コンピュータエンターテインメントレーティング機構
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特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構(とくていひえいりほうじん - きこう、英文名 Computer Entertainment Rating Organization、略称CERO(セロ))は、家庭用ゲームソフト及び一部のパソコンゲームを対象とする表現の倫理規定の策定及び審査を行う日本の特定非営利活動法人。
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[編集] 設立経緯
2002年6月、社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)の関連団体として設立され[1]、同年10月から審査が開始された[2]。2003年12月には東京都より特定非営利法人として認証された[3]。
暴力的、性的、反社会的、言語及び思想表現に関して独自の倫理規定を策定し、それに基づいて審査されるゲームソフトの対象年齢を決定するのが主な業務である。CEROが設立される以前はソニー、セガをはじめとしたゲーム機のメーカーが各々設けた基準を元に審査を行ってきたが、業界団体レベルで執っていくことでゲームソフトに対する批判に応える目的のほかに、他国より遅れていたレイティング面を補完する目的があった[2]。
CEROは会員制度をとっており、CEROの目的に賛同して入会した個人及び団体を正会員、目的に賛同し賛助するために入会した個人及び団体を賛助会員と定義している[4]。
[編集] レイティング制度
レイティングの策定にあたってはアメリカ合衆国の審査団体エンターテインメントソフトウェアレイティング委員会(Entertainment Software Rating Board、略称:ESRB)を参考に決定された[2]。
審査のプラットフォームは
- プレイステーション・プレイステーション2・プレイステーション3・プレイステーションポータブル(ゲームアーカイブスで配信されるソフトも含む)
- Wii(バーチャルコンソールで配信されるソフトも含む)・ニンテンドーゲームキューブ・ニンテンドーDS・ゲームボーイ(カラー・アドバンスも含む)
- Xbox・Xbox 360
- パーソナルコンピュータ(Windows・Mac OSなどの非アダルトゲーム)
が対象となっており、アーケードゲームおよび携帯電話ゲームは含まれていない[5]。
ただし、パーソナルコンピュータのうち恋愛ゲーム、特にアダルトゲームに分類されるものについては、CEROが設立される以前から存在しているコンピュータソフトウェア倫理機構またはコンテンツ・ソフト協同組合によって審査されている。
CEROのレイティングには設立当初からのものと2006年に改正されたものと二種類が存在する。
[編集] 設立当初の区分
設立当初のレイティング区分には以下の4段階が存在した。
また、対象年齢を定めず、教育またはデータベース系に該当し、ゲーム性を持たないのソフトウェアには別途「教育・データベース」の区分が与えられる(「教育・データベース」もCEROが設立された当初から想定されていた)。
2003年には体験版に表示される「CERO規定適合」、販促物などに表示される「審査予定」が設けられた。これらについては後にCEROの審査を受ける予定または進行中という意味がある[6][7]。
[編集] 2006年3月以降の区分
2006年2月17日、社団法人コンピュ-タエンタ-テインメント協会が同年3月以降の審査分よりこれまでのレイティング区分を変更することを発表した[8]
これまでの区分では対象年齢以上推奨にとどまり、販売及び頒布に対しては明確な制約は加えられていなかったが、神奈川県知事松沢成文らがGTA3を有害図書へと指定し、さらに神奈川県や東京都をはじめとする地方自治体の要請から、「18歳以上のみ対象」の区分を新たに設けた。この区分が与えられたゲームソフトについて、流通業界の規制により、その年齢に満たない者への販売及び頒布の禁止を命ぜられ、青少年保護育成条例においても有害図書扱いとされるようになった[9][10]。それ以外の区分についてはこれまで通り対象年齢に達していなくても購入することができる。
改訂にともない、改訂以前に発売された「18歳以上対象」に区分された一部のゲームソフトは暴力や犯罪などの表現とその度合いにより、「18歳以上のみ対象」あるいは「17歳以上対象」のいずれかに分けられた。また、レイティング表示のデザインが対象年齢の数字から、新たに設けたA・B・C・DおよびZの英文字を大きく出す形に変更され、さらにゲームパッケージの背表紙部分には区分ごとに異なる色も設けられた。
