ベルサイユのばら

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オスカルとアンドレ像(宝塚市・宝塚大劇場前)
オスカルとアンドレ像(宝塚市宝塚大劇場前)
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ベルサイユのばら』は池田理代子漫画作品。通称「ベルばら」。フランス革命前から革命前期を舞台に、近衛将校である男装の麗人オスカルとフランス王妃マリー・アントワネットらの人生を描く、史実を基にしたフィクション作品。ベルサイユとはヴェルサイユ宮殿のこと。


目次

[編集] 概要

『ベルサイユのばら』は、1972年21号から1973年まで「週刊マーガレット」(集英社)に連載された漫画である。フランス・ブルボン朝後期、ルイ15世末期からフランス革命でのアントワネット処刑までを描いている。前半はオスカルとアントワネットの二人を中心に描き、中盤以降はオスカルを主人公として、フランス革命に至る悲劇を描いた。2005年から2006年にかけて完全版コミックスが刊行された。

宝塚歌劇団による舞台化の大成功が作品のヒットに拍車をかけ、テレビアニメベルサイユのばら』、劇場版アニメなどが製作されて一種の社会現象となった。テレビアニメはフランスでも放映されたことがあり、その出来にフランス製のアニメと思われていたらしい[要出典]。また、新しい劇場版アニメの製作も行われているとされる[要出典]

オーストリア作家シュテファン・ツヴァイク小説『マリー・アントワネット』に感銘を受け、同小説を参考にして描いた作品とし[1]、作中で描かれたオスカルのフランス衛兵隊ベルサイユ常駐部隊長時代の軍服は、フランス革命期のものではなく、より豪華絢爛なナポレオン帝政期のものを基にしたとそれぞれ池田は述べている。

[編集] あらすじ


注意以降の記述で物語に関する核心部分が明かされています。


1755年12月25日フランス王国の軍人貴族であるジャルジェ家に1人の女児が生まれた。当主であるレニエ・ド・ジャルジェ将軍には5人の娘がいたが家督を相続すべき息子を持っておらず、その誕生を心待ちにしていたが、またもや生まれたのは女児であり、将軍は、姉妹の中で一番美しく生まれた彼女に「オスカル・フランソワ」という男性名を付け、息子として育てて後継者とすることにした。オスカルは以後、男性として、また、軍人として厳しく育てられることとなる。

同年11月2日、後にフランス国王ルイ16世の王妃となるオーストリア皇女マリー・アントワネット・ジョセファ・ジャンヌ・ド・ロレーヌ・オートリッシュ[2]がオーストリア女帝マリア・テレジアとその夫神聖ローマ皇帝フランツ1世の11女としてウィーンに生まれる。アントワネットはウィーン・シェーンブルン宮殿において兄姉と共にのびのびとした子供時代を過ごした。

当時のオーストリアは、伝統的な外交関係を転換してフランスとの同盟関係を深めようとしており、その一環として母マリア・テレジアは、アントワネットとフランス国王ルイ15世の孫ルイ・オーギュスト(のちのルイ16世)との政略結婚を画策していた。1770年5月16日、アントワネットと王太子となっていたルイとの結婚式ヴェルサイユ宮殿にて挙行され、彼女はフランス王太子妃となった。このとき近衛連隊長付大尉となっていたオスカル・フランソワと出会う。オスカルの美貌と誠実さを好ましく思ったアントワネットは、以後オスカルを心を許した忠臣として寵愛する。

1774年5月10日、ルイ15世が天然痘で死去。アントワネットの夫である王太子ルイが即位してルイ16世となり、彼女はフランス王妃となる。アントワネットの推挙によりオスカルも若くして近衛連隊長に、階級も大尉から一気には大佐となる。

オスカルはそれをかさに着ることなく、アントワネットに良い王妃となるよう度々進言するが、アントワネットはオスカルの言葉の真意を理解することが出来ず、「自分が幸せであれば国民も幸せである」と考え、国民の税金を自らの奢侈な服飾品や賭博、気に入りの取り巻きであるポリニャック伯夫人への著しい財政の援助等につぎこみ、、王妃の浪費は国家財政を圧迫するようになる。しかしそれは異国の宮廷で衆人環視の中独りぼっちであり、夫ルイ16世の身体上欠陥から母になることもできないアントワネットの寂しさが原因であり、それを知るオスカルは苦悩する。

