国際基督教大学

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国際基督教大学
国際基督教大学
国際基督教大学
大学設置 1953年
創立 1949年
学校種別 私立
設置者 学校法人国際基督教大学
本部所在地 東京都三鷹市大沢三丁目10番2号
学部 教養学部
研究科 アーツ・サイエンス研究科
ウェブサイト 国際基督教大学公式サイト
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国際基督教大学(こくさいきりすときょうだいがく、英語: International Christian University[1])は、東京都三鷹市大沢三丁目10番2号に本部を置く日本私立大学である。1953年に設置された。大学の略称は「ICU(アイシーユー)」[2]

概要[編集]

略歴[編集]

1950年当時の大学本館。この建物は中島飛行機三鷹研究所本館として使用されていた。

キリスト教長老派によって創設されており、米国型リベラルアーツ・カレッジの形式を踏襲している。1949年御殿場にあるYMCA東山荘で催された日米のキリスト教指導者による会議において、国際基督教大学の創設が正式に決定された。高松宮宣仁親王が設立準備委員会の名誉総裁に就任し、当時の日本銀行総裁である一万田尚登は設立のための募金運動に奔走した。またGHQ最高司令官を務めたダグラス・マッカーサーも、大学設置に際し財団の名誉理事長として、米国での募金運動に務めた[3]。開学に先立って1952年に語学研修所が開設された後、1953年に初代学長として湯浅八郎を迎え、一期生198人より開学に至った[4]

教育の特色[編集]

開学当初からリベラルアーツ・カレッジとして教養学部を置く。「平和」・「学術基礎」・「専門知識」を統合しながら、日英バイリンガリズムによる世界基準の「全人教育」を行うことを教学方針としている。開学50周年を迎えた2003年には、「行動するリベラルアーツ」が更なる目標として掲げられた。また2005年には、米国リベラル教育学会 (AALE) のプログラム認証(アクレディテーション)を受けた。

全学共通科目教育として語学教育が主軸に据えられている。4月入学生は、リベラルアーツ英語プログラム(ELA、English for Liberal Arts)と呼ばれる一連のクラスを入学から約2年間にわたって履修する。その際にTOEFLのスコアによるクラス分けが行われる。ELAでは全て英語によって授業が行われ、高等教育の場で知的生産を行うための方法論を、英語を通じて身に付けることが目標となる。9月入学生および留学生に対しては、JLP(Japanese Language Program)が用意されている。夏期には日本語教育のサマーコースも開講されており、毎年海外から100名以上の学生の参加がある。また大学の講義全体の約3分の1が英語で開講されており、英語圏のみに限らず世界各地から教員が集められている。

2008年度に1学科体制の下、導入されたメジャー(専攻)組み合わせが特徴的である。従前の専修分野に学科横断的専攻制度を統合し、人文科学自然科学社会科学(いわゆる文系及び理系の全般)を幅広く総合的にカバーする「31のメジャー」とした。この中から、学生は単一メジャー、ダブルメジャー(2つの専攻)、メジャー・マイナー(主専攻・副専攻)の3種類の方法のうちいずれかでメジャーを履修することとなる。

また、留学制度が充実していることでも知られている。3年次以上の学生を対象とする交換留学は、現在21ヶ国60大学と協定が結ばれており、1学年約600名のうち100名近くがこの交換留学制度を利用して留学する。また先に挙げたELAの一環として、SEA(Study English Abroad)プログラムと呼ばれる夏期休暇期間の短期語学留学制度も1・2年生向けに設けられている。

その他の特徴として、日本の大学でも近年、導入例が増加しているGPA制度による成績評価を開学当初より用いている点、年間3学期からなるショートターム制を導入している点などが挙げられる。

教職員は原則としてクリスチャンであることが求められている(Cコード)。しかし源了圓奥平康弘などクリスチャンではないものの教鞭を執った例もある。

アクレディテーション[編集]

ICUは米国リベラル教育学会 (AALE) により、2005年にリベラルアーツ教育の認証評価がなされている。2005年7月に自己点検評価報告書を提出し、同年10月の視察委員実地視察を経て、同年11月30日付で認証(10年間有効)を受けた。このアクレディテーションにより、ICUにおいて世界基準に適合したリベラルアーツ教育が行われていることが確認された[5]

学科区分体制時(2007年度まで)に見られた特色[編集]

