アラバ県

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アラバ県
バスク語: Araba, スペイン語: Álava
アラバ県の市旗 アラバ県の市章
位置
の位置図
座標 : 北緯42度50分 西経2度45分 / 北緯42.833度 西経2.750度 / 42.833; -2.750
行政
スペインの旗 スペイン
  バスク自治州
  アラバ県
地理
面積  
   2,963 km2
人口
人口 (2011現在)
   322,557人
    人口密度   104.5人/km2
その他
郵便番号 01
公式ウェブサイト : アラバ県

アラバ県バスク語Arabako Probintzia, IPA: [aˈɾaba]カスティーリャ語:Provincia de Álava, IPA: [ˈalaβa])は、スペインバスク自治州にある。県都はビトリア=ガステイスであり、ビトリア=ガステイスはバスク自治州の事実上の州都でもある[1]

バスク自治州にある3県のひとつで、フランス領バスクを含めた歴史的なバスク地方の7県のうちのひとつ。カスティーリャ語バスク語を公用語とし、公式表記は二言語をスラッシュ記号で併記したAraba/Álava[2]

語源[編集]

古代ローマ時代にはガジャエキア英語版(現在のガリシア州など)とアキタニア(現在のフランス・ボルドーなど)を結ぶ道路としてアブ・アストゥリカ・ブルディガラムがあり、その沿線にアルバ(Alba)という領主の邸宅があった。この地は現在のサルバティエーラ/アグライン近郊のアルベニスである可能性があり、このアルバがアラバの語源であるとされることがある。エウスカルツァインディア英語版(バスク語アカデミー)は異なる説を唱えている。エウスカルツァインディアはアラバの初出は8世紀に書かれたムスリムの年代記がアラバ平原に言及したことであり、アル(al)というアラビア語の接頭辞に古バスク語のラウア(laua)を付けたものがカスティーリャ語のÁlavaやバスク語のArabaに発展したとしている。

地理[編集]

アラバ盆地とバスク山脈

北はギプスコア県ビスカヤ県と、西はカスティーリャ・イ・レオン州ブルゴス県と、南はラ・リオハ州と、東はナバーラ州と県境を接している。アラバ県内にはブルゴス県飛び地であるトレビーニョ英語版があり、バスク自治州のバスク民族主義党はトレビーニョのバスク自治州への編入を望んでいるが、ブルゴス県議会はトレビーニョの飛び地としての保持を望んでいる。

アラバ県は内陸部にあり、地域によってとても落差の激しい気候が特徴である。北部は大西洋に近いことから湿度が高く、南部のエブロ川流域は乾燥して暖かい。地形や風景などの特徴によってアラバ県は5つの地域に区分される。ビスカヤ県との境界にある北部のゴルベア山地英語版は標高1,200m-1,400mの石灰岩の山地であり、中腹には緑色の草地が広がる。ラ・リオハ州ログローニョに近い南東部には標高が低く乾燥した谷があり、人口はまばらである。中央部のビトリア=ガステイスサルバティエーラ/アグラインを中心とする盆地では穀物が生産され、標高1,000m程度の山地によってブルゴス県の飛び地トレビーニョ英語版と隔てられている。ナバーラ州ギプスコア県に近い東部には標高1,200m-1,500mのウルキージャ山地やウルバサ山地があり、森林が広がっている。ゴルベア山地・ウルキージャ山地・ウルバサ山地などはいずれもバスク山脈の一部分であり、バスク山脈はスペイン北部を東西に伸びるカンタブリア山脈の一部分である。ラ・リオハ州のミランダ・デ・エブロに近い南西部はアラベーゼ・リオハと呼ばれ、エブロ川左岸地域はラ・リオハ州同様にブドウ生産が盛んである。北西部のネルビオン川河岸にはアムリオラウディオ/ジョディオなどの町があり、これらの町はネルビオン川下流にあるビスカヤ県ビルバオと深く結び付いている。

概してアラバ県を流れる川はエブロ川に合流して東に流れ、ログローニョやアラゴン州・サラゴサを通ってやがて地中海に至る。ビトリア=ガステイスなど中央部の盆地を流れるサドーラ川英語版、AP-68号線やレンフェの鉄道路線に沿って西部を縦断するバジャス川がアラバ県の二大河川であり、両河川はログローニョ付近でエブロ川に合流している。ビトリア=ガステイスの北約10kmの距離にはサドーラ貯水池があり、貯水池の水はビトリア=ガステイスだけでなくビルバオなどバスク自治州の他の自治体にも供給されている。ビスカヤ県やギプスコア県の河川はアラバ県の河川とは異なり大西洋に注ぐが、アラバ県北東部の谷には地中海と大西洋の分水界があり、ラウディオ/ジョディオやアムリオを流れる川はネルビオン川を通って大西洋に注いでいる。

地域区分[編集]

