてしまった上、此れが完成すれば、年間55個、4-5年で220個のペースで核兵器を量産できるとの事である。
    • 建設中の5万キロワット・20万キロワット大型炉の核兵器量産能力、核爆弾年産55個についての原水禁の解説記事[5]
    • 肝心の大型原子炉が結局解体どころか、無力化もされなかったことで2007年合意は「話し合い解決したことにして問題先送りしたいブッシュ政権」と「大型原子炉空爆破壊も自主的解体も免れたい金正日」の仕組んだ茶番劇との見方もある。

[編集] 北朝鮮核問題への各国の反応

北朝鮮核問題についての日米韓の利害は微妙にズレがあり、三国の足並みの乱れの一因となっている。米韓にとって日本を狙うノドン弾道弾200基は対岸の火事であり、日本にとって第二次朝鮮戦争の危険は対岸の火事という状況。

  • 米国・・主たる懸念は核テロリストによる米本土大都市攻撃
  • 米ソ核相互抑止時代の印象が強烈なため核の防衛策と言うと一般には核抑止を思い浮かべるが、実は核抑止は常に成立するものではない。奇妙な事だが都市なき反米テロリストからの核攻撃は、抑止不成立ケースに該当し、世界最強の米国の報復核戦力をもってしても抑止できない。なぜならソ連の場合は報復されたら困る都市があったが、テロリストには報復攻撃されて困る都市はないためで、テロリストの核や敗亡寸前の国家の核や貧しい分断国家の核には抑止と言うブレーキが効かないといわれている。
    • そのため、日本人が考える以上に、9.11を経験した米国人は核がテロリストの手に渡るのを何より恐れている
    • 一方北朝鮮のミサイルは日本には届くが米国には未だ届かないので日本にとって死活問題のノドンミサイル200基の解体や核量産大型黒鉛炉の解体は米国は「対岸の火事視」しているところがあり、拉致問題にいたっては米民主党支持者から見れば「大したことではないし、核問題の席で話し合うべき問題ではない。日本人数千万人の生死のかかった国家間の核問題の席で十数人の拉致問題を持ち出すのは不真面目ではないのか?」という意見があるのも仕方ないと思われる。
    • 対話が決裂した場合に次のステップとなる核施設限定空爆については、ソウル砲撃や第二次朝鮮戦争など不慮の事態を招く懸念から、日韓から頼まれなければやる方向にない。地上軍の派遣はさらに論外との論調が多い
  • 日本・・主たる懸念はノドン弾道弾320基による核攻撃
    • テロリストに核が渡ることより、日本を狙うノドンミサイル320基の解体と、ノドン320基を数年で全部核付きにできる能力のある建設中の大型黒鉛炉(50MW/200MW)の解体が国民保護上の最優先課題。弾道弾は実際上はほとんど防げない。韓国と違い核施設空爆が引き金で第二次朝鮮戦争が始まりかねない懸念についてはやや対岸の火事視しているところがある。自国の安保のことなのに米国が何とかしてくれると言う甘い他力本願の意見が依然として多い状況。
  • 韓国・・主たる懸念は第二次朝鮮戦争(核戦争の可能性を含む)
    • 北朝鮮にあまりにも近いため、航空核爆弾がミサイルに悪化するかどうかよりも核爆弾の激増の阻止。現有核爆弾の解体に関心がある。ただし北朝鮮の核量産施設への攻撃は第二次朝鮮戦争やソウルへの報復砲撃を招きかねないために、日本より慎重姿勢。目先の通常戦争やソウル砲撃を恐れるあまり、北朝鮮の核武装を許し、将来の核戦争を招き寄せている傾向がある。
    • 下記記事の出典は