教養学部は開学から2007年度までは、学校教育法及び大学設置基準と慣行に基づき学科区分(開学時に人文科学科・社会科学科・自然科学科(後に理学科に改称)の3学科から始まり、その後は教育学科・語学科・国際関係学科の設置で6学科となる)が存在した。しかし卒業要件単位の組み合わせについて自由度が高く、知識の統合と専門分野を超えた交流が学科間の垣根の低さにより体現されていた。

学部入学時と異なる分野への興味を持った学生に向けて、3年次の転科制度や学科間専攻制度が用意されていた。これらは2008年度の1学科体制化・メジャー制導入により発展的解消された。

キャンパス[編集]

本館
チャペル

ICUのキャンパスは学生数に比してかなり広大であり(東京ドーム13個分)、緑が豊富である。中島飛行機三鷹研究所跡地[6]を用いている。大学の本館は同研究所の本館を改装したものであり、内装も一部に残されている。またチャペル前のロータリーも研究所の遺構である。隣接する富士重工業三鷹製作所も、同研究所の跡地を構成していた。

現在の野川公園も、1970年代まで国際基督教大学の牧場/ゴルフ場であった。野川公園と接する側の敷地の広大な部分において、あまり人が立ち入らない「生物学演習林」が広がっている。正門から中央ロータリーまでは、通称「滑走路」と呼ばれる600m程の長い直線道路(正式名称:マクリーン通り)が貫いている。この道の両側は並木(ソメイヨシノ)で、これが満開になるとあたかも桜のトンネルとなることから、大学近辺では桜の名所として知られている。学生が授業を受ける本館の前に、通称「ばか山」「あほ山」と呼ばれる芝生のエリアがあり、学生の憩いの場となっている。大学内の各施設が互いに離れていて移動に時間がかかることから、キャンパスを移動するための自転車を持つ学生も少なくない。

キャンパス内には2つの男子寮(第二男子寮およびカナダハウス)、3つの女子寮(第二、第三および第四女子寮)、男女共用の3つの新寮(欅寮、銀杏寮、および樫寮)、1つの国際寮(グローバルハウス)を有している。また、一部の教員もキャンパス内に居住している。

キャンパスの敷地内では発掘調査が行われており、石器縄文式土器などが出土している。大学博物館「湯浅八郎記念館」では、それらの土器や、初代学長でもあった湯浅八郎が集めた各種民芸品の展示を行っている。

隣接する東京神学大学ルーテル学院大学と交流がある。また中近東文化センター[1]がキャンパスの隣に所在しており、もう少し足を伸ばせば国立天文台へもアクセスも可能である。

国際基督教大学高等学校は、設置母体を本学と同じく学校法人国際基督教大学としており、学年の3分の1が本学へ推薦入学する。同校の所在地は隣の小金井市であるが、敷地は国際基督教大学(三鷹・小金井両市の境の三鷹市側)と隣接している。

入試制度[編集]

入学時期によって、4月入学生試験(4月生)と9月入学生試験(9月生)とに分けられる。

4月生向け試験としては、一般、4月入学帰国生特別、社会人特別、センター試験利用(2006年度から実施)の4種類がある。その他、指定校推薦、特別入学選考 (AO)(2005年度から開始)がある。

一番入学者枠が多く設定されている一般入試は、「リベラルアーツ学習適性」「人文科学」「社会科学または自然科学」「英語(リスニング含む)」の4科目からなり、いずれの科目も多肢選択式(マークシート方式)である。「リベラルアーツ学習適性」はいわゆる知能テストに近いもので、高校での学習の全範囲を基にし、数列や図形などから法則性を見つけたり、乱字乱文の文字を入れ替えて読み解いたりといった問題が80問出題される(制限時間70分)。「人文科学」・「社会科学」・「自然科学」は、同大学の教授が執筆した短い(10ページ前後の)日本語の論文を読んで問いに答えるものである。なお、「自然科学」の論文については、高校1~2年までの数学・理科の学習内容を前提としている。

一方、9月生に対してはTOEFLIELTSなどの語学試験スコア、SAT国際バカロレア資格など各国の高校に相当する試験結果や高校時代の成績、教師からの推薦状などによる総合的な入学考査が行われている。そのほか、併設の国際基督教大学高等学校(通称ICUハイ、なおICUハイ出身者を学内ではハイアガリと呼ぶ)からの推薦枠や、「キリスト教主義高校推薦」という指定校推薦枠が設けられている。