そんな折、アントワネットが王太子妃時代に知り合い、ひそかに想い合っていたスウェーデン貴族フェルゼンアメリカ独立戦争より帰還。彼は以後、アントワネットの傍らに寄り添うようになる。オスカルも人知れずフェルゼンの事を愛していたが、アントワネットとフェルゼンが愛し合っており、更には秘めた想いをフェルゼン本人に悟られてしまった事から身をひく。そして、自分を幼い時からずっと見守ってきてくれた幼馴染で従卒のアンドレ・グランディエが自分に寄せている愛に気づくようになり、次第に彼に心惹かれていく。

一方、ロベスピエールミラボー伯など進歩的政治家らに接し、さらに民衆の窮乏を自分の目で確かめたオスカルは、次第に貴族中心の社会に疑問を持つようになる。そのころパリでは、苦しい生活に耐えかねた民衆がアントワネットや彼女の取り巻きの貴族たちに憎悪を向けるようになるが、彼女は自分に向けられた民衆の目が厳しいものになっていることを手遅れになるまで気づかなかった。

そんな不穏な情勢の中、オスカルはアンドレと愛し合うようになるが、歴史の流れは、オスカルとアンドレ、そしてアントワネットとフェルゼンを過酷な運命へと巻き込んでいく……。

[編集] 登場人物

[編集] 本編登場キャラクター

オスカル(オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ)
フランソワ・オーギュスタン・ド・レニエ・ド・ジャルジェ将軍の末娘。ジャルジェ将軍が男児に恵まれなかった為、男として育てられた男装の麗人。颯爽とした美しさでしばしば婦人達の恋慕の対象となる。正義感が強く、男性・軍人としての自分と女性としての心の間で苦しむ。若くして近衛士官となり准将にまで昇進するが、自らの信念に基づいて近衛隊を辞し、フランス衛兵隊のベルサイユ常駐部隊長の地位に就任。マリー・アントワネットの寵愛を受け誠実に仕えるが、民衆の苦しみを目の当たりにして、自らのなすべき道を模索する。フランス革命の勃発に際しては、王家に背き市民としてバスティーユ襲撃に参加。その際被弾し、要塞の陥落を見届けて戦死。フェルゼンに密かな想いを寄せており、正体を隠して生涯に1度だけドレスを着用、女性としてフェルゼンの前に現れる。しかしやがてアンドレへの愛を自覚、相思相愛ののち結ばれた。革命の少し前から胸を病んでいたが周囲に知らせることはなかった。ヴァイオリンが得意らしい。宝塚歌劇版では男役が演じている。
オスカルは架空の人物だが、父のレニエ・ド・ジャルジェ(フランス語では正確に発音すると「ジャルジャイュ」)は実在した王党派の軍人(1745年10月2日-1822年9月11日)である。またオスカルのモデルとなった人物としては、史実ではバスティーユ襲撃でほぼオスカルと同じ状況下で市民側に参加したスイス出身のピエール・オーギュスタン・ユラン(1758年1819年) の名前が挙がる。なおユランはオスカルの部下の1人として劇中にも登場している。
アンドレ(アンドレ・グランディエ)
オスカルの従卒で、マロン・グラッセ(オスカルの養育係)の孫。幼くして両親をなくし、ジャルジェ家に仕えていた祖母に引き取られる。以後オスカルの遊び相手、兼護衛として共に育つ。激情家のオスカルを穏やかに見守り、影のように寄り添う。一方で、身分の違いからオスカルへの報われないに苦しむが、やがて真実の愛に気づいたオスカルと愛しあうようになる。フランス衛兵隊の出動前夜、オスカルと結ばれて永遠の愛を誓う。オスカルに先立って戦死。物語の後半で左目を失明したのをきっかけに視力を失っていくが、死の直前までオスカルに隠し通した。
マリー・アントワネット(マリー・アントワネット・ジョゼファ・ジャンヌ・ド・ロレーヌ・オートリッシュ)
ルイ16世王妃。オーストリア皇女として生まれ育ち、14歳の若さでフランス王太子の元へ嫁ぐ。無邪気で深謀遠慮とは無縁の性格、且つ派手好きでわがままだが華やかに美しく、人を惹き付ける天性の魅力を持つ。賭け事などに夢中になって財政を悪化させ、フランス革命の原因を作る。子を産んだのち、良き母・良き王妃たろうと自覚するが、時既に遅く民衆の恨みを一身に受け、革命により断頭台処刑される。
