東洋アフリカ研究学院

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SOAS
School of Oriental
and African Studies (SOAS)
校訓 Knowledge is Power
創立 1916年
学校種別 公立
学長 Prof. Paul Webley
学部生 2,344[1]
大学院生 4,144[2]
所在地

イギリス
Thornhaugh Street Russell Square
WC1H 0XG

北緯51度31分19秒 西経0度07分44秒 / 北緯51.52194度 西経0.12889度 / 51.52194; -0.12889ロンドン
キャンパス 都市
ウェブサイト

http:://www.soas.ac.uk

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ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(the School of Oriental and African Studies, 通称 SOAS)は ロンドン市中心部、ラッセル・スクウェアに本部を持つロンドン大学に所属する、英国では唯一の地域研究に特化した教育・研究機関である。ただしロンドン大学を構成する他の教育・研究機関同様、個別の大学として扱われる場合が多い。またSOASはイギリスの大学連合1994グループに加盟している。

SOASが研究対象としている地域は、その名称が示唆するとおり、 アジアアフリカおよび中近東で、これらの地域を対象とする研究機関では世界最大[3]である。SOASは研究対象の地域から多数の留学生や研究者を受け入れており、結果として100以上の国と地域から留学生が集まり、正規課程の学生40%以上が留学生という国際色豊かな大学[4]となっている。

沿革[編集]

  • 1916年 東洋を研究対象にする学校 (the School of Oriental Studies)としてロンドン市のFinsbury Circusに設立される
  • 1917年 国王ジョージ5世を迎えて正式な開学式を行う
  • 1938年 学校名にアフリカが加えられ、現在の校名、the School of Oriental and African Studiesとなる
  • 1941年 キャンパスを現在地ラッセル・スクウェアに定める
  • 1973年 図書館がオープン
  • 2001年 ヴァーノン・スクウェア・キャンパスを利用開始
  • 2003年 ラッセル・スクウェア・キャンパスと図書館を改修、拡張

キャンパス[編集]

ラッセル・スクウェア・キャンパス
ヴァーノン・スクウェア・キャンパス

SOASは2009年現在、2つのキャンパスをロンドン市内に構えている。 メインキャンパスがあるラッセル・スクウェア (Russell Square) キャンパスと キングス・クロス駅にほど近いヴァーノン・スクウェア (Vernon Square )キャンパスである。

ラッセル・スクウェア・キャンパスはロンドンの文教地区とでも言うべき ブルームスベリー地区にあり、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンやロンドン大学本部 (Senate House)などのロンドン大学関連施設、大英博物館大英図書館などの文化施設が至近距離に点在している。ラッセル・スクウェア・キャンパス内にもSOAS付属のブルネイ・ギャラリーがあり、様々な展示会が行われている。

ラッセル・スクウェア・キャンパスにはSir Denys Lasdun設計で1973年にオープンした図書館があり、アジア・中近東・アフリカ関連の書籍を中心に、120万冊以上の蔵書数[5]を誇っている。

ヴァーノン・スクウェア・キャンパスはイズリントン地区 (Islington)に 2001年にオープンしたキャンパスで、ペントンビル・ロード (Pentonville Road)にあるSOASの2つの学生寮からすぐ近くにある。ヴァーノン・スクウェア・キャンパス周辺では昨年のユーロスターセント・パンクラス駅の乗り入れを契機とした大規模な再開発が進行中[6]である。

学部構成[編集]

SOASは三つの学部 (Faculty)で構成されている。学部には数個の学科 (Department)が所属している。 またSOASには学部所属または学際的な研究所が40以上存在している。以下、学部および学科のみ記す。

Faculty of Law and Social Sciences (法律学・社会科学部)[編集]

  • Department of Development Studies (開発学科)
  • Department of Economics (経済学科)
  • Department of Financial & Management Studies (金融・管理学科)
  • School of Law (法律学科)
  • Department of Politics and International Studies (政治学・国際総合学科)

The Faculty of Arts and Humanities (人文・文化学部)[編集]

  • Department of Art and Archaeology (芸術・考古学科)
  • Department of Music (楽理学科)
  • Department of History (歴史学科)
  • Department of the Study of Religions (宗教学科)
  • Department of Anthropology and Sociology (文化人類学・社会学科)

Faculty of Languages and Cultures (言語文化学部)[編集]