朝日新聞主催94年危機当時の担当者によるシンポジウム

[編集] 韓国

  • 政治潮流
    • 韓国の政治潮流は過去の軍事政権の流れを汲む右派ハンナラ党と左派民主運動勢力の流れを汲む「開かれたウリ」党系にわかれ、左派は北朝鮮との対話路線を主張し、右派は米国との同盟強化を志向している。
  • 1994年第一次危機で露呈したソウル砲撃に対する韓国の脆弱性
    • 1994年の第一次危機に於いて、米国ビル・クリントン政権・ペリー国防長官は核施設の空爆破壊を主張したが、北朝鮮は「米国の核施設空爆には、38度線からの砲撃でソウルを火の海とすることで報復する」と示唆して韓国の金泳三政権を恫喝した。驚いた金泳三大統領は訪米して空爆中止を要請した。結局、クリントン政権はカーター元大統領を派遣して対話路線に転換。枠組み合意にいたった。
  • 民族主義左派政権による韓国外交の迷走
    • 金大中政権の後継のノムヒョン政権は、北朝鮮問題の平和的な解決を優先した。北朝鮮の核実験により韓国では北朝鮮による赤化統一の脅威が現実のものとなった。北朝鮮に対して宥和的な太陽政策の誤りを同大統領は認めず、北朝鮮の軍事的脅威も認めず、民族主義的、西側同盟離脱的姿勢も大きくは変えていない。そのため実質的に対北朝鮮で日米韓が共同歩調で強硬姿勢を取るのは2007年秋の大統領選でハンナラ党の大統領候補が当選しない限り無理な状況にある(但し日本が分裂国家であった場合、南日本が北日本と日本人同士で殺し合いができるか?という事を考えないと、韓国の北朝鮮への同胞感情と警戒不足を理解できない)。
  • 韓国の同意がなければ核施設の空爆破壊ができない
    • 北朝鮮の核問題の武力による強制解決、つまり核施設の空爆破壊は「韓国がソウルへの報復砲撃の受忍を覚悟して、ソウル市民を避難させ、日韓のほうから北朝鮮核施設空爆を米国に陳情しない限り、米国の勝手では実行できない事」および「韓国左派政権はソウルへの報復攻撃への恐怖から核施設空爆に反対してきた一方、北朝鮮核武装完了後の韓国軍への核攻撃と南侵の可能性からは目をそむけ続けてきたこと」が、歴代米政権が北朝鮮に宥和的姿勢をとらざるを得なかった大原因のひとつである。

