朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法

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朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法(ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこくしゃかいしゅぎけんぽう、: 조선민주주의인민공화국 사회주의헌법)は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の憲法

過去の憲法には1948年憲法(朝鮮民主主義人民共和国憲法[1]、1972年憲法(以後が朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法)[2]、1992年憲法[3]がある。現行憲法は1998年憲法[4]で、2009年と2012年に改正された。各改正憲法は、2009年憲法、2012年憲法とも呼ばれる。

沿革[編集]

  • 1948年9月8日朝鮮民主主義人民共和国憲法(1948年憲法)を承認。
  • 1972年12月27日最高人民会議第5期第1回会議において、朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法を制定(1972年憲法)。
  • 1992年4月9日:最高人民会議第9期第3回会議において、1972年憲法を修正(1992年憲法)。
  • 1998年9月5日:最高人民会議第10期第1回会議において、1992年憲法を修正・補充(1998年憲法)。
  • 2009年4月:最高人民会議第12期第1回会議において、1998年憲法を修正・補充(2009年憲法)。
  • 2010年4月9日:2009年憲法を改正。
  • 2012年4月:最高人民会議第12期第5回会議において、2009年憲法を修正・補充(2012年憲法)。

2012年憲法の構成[編集]

2012年憲法では、以下のように全七章で構成されている。

序文[編集]

朝鮮民主主義人民共和国は偉大な首領金日成同志及び偉大な指導者金正日同志の思想及び領導を具現した主体の社会主義祖国である。

偉大な首領金日成同志は朝鮮民主主義人民共和国の創建者で、社会主義朝鮮の始祖である。

金日成同志は永生不滅の主体思想を創始し、その旗じるし下に抗日革命闘争を組織領導し、光栄な革命伝統を用意し、祖国光復の歴史的偉業を成し遂げ、政治、経済、文化、軍事分野で自主独立国家建設の丈夫な土台を作ったものに基づき、朝鮮民主主義人民共和国を創建した。

金日成同志は主体的な革命路線を出して、様々な段階の社会革命及び建設事業を賢明に領導し、共和国を人民大衆中心の社会主義国として、自主、自立、自衛の社会主義国家に強化発展させた。

金日成同志は国家建設及び国家活動の根本原則を明らかにして、最も優れた国家社会制度及び政治方式、社会管理体系及び管理方法を確立し、社会主義祖国の富強繁栄及び主体革命偉業の継承完成のための確固たる土台を用意した。

偉大な指導者金正日同志は金日成同志の思想及び偉業を敬い、私たちの共和国を金日成同志の国家に強化発展させ、民族の尊厳及び国力を最上の境地に立ち上げた絶世の愛国者、社会主義朝鮮の守護者である。

金正日同志は金日成同志が創始した永生不滅の主体思想、先軍思想を全面的に深化発展させ、自主時代の指導思想で輝かせて、主体の革命伝統を堅固に擁護固守し、純潔に継承発展させ、朝鮮革命の命脈を強硬に繋いでいった。

金正日同志は世界社会主義体系の崩壊及び帝国主義連合勢力のあくらつな反共和国圧殺攻勢の中で、軍隊優先政治により金日成同志の高貴な遺産である社会主義戦取物を光栄に守護し、私たちの祖国を不敗の政治思想強国、保有国、無敵の軍事強国として転変させ、強盛国家建設のきらびやかな大通路を開けていった。

金日成同志及び金正日同志は《以民為天》を座右の銘とし、いつも人民と共におり、人民のために生涯を捧げ、崇高な人徳政治で人民を見守り、率いて、すべての社会を一致団結された一つの大家庭に転変させた。

偉大な首領金日成同志及び偉大な指導者金正日同志は民族の太陽であり、祖国統一の救いの星である。

金日成同志及び金正日同志は国の統一を民族至上の課題として打ち出し、その実現のためにあらゆる労苦と心血をみな捧げた。

金日成同志及び金正日同志は共和国を祖国統一の剛柔力な砦で固める一方祖国統一の根本原則及び方法を提示し、祖国統一運動を全民族的な運動に発展させ、民族皆の団結された力で祖国統一偉業を成就するための道を開いていった。

