大淫婦バビロン

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Whore of Babylon.jpg

大淫婦バビロン(だいいんぷバビロン)は、キリスト教の『聖書』の『黙示録』のアレゴリーの一つ。大いなるバビロンともいう。

概要[編集]

『黙示録』によれば“悪魔の住むところ”であり“汚れた霊の巣窟”である。女性の姿で表されておりきらびやかな装身具を身につけ、手に金を持つが、その杯は姦淫による汚れに穢されているという。大淫婦は殉教者の血を流すが、神のさばきによって滅ぼされる。

過去説[編集]

これが過去に起こったものとする立場では、堕落しきった女性として暗喩されているものの正体はローマ帝国であり、彼女が乗る7つの首の獣はローマ帝国の7つの丘(もしくは7人の皇帝)を示しているとされる。ここで言うローマ帝国は古代ローマであり、キリスト教への迫害が強かったとされる時期のローマを指していると思われる。この時期にはカリグラネロといった暴君の存在によりローマの退廃が指摘される時期でもある。過去には、特にネロはローマ大火にかこつけてキリスト教徒を迫害したためにこのような暗喩で示されることとなった。ユダヤ庶民の俗信によれば、アンチクリストはネロ、もしくはネロの姿で現れるとされた。

ローマ・カトリック[編集]

宗教改革者は、ローマ・カトリックが大淫婦バビロンであり、教皇は反キリストであるとした。

未来説[編集]

これが未来についての預言とする立場もある。ディスペンセーション主義高木慶太は、ローマ・カトリック、リベラル・プロテスタント、世の偶像崇拝の宗教の混合したエキュメニズムが、大淫婦であるとした。

新宗教における用法[編集]

  • エホバの証人によれば、古代バビロンに由来する宗教慣行を持つ世界的な宗教体制全体を指す。その主な慣行には、三つ組みの神々の崇拝、人間の魂は死後も生き続ける教え、死者と話す心霊術、崇拝における偶像の使用、悪霊をなだめるための呪文の使用、不道徳行為の容認、国政への関与、僧職者階級などを挙げている[1]。その主要なものはキリスト教世界であるとし、キリスト教世界を含め、彼らが偽りと見なしている宗教は母なる大いなるバビロンの娘であると解釈している[2]。また近い将来、大娼婦バビロンは「緋色の野獣」が象徴する国際連合機構と、「十本の角」を持つ野獣が象徴する諸政府により滅ぼされると解釈している(ヨハネへの啓示 17:16)[3]

大淫婦バビロンが主題の創作物[編集]

  • 女神転生シリーズ:「マザーハーロット(Mother Harlot)」と言う名で登場。
  • 蒼穹のファフナー:「ファフナーベイバロンモデル」の名称は大淫婦バビロンが元。
  • Dies irae -Also sprach Zarathustra-:聖槍十三騎士団第十一位リザ・ブレンナーの魔名(称号?)が『大淫婦(バビロン・マグダレナ)』。
  • イスカリオテ:「バビロンの大淫婦」という〈獣〉(怪物?)として登場。
  • Fate/EXTRA:セイバー(皇帝ネロ)の渾名のひとつが『バビロンの妖婦』。このキャラクターは赤い服の女性である。
  • 11eyes -罪と罰と贖いの少女-:リーゼロッテ・ヴェルクマスターが「バビロンの大淫婦」として恐れられた。
  • MM9:怪獣クトウリュウの同族として名前が挙げられた。なお、この作品では大バビロンは7つの首の獣とのキメラとされている。

脚注[編集]

  1. ^ 『ものみの塔』 ものみの塔聖書冊子協会、1991年12月1日号、11頁。 『ずっと見張っていなさい!』 ものみの塔聖書冊子協会、2004年、12頁。
  2. ^ 『啓示の書―その壮大な最高潮は近い!』 ものみの塔聖書冊子協会、2006年版、244頁。
  3. ^ 『啓示の書―その壮大な最高潮は近い!』 ものみの塔聖書冊子協会、2006年版、256頁

関連項目[編集]