アストゥリアス州

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内, 検索
アストゥリアス自治州
Comunidad Autónoma del
Principado de Asturias
Comunidá Autónoma del
Principáu d'Asturies
Flag of Asturias.svg Escudo de Asturias.svg
州旗 紋章
Localización de Asturias.svg
州都 オビエド
公用語 カスティーリャ語
面積
 – 総面積
 – 割合
第10位
  10,602.41km² [1]
  2.1%
人口
 – 総人口(2010年)
 – 割合
 – 人口密度
第13位
  1,084,341人 [1]
  2.34%
  102.27人/km² [1]
住人の呼称
 – アストゥリアス語
 – スペイン語

  asturianu/-a
  asturiano/-a
自治州法 1982年1月11日
ISO 3166-2:ES O
議席割当
 – 下院
 – 上院
  8
  2
州首相 フランシスコ・アルバレス・カスコス (FAC)
州政府のサイト

アストゥリアス州アストゥリアス語ではアストゥリエス州)(スペイン語Principado de Asturiasアストゥリアス語Principáu d'Asturies)は、スペインを構成する自治州の一つ。直訳すると「アストゥリアス公国」自治州となる。アストゥリアス州はアストゥリアス県1つからなる一県一州の自治州である。州都はオビエド

イベリア半島の北部に位置し、東はカンタブリア州、南はカスティーリャ・イ・レオン州、西はガリシア州に接し、北岸はカンタブリア海に面している。

目次

[編集] 地理

[編集] 地勢

山脈中のソミエドの湖

アストゥリアス州の地理の特徴は、起伏の多い海岸線と、内陸の険しい山地である。海岸線は長く、多くの砂浜、入り江、海岸洞窟がある。険しい崖に区切られた美しい砂浜は、リゾート地となっている。山地では、登山、ハイキング、スキー、ケイビングが楽しめる。

州の西から東に連なるカンタブリア山脈es)は、南のレオン県との自然な境になっている。山脈のうち州東部の部分は、ピコス・デ・エウロパ(直訳では「ヨーロッパの頂」)と呼ばれ、最高峰は2,648mのトレセレド山である。この地域は、アストゥリアス、カンタブリア、カスティーリャ・イ・レオンの3州にまたがるピコス・デ・エウロパ国立公園として保護されている。

[編集] 気候

アストゥリアスを含むスペイン北部の気候は、中央部や南部に比べて変化に富んでおり、「緑のスペイン」と呼ばれる。夏は温暖で湿度が高く、晴天が多いが雨も降る。冬は厳しくはないが、急激に冷えることもある。内陸の山地では11月から5月まで雪が降る。年間の降水量は900mm程度で、内陸ほど増える。

[編集] 人口

アストゥリアス州の人口推移(1900年 - 2010年)
 1900  1910  1920  1930  1940  1950  1960  1970  1981  1991  2000  2010
 627,069  685,131  743,726  791,855  836,642  888,149  989,344  1,045,635  1,127,007  1,098,725  1,076,567  1,084,341
出典:INE(スペイン国立統計局)1900年 - 1991年[2]、1996年 - [3]

[編集] 歴史

アストゥリアスはカンタブリアとともに、険しい地形のためにローマ時代、西ゴート時代を通じて中央の実効支配の及ばない地域であった。8世紀初頭にイスラム勢力に征服されたが、718年ごろに伝説的な王ペラーヨコバトンガの戦いes)で初めてイスラム軍を破ったとされ、のちにこの勝利がレコンキスタの出発点と見なされるようになった。ペラーヨを祖とするアストゥリアス王国カンガス・デ・オニス、のちにオビエドを首都とし、10世紀レオンに遷都してレオン王国となった。

1388年カスティーリャフアン1世は、王子エンリケ(エンリケ3世)に「アストゥリアス公」(Príncipe de Asturias)の称号を与えた。これが、カスティーリャ王国スペイン王国の王位継承者の称号となり、現在のフェリーペ皇太子まで続いている。

19世紀からは炭鉱の開発が進み、鉱工業が発展した。20世紀前半には、アストゥリアスは労働運動の牙城となった。1933年にスペインに右派の政権が誕生すると、1934年10月に労働者が「アストゥリアス革命」を起こしたが、のちに独裁者となるフランコ指揮の政府軍に鎮圧された。

アストゥリアスは19世紀の県制度導入によって「オビエド県」となっていたが、1978年憲法によって自治州制度が導入されると、1981年12月30日に一県一州としてアストゥリアス自治憲章が承認された。一県一州となったのは、レコンキスタの出発点という歴史や、産業発展に対する自信によっている。

[編集] 行政区画

[編集] 主な自治体 (2010年)

アストゥリアス州には78の自治体がある。最大の都市はヒホン。

順位 自治体 人口[3]
1 ヒホン 277,198
2 オビエド 225,155
3 アビレス 84,202
4 シエーロ 51,730
5 ラングレーオ 45,397
6 ミエーレス 43,688
7 カストリジョン 22,832
8 サン・マルティン・デル・レイ・アウレリオ 18,549
9 コルベーラ・デ・アストゥリアス 16,109
10 ビジャビシオーサ 14,840