偉大な首領金日成同志及び偉大な指導者金正日同志は朝鮮民主主義人民共和国の対外政策の基本理念を明らかにして、それに基づいて、国の対外関係を拡大発展させ、共和国の国際的権威を高く轟かせた。

金日成同志及び金正日同志は世界政治の元老として自主の新たな時代を開拓し、社会主義運動及びブロック不加担運動の強化発展のために、世界平和及び人民の間の親善のために精力的に活動し、人類の自主偉業に不滅の貢献をした。

金日成同志及び金正日同志は思想理論と領導芸術の天才であり、百戦百勝の鋼鉄の霊将軍であり、偉大な革命家、政治家であり、偉大な人間であった。

金日成同志及び金正日同志の偉大な思想及び領導業績は朝鮮革命の万年財宝であり、朝鮮民主主義人民共和国の隆盛繁栄のための基本担保である。

朝鮮民主主義人民共和国及び朝鮮人民は朝鮮労働党の指導の下に偉大な首領金日成同志を共和国の永遠の主席として、偉大な指導者金正日同志を共和国の永遠の国防委員会委員長として高く崇め、金日成同志及び金正日同志の思想及び業績を擁護固守し、継承発展させ、主体革命偉業を最後まで完成していく。

朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法は偉大な首領金日成同志及び偉大な指導者金正日同志の主体的な国家建設思想及び国家建設業績を法化した金日成・金正日憲法である。」

第一章 政治[編集]

  • 第1条
    • 「朝鮮民主主義人民共和国は、全朝鮮人民の利益を代表する自主的な社会主義国家である。」
  • 第2条
    • 「朝鮮民主主義人民共和国は、帝国主義侵略者に抗し、祖国の解放と人民の自由と幸福をめざす栄えある革命闘争の過程で築かれた輝かしい伝統を継承した、革命的な国家である。」
  • 第3条
    • 「朝鮮民主主義人民共和国は、人間中心の世界観であり人民大衆の自主性の実現をめざす革命思想である、チュチェ思想をその活動の指導指針とする。」
  • 第4条
    • 「朝鮮民主主義人民共和国の主権は、労働者、農民、勤労インテリおよびすべての勤労人民にある。」
    • 「勤労人民は、その代表機関である最高人民会議と地方の各級人民会議を通じて主権を行使する。」
  • 第5条
    • 「朝鮮民主主義人民共和国においてすべての国家機関は、民主主義中央集権制の原則によって組織され、運営される。」
  • 第6条
    • 「郡人民会議から最高人民会議にいたるまでの各級主権機関は、一般、平等、直接の原則にもとづき、秘密投票によって選挙する。」
  • 第7条
    • 「各級主権機関の代議員は、選挙人と密接な連係を保ち、その活動について選挙人にたいし責任を負う。」
    • 「選挙人は、選挙された代議員が信任を失った場合は、いつでも召還することができる。」
  • 第8条
    • 「朝鮮民主主義人民共和国の社会制度は、勤労人民大衆があらゆるものの主人であり、社会のあらゆるものが、勤労人民大衆に奉仕する人間中心の社会制度である。」
    • 「国家は、搾取と抑圧から解放されて国家と社会の主人となった労働者、農民、勤労インテリと、すべての勤労人民の利益を擁護し、保護する。」
  • 第9条
    • 「朝鮮民主主義人民共和国は、北半部において人民政権を強化し、思想、技術、文化の3大革命を力強く展開して社会主義の完全な勝利を達成し、自主、平和統一、民族大団結の原則にもとづいて祖国の統一を実現するためにたたかう。」
  • 第10条
    • 「朝鮮民主主義人民共和国は、労働者階級が指導する労農同盟にもとづく全人民の政治的・思想的統一に依拠する。」
    • 「国家は、思想革命を強化して社会の全構成員を革命化、労働者階級化し、全社会を同志的に結合した一つの集団につくりあげる。」
  • 第11条
    • 「朝鮮民主主義人民共和国は、すべての活動を朝鮮労働党の指導のもとにおこなう。」
  • 第12条
    • 「国家は、階級路線を堅持し、人民民主主義独裁を強化して、内外の敵対分子の破壊策動から人民主権と社会主義制度をかたく守る。」
  • 第13条
    • 「国家は、大衆路線を具現し、すべての活動において上部が下部を助け、大衆のなかに入って問題解決の方途を見いだし、政治活動、対人活動を優先させて大衆の自覚的熱意を呼び起こすチョンサンリ(青山里)精神、チョンサンリ方法を貫徹する。」
  • 第14条
    • 「国家は、3大革命赤旗獲得運動をはじめ大衆運動を力強く展開して、社会主義建設を最大限に促進する。」
  • 第15条
    • 「朝鮮民主主義人民共和国は、海外に在住する朝鮮同胞の民主主義的民族権利と、国際法によって公認された合法的権利と利益を擁護する。」
  • 第16条
    • 「朝鮮民主主義人民共和国は、その領域内に在住する外国人の合法的権利と利益を保障する。」
  • 第17条
    • 「自主、平和、親善は朝鮮民主主義人民共和国の対外政策の基本理念であり、対外活動の原則である。」
    • 「国家は、わが国に友好的なすべての国と完全な平等と自主性、相互尊重と内政不干渉、互恵の原則にもとづいて、国家的または政治的・経済的・文化的関係を結ぶ。」
    • 「国家は、自主性を擁護する世界の人民と団結し、あらゆる形の侵略と内政干渉に反対し、国の自主権と民族的・階級的解放を実現するための諸国人民の闘争を積極的に支持声援する。」
  • 第18条
    • 「朝鮮民主主義人民共和国の法は、勤労人民の意志と利益の反映であり、国家管理の基本的武器である。」
    • 「法にたいする尊重と厳格な順守、執行は、すべての機関、企業所、団体と公民にとって義務的である。」
    • 「国家は、社会主義法律制度を完備し、社会主義順法生活を強化する。」

