スケープゴート

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スケープゴートscapegoat)は、「身代わり」「生贄(いけにえ)」などの意味合いを持つ聖書由来の用語。「贖罪(しょくざい)の山羊」等と訳される。

[編集] 原義

原義としてはヘブライ聖書において、贖罪の日に人々の苦難や行ってきた罪を負わせて荒野に放した山羊を指した。

[編集] 比喩

現在の意味はこのやや宗教的な意味合いから転じて、不満や憎悪、責任を直接的原因となるもの及び人に向けるのではなく、他の対象に転嫁することで、それらの解消や収拾を図るといった場合のその不満、憎悪、責任を転嫁された対象を指す。簡単な使われ方として、事態を取りまとめるために無実の罪を着せられた「身代わり」や、無実の罪が晴れた場合の「冤罪」などが存在する。

政治の一つの手法として使われる意味合いとしては、方針や主義に不利益とされる小規模な集団や社会的に弱い立場の人間をスケープゴートとして排除するなどして、社会的な支持や統合を目的とするといったものもある。具体的には、第二次世界大戦中のナチスが行ったホロコースト(この言葉も聖書からきている)は、ユダヤ人をスケープゴートの対象としたものであることが挙げられる。また、ユダヤ人は上述のホロコースト以外でもあらゆる時代や地域で差別を受けているため、スケープゴートとして犠牲になるまえに、他の地域へ移住することによって難を逃れることもある。また、我が国においては、江戸時代に特定の職業に従事していた人たちを「穢多」や「非人」とみなすことによって被差別集団を意図的に作り上げることによって、「穢多」や「非人」以外の者が抱いていた欲求不満などを彼らに投影することにより、当時の政治的指導者層に対して一揆などが発生しないようにした。しかし日本に於けるこれらの被差別階級は、室町時代頃から自然発生的に存在したとする学説もある。

心理学の一つの用語としても存在する。特に精神分析学社会心理学において、人は無意識のうちに、不満や不快を覚えると、不快感やルサンチマンなどを他者に対して抱く。このような現象はあらゆる集団で発生しうるものであり、そうした不快感を押し付けられたり被られたりした個人は、その特定の集団内においてスケープゴートとなるのである。それ故、スケープゴートとして犠牲者になるまえに、上述のユダヤ人の移動行動のように適切な対処を行わなければならない。

[編集] 関連項目

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