| 英文字 | 対象年齢 | 背表紙帯色 |
|---|---|---|
| A | 全年齢対象 | 黒 |
| B | 12歳以上対象 | 緑 |
| C | 15歳以上対象 | 青 |
| D | 17歳以上対象 | 橙 |
| Z | 18歳以上のみ対象 | 赤 |
また、「教育・データベース」および「審査予定」のものに対しては以前のレイティング制度から変更はされていない。また、背表紙の区分部分の背景色も用意されていない。
[編集] 表現の規制
CEROの倫理規定(第7条および別表3)には(直接・間接的な)性行為・性器の描写や、過度な暴力的、反社会的、言語、思想、差別表現に対しては禁止表現と定められ、それに該当するものについてはレイティングを与えられない[11]。
日本国外で開発されたゲームソフトについて、ある程度の表現を修正してからCEROの区分を受けて発売されることがある。事例としてはRockstar Gamesが発売し、カプコンによってローカライズされたグランド・セフト・オートIIIからサンアドレアスまでは、CEROの倫理規定に基づきいくつかの機能の削除や仕様変更を行ってから日本のローカライズ版が発売されたが、それでもなお「18歳以上のみ対象」に区分されている[12]。
また、ベセスダ・ソフトワークス/ゼニマックス・アジア株式会社によってローカライズされたFallout3にも同様の規制がなされており、この中で特に核についての表現に問題があることが新たに明らかになった[13][14]。それ以外にも、(国産・海外産を問わず)「過度な残酷表現」が多く含まれ、「18歳以上のみ対象」の範囲でも修正が困難なため、国内での販売が不可能なゲームを多く出したことで[15][16]、結果的に「日本市場の世界的な孤立化」を招いたとも言われる[17][18]。
[編集] コンテンツディスクリプターアイコン
対象年齢のみではゲームの内容について消費者側にはわからないため、ゲームに含まれているいくつかの表現をアイコンにして明示させるのがコンテンツディスクリプターアイコン(単にコンテンツアイコンとも)であり、パッケージの裏面に記載されている。
2004年4月より設けられ、対象年齢を決定した根拠となる情報であるため[19]、全年齢対象および教育・データベースを除いた区分には必ず明示される[20]。
コンテンツディスクリプターアイコンには以下の9種類がある。
- 恋愛
- 異性愛・同性愛などに対して設定される。
- セクシャル
- 半裸・下着・水着など肌の露出が多い衣装や、セクハラに相当する言動(身体を触るなど)に設定される(特に女性キャラの表現に設定されることが多い)。
- 暴力
- 喧嘩、拷問、武器類の使用による戦闘、対戦格闘などに対して設定される。
- 恐怖
- 出血や死体の描写など過度に恐怖感を煽る表現に対して設定される。
- 飲酒・喫煙
- 未成年者の飲酒・喫煙およびそれらを肯定・奨励する表現に対して設定される。
- ギャンブル
- 金品を賭ける違法なギャンブル(賭博罪に相当)に対して設定される。
- 犯罪
- 殺人、強盗などの法令に反する行為や犯罪(者)を肯定する表現に対して設定される。
- 麻薬
- 麻薬・覚せい剤ドラッグその他違法な薬物を使用するか、それらを肯定したり取引するなどの表現に対して設定される。
- 言葉・その他
- 差別用語・放送禁止用語などの不快な言葉の使用や、第三者(特に実在の国・人種・宗教など)に対する差別的な表現、その他の反社会的な行為や思想に対して設定される。
これらに抵触すると認められた表現があれば該当するアイコンが与えられる。
[編集] 審査
審査員には公平かつ偏向を防ぐことから20歳以上の者で、かつゲーム関連企業に携わらない者であれば誰でもできるようになっている[21]。
審査方法は、ゲームソフトのメーカーがゲームの映像、希望年齢区分を明記した問診票、世界観などを記述した資料、審査依頼票をCEROに送付。それらの情報を理事会によって策定された審査基準を元に作成された審査マニュアルに基づいて、3人の審査員が対象年齢を決定する。その結果をゲームソフトメーカーに返送し、同意すれば審査終了し、不同意の場合は再度審査する仕組みとなっている(遅くても発売予定日の1ヶ月程前までには決定される)[2][3][21][22]。
ゲームソフトの審査を依頼する側は審査料金を支払う必要があり、正会員10万円、賛助会員5万円となっている[3]。非会員の場合でも審査は可能であるが、会員の3倍の額となる[23]。
[編集] レーティングに関する意識と意見