  • Department of the Languages and Cultures of China and Inner Asia (支那・内陸アジア言語文化学科)
  • Department of the Languages and Cultures of South Asia (南アジア言語文化学科)
  • Department of the Languages and Cultures of Japan and Korea (日本・韓国言語文化学科)
  • Department of Linguistics (言語学科)
  • Language Centre (語学センター)
  • Department of the Languages and Cultures of Near and Middle East (中近東言語文化学科)
  • Department of the Languages and Cultures of Africa (アフリカ言語文化学科)
  • Department of the Languages and Cultures of South East Asia (南東アジア言語文化学科)

日本との関係[編集]

人的交流・学術交流[編集]

SOASは国立・私立問わず多くの日本の大学と交流協定を結んでおり、多くの日本人学生がSOASのキャンパスで学んでいる。 以下、SOASと交流協定を結んでいる日本の大学である[7]

  • 国立大学

北海道教育大学東北大学東京外国語大学お茶の水女子大学一橋大学京都大学大阪大学神戸大学

  • 私立大学

駿河台大学麗澤大学慶應義塾大学国際基督教大学上智大学清泉女子大学早稲田大学京都外国語大学同志社大学立命館大学関西大学大阪経済法科大学立命館アジア太平洋大学

正規課程の日本人学生や日本の大学からの留学生に加え、SOASにはIFCELS (International Foundation Courses and English Language Studies)があり、 ここではイギリスの大学の学部課程への入学資格取得を希望する高卒者やイギリスの大学院に進学予定者など多数の日本人が在籍している。

SOASにおける日本研究[編集]

日本はSOASの研究対象である。 そのためSOASでは社会科学系の学部で日本の政治・経済の研究を行っている他、日本の言語・文化を研究する学部を擁している。 さらに日本を研究するための専門研究所The Japan Research Centre (JRC)[8]があり、40名以上の研究者が日本研究に従事している。 また日本の芸術および文化研究のための研究所Sainsbury Institute for the Study of Japanese Arts and Cultures[9]もある。

SOASの日本語での通称は定まっていないが、本稿のように東洋アフリカ研究学院、またはロンドン大学東洋アフリカ研究所や東洋アフリカ研究所、 ロンドン大学東洋アフリカ学学院などとするのが一般的である。

なお、第32代駐日英国大使であるディビッド・ウォレン英語版もSOASの関係者である。 日本にあるSOAS同窓会の名誉総裁は三笠宮崇仁親王である。

評価[編集]

SOASは前述のようにイギリスでは類を見ない地域研究に特化した大学である。故に他の大学との比較は困難であるが、イギリス政府の公式調査および新聞社が提供する指標を見ると、 イギリスに119校ある大学のなかで、また世界におけるSOASの位置づけが見えてくる。

Research Assessment Exercise[編集]

Research Assessment Exercise (RAE)は、数年に一度、イギリス政府がイギリスにある全ての研究機関に対して行う研究成果の調査および査定である。イギリスの研究機関で行われている研究を何十もの分野に分け、その分野の専門家がお互いの研究成果を査定し、 イギリス政府はその結果に基づいて国内の研究機関への資金配分を決める。RAEはこれまで1992年、1996年、2001年、2008年の4回実施されている。

最新のRAE(2008年版)によると、総合ランキングでSOASは第29位[10]であった。評価方法が変更されているので正確な比較はできないが、この結果は前回、2001年の調査とほぼ同じ順位[11]である。

また2001年の調査ではSOASにおける研究活動の約11%が世界トップレベルの研究だと査定されていたが[12]、今回のRAE2008 では約19.7%[13]と改善している。

今回のRAEを分野別に見てみると、SOASは研究の質の項目でアジア研究 (Asian Studies)で1位[14]文化人類学 (Anthropology)で2位[15]と健闘した。しかし、前回の調査で最高水準の評価を得た歴史学 (History)、音楽 (Music)がそれぞれ15位[16]、12位[17]と低迷した。なお、今回のRAEによると、SOASにおいて現在行われている研究のうち、規模が最も大きいのは開発学 (Development Studies), 次いでアジア研究 (Asian Studies)、3番目に歴史学 (History)となるようである[18]

新聞社による評価[編集]

イギリスでは新聞各紙が独自の視点に基づいた大学ランキング(総合ランキングは下記の表を参照)を発表している。 Sunday Times紙は1997年から2007年までの10年間の総合ランキングでSOASを21位にしている[19]。 また詳細なデータが公開されているIndependent紙[20]とTimes紙[21]の2009年度版のランキングを見てみると、 以下のようなSOASの特徴が読み取れる。

  • 学生の満足度は他の都市型大学同様に低く70〜80位
  • 研究レベルではトップ10〜20位
  • 学部課程への入学難易度では25~30位 (志願倍率は約6倍[22]
  • 教員一人あたりの学生数が10.5人とイギリスでも最も良い部類に入る
  • 大学の設備に対する投資額でトップ10


