民族主義
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民族主義(みんぞくしゅぎ)は自らの民族を政治、経済、文化などの主体と考え、価値観の至上とする思想や運動。マイノリティによる民族主義は、少数民族、先住民族が自らの言語、文化、宗教などの維持存続を求め、民族自決の主張をともなうこともあるが、分離主義など、戦争、紛争の要因になり得る。
国家主義、愛郷主義、地域主義とは相互に関連するが、同一の概念では無い事に注意。
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[編集] 概要
一般に誤認されがちな事だが、本来の民族主義は国家ではなく民族を中心に考える思想である。国家主義と結び付くのは民族主義の理念から民族を政治的に一つにしようとする運動が起こりやすいからで、逆にアメリカやユーゴスラビアのように国家を多民族によって形成する国では、むしろ各民族主義と国家主義は対立する。特定の民族を優遇する多民族国家(フランコ政権下のスペインなど)の場合は、その優遇された民族の民族主義を支持基盤にするが、当然弾圧される側の民族主義とは対立する。愛国心よりはむしろ郷土愛(愛郷主義)との親和性が強いとも言われる[要出典]。
一方、英語では愛国主義と民族主義はNationalismと表記され単語としての違いはない。世界的にみても、20世紀に民族自決の原則が唱えられてから、この二つの言葉の意味の違いは減少する方向にある。しかし国内に多民族を内包する国は依然として多く、各地で少数派民族の独立運動が激化している。特に冷戦終結以降の欧州では地域主義の推進などで、より小さな民族集団に分かれて争う傾向が深まっている。
排外的な民族主義が嵩じると単一民族による国家の形成・純化・拡大を主張し、対外的に自民族との差異と優越性を主張することがある。大国にあっては近隣諸国の自民族居住地域などの併合、少数民族にあっては分離独立などを主張し、しばしば戦争や紛争が生じる。自民族居住地域が近隣にない場合も、領土を併合する前や後において、被支配民族との近縁性、一体性(日鮮同祖論など)を強調することで正当性を主張する場合もある。これらは国家主義に民族主義を接合する動きと言える。
ナポレオン戦争によるフランスの支配下、こうした概念に触れたヨーロッパの各国民は民族主義を高揚させた。アジアにおいては、日露戦争が同様の役割を果たしており、日本への期待を生んだ。第二次世界大戦後には、多くのアジア・アフリカの国家が民族主義を高揚させて独立を果たした。
日本では水戸学、国学の影響を受けた尊王攘夷運動として現れ、明治維新の原動力となった。明治以降は民族主義は国家主義と結びつき、国家主義に飲み込まれていく。大日本帝国は朝鮮・台湾などを領土に加えて多民族帝国を志向し、日本の国家主義は「八紘一宇」を掲げる大東亜共栄圏建設を目指した太平洋戦争でピークに達する。
敗戦後、その反省から戦前的な(右派的・国家主義的な)民族主義への抵抗感が強まる一方、反米を掲げる左派的な民族主義が高揚する。左派的な立場からの民族主義は、沖縄返還の原動力となったほか、(列強からの自立を目指す)アジア・アフリカの民族主義には情緒的な共感が寄せられ、反戦運動とも結びついた。
[編集] 現在の民族主義政党
[編集] 欧州
- ロシア自由民主党 - ロシア人
- ドイツ国民民主党 - ドイツ人
- バイエルン民族党 - バイエルン人
- オーストリア自由党 - ドイツ人
- 国民戦線 (フランス) - フランス人・ケルト人
- デンマーク国民党 - デンマーク人
- 国民党(スペイン) - スペイン人
- アラゴン民族党 - アラゴン人
- アストゥリアス民族党 - アストゥリアス人
- バスク民族主義者党 - バスク人
- カタルーニャ同盟 - カタルーニャ人
- アンダルシア人民党 - アンダルシア人
- 国民同盟(イタリア) - イタリア人
- 進歩党 (ノルウェー) - ノルウェー人
- 純粋フィンランド人 - フィンランド人
- スウェーデン党 - フィンランドのスウェーデン語話者の政党
[編集] 北アメリカ
[編集] アジア
[編集] 民族主義の形態
[編集] 著名な民族主義者
- スカルノ
- シモン・ボリバル
- スバス・チャンドラ・ボース
- 安重根
- 陸羯南
- 三宅雪嶺
- 頭山満
- 内田良平
- 北一輝
- 橘孝三郎
- 大川周明
- 中野正剛
- 牛嶋徳太朗
- 鈴木邦男
- 瀬戸弘幸
- 魚谷哲央
- 藤岡信勝
- 藤原正彦 - 日本の「情緒」を重んじる立場。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 『増補 想像の共同体 ナショナリズムの起源と流行』ベネディクト・アンダーソン NTT出版 ISBN 487188516X
- 『ナショナリズムと自由民権』田村安興 清文堂出版 ISBN 4792405491