[編集] アメリカ合衆国

  • 政治潮流
    • 全般的傾向としては反共的な共和党と容共的・孤立主義的な民主党の二大政党制。安保政策的には共和党は西側同盟国を米国の外郭防衛線として軍事的に支援する立場なのに対して、民主党は基本的に東側諸国との対話路線であって軍事的には「同盟国は自分の国は自分で守れ」という孤立主義的傾向の強い政党である。しかし、ビル・クリントン政権(民主党)で北朝鮮核施設空爆を主張したペリー国防長官(当時)のような右よりの民主党関係者や、北朝鮮に宥和的で日韓への支援を絞るコンドリーザ・ライス国務長官のような左よりの共和党関係者もいるので一概には言えない。
    • 政府内では、当然のことながら国防総省は北朝鮮の核兵器生産設備の空爆破壊などの強制解体を、国務省は話し合いと合意による北朝鮮自身の手による核兵器生産設備と核兵器の自主解体を主張する傾向にある
  • 2006年北朝鮮核実験直後の共和党と民主党の非難合戦
    • 共和党の見解:1994年にビル・クリントン大統領が北朝鮮の核施設を空爆破壊していれば、北朝鮮の経済力では再建は困難であったはずだった。しかしビル・クリントンは北朝鮮に騙されて1994年の枠組み合意で核施設を空爆破壊する機会を失った挙句、北朝鮮は枠組み合意を無視して、凍結した原子炉を2002年に再稼動をはじめて、2006年の核実験を招いている。再度、北朝鮮と約束をしても破られるだけなので北朝鮮との二国間協議はすべきではなく、北朝鮮の保証人として中国・ロシアも臨席させて、北朝鮮が合意を破った場合、中国・ロシアに安保理武力制裁決議に同意させる布石にしなければ意味はないので6者協議で解決すべき。
    • 民主党の見解:北朝鮮は2002年まで枠組み合意を守る意志を見せていたのに、共和党ブッシュ大統領がウラン濃縮機材輸入で北朝鮮を責め立てすぎたのと、北朝鮮・イラクなどを悪の枢軸などと呼んだ挙句、イラクを占領したせいで、北朝鮮は対米自衛の必要性を感じ核武装のために枠組み合意を破ったので、共和党ブッシュ政権に全責任がある。その後もブッシュ政権は北朝鮮との二国間交渉を拒否したため対話ができなかった。二国間交渉に応じて対話すれば北朝鮮は核武装放棄に応じるのにブッシュが流れを止めているので、ビル・クリントン政権の対話路線に誤りはなかった。
  • 共和党ジョージ・W・ブッシュ政権の方向転換
    • 下記の要因により2007年2月に共和党ブッシュ政権はコンドリーザ・ライス国務長官主導で対北朝鮮宥和政策に大きく舵を切った。
      • 2006年秋の米中間選挙でイラク戦争への厭戦感情から民主党が米議会上下両院で多数派を占めた。
      • 右派であり対北朝鮮強硬派でもあるラムズフェルド国防長官・ボルトン国連大使などが民主党の圧力で政権から追われ、宥和的なコンドリーザ・ライス国務長官が発言力を増した。
      • 2007年1月時点でペリー元国防長官が「核施設空爆の必要性」について議会証言し、米国防総省は韓国にF-117,沖縄嘉手納基地にF-22ステルス攻撃機/戦闘機を配置して核施設空爆破壊も可能なように武力行使準備を整えた。それを見た北朝鮮側は2月に空爆阻止のため態度を軟化させ「一部核施設の無力化について米国と合意する用意がある」旨を示唆した。そのため(1994年のような偽りの合意であるかどうかは別として)話し合いによる核計画廃棄の合意を結ぶこと自体は可能となった。
      • イラク戦に疲れた米国民の声を背景に、議会多数派の民主党は北朝鮮核問題の「話し合いによる解決」を望んでいた。
      • ジョージ・W・ブッシュ政権内の強硬派と国防総省は空爆を主張したが、下記の点で話し合い合意を主張する国務省側に対抗できなかった
        • 1)北朝鮮の黒鉛炉と再処理施設を空爆すれば北朝鮮のプルトニウム原爆計画は挫折する。しかし、ウラン濃縮施設は地下に作りやすく原子炉のように大量の赤外線を放射するわけでもないから米国の偵察衛星をもってしても発見は困難で、現状は米国は北朝鮮のウラン原爆計画や施設所在地も把握していない。したがって、プルトニウム生産施設を空爆破壊したとして、怒った北朝鮮がウラン原爆の生産を始めても、米国は北朝鮮のウラン濃縮施設を空爆破壊できない。だから今は北朝鮮のウラン濃縮施設の所在地をIAEAに自己申告させることが先決である。
        • 2)イラクへの兵力一時増派などを議会多数派の民主党に飲ませるためには、(2007年合意が1994年合意のようにいずれ裏切られる偽りの合意という結果に終わっても)民主党と米世論の希望を飲み、北朝鮮核問題を話し合い解決した形にする必要がある。
        • 3)北朝鮮の核兵器生産施設を攻撃破壊するに際して、最も懸念すべき事態は、空爆に来た米軍機を北朝鮮のレーダーが捉え、北朝鮮側同盟国中国空軍の戦闘機を呼んで、北朝鮮上空で米中の空戦になってしまうことである。ただしこの偶発的米中空戦の危険は米空軍がレーダーに映りにくいステルス機で北朝鮮の核施設を空爆するか、巡航ミサイルで核施設を破壊すれば回避できると国防総省は主張している。しかしながらその方法で北朝鮮の核兵器生産施設を破壊したとしても、北朝鮮がソウルへの報復砲撃や東京へのミサイル攻撃という報復にでた場合、米国は責任を取れない。ブッシュ政権が仮に「将来北朝鮮が韓国を核恫喝によって併合して、韓国が滅亡する危険」を回避するために韓国への善意から北朝鮮の核生産施設を空爆したとしても、北朝鮮が報復にソウルを砲撃すれば盧武鉉政権はブッシュ政権を逆恨みするであろうし、米民主党はブッシュ政権を非難するであろうから、北朝鮮の核生産施設を空爆破壊する事は軍事的にはいずれ必要なことであっても、日韓の側から要請されないのにジョージ・W・ブッシュ政権がそれをやることは、ブッシュ政権にとっては致命的な貧乏くじになってしまう。
        • 4)ジョージ・W・ブッシュ政権からすれば、ソウルへの報復砲撃を招いて国内外で叩かれる火中の栗を拾ってまで、北朝鮮の核施設を空爆破壊するより、(たとえ北朝鮮の意図が空爆回避のための口先の無力化合意であって、核施設廃棄するつもりなどなく、次期米大統領になったら2002年がそうであったように核施設を再稼動するであろうと予測しているにしても)自分の代では一旦解決したことにして、次期大統領に問題を先送りしたほうがジョージ・W・ブッシュ氏自身の保身には有利である。ましてや、共和党からみれば北朝鮮に騙されて核問題の原因をつくったビル・クリントンの妻であるヒラリー・クリントンが次期大統領の最有力候補という2007年の現状なら共和党支持者から見れば尚更「ビルが北朝鮮に騙された後始末はヒラリーにやらせろ。」と言うことになる。
        • 5)北朝鮮の核開発・ミサイル開発の資金の出もとの大部分が後述するように日本と韓国なので、米国から見れば日韓が金を出して北朝鮮が作った核兵器で日韓が北朝鮮から核攻撃されても、日韓の自業自得である。

