アイルランド人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
アイルランド人
(Muintir na hÉireann)
総人口

Estimated 80,000,000 people who claim Irish ancestry[1]

居住地域
アイルランドの旗 アイルランド   4,500,000
アメリカ合衆国の旗 アメリカ 40,000,000+ [2]
イギリスの旗 イギリス 6,000,000 [3]
カナダの旗 カナダ 4,354,155 [4]
オーストラリアの旗 オーストラリア 5,900,000 [5]
アルゼンチンの旗 アルゼンチン 1,000,000 [6]
メキシコの旗 メキシコ 600,000 [7]
他の地域
言語
アイルランド語アルスタースコットランド語シェルタ語アイルランド英語
宗教
カトリックが主流、長老派教会(アイルランド)アイルランド国教会、その他
関連する民族

ブルトン人, コーンウォール人, マン島人, スコットランド人, アルスタースコットランド人, ウェールズ人, アングロ・アイルランド人など

脚注
  • Around 800,000 Irish born people reside in Britain, with around 14,000,000 people claiming Irish ancestry.[8]

アイルランド人は、アイルランド島を舞台に形成され、現在西ヨーロッパ、特にアイルランドに居住するケルト系民族をさす。

起源[編集]

現在アイルランドに住む人々は大別して3つの起源を有すると考えられている。第1には有史以前からアイルランド島に居住していた人々、第2には紀元前にヨーロッパ大陸から渡来した人々、そして第3にはヴァイキングノルマン人イングランド人、低地スコットランド人など中世から近世にかけてアイルランドに移住、植民した人々である。

ニューグレンジなどの巨石文化で知られる第1の民族については、その名や使用言語がまったく明らかになっていない。紀元後になりアイルランド島の住民達は自身をBanbaFódlaÉriuなどの自称で呼ぶようになる。ヒベルニア(Hibernia)は古代ローマ人によりつけられた名称である。

古代ローマ帝国後期になるとAttacottiScoti、そしてゲールといった名称が用いられるようになった。ゲールとはウェールズ語の襲撃者gwyddellに由来しており、最終的にアイルランド島の住民は自身をゲール人と呼ぶようになる。

英語におけるIrishまたはIrelandという言葉はÉrainnマンスター地方の中央部および南部に住んでいた民族に由来している。ブリテン島やゲール人との海上交易を行っていたこの民族の名がアイルランド島およびそこに住む人々全体へと用いられるようになった。

アイルランド人の人名[編集]

19世紀から20世紀にかけてアメリカへと移住したアイルランド人の間で、アイルランド語で書かれ発音されていた人名を英語化することが行われた。今日でもアイルランド語、英語両方の名を持つ人々が存在する。

ゲール由来の家名にはO’およびMc(少数はMacまたはMa)で始まる場合があるが、これはそれぞれ~の孫、子孫を示す接頭語である。例えばアイルランド上王のブライアン・ボル(Brian Boru)の子孫はオブライエン(O'Brien)という具合である。Mcについては高地スコットランドの家名と同様に~の子といった意味である。接頭語Oで始まるアイルランド固有の名前としては : O'Neill、O'Brien、O'Connor、O'Leary、O'shaughnessy、O'Donnell、O'Toole、O'Meara、O'Malley、O'Hara、O'Bradaigh、O'Reillyなどがある。

同様にMc、Macで始まる名については : McGroyn、McGuinty、McStiofain、McDonagh、McDonald、McQuillan、McGuinness、McGonigle、MacArthur、McQueen、McGuireなどである。

12世紀後半から13世紀にかけてノルマン人、ウェールズ人、ブリトン人などがアイルランドを侵略してレンスター王国の一部を占領した。それから300年ほどの間に支配階級のアイルランド種族と通婚を繰り返し、現在"古来のアイルランド人よりもアイルランドらしい"と言及されるような文化を作り上げた。

こうした史実を背景に生じたのがFitzを冠する家名である。Fitzはノルマン語の子fisに由来する。Fizで始まる名は : FitzGerald、FitzSimmons、FitzGibbons、FitzPatrick、FitzHenryなどである。

