後戯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
後戯(こうぎ)とは、性行為に絡む一連の行動の一つで、性交の後に行われる行為全般を指している。
目次 |
[編集] 概要
前戯は性交に先立って行われる行為であるが、後戯は性交の後に行われる。この行動は、コミュニケーション手段の一つとして性交渉を行うヒトに特有の行動であると思われ、他の動物に於いては、これらに類似する行動様式は聞かれない。ヒトと同様、性行為に社会的コミュニケーションの役割が大きいボノボですら、この行為は確認されていない。このため、本項に於いては、主に人間の性交渉に関して述べる。
後戯は、前戯に比べて性的興奮を目的とした各種媒体(ビデオ・小説等)に描かれる事が少ないため、意識して行われる事例は比較的少ないとされている。しかし相思相愛の間柄では、無意識の愛撫によって、後戯に該当する行為が成されているものと見られ、それらは往々にして恋愛体験の一環にて語られている。その一方で、後戯が無いばかりに、性交渉に於いて気分を害するケースも見られるため、「行わないよりは、行った方がいい」行動様式であろうと思われる。
特に性行為がマンネリ化している場合には、後戯をする事で性行為に続く日常生活にも好影響を与え、マンネリ傾向を打破する効果が期待できると考えられている。
[編集] 行為の意味
この行為は、主に性交渉によってどちらかが満足を得られなかった場合のフォローとして行われるものと、双方共に満足した上で、行為の余韻を楽しむために行われるもののいずれかである。前者の場合は、ペッティングやオーラルセックス等の前戯と同種の愛撫を行うものとされ、後者の場合は、抱擁などの性的刺激を含まない物が主とされる。
性交渉において最も嫌われる行為の一つに、「自分だけがオーガズムに達したら、相手がどうだろうと、満足してさっさと寝てしまう」事が挙げられる。特に相手が全く行為に満足していなかった場合には、このような態度は悲劇的な結果を招きかねない。
なお、一般の性交渉に於いて、半数をやや超える女性がオーガズムを感じる前に、男性が射精に至ってしまうとする統計もある。特に男性が疲れている場合には、俗に「二回戦」「2ラウンド目」などと呼ばれる射精後に続けて行われる性交渉がないため、女性が不満足に陥るケースも見られる。
ただし、女性に於ける「満足」・「不満足」の概念は、男性の射精に到るオーガズムのそれとは違い、抱擁やスキンシップなどによって得られるケースもあり、女性にとっては必ずしもオーガズムが重要視されるわけではない。このため男性は、女性のオーガズムの有無だけを基準とせず、ある程度の意思の疎通を図った上で、どのような行動を取るべきかを考えた方がいいだろう。ただし、これは人それぞれであり、女性がオーガズムが得られない事を不満とする場合には、女性に対する何らかの性的快感を目的とする愛撫が必要だと考えられる。
[編集] 行為
どうすれば性的快感を得られるかについては、人によってまちまちであるため、どのようにすべきか一概には言えない。このため、どのような後戯を行うかは、パートナー間で事前に決めておくのも一つの手だが、むしろ相手を慮って、どうしたら喜ぶだろうかと考えた際に、自然にしてみたい行為を素直に行う方が、相手がこの「思いがけない配慮」に好意を抱く物とも思われる。その一方で、どうしても我慢できない不満足の場合は、思い切って相手に打ち明けて見るのも一つの方法である。いずれにしてもある種の駆け引きが存在する。
前記の通り、後戯においては、相手の状態によって愛撫の種類を変える必要がある。折角満足しているのに性器をいじくり回されたら、快感を与えるどころか不快感を煽る結果になりかねない。逆に、まだ充分に行為を続行する余力があるのに、ただ優しいだけの愛撫では、物足りなさを感じてしまい、やはりあまり芳しくない。
相手が満足したか否かを見分ける方法は様々述べられているが、最もわかりやすい方法は、相手が眠気や気力の低下を訴えているか否かを見分けることとされる。一般的に、オーガズムの後は一定の倦怠感や眠気を催すものであり、時には抗し難い眠気を感じる事もある。この眠気は、ホルモンの分泌によるものとされ、30分程度の軽い睡眠で充分に目が覚める(人によりまちまち)ものである。このため、相手を良く観察して、そのような兆候の有無を判断して使い分けるべきだろう。
[編集] 双方が満足している場合の後戯
お互いに、疲れて気が抜けている状態にあるわけだが、スキンシップを行う事で、幸福感がより増す事が知られている。これは脳内分泌における満足感や幸福感を司る脳内物質セロトニンが、スキンシップなどにより、より良く働くためとも言われている。脱力状態で安心感や幸福感を得ることで、より性交後の日常生活に張りが生まれるとも考えられる。この行為においては、以下のようなパターンが挙げられるが、どれが最も効果的かは人によって違うため、普段から相手がどういう種類のスキンシップが好きかを把握しておくのが良いと思われる。
- 軽い抱擁
- キスをする
- 髪に触れる・顔に触れる等の性的意味合いを含まないタッチ
- 腕枕や重なり合って寝る等の、手以外による触れ合い
などをしつこ過ぎない程度に。(あまりくどいと、反って煩わしいと取られる事もある)
または少し休んでから一緒に、食事を楽しんだり、入浴したり、または寝たままおしゃべりしたり(ピロー(枕)トークと呼ばれる)といった、日常生活の延長にある行動をする事も、後戯に含む事がある。これらは「一緒に共同で」やる事が前提だが、相手に気を使って、率先して準備した上で、これら行為になだれ込むと受けが良いといわれている。(どちらがやるかは主観的な問題だが、普段は家事をしない側が準備すると、特に受けがよい)
[編集] どちらかが満足していない場合の後戯
行為の内容は前戯に順ずるが、よりも激しくしても構わないとされる。その一方で、不満足な側が一方的に相手を愛撫し、満足に到るケースもある。その場合は、後のフォローがかえって難しくなる場合があるが、相手が疲れ過ぎないように、途中途中に休憩を入れると相手も次第に回復し、そのまま(無理と思われた)「二回戦」に突入できるケースも見られる。何事も経験と学習である。
どうしても先に満足してしまった側の回復が見られない場合は、満足できていない側が少しだけ我慢して「双方満足できた場合」の後戯をする事も勧められる。ある程度時間的余裕がある場合は、入浴や食事などで長めの休憩を入れた後に「二回戦」をする事で、充分な満足を得られるかもしれない。
[編集] 関連項目
- 大人のおもちゃ(性具)
- どうしてもパートナーで満足しきれない場合には、これら器具を使う向きもある。1人で同器具を使うことに心理的抵抗がある向きは、パートナーとの性交で、プレイの一環として用いる事で、抵抗感を和らげる事が出来る。しかしパートナーが満足していなさそうだからと、相手の意向を確認せずに、いきなり使用するとあらぬ誤解を受ける場合もあるため、お互いに良く相談して使用するかどうかを決める事をお勧めする。