「Z(18歳以上のみ対象)」の区分を除いて購入に対する規制が行われていないため、「D(17歳以上対象)」以下に区分されるゲームソフトはその年齢を満たしてなくても購入し遊ぶことができる(販売店によっては、「D(17歳以上対象)区分までならどなたでも購入可能」と、その旨を告知していることもあるほかコンビニや量販店では「Z(18歳以上のみ対象)」の区分を取り扱わないところもある)。
例えば、カプコンが開発および販売を手がけるモンスターハンターシリーズは、レーティングが「C(15歳以上対象)」であるが、小学生を主な読者とするコミック誌である『月刊コロコロコミック』などで毎号のように取り上げられている。編集部は「レーティングは知っているが、読者からの要望もあり、独自の判断で取り上げている」としており、開発者は「小学生にもゲームを知ってほしいという気持ちはある」とした上で「レーティングはあくまで目安。法律の規制ではなく、問題はない」と述べている。それに対して保護者は「小学生の購買意欲をあおっている」と批判した[24]。同じような例として、任天堂もファミ通クロスレビューのメーカーアンケートにおいて、レーティングが「B(12歳以上対象)」や「C(15歳以上対象)」のソフトに関しても「どなたでも楽しめる」旨を紹介している。
日本PTA全国協議会が2007年に一部の小中学生および保護者を対象に調査した「子どもとメディアに関する知識調査」によれば、レイティング制度を知らないという保護者が約52%に達している[25]。この調査に参加したうちのひとりは「対象年齢や内容を知らずに購入している親も多いのでは」 と喚起し、また他方では「ゲームに詳しくない保護者も多く、家庭での対応に限界がある。今の状況が続けば、メーカーを信頼できなくなる」と批判した[24]。
また、表現に関するガイドラインの詳細についても、消費者やメーカーに公開されていないため、審査員による恣意的な判断が下されやすいといった批判もある[26]。また、ゲームクリエイターの名越稔洋は龍が如くの制作にあたり「人間を殺すのでは問題になるが、それがロボットならオーケーだったり、時代を変えて戦国時代であれば人間を殺しても問題がなかったりする。ただ絵の線引きだけで済まされている」と基準の曖昧さについて疑問を呈している[27][28]。
[編集] 脚注・出典
- ^ 北村孝和 (GAME Watch) (2002/06/07). "CESA、ゲームソフトに年齢別レーティングを設定する独立機構「CERO」を設立". Impress Watch. 2008年6月27日 閲覧。
- ^ a b c d 進藤 智則 (2002/07/29). "ゲーム・ソフトの倫理自主規制「年齢別レーティング」,2002年10月から開始". 日経BP社. 2008年6月27日 閲覧。
- ^ a b c "インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会(配付資料3)". 総務省 (2008/02/27). 2008年6月27日 閲覧。
- ^ "ゲームソフトのレーティング制度を充実します(コンテンツディスクリプターの新設)". 特定非営利活動法人 コンピュータエンターテインメントレーティング機構. 2008年6月27日 閲覧。
- ^ "年齢別レーティング制度とは? - 1. レーティングの適用範囲". 特定非営利活動法人 コンピュータエンターテインメントレーティング機構. 2008年6月27日 閲覧。
- ^ "レーティングに関する最新情報". コンピュータエンターテインメントトレーディング機構. 2008年6月27日 閲覧。
- ^ "CEROレーティングマークについて". ソニーコンピュータ・エンタテインメント. 2008年6月27日 閲覧。
- ^ "CEROのレーティング制度が3月1日をもって変更。18歳未満への販売禁止区分を新設". 電撃オンライン(アスキーメディアワークス) (2006/02/17). 2008年6月27日 閲覧。
- ^ 石田賀津男 (GAME Watch) (2006/02/17). "CESA、CEROレーティング制度を変更 18歳以上対象ソフトの販売を「自粛」から「禁止」へ". Impress Watch. 2008年6月27日 閲覧。
- ^ 2009年5月現在、条例が施行されている46都道府県中12府県で団体指定されている。
- ^ "CERO倫理規定(別表3)". 特定非営利活動法人 コンピュータエンターテインメントレーティング機構 (2008/04/24). 2008年6月27日 閲覧。
- ^ "【お知らせ】「グランド・セフト・オート・サンアンドレアス」海外版と国内版の仕様変更について". 株式会社カプコン (2007/01/19). 2008年6月27日 閲覧。