[編集] コマルカと自治体

コマルカ 構成自治体(太字は中心となる自治体) 人口(人)[3] 面積(km²)
アビレスes アビレスカンダーモカストリジョンコルベーラ・デ・アストゥリアスクディジェーロゴソンイージャスムーロス・デ・ナロンプラビアソト・デル・バルコ 10              
カウダルes アジェールレーナミエーレス 3
エオ=ナビアes ボアルカストロポルコアーニャエル・フランコグランダス・デ・サリーメイジャーノナビアペソスサン・マルティン・デ・オスコスサン・ティルソ・デ・アブレスサンタ・エウラリア・デ・オスコスタピア・デ・カサリエーゴタラムンディバルデスベガデーオビジャヌエバ・デ・オスコスビジャジョン 17
ヒホンes カレーニョヒホンビジャビシオーサ 3
ナロンes カソラングレーオラビアーナサン・マルティン・デル・レイ・アウレリオソブレスコビオ 5              
ナルセーアes アジャンデカンガス・デ・ナルセーアデガーニャイビアスティネーオ 5
オリエンテes アミエーバカブラーレスカンガス・デ・オニスカラビアコルンガジャーネスオニスパーレスペニャメジェーラ・アルタペニャメジェーラ・バッハピローニャポンガリバデデーバリバデセージャ 14              
オビエドes ベルモンテ・デ・ミランダビメーネスカブラーネスグラードジャネーラモルシンナバノレーニャオビエドプロアーサキロスラス・レゲーラスリベーラ・デ・アリーバリオーササラスサント・アドリアーノサリエーゴシエロソミエードテベルガジェルネス・イ・タメーサ 21              
78       

[編集] 司法管轄区

アストゥリアス州の司法管轄区

州内は18の司法管轄区に分けられる[4][5]

  1. カンガス・デ・ナルセーア司法管轄区 - カンガス・デ・ナルセーア、デガーニャ、イビアス[6]
  2. レーナ司法管轄区 - アジェール、レーナ、キロス[7]
  3. カンガス・デ・オニス司法管轄区 - アミエーバ、カンガス・デ・オニス、オニス、パーレス、ポンガ、リバデセージャ[8]
  4. アビレス司法管轄区 - アビレス、カストリジョン、コルベーラ・デ・アストゥリアス、ゴソン、イージャス[9]
  5. グラード司法管轄区 - ベルモンテ・デ・ミランダ、グラード、プロアーサ、サラス、ソミエード、テベルガ、ジェルネス・イ・タメーサ[10]
  6. シエロ司法管轄区 - ビメーネス、ノレーニャ、サリエーゴ、シエロ[11]
  7. カストロポル司法管轄区 - カストロポル、エル・フランコ、グランデス・デ・サリーメ、ペソス、サン・マルティン・デ・オスコス、サン・ティルソ・デ・アブレス、サンタ・エウラリア・デ・オスコス、タピア・デ・カサリエーゴ、タラムンディ、ベガデーオ、ビジャヌエバ・デ・オスコス[12]
  8. ヒホン司法管轄区 - カレーニョ、ヒホン[13]
  9. ラビアーナ司法管轄区 - カソ、ラビアーナ、サン・マルティン・デル・レイ・アウレリオ、ソブレスコビオ[14]
  10. オビエド司法管轄区 - ジャネーラ、オビエド、ラス・レゲーラス、リベーラ・デ・アリーバ、サント・アドリアーノ[15]
  11. ジャーネス司法管轄区 - カブラーレス、ジャーネス、ペニャメジェーラ・アルタ、ペニャメジェーラ・バッハ、リバデデーバ[16]
  12. ミエーレス司法管轄区 - ミエーレス、モルシン、リオーサ[17]
  13. ラングレーオ司法管轄区 - ラングレーオ[18]
  14. ティネーオ司法管轄区 - アジャンデ、ティネーオ[19]
  15. バルデス司法管轄区 - ボアル、コアーニャ、イジャーノ、ナビア、バルデス、ビジャジョン[20]
  16. プラビア司法管轄区 - カンダーモ、クディジェーロ、ムーロス・デ・ナロン、プラビア、ソト・デル・バルコ[21]
  17. ビジャビシオーサ司法管轄区 - カラビア、コルンガ、ビジャビシオーサ[22]
  18. ピローニャ司法管轄区 - カブラーネス、ナバ、ピローニャ[23]

[編集] 政治

2011年5月22日の自治州選挙
政党 得票数 得票率 獲得議席
FAC 177,588 29.75% 16
FSA-PSOE 177,714 29.77% 15
PP 118,930 19.92% 10
IU-LOS VERDES 61,513 10.30% 4

[編集] 政党

  • アストゥリアス市民フォーラム(FAC、Foro de CiudadanosまたはForo Asturias) - アストゥリアスの地域政党。アストゥリアス国民党が分裂することによって2011年1月19日に結党された。2011年5月22日の自治州選挙で177.588票を獲得(得票率29.75%)16議席を獲得。同州の政治勢力第一党となった。


[編集] 言語

アストゥリアス州の公用語はスペイン語カスティーリャ語)だが、この地域で話されているアストゥリアス語は州固有の言語として法律で保護されているが、山間部の村落では話されているもののオビエド、ヒホンなどの都市部ではほとんど聞くことができない。

アストゥリアス語は、バスク語を除くイベリア半島の諸言語同様、俗ラテン語から変化したロマンス語イベロ・ロマンス語)のひとつで、カスティーリャ語から派生したのではないが、しばしばスペイン語(カスティーリャ語)の方言として扱われているのが現状である。

州西部エオ=ナビア地域ではガリシア語が話されている。

[編集] 世界遺産

世界遺産のひとつ、サン・ミゲル・デ・リーリョ教会

オビエドなどにはアストゥリアス王国時代の教会が残されている。西ゴートの様式を受け継いだ8世紀から10世紀の建築物で、「オビエドとアストゥリアス王国の建築物」(1985年、1998年拡大、文化遺産)としてユネスコの世界遺産に登録された。

[編集] 脚注

[編集] 参考文献

  • 『新訂増補 スペイン・ポルトガルを知る事典』平凡社、2001年、7-8頁

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

個人用ツール
名前空間
変種
操作
案内
ヘルプ
ツールボックス
他の言語