第二章 経済[編集]

20条で構成されている。

朝鮮民主主義人民共和国は社会主義的生産関係及び自立的民族経済の土台に依拠するなど、経済の基本的姿勢を明記している(第19条)。

また、労働の基本条件を明記している(第30条、第31条)。

第三章 文化[編集]

19条で構成されている。

人民的で革命的な文化を建設するなど、明記している(第41条)。

第四章 国防[編集]

4条で構成されている。

自由独立平和を守ることなどを明記している(第59条)。

第五章 公民の基本権利及び義務[編集]

25条で構成されている。

人民の権利及び義務は「1人はみんなのために、みんなは1人のために」という集団主義原則に基づくと明記されている。

第六章 国家機関[編集]

13条で構成されている。

最高人民会議の権限について明記されている。

6条で構成されている。

国防委員会の権限について明記されている。

  • 第三節(最高人民会議常任委員会)

11条で構成されている。

最高人民会議常任委員会の権限について明記されている。

14条で構成されている。

内閣の権限について明記されている。

  • 第五節(地方人民会議)

8条で構成されている。

地方人民会議の権限について明記されている。

  • 第六節(地方人民委員会)

8条で構成されている。

地方人民委員会の権限について明記されている。

16条で構成されている。

検察や、裁判所の権限について明記されている。

第七章 国章、国旗、国歌、首都[編集]

国章(第163条)、国旗(第164条)、国歌(第165条)、首都(第166条)について明記されている。

脚注[編集]

  1. ^ Kim, Hyung-chan; Kim, Tong-gyu (2005). Human remolding in North Korea: a social history of education‎. University Press of America. p. 134.
  2. ^ Constitution of North Korea (1972). Wikisource.
  3. ^ Hale, Christopher (2002). 'North Korea in Evolution: The Correlation Between the Legal Framework and the Changing Dynamic of Politics and the Economy.' Korea Observer, Vol. 33 No. 3
  4. ^ North Korea drops Communism from its Constitution. en:Azerbaijan Press Agency.September 28, 2009.

関連項目[編集]

外部リンク[編集]