ロンドン大学

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ロンドン大学本部 (Senate House)
University of London
創立 1836年
学校種別 公立
総長 アン王女
副総長 Sir Graeme Davies
学生 120,975(所属19大学合計)[1]
41,000(通信課程)[2]
所在地

イギリス
Malet Street London WC1E 7HU

北緯51度31分16秒 西経0度07分44秒 / 北緯51.52111度 西経0.12889度 / 51.52111; -0.12889ロンドン
キャンパス 都市
スクールカラー
         
ウェブサイト

http://www.lon.ac.uk/

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ロンドン大学(英:University of London)は、1836年に設立された、イギリスロンドン市中心部、ラッセル・スクウェアに本部を置くカレッジ制の大学である。各カレッジはそれぞれ独立した別の大学であるため、ロンドン大学という大学が単体で存在する訳ではない。

各カレッジは学生の入学審査・学校運営・教員採用などを独自に行っており、ロンドン大学の学位ではなく独自の学位を授与するカレッジもある。これらの面でロンドン大学のカレッジ制は学寮を意味するカレッジ制とは異なり、各カレッジはそれぞれ個別の独立した大学として扱われる。2009年4月現在、19のカレッジと12の研究機関が所属し、所属カレッジの合計学生数は10万人を超える。

ロンドン大学所属のカレッジはブルームスベリー地区を中心に大ロンドン全域にある。なお、ロンドンにあるすべての大学がロンドン大学所属というわけではないので注意が必要である。

概要[編集]

ロンドン大学 学生生協 (ULU)
ロンドン大学本部 図書館

ロンドン大学はユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン (UCL) とキングス・カレッジ・ロンドン (KCL) の学生に学位を授与する機関として19世紀中頃に設立された。20世紀になり、所属カレッジは増えていったが、各カレッジは高い独立性を維持しつつも、時には結束して政府に対してロビー活動を展開していた。しかし、1990年代末、巨大化したロンドン大学に不満を持つカレッジが出るようになる。同じロンドン大学の学位を授与していながら、カレッジごとのレベル・役割の違いが明確になってきたためである。例えば、バークベック・カレッジはその前身がロンドン職工組合(London Mechanics' Institute)であったこともあり社会人のためのpart-timeコースが多く、UCL、KCL、インペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)はラッセル・グループに加入し、研究型の大学としての地位を固めていく。一方、小規模の単科カレッジは財政的にロンドン大学への依存を深めていった。そんな中、ICLが2007年にロンドン大学から脱退し、独立した。一方、LSE・KCL・UCLはロンドン大学内に留まったものの、ロンドン大学の学位ではなく独自の学位を学生に授与し始めた。各カレッジが独自の学位授与権を枢密院から獲得する動きは加速しており、2013年現在、上記3校の他に独自学位を授与するようになったのは、クイーン・メアリー(QMUL)やセント・ジョージ医学校である。また東洋アフリカ研究学院(SOAS)、インスティチュート・オブ・エデュケーション(IOE)などロンドン大学の学位を学生に授与しているが、独自学位の授与権も保持するカレッジも出てきた。

ロンドン大学の際だった特色は「人々のための大学」という伝統である。この伝統は、ロンドン大学の基礎団体のUCLが英国国教会の信徒にのみ進学が許されていたオックスフォード大学ケンブリッジ大学に対抗して、人種、宗教、政治的信条に関わりなく広く学問への門戸を開くため設立されたことに起因する。また、イギリスで初めて女性に学位を授与したのもロンドン大学 (UCL) である。このような伝統を現在のロンドン大学で最も強く引き継いでいるのは通信教育課程 (External System) であろう。1858年に世界初の通信教育を開始したロンドン大学はチャールズ・ディケンズに「真に人々のための大学だ。屋根裏で勉強している靴職人にも教育の機会を与えている。」と賞賛されている[3]。また、この通信教育で投獄中のネルソン・マンデラも学んでいる。グローバル化した今日においてもこの「人々のための大学」の価値は揺るがず、世界180ヶ国41,000人がこの通信教育で学んでいる。

ロンドン大学の各カレッジ所属の学生は、ロンドン大学生協 (University of London Union, ULU) や各カレッジにある大学生協を相互利用することができる。同様に、図書館の相互利用やロンドン大学本部にある図書館も利用可能である。カレッジ共同の学生寮も複数整備されている。もっとも、ロンドン大学本部から遠い場所にあるカレッジの学生はこのような特典を利用しづらいのが難点である。

構成[編集]

所属カレッジ[編集]

ロンドン大学の構成カレッジおよび所属研究所は、以下の通りである(アルファベット順)