マリーのオーストリア皇女時代のドイツ語名は「マリア・アントニア」であったが、低学年読者の混乱を避けるために最初から「マリー・アントワネット」に統一されている[3]
フェルゼン(ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン)
パリに留学していたスウェーデン貴族。身分は伯爵。アントワネットとの禁断の愛に苦しむ。革命に反発し、アントワネットとルイ16世を逃亡させようとした(ヴァレンヌ逃亡事件)。しかし結果として、彼の存在がフランス革命に拍車をかけることになった。オスカルとは好意の関係であり親友であったが、オスカルの自分への想いに気づき、一時距離を置く。しかし生涯最高の友であったと後に語っている。アントワネットが処刑された後、アントワネットを処刑した平民を憎むようになり、心冷たい領主になる。そしてスウェーデン平民の恨みを買い、虐殺された。
オルレアン公(ルイ・フィリップ2世ジョゼフ)
フランスの王族。妻はルイ14世の曾孫。面従腹背の野心家で、テレビアニメ版ではマリー・アントワネットのフランス入りを阻止しようとしたり、ルイ16世を事故に見せかけて暗殺をと企んだりと随所で暗躍した。王位を狙って様々な策謀を巡らす。
ロザリー(ロザリー・ラ・モリエール)
ポリニャック伯夫人の隠し子。貧しい平民の娘として育つ。平民であった育ての母は、ポリニャック伯夫人の乗った馬車に轢かれ死亡。貧しさのあまりわずか12歳で自らの体を売ろうとして貴族の馬車に近寄ったのが、オスカルとの出会いであった。のちに再会したオスカルに引き取られてジャルジェ家に住むようになる。以後オスカルを一途に慕い、春風のような存在でオスカルの心を和ませる。女性と分かっていながらオスカルを恋うが、やがて黒い騎士=ベルナールと出会い結婚する。優しく控えめな性格で泣き虫だが、芯の強い女性。べルナールとの間に生まれた子供の名前はオスカルのミドルネームをとってフランソワ。シャルロットの死後、一時ポリニャック伯夫人のところに身を寄せるが、彼女に政略結婚をさせられそうになった。
ポリニャック伯夫人(マルティーヌ・ガブリエル・ド・ポリニャック)
フランス貴族でアントワネットの側近。元々は貧しい下級貴族で、控えめな性格だったが、アントワネットの寵愛を得るうちに傲慢になり、アントワネットの名をかさにきて、私利私欲を追及するようになる。アントワネットの評判を低下させた一因。実はロザリーの本当の母親だった。
シャルロット
ポリニャック伯夫人の娘。オスカルに思いを寄せていたが、ポリニャックに幼くして政略結婚をさせられそうになり、政略結婚そのものへの嫌悪と相手に対する嫌悪とが重なって精神を病み、自殺する。ロザリーが自分の実の姉と知ることなく死んだ。
ジャンヌ・バロア(ジャンヌ・バロア・ド・ラ・モット)
ロザリーの異母姉。美人だが野心の強い性格。左目の下に、ほくろがある。旧王家のバロア家の末裔を名乗り、首飾り事件を起こす。終身刑にされるが脱獄し〝ジャンヌ・バロア回想録〟を出版。
ニコラス・ド・ラモット
ジャンヌの夫。
アラン・ド・ソワソン
フランス衛兵隊第1班班長。血の気が多く熱い男で、フランス衛兵隊一の剣の使い手。身分は貴族だが名ばかりで、実情は貧しい平民と変わらない。オスカルを生涯尊敬し、また愛していた(ただし、片思いである)。『栄光のナポレオン-エロイカ』にも登場し、そこではナポレオン側近の将軍にまで昇進している。
ディアンヌ・ド・ソワソン
アランの妹。衛兵隊のアイドル。兄に似ずおとなしく愛らしい娘。貧しいが故に婚約者に捨てられ、結婚式の前夜に首吊り自殺をした。
ベルナール・シャトレ
新聞記者。貴族の愛妾の子で、権力をかさに母を弄んだ父への恨みから、貴族全体を憎むようになる。「黒い騎士」の名で義賊めいたことを行っていた。カミーユ・デムーランがモデル。アランと同じく、『栄光のナポレオン-エロイカ』にも登場し、そこではロザリーとの夫婦円満ぶりが描かれている。
ジェローデル少佐(ヴィクトール・クレマン・ド・ジェローデル)