*英国の新聞社による総合評価
2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 1999 1998
Times 24th[23] 18th[24] 19th[25] 15th 19th[26] 22nd 27th[27] 23rd= 14th 14th 6th
Guardian 8th[28] 11th[29] 6th 6th[30] 4th[31] 4th[32] 4th[33]
Sunday Times 33rd[34] 24th[35] 21st[36] 21st[37] 18th[38] 29th[38] 14th[38] 38th[38] 25th[38] 13th[38] 11th[38]
Daily Telegraph 24th[39] 10th= 12th[40]
Financial Times 17th[41] 13th[42] 6th[43] 13th[44] 6th[45]
Independent 9th[46] 24[47]

THE-QS World University Rankings[編集]

THE-QS World University RankingsThe Times Higher Education Supplementと教育情報の専門会社Quacquarelli Symondsが2005年から毎年発表している世界大学ランキングである。なお、このランキングは2007年に大幅に査定方法が変更され、理系学部のないSOASのような大学には不利なランキングとなっていること、そもそも査定者がイギリスとアメリカの研究者や企業関係者に偏っていることに留意する必要がある。

  • 2008年 総合253位[48](人文系60位[49]、社会科学系120位[50]
  • 2007年 総合243位[51](人文系48位[52]、社会科学系111位[53])
  • 2006年 総合70位[54]
  • 2005年 総合103位[55]

主な関係者[編集]

ノーベル賞受賞者

国家元首・首相・大統領

王族関係

政府関係者

その他

SOASギャラリー[編集]

脚注[編集]