過去の一般入試[編集]

2009年より、一般能力考査が「リベラルアーツ学習適性」の名称に変わり、100問70分から80問70分に変更された。また「人文科学考査」「社会科学考査」「自然科学考査」「英語聴解力及び読解力考査」の名称がそれぞれ、「人文科学」「社会科学」「自然科学」「英語(リスニングを含む)」に変更された。アーツ・サイエンス学科体制以前は、「社会科学」と「自然科学」については理学科第1志望以外の受験生は選択、理学科第1志望の学生は「自然科学」必須で、「人文科学」は全受験生必須であった。一般入試は近年1日で終わる内容だが、かつては面接試験も含めて2日間を要した [7]

奨学金制度[編集]

リベラルアーツ教育の特性上、ICUは学生1人あたりの教育コストが高く、そのため学費が高い水準に成らざるを得ない。それに対応すべく、大学側では貸与・給付の両面にわたり、様々な学費援助プログラムを用意している。1998年度から始まった大手金融機関との提携による「奨学融資制度[2]」では、大学が保証人となり、希望者のほぼ全員が融資を受けることができる。貸与・返済条件の間口を広げることで、学費面の問題解消を図っている。

研究・教育採択[編集]

  • 21世紀COEプログラム:「『平和・安全・共生』研究教育の形成と展開」(平成15年度)
  • 特色ある大学教育支援プログラム:「責任ある地球市民を育むリベラル・アーツ」(平成15年度)
  • 大学教育の国際化推進プログラム:「国際サービス・ラーニングの展開と連携構築」(平成17年度)
  • 「魅力ある大学院教育」イニシアティブ:「臨床心理学教育と訓練の国際連携システム」(平成17年度)

学術拠点[編集]

大学協力機構[編集]

組織構成[編集]

学部と専攻[編集]

教養学部一学部のみ。アドバイザー制度を取っており、その指導の下で専門教育及び学際的カリキュラムを組めることが特徴である。学科・専攻の枠に捉われない教育研究と、一つの専門を深く追求することができる点を併せ持つ構造である。

なお、2008年度から学科・専攻の枠に捉われない研究・教育という方針を強化するために、従来の6学科を統合し、アーツ・サイエンス学科とした。学生は3年次になる前の段階でメジャー(専修分野)を選ぶ。専修分野を一つだけ修めるという方法以外にも、ダブルメジャー(専修分野を2つ選び対等に履修)、メジャー・マイナー(主専修分野と副専修を一つずつ選ぶ)の3種類の方法があり、いずれかを選択する。

学科・専攻区分[編集]

  • アーツ・サイエンス学科
    • メジャー
      • 美術・文化財研究
      • 音楽
      • 文学
      • 哲学・宗教学
      • 経済学
      • 経営学
      • 歴史学
      • 法学
      • 公共政策
      • 政治学
      • 国際関係学
      • 社会学
      • 人類学
      • 生物学
      • 物理学
      • 化学
      • 数学
      • 情報科学
      • 言語教育
      • 言語学
      • 教育学
      • 心理学
      • メディア・コミュニケーション・文化
      • 日本研究
      • アメリカ研究
      • アジア研究
      • ジェンダー・セクシュアリティ研究
      • 開発研究
      • グローバル研究
      • 平和研究
      • 環境研究(2010年度設立)

2007年度までの学科・専攻区分[編集]

大学院[編集]

