娼婦
娼婦(しょうふ、英: Prostitute)は、性的サービスを提供することによって金銭を得る女性を指す。同義語は「売春婦」、「淫売婦」、「パンパン」など多数。また街頭に立つ娼婦を指して「街娼」や「たちんぼ」とも。侮蔑的な意味合いを含んだ類語に「淫売」などがある。身売りの女性の総称でもある。
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[編集] 歴史
売春婦は、一説には人類史上最古の職業といわれ、古代世界では神の恩寵を性交を通して与える者「神聖娼婦」として聖職と捉えられることもあった。また、世界各国の軍隊では兵士の強姦事件や性病、機密漏洩の防止のために売春婦を多数雇い入れる例がある。
[編集] 娼婦になる理由
- 金銭目的
- (稀に)家業を継ぐための修行
- 過去に性的な被害を受けた経験があり、性によって強く自分の価値を確認できるため
- 唯一の価値が性的な部分しか許されていないと本人に認識されているため
- この場合は性的虐待を子供のころに経験していると顕著である。いずれの理由にしろ、「サービス業」として経験を積めば「職業である」という認識が強くなってゆくのが一般的。
女性の性には商品価値が認められ、若い年齢で高額の報酬を入手できる。したがって、売春は女性にとっては極めて安易な商売であり得る。しかし、多くの国では非合法の犯罪行為であり、性病感染や場合によっては妊娠の危険を孕むものであり、商売として成立するかどうかは問題もある。HIVなど性病の危険もあり、人生に大きな支障を来す場合もある。ただし、現在の先進国ではピル(および、アフターピル)の普及により、妊娠の心配はほぼ無くなった(性病の危険はある)。
以前は、何らかの事情(借金や経済的事情など)により、強制されて売春業に就く例が存在した。例えば江戸時代の郭には貧乏人の子女が売られていったものと言われる。現在の日本ではそのあたりは複雑化し、そのような単純なものではなくなっている。
たとえば少女売春に関する著作では、性に関する興味関心からという例のほかに、ホストクラブにはまり、その金を捻出するためや、ドラッグにはまり、それを売る側の指示で、など様々な理由が挙げられている[1]。
[編集] 日本における娼婦
[編集] 近世
「 からゆきさん」も参照
明治維新以降、娼婦や売春に対する差別や抑圧は更に度を増し、芸娼妓解放令が発布された。また、娼婦や売春宿の隔離、囲い込みなどが成されたほか、新聞などで娼婦が「醜業婦」、「闇の女」などの別称で呼ばれる例が見られる様になる[2]。
[編集] 戦後
「売春防止法」、「風俗店の歴史」、「パンパン」、および「特殊慰安施設協会」も参照
米軍占領下において、1945年には米兵の慰安、及び一般日本人女性に対する肉の防波堤として特殊慰安設備協会 (RAA) が設立。労働は過酷であったが極端に困窮していた国情もあり、戦争未亡人の助けともなった[3]。しかし1956年には売春防止法が制定され、日本において娼婦は存在自体が違法とされるものとなった。
[編集] 21世紀
「売春#日本における売春への規制と現状」も参照
現在の日本においては、「ソープランド」と呼ばれる特殊な売春施設における売春行為(「風俗嬢」)の他、アダルトビデオへの出演を行い自らの性行為を露出し報酬を稼ぐ(「AV女優」)など、複数の就業方法がある。また、いわゆる援助交際が新たな売春の形として問題となっている。
[編集] 著名な娼婦
[編集] 各作品における娼婦
- マノン - プレヴォー『マノン・レスコー』
- マルグリット・ゴーティエ - アレクサンドル・デュマ・フィス『椿姫』
- アンナ・クーポー - エミール・ゾラ『ナナ』
- オデット - マルセル・プルースト『失われた時を求めて』
- ソーニャ - ドストエフスキー『罪と罰』
- デュバリー夫人-池田理代子『ベルサイユのばら』
- 杉戸八重-水上勉『飢餓海峡』
[編集] 出典
[編集] 参考文献
- 大治朋子、『少女売春供述調書』、(1998)、リヨン社、ISBN4-576-98046-7
- 広岡敬一 『戦後性風俗大系 わが女神たち』朝日出版社 2000年4月 文庫版:新潮社 2007年
- 井上章一 編 『性欲の文化史』p.13「遊郭の形成と近代日本 囲い込みと取締り」、p.127「女装男娼のテクニックとセクシュアリティ」講談社 2008年10月