私立大学

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私立大学(しりつだいがく、: private university)は、私立大学のことである。略称私大(しだい)である。「市立大学」と略称でも同音異字になることから、混同しないように、口語では「わたくしりつだいがく」とも言う。

世界の私立大学[編集]

アメリカ合衆国[編集]

アメリカの私立大学は原則として政府の影響を受けないので、政府ができない行動をとることができる。例えば、宗教機関は自らの教えを進めさせ、他の宗教を正しくないと教えることもできる。また、私立大学は人種や宗教、性別などで差別を行う自由も持っている。例えば、聖書に異人種間の関係は禁止されているからという信仰で、サウスカロライナ州ボブ・ジョーンズ大学1971年から2000年までアフリカ系アメリカ人の生徒の入学を拒否していた。しかし、アメリカ連邦最高裁判所は私立大学と志願者、学生など私人間の法律行為であってもその一部に国家の行為が介在している場合(例えば私立大学に連邦、州などの補助金や奨学金等が支出されていた場合など)は国家行為とみなし、憲法の直接適用を認める国家行為の法理を確立してきた。そのため、たとえ私立大学であったとしても、人種差別行為に連邦等の資金が1セントでも使用されていれば、当該行為は公民権法違反行為であり違憲となる。

アメリカの私立大学はリベラルアーツカレッジ総合大学に分けられる。ハーヴァード大学リベラルアーツカレッジであったが規模を拡大し、大学院の設置を続け、総合大学となった。しかし、教養学部としてリベラルアーツカレッジが残っている。他のアイヴィーリーグリベラルアーツを重要視している。また、カーネギーメロン大学のように私立の専門学校が大学として認可されて、総合大学に発展した場合もある。

イギリス[編集]

私立と公立という区別でイギリスの大学制度を説明するのは困難である。イギリスの大学は機関による自治統治の制度が何世紀にもわたって尊重されてきたが、20世紀初頭は政府の資金を頼っていた。

イギリスを代表する私立大学と言えば、オックスフォード大学ケンブリッジ大学である。この二つの大学を合わせてオックスブリッジと呼ぶ。

オーストラリア[編集]

1987年オーストラリアで最初の私立大学、ボンド大学が作られた。3学期制で、6学期間の在学を必要とする学位を2年間の在学で、法学分野のような8学期間の在学を必要とする学位を3年間の在学で授与を受けることが可能である。

大韓民国[編集]

公式に韓国の最初の私立大学とされているのは朝鮮時代成均館(1398年 - )を母体としている成均館大学校(ソンギュングァン大学、成大)である。

韓国の大学の多くはソウルにあり、SKYと呼ばれるソウル大学校高麗大学校(コリョ大学、高大)・延世大学校(ヨンセ大学、延大)が有名であるが、この中の2つが私立である。

中華人民共和国[編集]

中華人民共和国社会主義国であるが、現在は私立大学が存在する。最初の私立大学は上海杉達学院で、1992年に設立された。

日本の私立大学[編集]

概要[編集]

日本において私立大学は、学校法人及び株式会社によって設置される大学をいう。学校法人の中には特別の法律によって設置されたり(放送大学沖縄科学技術大学院大学等)、学校法人の設立に国や地方公共団体が深く関与しているもの(自治医科大学産業医科大学、いわゆる公設民営大学等)も存在するが、これも私立大学に区分される。

日本の私立大学は、国から私立大学等経常費補助金等(私学助成)を受けることができ、100%授業料だけで運営しているものではない。

学校教育法および私立学校法の規定により私立学校幼稚園以外の一条校)を設置出来るのは学校法人のみであるが、近年では、構造改革特別区域において株式会社による大学の設置が認められており、これら株式会社(学校設置会社)が設置する大学(株式会社立大学)も私立大学に区分される。 ただし、株式会社立の場合は助成は受けられず、出資金を財源の一つにする。

日本の大学のうち、私立大学は3/4を占め、国公立大学に比べて数が非常に多いのが特徴である。旧制大学旧制専門学校から昇格した私立大学は少なく、1949年の学制改革以降に新設された私立大学が大半を占める。2011年現在鳥取県島根県高知県には私立の4年制大学がない。

入学試験[編集]

一般入試は、大学入試センター試験(マーク式試験)を受験する必要が無く、試験科目も基本は3教科のみ(理系は英語・数学・理科、文系は英語・国語・地歴公民または数学)と[1]、センター試験で5教科7科目を課し、更に大学別の二次試験(主に記述式試験)を課すことが多い国立大学に比べ実際の試験科目数が非常に少ない。その為、早期より3教科のみに絞って学習する者も多い。

しかし試験科目数が少ない分、1科目ごとの失敗が許されない上、難関私大では高校の範囲を大きく超える難度の高い問題が出るなど、センターの比重が高い国公立大学とは趣を異にする傾向がある。さらに、首都圏の名門私大は全国中から受験生が集うため、入試倍率が高くなる傾向もある。すなわち一般的な受験対策では太刀打ちできないことが多く、通常は行きたい大学ごとの対策をとる必要がある。

また、国公立大学の一般入試では、受験可能大学・学部の数が最大3校3学部(前期・中期・後期)までと限定されているのに対し、私立大学の一般入試では限定されておらず、入試日程さえ異なれば幾つでも併願できるという特長もある。

一般入試以外にも、センター試験利用入試や推薦入試といった特殊な入試制度を採用している私立大学も年々増加してきている。なお、センター試験利用入試とは、センター試験の結果のみにより、もしくはセンター試験+大学別個別試験の結果により合否判決を出す入試制度のことである。

また、国公立大学の一般入試の2次試験では記述形式が中心であるのに対し、私立大学の一般入試やセンター試験利用入試では解答のみを答えるマークセンス形式が中心である。

出典[編集]

  1. ^ 大学や学部によっては2教科や1教科のみの受験が可能な場合もある。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]