[編集] 日本

  • 政治潮流
    • 自由民主党 (日本)経世会小沢一郎氏が自民党を割って細川連立政権を作ったのが1993年であり、1994年の第一次核危機のときは、政治的混乱の真っ只中であった。当時の外相・首相を務めたのは現民主党最高顧問の羽田氏であり、彼はソウル市民の避難と核施設空爆を主張することができず、金大中に押し切られて、94年枠組み合意を支持してしまった。また、2002年秋に北朝鮮は5人の拉致被害者を返還に成功したものの、核問題と拉致問題により日朝関係は悪化した。
  • 安保不感症
    • また、残念ながら日本の政界では軍事・安全保障は「票にならない」と認識されており、政治家一般に安保問題への関心は高いとはいえない。知識を有しているのは石破茂議員・前原誠司議員など一部に限られ、軍歴・軍事知識のある議員の数が米国より圧倒的に少ない。そのため、北朝鮮核問題も日本に100-200基もの核ミサイルが向けられ数百万人から数千万人の国民生命の脅威になりかねない状況という認識が欠落しており、60年の平和に馴れたために戦争を現実の脅威として認識できず、数百万-数千万の国民生命にかかわる核問題より数十人の拉致問題が優先されかねない政治風土で、それが日本の安全保障政策を迷走させている。

[編集] 中国・ロシア

  • 北朝鮮核武装阻止の意欲は高いとはいえない。ただしロシアの場合、北朝鮮が現実に核戦力を行使すると言う事態になった場合、巡航ミサイルで基地を攻撃する計画がある。
    • 防衛省防衛研究所統括研究官の武貞氏らによれば、中国・ロシアにとってもNPTが崩壊し、日本・韓国・台湾・ベトナム・バングラデシュ・中東諸国がインド・パキスタン・北朝鮮に続いて核武装するようになれば不安定な小国の核に取り囲まれることになるので、中国・ロシアも北朝鮮の核武装を歓迎してはいない。しかし、中国にとっての第一優先は米韓軍北上と北朝鮮占領で金正日政権がイラクのフセイン政権同様に転覆され、外郭同盟国北朝鮮が米国の支配下に入ることを阻止することであり、第二優先は北朝鮮が中国から離反して米国陣営に走るのを阻止すること、第三優先は国連安保理で北朝鮮武力制裁決議に反対して、米国の北朝鮮武力制裁を阻止しつつ米中関係は良好に保ち、米国から円滑に東アジアの警察官の地位を継承すること、第四優先は米国の北朝鮮制裁に協力することで、日本がNPTを脱退して核武装に向かった場合、中国主導の対日制裁に米国も協力させる布石とすること、であって「北朝鮮の核武装阻止・非核化」自体は中国にとっては上記四目的より遥かに優先度が低いといわれる。つまり、米軍の北朝鮮への侵攻を阻止し、米国へ良い顔をするために北朝鮮を締め上げているフリはしているが、本気で締め上げた結果、北朝鮮現政権が中国から離反しても困るし、金正日政権以外に北朝鮮をまとめきれる勢力もないので、中国は同盟国である北朝鮮を本気で締め上げるつもりはないとの観測が日本では多い。