- ^ "12月4日発売予定のXbox 360用ソフト「Fallout 3」日本語版と北米版(オリジナル)の表現および内容の違いについて". ベセスダ・ソフトワークス/ゼニマックス・アジア株式会社 (2007/11/10). 2008年11月12日 閲覧。
- ^ 核兵器と使用の描写全てがCEROの禁止表現になっているわけではなく、事例としてエースコンバット5・ZEROにおいて、ベルカ戦争で核兵器の使用に言及する描写がある(両タイトルともCEROのレーティングでは「全年齢対象」に区分されているが、ESRBでは「T(13歳以上対象)」に区分されている)。
- ^ "Game Dudeの「大人のための海外ゲームレポート」 第31回「Dead Space」". GAME Watch (2008/11/5). 2009年4月19日 閲覧。
- ^ "Game Dudeの「大人のための海外ゲームレポート」 第41回「MadWorld」". GAME Watch (2009/4/8). 2009年4月19日 閲覧。
- ^ 「(CEROの規制が厳しい)日本市場だけに合わせて手直しするよりは、むしろ最初から投入しない」という方針をとる海外メーカーが(大手を中心に)増えてきた。
- ^ 国内メーカーでも「最初から海外市場を前提にした(≒国内市場投入を考えていない)」ゲームを作る所が増えてきている。(参考:"プラチナゲームズ『マッドワールド』インタビュー". 2008-11-30 閲覧。)
- ^ 『テイルズオブジアビス PlayStation2 the Best』ソフトウェアマニュアル、バンダイナムコゲームス、2006年、50頁。
- ^ "ゲームソフトのレーティング制度を充実します(コンテンツディスクリプターの新設)". 特定非営利活動法人 コンピュータエンターテインメントレーティング機構 (2004/04/12). 2008年6月27日 閲覧。
- ^ a b "コンピュータエンターテインメントレーティング機構//審査員募集". 特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構. 2008年6月27日 閲覧。
- ^ 岡田有花 (2004/06/04). "「このゲームの対象年齢は15歳以上」――誰がどうやって決めている?". ITmedia. 2008年6月27日 閲覧。
- ^ 船津 稔(Game Watch) (2002/07/29). "コンピュータエンターテインメントレーティング機構が説明会を開催 社会的倫理水準と表現の自由の適合点を探る". Impress Watch. 2008年6月27日 閲覧。
- ^ a b “過激ゲーム 小学生に人気”. 静岡新聞夕刊 (静岡新聞社): p. 4(. 2008年6月25日).
- ^ "子どもとメディアに関する意識調査 調査結果報告書 平成20年3月". 社団法人日本PTA全国協議会 (2008/03). 2008年6月27日 閲覧。
- ^ Jalopy (iNSIDE for Nintendo) (2004/02/29). "CERO特集 第5回 CEROによるレーティングとその弊害". 株式会社IRIコマース&テクノロジー. 2008年6月27日 閲覧。
- ^ "【CEDEC 2006】セガの名越氏が『龍が如く』にこめた強い信念とは?". 株式会社エンターブレイン (2006/08/30). 2008年6月27日 閲覧。
- ^ シリーズ1作目は当初18歳以上対象とされていたが、2006年3月以降の変更に伴い、1段階低いD(17歳以上対象)に変更された。以降のシリーズ(2・見参!・3)もD(17歳以上対象)に区分されている。
[編集] 関連項目
- CEROレーティング12才以上対象ソフトの一覧:B
- CEROレーティング15才以上対象ソフトの一覧:C
- CEROレーティング17才以上対象ソフトの一覧:D
- CEROレーティング18才以上対象ソフトの一覧
- CEROレーティング18才以上のみ対象ソフトの一覧:Z
- CEROレーティング教育・データベースソフトの一覧
- コンピュータソフトウェア倫理機構 - 日本のアダルトゲームの審査団体
- コンテンツ・ソフト協同組合 - 日本のアダルトゲーム及びアダルトビデオの審査団体
- エンターテインメントソフトウェアレイティング委員会 - アメリカのゲーム審査団体
- Pan European Game Information - ヨーロッパのゲーム審査団体
- Office of Film and Literature Classification - オーストラリア及びニュージーランド政府の審査団体
- Unterhaltungssoftware Selbstkontrolle - ドイツのゲーム審査団体
- 日本における検閲
- レイティング
- 表現の自主規制

