青少年保護育成条例

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青少年保護育成条例(せいしょうねんほごいくせいじょうれい)は日本の地方公共団体条例の一つで、青少年保護育成とその環境整備を目的に地方自治体で公布した条例の統一名称である。

目次

[編集] 概要

都道府県あるいは市町村によって正式名称に多少の違いはあるが、おおむね「青少年保護育成条例」で統一されている。かつては「青少年保護育成条例」が多数だったが、「保護」という言葉のニュアンスを嫌って「青少年健全育成条例」や「青少年愛護条例」などの名称に変更するところも増えている。

青少年保護育成条例は、1948年に茨城県下館町(現:筑西市)が条例で18歳未満の者について午後10時から午前4時まで保護者の同伴での外出を規定したのが最初とされる。都道府県では1950年に岡山県が図書による青少年の保護育成に関する条例を制定したのをきっかけに、緩やかに全国の都道府県や市町村で制定された。

[編集] 内容

内容はそれぞれの条例で多少異なるが、おおむね共通する規定は次のとおり。

  • 対象は18歳未満の未婚者のみ(未就学幼児を除外するなど、下限を設けているところもある)
  • 有害図書の指定(有害図書の項を参照)
  • 書店等での、有害図書の区分陳列の義務化(有害図書の項を参照)
  • 有害玩具の指定(有害玩具の項を参照)
  • 理由のない青少年単独の外出禁止、映画館ボウリング場、カラオケインターネットカフェまんが喫茶等への、青少年の深夜の出入り禁止(条例によっては遊技場も対象、多くの条例での「深夜」とは、午後11時から翌朝午前4時もしくは5時までを指すが、福島県大阪府など、より厳しい条例もある)
  • 古物古本を、青少年から古物商が買い取る場合には、保護者の同意が必要(ただし、成年の場合でも、最低限の本人確認を要する)
  • 青少年に対する、着用済下着の買い取りや買い取りをあっせんする行為の禁止(青少年の性別は問わない)
  • 青少年に対する、淫行・わいせつ行為の禁止(淫行条例の項を参照)
  • 青少年を風俗店の店員、また、客として勧誘することを禁止

都道府県においては長野県を除く46の都道府県で制定されている[1]。長野県に条例の規定がなくても、長野県下の市町村単位で条例を定めている場合がある(例、長野市佐久市東御市塩尻市など)。また、長野県以外の市町村でも都道府県とは別に条例を定めている場合がある(例、羽生市加須市八潮市高槻市福山市など)。

[編集] 論争

  • 少年の自己決定権を無闇に削ぐパターナルな条例で保護にもならない。
  • 警察権限の拡大・強化につながるのではないか[2]

などの批判がある[要出典]

また例えば、「青少年(だけ)深夜外出を禁止」という規定を多くの人が受け入れることや、先述の「成年の良心は絶対」(成年が深夜に外出するのはOK)と信頼することによって、「子供が深夜に外出しても安全な社会を作ろう」といった取り組みがほとんどなされなくなり、深夜の繁華街などの治安が悪化しかねないといった問題も存在していると主張している団体もあるが、成年が青少年に対しその自己防衛の弱さにつけ込む事件、特に女児を狙った性犯罪においてそれが顕著に見られる現在においては、成年の良心は絶対という立場において外出を許可しているのではないことは明白である。

なお、自由民主党がこれらの条例よりも上位の法的意味合いを持つ青少年健全育成基本法の制定を主張しているが、反対意見も多く、成立には至っていない。

[編集] 都道府県の条例

都道府県の条例
都道府県 条例名
北海道 北海道青少年保護育成条例
青森県 青森県青少年健全育成条例
岩手県 青少年のための環境浄化に関する条例
宮城県 青少年健全育成条例
秋田県 秋田県青少年の健全育成と環境浄化に関する条例
山形県 山形県青少年保護条例
福島県 福島県青少年健全育成条例
茨城県 茨城県青少年のための環境整備条例
栃木県 栃木県青少年健全育成条例
群馬県 群馬県青少年健全育成条例
埼玉県 埼玉県青少年健全育成条例
千葉県 千葉県青少年健全育成条例
東京都 東京都青少年の健全な育成に関する条例
神奈川県 神奈川県青少年保護育成条例
富山県 富山県青少年保護育成条例
石川県 いしかわ子ども総合条例
福井県 福井県青少年愛護条例
新潟県 新潟県青少年健全育成条例
山梨県 青少年保護育成のための環境浄化に関する条例
岐阜県 岐阜県青少年健全育成条例
静岡県 静岡県青少年のための良好な環境整備に関する条例
愛知県 愛知県青少年保護育成条例
三重県 三重県青少年健全育成条例
滋賀県 滋賀県青少年の健全育成に関する条例
京都府 青少年の健全な育成に関する条例
大阪府 大阪府青少年健全育成条例
兵庫県 青少年愛護条例
奈良県 奈良県青少年の健全育成に関する条例
和歌山県 和歌山県青少年健全育成条例
鳥取県 鳥取県青少年健全育成条例
島根県 島根県青少年の健全な育成に関する条例
岡山県 岡山県青少年保護育成条例
広島県 広島県青少年健全育成条例
山口県 山口県青少年健全育成条例
徳島県 徳島県青少年健全育成条例
香川県 香川県青少年保護育成条例
愛媛県 愛媛県青少年保護条例
高知県 高知県青少年保護育成条例
福岡県 福岡県青少年健全育成条例
佐賀県 佐賀県青少年健全育成条例
長崎県 長崎県少年保護育成条例
熊本県 熊本県少年保護育成条例
大分県 青少年の健全な育成に関する条例
宮崎県 宮崎県における青少年の健全な育成に関する条例
鹿児島県 鹿児島県青少年保護育成条例
沖縄県 沖縄県青少年保護育成条例

[編集] 脚注

  1. ^ 長野県が制定していないのは「青少年の健全育成は住民運動や啓発活動でやっていくべきもの」という観点から。しかし、長野県でも条例を制定すべきという動きがあり、近いうちに制定される可能性もある。
  2. ^ 長野県がこの条例を制定していない理由の一つとなっている。

[編集] 関連項目