  1. ^ SOAS Annual Report 2007-08 http://www.soas.ac.uk/about/publications/annualreport/48664.pdf
  2. ^ SOAS Annual Report 2007-08 http://www.soas.ac.uk/about/publications/annualreport/48664.pdf
  3. ^ Why SOAS http://www.soas.ac.uk/admissions/whysoas
  4. ^ the Complete University Guidehttp://www.thecompleteuniversityguide.co.uk/single.htm?ipg=6570
  5. ^ SOAS Library About US http://www.soas.ac.uk/library/about/
  6. ^ http://www.kingscrosscentral.com/index
  7. ^ 文部科学省 大学等間交流協定締結状況等調査の結果について http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/19/09/07090416.htm
  8. ^ The Japan Research Centre (JRC) at SOAS | University of London(英語)
  9. ^ Sainsbury Institute for the Study of Japanese Arts and Cultures(日本語)(英語)
  10. ^ SOAS RAE www.soas.ac.uk—newsitem48570.html <http://www.soas.ac.uk/news/newsitem48570.html>
  11. ^ Guardian RAE 2001 http://education.guardian.co.uk/researchratings/table/0,11229,-4319756,00.html?index=3&start=20
  12. ^ hero RAE http://www.hero.ac.uk/rae
  13. ^ Guardian RAE 2008 http://www.guardian.co.uk/education/table/2008/dec/18/rae-2008-results-uk-universities
  14. ^ Guardian RAE 2008 Asian Studies http://www.guardian.co.uk/education/table/2008/dec/18/rae-2008-asian-studies
  15. ^ Guardian RAE 2008 Anthropology http://www.guardian.co.uk/education/table/2008/dec/18/rae-2008-anthropology
  16. ^ Guardian RAE 2008 History http://www.guardian.co.uk/education/table/2008/dec/18/rae-2008-history
  17. ^ Guardian RAE 2008 Music http://www.guardian.co.uk/education/table/2008/dec/18/rae-2008-music
  18. ^ RAE 2008 Results http://submissions.rae.ac.uk/results/outstore/RAEOutcomeFull.pdf
  19. ^ Sunday Times University Ranking 1997-2007 http://extras.timesonline.co.uk/pdfs/univ07ten.pdf
  20. ^ The Independent 2008/09 http://www.independent.co.uk/news/education/higher/the-main-league-table-2009-813839.html
  21. ^ The Times Good University Guide 2009 http://extras.timesonline.co.uk/tol_gug/gooduniversityguide.php
  22. ^ The Complete University Guide http://www.thecompleteuniversityguide.co.uk/single.htm?ipg=6570
  23. ^ The Times Good University Guide 2009 http://extras.timesonline.co.uk/tol_gug/gooduniversityguide.php
  24. ^ The Times Good University Guide 2008 http://extras.timesonline.co.uk/gug/gooduniversityguide.php
  25. ^ The Times Good University Guide 2007 http://www.timesonline.co.uk/displayPopup/0,,102571,00.html
  26. ^ The Times Top Universities http://www.timesonline.co.uk/displayPopup/0,,32607,00.html
  27. ^ Nottingham wins in popularity stake http://www.nottingham.edu.my/News/News/Documents/2002/Nottingham%20wins%20in%20popularity%20stakes.pdf s
  28. ^ Guardian 2009 http://browse.guardian.co.uk/education?SearchBySubject=true&FirstRow=&SortOrderDirection=&SortOrderColumn=&Subject=University+ranking&Institution
  29. ^ Guardian 2009 http://browse.guardian.co.uk/education?SearchBySubject=&FirstRow=29&SortOrderDirection=&SortOrderColumn=GuardianTeachingScore&Subject=University+ranking&Institution=
  30. ^ Guardian 2006" http://browse.guardian.co.uk/education/2006?SearchBySubject=&FirstRow=20&SortOrderDirection=&SortOrderColumn=GuardianTeachingScore&Subject=Institution-wide&Institution=
  31. ^ Guardian 2005 http://education.guardian.co.uk/universityguide2005/table/0,,-5163901,00.html?start=40&index=3&index=3
  32. ^ Guardian 2005 http://education.guardian.co.uk/universityguide2004/table/0,,1222167,00.html
  33. ^ Guardian 2003 http://education.guardian.co.uk/higher/unitable/0,,-4668575,00.html
  34. ^ Sunday times 2008 http://extras.timesonline.co.uk/stug/universityguide.php
  35. ^ Sunday times 2006/05 http://extras.timesonline.co.uk/stug2006/stug2006.pdf
  36. ^ Sunday times 2006/05 http://extras.timesonline.co.uk/stug2006/stug2006.pdf
  37. ^ Sunday Times 2005 http://www.timesonline.co.uk/article/0,,8404-1246752,00.html
  38. ^ a b c d e f g University ranking based on performance over 10 years http://extras.timesonline.co.uk/pdfs/univ07ten.pdf
  39. ^ Telegraph 2006 http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml;jsessionid=HXFCSGXMNVABTQFIQMFCFGGAVCBQYIV0?xml=/news/2007/07/30/ncambs430.xml
  40. ^ FT 2002 http://www2.warwick.ac.uk/services/academicoffice/ourservices/planning/businessinformation/academicstatistics/2002/table_81.xls
  41. ^ FT 2003 http://www.grb.uk.com/448.0.html?cHash=5015838e9d&tx_ttnews%5Btt_news%5D=9&tx_ttnews%5Buid%5D=9
  42. ^ FT 2002 http://www2.warwick.ac.uk/services/academicoffice/ourservices/planning/businessinformation/academicstatistics/2002/table_81.xls
  43. ^ FT2001 http://specials.ft.com/universities2001/FT3HLLAN6LC.html
  44. ^ FT2000 http://specials.ft.com/ln/ftsurveys/industry/pdf/top100table.pdf
  45. ^ FT2000F http://specials.ft.com/ln/ftsurveys/industry/scbbbe.htm
  46. ^ The Independent 2008/09 http://www.independent.co.uk/news/education/higher/the-main-league-table-2009-813839.html
  47. ^ The Independent 2008/09 http://www.independent.co.uk/news/education/higher/the-main-league-table-2009-813839.html
  48. ^ THE-QS World University Rankings 2008 http://www.topuniversities.com/worlduniversityrankings/results/2008/overall_rankings/fullrankings
  49. ^ THE-QS World University Rankings Arts&Humanities 2008 http://www.topuniversities.com/worlduniversityrankings/results/2008/subject_rankings/arts_humanities
  50. ^ School Profile:SOAS http://www.topuniversities.com/schools/data/school_profile/default/schoolorientalafricanstudiesuniversitylondon
  51. ^ THE-QS World University Rankings 2007 http://www.topuniversities.com/worlduniversityrankings/results/2007/overall_rankings/top_400_universities
  52. ^ THE-QS World University Rankings Arts&Humanities 2007 http://www.topuniversities.com/worlduniversityrankings/results/2007/subject_rankings/arts_humanities
  53. ^ School Profile:SOAS http://www.topuniversities.com/schools/data/school_profile/default/schoolorientalafricanstudiesuniversitylondon
  54. ^ THE-QS World University Rankings 2006 http://www.topuniversities.com/worlduniversityrankings/results/2006/top_200_universities
  55. ^ THE-QS World University Rankings 2005 http://www.topuniversities.com/worlduniversityrankings/results/2005/top_200_universities

関連項目[編集]

外部リンク[編集]