  • アーツ・サイエンス研究科(博士前期課程
    • 心理・教育学専攻
      • 教育学専修
      • 心理学専修
      • 臨床心理学専修
      • 言語教育専修
    • 公共政策・社会研究専攻
      • 政治・国際研究専修
      • 社会文化分析専修
      • メディアと言語専修
      • 公共経済学専修
      • 平和研究専修
    • 比較文化専攻
      • 日本文化研究専修
      • キリスト教と文化専修
    • 理学専攻
      • 数学・情報科学専修
      • 物質科学専修
      • 生命科学専修
  • アーツ・サイエンス研究科(博士後期課程
    • アーツ・サイエンス専攻
      • 研究指導分野
        • 教育学・理学
          • 教育哲学研究
          • 比較・開発教育学研究
          • 教育工学
          • 教育コミュニケーション
          • 教育社会学
        • 心理学
          • 認知・発達研究
          • 社会・コミュニティ研究
          • 臨床研究
        • 言語教育
          • 言語学研究
          • 英語学研究
          • 英語教育研究
        • 法学・政治学・国際関係論
          • 政治過程論
          • 政治理論
          • 政治思想史
          • 国際関係論
          • 国際法
          • 政治外交史
          • 公法学
          • 行政学
          • 労使関係論
        • 社会学・メディア論
          • 政治文化論
        • 経済・経営
          • 理論(計量)経済学
          • 経済政策論
          • 貨幣金融論
          • 国際経済論
          • 流通経済論
          • 企業意思決定論
          • 企業財務会計論
        • 比較文化
          • キリスト教と文化Ⅰ(西洋)
          • キリスト教と文化Ⅱ(東洋)
          • アジア文化論Ⅰ(日本文化論)
          • アジア文化論Ⅱ(アジア文化交流史)
          • ヨーロッパ文化論Ⅰ(古代)
          • ヨーロッパ文化論Ⅱ(中世・近代)
          • アメリカ文化論
          • 文化の交流と変容

2009年度までの大学院区分[編集]

  • 教育学研究科(博士課程〔前期・後期〕)(略称:GSE)
  • 行政学研究科(博士課程〔前期・後期〕) (略称:GSPA) ロータリー平和センターで受け入れるロータリー奨学生を含む
  • 比較文化研究科(博士課程〔前期・後期〕) (略称:GSCC)
  • 理学研究科(修士課程)(略称:GSNS)
  • 教育学専攻科(専門課程

付属施設[編集]

設置校[編集]

大学関係者と組織[編集]

大学関係者一覧[編集]

ICUを舞台、または撮影された作品[編集]

交通アクセス[編集]

  • JR中央線武蔵境駅からバス
    • 小田急バス
      • 武蔵境駅~国際基督教大学(境93)直通
      • 武蔵境駅~吉祥寺駅または吉祥寺駅中央口(吉01、大沢経由)富士重工前下車
      • 武蔵境駅~狛江駅北口または狛江営業所(境91、大沢経由)富士重工前下車
  • JR中央線:三鷹駅からバス
    • 小田急バス
      • 三鷹駅~国際基督教大学(鷹51)直通
      • 三鷹駅~調布駅北口または武蔵小金井駅または調布飛行場前(鷹51、大沢経由)富士重工前下車
  • JR中央線:吉祥寺駅からバス
    • 小田急バス
      • 吉祥寺駅~武蔵境駅南口(吉01、大沢経由)富士重工前下車
  • 京王線調布駅からバス
    • 小田急バス
      • 調布駅北口~武蔵境駅南口または武蔵境営業所(境91)富士重工前下車
  • 西武多摩川線新小金井駅から徒歩で15~20分

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ なお、英語でInternational Christian Universityと表記する同名の大学がかつてウィーンに存在した(現在は改称)。本稿で述べる国際基督教大学はその同名の大学の存在を把握しており、かつて教職員の交流もあった。また同名の英称及び略語を含む大学として、キエフICU-Kyivが存在する。
  2. ^ 地元では「キリ大」ともよばれている。なお、ICU生へのキャンパス言葉インタビュー調査では、他に「コッキリ大も聞いた」「近所の人にはICUでは分からない」、キリ大などの呼び名は「バスの運転手、不動産屋などから聞いたことがある」が「ICU生は使わない」「違和感がある」というコメントがよせられている。
  3. ^ Our History - JAPAN ICU FOUNDATION 2011年11月9日閲覧
  4. ^ 「1953年入学の一期生198人には、開学1年前に入学試験(受験生2000人超)を受け入学が許された75人のICU語学研修所生が含まれて」いる。1期会報告 リユニオン - 国際基督教大学同窓会 2011年11月9日閲覧
  5. ^ リベラル・アーツプログラム自己点検(2005年)
  6. ^ 同研究所は政治経済から工学までを含む総合研究所として企図されていた 中島飛行機株式会社その軌跡 2010年5月24日閲覧
  7. ^ BUCHO-ICU入試の歴史 2012年2月22日閲覧

Wiki関係他プロジェクトリンク[編集]

外部リンク[編集]