修士

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

修士(しゅうし)とは

  1. 学術上の学位としての「修士」(マスター、master's degree)、いわゆる修士号のこと(以下の章で概説する)。
  2. 日本の「専門職学位」の具体的な呼称。専門職学位は、学校教育法の第68条の2に規定する「修士の学位」とは異なり、学校教育法の第68条の2第1項において、専門職大学院の課程を修了した者に対して授与される「文部科学大臣の定める学位」として定められている。法科大学院で授与する「法務博士(専門職)」の学位を除き、専門職学位は、通例「○○修士(専門職)」として授与される。⇒ 専門職学位。(例:公共経営修士(専門職)
  3. 修道士聖公会での呼称。⇒ 修士 (聖公会)
  4. 品行方正な人のこと。
  5. 日本語人名。読みは「しゅうじ」とも。男性に多い。

修士(しゅうし)とは、下位の学士と上位の博士の中間に位置する学位で、学士又はそれと同等の学力を認められた者が、大学院で1ないし3年の課程を修了し研究を行うことで授与されものである。

目次

[編集] 概要

修士とは、英語圏の大学ではmaster中国韓国などでは碩士などともいう。日本などでは、修士の学位は、学校教育法昭和22年法律第26号)の第68条の2に「修士の学位」として、大学院を修了した者に博士または修士の学位が授与される旨が規定され、さらに、学位規則第3条において、大学院修士課程を修了した者に修士の学位を授与することが規定されている。また、同規則第6条の2において大学及び大学院に相当する教育を修了し大学評価・学位授与機構による審査を合格した者に対して、同機構より修士の学位を授与することが規定されている。

現行では大学院の修士課程や博士前期課程を修了することなどによって授与されている。なお、高度職業人育成を目的として創設された専門職大学院修了者に対して授与される専門職学位においても専攻名の下に修士(専門職)という学位が授与されるが、便宜的に同じ名称が用いられているに過ぎず、通常の修士号とは概念及び趣旨が異なる。

また日本国内においては、その学制上、医学部医学科・歯学部歯学科・薬学部薬学科の6年制学部を修了した場合、授与される学位は学士であるが、大学院へ進学する場合、博士課程(博士後期課程)へ直接進学できるため、運用上は修士と同等の扱いがされている。 また、同等学位を複数保有することをダブルディグリーというが、特に修士号を二つ保有することを、ダブルマスターともいう。個人が二つ以上の修士課程を修了してダブルマスターとなる場合、大学院等で協定校の学位を同時取得できるダブルマスタープログラム(ダブルディグリープログラムとも)を修了してなる場合とがある。

[編集] 修士号の意義

修士の学位は、主に博士課程を受験する際の基礎的な要件であるとともに、シンクタンク研究員や医療製薬関係の分野や理工系の分野での需要が多い。また、臨床心理士の資格では心理学の修士の学位が必須であり、教員免許状の専修免許状の授与を受ける際にも「修士の学位を有すること」が基礎資格になっている。最近では、生涯学習時代に入り大学院に進学する人口が拡大し、修士の学位取得がよりスタンダードな地位を占めることが想定されている。このような背景もあり、今日では社会人学生の受け入れを想定した社会人大学院というものも増加しつつある。また、日本では公務員に国内外の大学院に派遣して修士の学位をとらせるなどの制度も定着してきていることから次第に大学院修了人口が増え、今後ステータスとしても、あるいはスキルとしても認知を得られる部分も期待される。

また、自衛隊では幹部候補生試験に合格した者で通常は3尉に補せられるところを、修士の学位を有する者は2尉に補せられるといった優遇を受ける機関もある。修士の学位を有する者が増加していくことは、日本の研究人口も増加し高等教育水準の向上によりあらゆる効果が期待されるという部分もあるが、一方で大学院修了者が「高学歴過ぎても扱いにくく、協調性や職場の和を乱す」との偏見や「新卒でも給与を多く払わなければならず、負担が大きい」などの理由で採用時に忌避される傾向も少なからずあり、リクルートメントや人材活用の難しさが根底にあることが当面の問題である。

大学院生のことを修士の英語圏表記である「Master」の頭文字をとり、「M」と呼ばれることがある。

[編集] その他

富山県立大学では、大学院研究生を対象に地域活性化への貢献をテーマとして準修士コースを設定し、修了生に「準修士」という独自の称号を授与している。この称号を受けた者は、同大学の大学院修士課程に進学した場合、在学年限及び単位認定において、準修士コースの単位をそのまま認定される。

[編集] 関連項目