[編集] 北朝鮮の核武装の意図に対する諸観測

  • 1)韓国左派民族主義政権や日本の右派ナショナリストによる「瀬戸際政策論」
    • 北朝鮮に対する同胞意識や蔑視から、「北朝鮮は経済困難のため崩壊寸前であり、核武装計画の意図は韓国武力併合などの軍事的なものではなく、核武装をちらつかせることによって経済援助を引き出すための道具である。」と見る観測。北朝鮮が国連武力制裁決議・米地上軍の派兵による金正日体制転覆の危険を冒してまで、2006年核実験を強行したために「援助を引き出すためにそこまでの危険を冒すだろうか?」と言う疑問が浮上している。
  • 2)金正日体制維持のための核武装との観測
    • 「イラクのフセイン体制のように米地上軍によって、金正日体制を打倒されない為の自衛的核武装。韓国軍を核攻撃して南侵するためではなく、米軍が北進・上陸してきた時に核攻撃するためのもの。」と見る観測。北朝鮮が国境前線の戦車を旧式のまま放置してまで、日本を狙うノドン弾道弾を200基も買い揃えたことや、核兵器を年産数十発も生産可能な大型50MW/200MW黒鉛炉の建設を営々と継続し、解体に応じないことから、「主要在日米軍基地の数が7箇所なのに、日本を狙うミサイルを200基も配備したり、米国に届くミサイルを開発中のうえ、それらを全部核付きにできる核弾頭量産大型黒鉛炉の建設を進めるなど、実態は一般に思われているより遥かに大規模で自衛/抑止目的の小規模核戦力志向とは到底みなせないのでは?」と言う疑問が浮上している
  • 3)核恫喝による朝鮮半島赤化統一のための核武装との観測
    • 防衛省防衛研究所の武貞統括研究官らは20年間に渡る北朝鮮の核武装・ミサイル開発の努力は半島赤化統一の意思を土台にしていると分析している。「民族統一は分断国家にとっての悲願。中国軍は政治家が台湾武力併合の決断を下した場合、それが実行可能な軍事力の整備を目標にしているが、北朝鮮軍も金正日が韓国武力併合の決断を下した場合、それが実行可能な軍事力の整備を目指している。ただし、経済力・軍事予算では韓国に遥かに劣っているために、核兵器に軍事予算6000億円のうち4000億円強を集中投入し、核恫喝による韓国の併合を志向している。また赤化統一のためには米軍の韓国支援・軍事介入を跳ね除ける必要があるので、米本土に届くミサイル(および日本に届くミサイル200基)を整備し、(日)米に核ミサイルを突きつけることによって米国の半島への軍事介入を阻止しようとしている。つまり金正日は金日成の半島武力統一の野望を継承している可能性がある。万一半島赤化統一が成功した場合、日本は韓国と言う緩衝地帯を失い、核武装した統一朝鮮軍140万人と中国軍160万人が対馬海峡の対岸まで迫ってくる。陸上自衛隊は16万人、米陸軍総兵力すら45万人。半島赤化統一は日本にとって悪夢と言うほかない。」

防衛省防衛研究所 武貞主任研究官(当時)の対談記事

[編集] 核開発断念への圧力

日本側は北朝鮮に対し、2機の情報収集衛星偵察衛星)を相次いで打ち上げ上空からの監視活動を開始すると共に、北朝鮮に対し、日本国内からの送金を停止することを可能にした経済制裁法案を可決した。これらを梃子に、北朝鮮に対し核開発を断念させる為の圧力を加えている。また、米国はミサイル巡洋艦(イージス艦)などを日本海に展開し軍事的圧力を加えてる。

これとは別に、弾道弾による核から国土を防御するため、日本や米国などはミサイル防衛構想を推し進めている。

核兵器原爆)の直接的被害を受けた広島市秋葉忠利市長は、北朝鮮の核兵器保有発言に対し抗議文を出している。

2005年6月14日、国会で「防衛庁設置法等の一部を改正する法律案」が可決され、自衛隊法82条2「弾道ミサイル等に対する破壊措置」が追加された。これは、北朝鮮のミサイル攻撃への対処について法整備を行ったものである。

「我が国に飛来するおそれがある場合、防衛庁長官は首相の承認を得て部隊に対し、我が国領域または公海上空で当該ミサイルの破壊を命ずることができる(1項)
事態が急変し、首相の承認を得るいとまがない場合、事前に作成した「緊急対処要領」に従い、長官は自衛隊の部隊に対し破壊措置を命令することができる(3項)

[編集] 関連項目

[編集] 文献

  • ケネス・キノネス『北朝鮮 米国務省担当官の交渉秘録』(伊豆見元監修)、中央公論新社、2000年9月、ISBN 4120030229
    • 原著: C. Kenneth Quinones, North Korea's Nuclear Threat: "Off the Record" Memories, 1992-94
  • ケネス・キノネス『北朝鮮 2 核の秘密都市寧辺を往く』(伊豆見元監修)、中央公論新社、2003年5月、ISBN 4120033937
    • 原著: C. Kenneth Quinones, Beyond Negotiation: Implementation of the Agreed Framework
  • James Clay Moltz (Editor), Alexandre Y. Mansourov (Editor), The North Korean Nuclear Program: Security, Strategy, and New Perspectives from Russia (Library Binding), Routledge, Oct 1999, ISBN 0415923697
  • 春原剛『米朝対立 核危機の十年』日本経済新聞社、2004年9月、ISBN 4532164826
  • Victor D. Cha, David C. Kang, Nuclear North Korea: A Debate on Engagement Strategies, Columbia University Press, Sep 2003, ISBN 0231131283


[編集] 脚注

  1. ^ http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090311/kor0903110838001-n1.htm
  2. ^ http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090331/kor0903311035003-n1.htm

[編集] 外部リンク