大学名 (英語) 大学名 (日本語) 学生数 加入年
Birkbeck (BBK) バークベック・カレッジ 18,480 1920年
Central School of Speech and Drama (CSSD) セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマ 910 2005年
Courtauld Institute of Art コートールド美術研究所 455 1931年
Goldsmiths College (GUL) ゴールドスミス・カレッジ 7,450 1904年
Heythrop College ヘイスロップ・カレッジ 850 1971年
Institute of Cancer Research (ICR) ロンドン大学癌研究所 130 1909年
Institute of Education (IoE)  インスティチュート・オブ・エデュケーション 6,440 1932年
Kings College London (KCL) キングス・カレッジ・ロンドン 21,230 1836年
London Business School (LBS) ロンドン・ビジネス・スクール 1,495 1996年
London School of Economics and Political Science (LSE) ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス 9,030 1900年
London School of Hygiene & Tropical Medicine (LSHTM) ロンドン衛生熱帯医学大学院 1,140 1905年
Queen Mary (QMUL)  クイーン・メアリー 12,585 1907年
Royal Academy of Music (RAM) 王立音楽アカデミー 700 1999年
Royal Holloway (RHUL) ロイヤル・ホロウェイ 8,335 1900年
Royal Veterinary College (RVC) 王立獣医大学 1,805 1949年
School of Oriental and African Studies (SOAS) 東洋アフリカ研究学院 4,725 1916年
School of Pharmacy ロンドン大学薬学校 1,385 1926年
St George's (SGUL) セント・ジョージ医学校 3,985 1900年
University College London (UCL)  ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン 19,385 1836年
University of London International Programmes 41,000 1858年

ロンドン大学指定機関[編集]

指定機関 (Listed Body) とは、独自に学位を認定する権限は持たないが、所与の条件を満たせばロンドン大学により学位の認定を受けられる教育・研究機関である。ロンドン大学には以下の指定機関がある。

ロンドン大学通信課程が起源の大学[編集]

ロンドン大学が特別支援したイギリス連邦の大学[編集]

ロンドン大学は1946年から1970年の間、イギリス連邦内の複数の大学を学術・大学運営の両面で特別支援していた。支援を受けた大学は以下の通りである。

ロンドン大学に付属する国立の学術研究機関[編集]

ロンドン大学本部[編集]

ロンドン大学本部 内部

ロンドン大学はブルームスベリー地区に160ほどの建物を所有している。この中心にあるのがラッセル・スクウェアに面したロンドン大学本部である。ロンドン大学が設立された19世紀当時、本部はピカデリー・サーカスにほど近いバーリントン・ガーデン(現在の王立芸術院の所在地)にあった。20世紀以降、ロンドン大学に加盟する教育機関が増え、1908年にはイギリス最大の大学となった[6]ため業務が増し、手狭になった本部はサウス・ケンジントンなど数カ所を転々とした。そこで、ロンドン大学はロックフェラー財団の援助を受けてベッドフォード公爵 (Duke of Bedford) から大英博物館にほど近い土地を本拠地として購入した。1933年に国王ジョージ5世が建築開始の儀式を行い、その後4年の歳月が流れた1937年Charles Holden設計のロンドン大学本部が完成した。約70年前に完成したこのロンドン大学本部には現在、食堂や学生に住居を斡旋する部署、ロンドン大学先端研究所が入居している。また前述のロンドン大学本部図書館もこの本部にある。この図書館は大英図書館、LSEの図書館に次いでロンドンで3番目に大きな図書館で、約300万冊の書籍を保有している。

関係者[編集]

ロンドン大学の各カレッジは高度に独立しているため、共通の同窓会は存在ぜず、各カレッジごとに同窓会組織がある。つまり「ロンドン大学の同窓生」という概念は存在しない。もし仮にロンドン大学を一つの大学として考えてみると、ロンドン大学はLSEとUCLを中心に50人以上のノーベル賞受賞者と60人以上の各国元首・大統領・首相を輩出していることになるはずである。

ロンドン大学は日本との関係も大変深い。毎年沢山の日本人がロンドン大学の各カレッジに留学している。また歴史的にも日本人の留学を最も早い時期に受け入れたのが現在のUCLで、その中には後に日本最初の内閣総理大臣になる伊藤博文、あるいは井上馨など長州五傑がいる。その後、夏目漱石もUCLに国費留学している。現代では小泉純一郎麻生太郎がそれぞれUCLとLSEに留学経験がある。ただし、伊藤博文、夏目漱石、小泉純一郎、麻生太郎のいずれもロンドン大学の学位は持っていない。

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

  1. ^ HESA http://www.hesa.ac.uk/index.php/component/option,com_datatables/Itemid,121/task,show_category/catdex,3/#institution
  2. ^ University of London External System http://www.londonexternal.ac.uk/about_us/index.shtml
  3. ^ 150th Anniversary External System http://www.londonexternal.ac.uk/150/history/index.shtml
  4. ^ HESA http://www.hesa.ac.uk/index.php/component/option,com_datatables/Itemid,121/task,show_category/catdex,3/#institution
  5. ^ University of London External System http://www.londonexternal.ac.uk/about_us/index.shtml
  6. ^ History of University of London http://www.london.ac.uk/history.html

外部リンク[編集]