現代のアイルランド人[編集]

北アイルランドではプロテスタントが多数派を占めているが、2001年の調査ではカトリック教徒が43.8%を占めている。 1603年にアイルランドがイングランドの支配下に入ってから、ジェームズ1世クロムウェルウィリアム3世などの治世にイングランド人スコットランド人のアイルランドへの入植がアイルランド島北部のアルスター地方を中心として盛んに行われた。彼らはノルマン人とは違い、先住アイルランド人と通婚することが少なく、孤立したコミュニティを形成していた。

アイルランドで民族主義運動が盛り上がるにつれ、カトリック教徒のナショナリストとプロテスタントのユニオニスト (Unionism in Ireland) 間の対立が発生したが、現在では多くのアイルランド人にはプロテスタント系の祖先が存在するのが一般的である。

1920年のアイルランド統治法と翌年のアイルランド自由国建国によりアルスターの6州は北アイルランドを構成して、残りのアイルランドと分離した。今日の北アイルランドではプロテスタントはイングランドまたはスコットランド系の名字、カトリックはアイルランド固有の名字を持つ傾向にあるがこれには例外も多い。

海外への移住[編集]

アイリッシュ・ディアスポラIrish diasporaとはアイルランド島外に移住したアイルランド人たちをさす言葉である。ジャガイモ飢饉による食糧事情などの悪化によって移民になる者が急激に現れ、世界各国に移住した。移住先としてはアメリカ合衆国イギリスカナダオーストラリアニュージーランドアルゼンチン南アフリカ共和国そして西インド諸島などである。これらの国々においてアイルランド系と見なされる人々の数は合計8000万人にもおよぶ。その成功例がジョン・F・ケネディ大統領らを輩出したケネディ家である。

ヨーロッパ諸国の他にはアメリカ合衆国アイルランド系アメリカ人)、アルゼンチンアイルランド系アルゼンチン人)、チリアイルランド系チリ人)、ブラジル、などにアイルランド人コミュニティが存在する。アメリカにおけるアイルランド系住民の合計は4400万人と見られており、これはドイツ系につぐ規模の民族集団である。ラテンアメリカへの移民は18世紀から19世紀にかけて行われた。アルゼンチンには50万人ものアイルランド系の人がいると見られており、チェ・ゲバラベルナルド・オイギンス(チリの建国の父)などもアイルランド系の血をひいている。

歴史上のアイルランド人[編集]

その他の人物についてはアイルランド人の一覧を参照

関連項目[編集]

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ The island history, discoverireland.com
  2. ^ American FactFinder, United States Census Bureau. “U.S. Census Bureau, 2007”. Factfinder.census.gov. 2010年5月30日閲覧。
  3. ^ “One in four Britons claim Irish roots”. BBC News. (2001年3月16日). http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/1224611.stm 2010年3月28日閲覧。 
  4. ^ Ethnocultural portrait of Canada”. Statistics Canada (2006年). 2008年7月4日閲覧。
  5. ^ The 2006 Australian Census reports 1.9 million people of Irish ancestry in the 2001 Census. Up to two ancestries could be chosen. Recent increases in the number who identify as Australian suggest that this number is an underestimate of the true number with Irish ancestry. With that being said, the number claiming Irish ancestry from the previous census actually more than doubled. One reason, an improved image of what it means to be Irish according to the census experts, making Australians more proud to state their Irish ancestry. Also the Australian Embassy in Dublin states that up to 30 percent of Australians have some degree of Irish ancestry.[1].
  6. ^ An Irish Argentine in the Easter Rising
  7. ^ Irish Mexican – Wikipedia, the free encyclopedia”. En.wikipedia.org. 2010年3月28日閲覧。
  8. ^ Bowcott, Owen (2006年9月13日). “More Britons applying for Irish passports | UK news | guardian.co.uk”. The Guardian (London). http://www.guardian.co.uk/britain/article/0,,1871753,00.html 2009年12月31日閲覧。 

外部リンク[編集]