アラバ県はクアドリージャと呼ばれる7つの(広域区)に分かれている。県都ビトリア=ガステイスは単独でクアドリージャ・デ・ビトリアを構成している。7つの郡が51のムニシピオ(基礎自治体)を内包しており、バスク自治州最大の2,963km2の面積を持つが、2012年の人口はバスク自治州最小の322,557人であり、人口密度は108.9人/km2である[3]。人口の約3/4は県都ビトリア=ガステイスに住んでおり、他の6郡の人口はまばらである。

[編集]

黄 : ビトリア、橙 : アジャラ、桃 : アニャーナ
灰 : スージャ、青 : サルバティエーラ
赤 : カンペソ=モンターニャ・アラベサ
緑 : ラグアルディア=リオハ・アラベサ
中央の空白部分 : ブルゴス県の飛び地
2012年
人口(人)
面積
(km2
中心となる自治体
アニャーナ 8,855 698.72 ラウディオ/ジョディオアムリオ
アジャラ 34,548 328.12 イルーニャ・デ・オカ
カンペソ=モンターニャ・アラベサ 3,181 534.87 カンペソ/カンペス
ラグアルディア=リオハ・アラベサ 11,429 315.83 オジョン
サルバティエーラ 12,523 396.99 サルバティエーラ/アグライン
ビトリア 241,386 276.81 ビトリア=ガステイス
スージャ 9,794 461.58 スージャ

自治体[編集]

順位 2012年
人口(人)
ムニシピオ
1 242,223 ビトリア=ガステイス ビトリア
2 18,498 ラウディオ/ジョディオ アニャーナ
3 10,114 アムリオ アニャーナ
4 4,978 サルバティエーラ/アグライン サルバティエーラ
5 3,305 オジョン ラグアルディア=リオハ・アラベサ
6 3,072 イルーニャ・デ・オカ アジャラ
7 2,918 アジャラ アジャラ
8 2,869 アレグリア・デ・アラバ サルバティエーラ
9 2,439 スージャ スージャ
10 1,861 アルセニエガ アジャラ

産業[編集]

1950年には農業と農場経営がアラバ県の景観を形成していたが、1960年代から1970年代には中央部の盆地で工業が成長して労働力が徐々に工業にシフトし、ビトリア=ガステイス(ガマーラ地区・ベトーニョ地区・アリ・ゴベオ地区)、サルバティエーラ/アグスティンアライアには工業団地が形成された。2000年時点では農業従事者は2%に過ぎず、32%が製造業に、60%が第三次産業に従事している[3]。大西洋岸ではかなり早い段階で鉄鋼業が発展し、ビスカヤ県ビルバオの経済の原動力となった。ビルバオの衛星都市であるラウディオ/ジョディオアムリオにはかなりの人口が流入し、人口の点でいえばラウディオ/ジョディオはアラバ県第2の自治体に、アムリオはアラバ県第3の自治体となった。

政治[編集]

2011年のアラバ県議会議員選挙の政党別獲得議席数は、国民党(PP-PV)が16議席、バスク民族主義党(EAJ-PNV)が13議席、ビルドゥが11議席、バスク社会党(PSE-EE)が9議席、エスケル・バトゥア-ベルデアク(EB-B)が2議席であり、選挙前に結党されたばかりのビルドゥが第2党に躍進した。ビスカヤ県の第1党はバスク民族主義党、ギプスコア県の第1党はビルドゥであり、バスク自治州の3県で第1党が分かれた。

2011年アラバ県議会議員選挙
政党 議席
国民党 (PP) 16
バスク民族主義党 (EAJ-PNV) 13
ビルドゥ 11
バスク社会党 (PSE-EE) 9
エスケル・バトゥア-ベルデアク (EB-B) 2

交通[編集]

アラバ県にはレンフェ(スペイン国鉄)の2路線が走っている。ラ・リオハ州ミランダ・デ・エブロビスカヤ県ビルバオを結ぶ路線がアラバ県西部を縦断しており、沿線にはオルドゥニャアムリオラウディオ/ジョディオなどの自治体がある。ミランダ・デ・エブロとナバーラ州パンプローナを結ぶ路線がアラバ県中央部を横断しており、沿線にはイルーニャ・デ・オカビトリア=ガステイスアレグリア・デ・アラバサルバティエーラ/アグラインなどの自治体がある。ビトリア=ガステイスの北西にはビトリア空港があり、バスク自治州の3空港でもっとも長い滑走路を持つが、旅客便は少なく貨物便が中心である。2014年10月にはバスク自治州から初めて大西洋を超えるニューヨークへの旅客便が設定された。

脚注[編集]

  1. ^ バスク自治州は明確な州都を定めていないが、ビトリア=ガステイスにはバスク自治州議会やバスク自治州政府などが置かれている。
  2. ^ Ley 19/2011, de 5 de julio, por la que pasan a denominarse oficialmente "Araba/Álava", "Gipuzkoa" y "Bizkaia" las demarcaciones provinciales llamadas anteriormente "Álava", "Guipúzcoa" y "Vizcaya"
  3. ^ a b Su población”. Diputación Foral de Álava. 2010年5月9日閲覧。 Text in Spanish

外部リンク[編集]