近衛隊でのオスカルの部下。貴族であり容姿にも秀でている自分に自信を持っているため、うぬぼれが強い。フランス衛兵隊へと去ったオスカルの前に、求婚者として現れる。気障(きざ)だが愚かではなく、オスカルの女性としての心の葛藤をも見抜いている。アンドレへの想いをオスカルから聞かされ、静かに身を引く。
マロン・グラッセ・モンブラン
通称「ばあや」。アンドレの祖母。オスカルの養育係。バイタリティに富み、口うるさく心配性だが心からオスカルを愛している。
メルシー伯
アントワネットの教育係。耳の痛い小言ばかり言うが、アントワネットを心配しての事であり、真の忠誠心をもって仕えている。
ルイ16世
フランス王。ルイ15世の崩御より即位。小太りでおとなしく、優柔不断。趣味は鍛冶と狩猟。家庭的な父でもあり、妻と子を愛していた。優しい性格で、国民からも慕われていたが、ヴァレンヌ事件をきっかけに国民の信頼を失い、処刑される。ちなみに、『ギロチンの刃をななめにして切れをよくする』というアイディアを出したのは彼だった。
ルイ15世
ルイ16世の祖父。1774年5月10日逝去。国王としては全くの無能で、愛人たちに大金を費やし、ルイ16世が即位する以前に、フランスの財政を破綻させていたと言われる。
デュ・バリー夫人
ルイ15世の愛妾。マリー・アントワネットと対立し、アントワネットを屈服させたこともある。ルイ15世の死去によって後ろ盾を失い、宮廷から追放される。作中では自らの欲とプライドのためには手段を選ばない傲慢な人物として描かれているが、実際は心優しい女性だったようだ。
アデライード内親王ヴィクトワール内親王ソフィー内親王
ルイ15世の娘でルイ16世には叔母(父親の妹)にあたる3姉妹。デュ・バリー夫人とは不仲で、マリー・アントワネットにデュ・バリー夫人の悪口を吹き込む。本編ではルイ15世の死とともに姿を消すが、実際には革命前に死去したソフィー以外の2人は革命後にイタリアに亡命している。
マクシミリアン・ド・ロベスピエール
弁護士。その身分と貧しさのために不遇の少年時代をすごし、貴族を憎んでいる。フランス革命の指導者となり、恐怖政治をおこなうことになるが、漫画の中ではそのような負の側面はほとんど触れられておらず、情熱的な革命家という風に描写されている。
サン・ジュスト
革命家。ロベスピエールの側近。国民公会で、ルイ16世の処刑を支持する演説を行い、弁舌の巧さで処刑支持派を多数にすることに成功した。オスカルと会ったことがあるが、その時は単なる不良青年に過ぎなかった。原作ではロベスピエールを尊敬する若き革命家であるが、アニメ版では過激な思考を持つテロリストとして描かれており、ロベスピエールに対してすら辛らつな言葉を投げかけている。
ナポレオン・ボナパルト
栄光のナポレオン-エロイカ』の主人公。フランス革命後の混乱の中、軍人として台頭し、ついに皇帝の座へ上り詰める英雄。本作品登場時はまだ砲兵隊の大尉で、ほんのチョイ役であるがオスカルと言葉を交わす場面が描かれている。オスカルをして「あれは鷲の眼だ・・・帝王の眼だ!」と言わしめ、新たな時代の幕開けを予感させた。
ソフィア
フェルゼンの妹。他の婦人同様、出会ったオスカルに魅了されるが、兄に「あの方は長生きできないタイプだ」と印象を漏らす。
マリー・テレーズ
アントワネットの娘。フランス王女。
ルイ・シャルル
アントワネットの次男。フランス王子。後にアントワネットと引き離される。
ルイ・ジョゼフ
アントワネットの長男。脊椎カリエスで死亡する。オスカルに憧れを抱いていた。
画家の先生
画家。オスカルの肖像画を描く。マロン・グラッセに恋をしていた。
ピエール
パリの民衆の息子。ド・ゲネメ公爵に銃殺される。
ブーレンビリエ侯爵夫人
オスカルの母の友人。ジャンヌを引き取り、教育を受けさせるが、彼女の野心により、ニコラスに殺された。

[編集] 外伝 黒衣の伯爵夫人

「黒い騎士」騒動の頃のエピソードとして、実際の事件をモチーフに描かれている。文庫版の5巻と完全版の8巻に収録。

姉のオルタンスの住む城へ休養に出かけたオスカル・アンドレ・ロザリー。城に着いた彼らを待っていたのは、オルタンスとその娘のル・ルー、そして人々を脅かしている「吸血鬼」の噂だった…。

[編集] 「黒衣の伯爵夫人」登場キャラクター

オルタンス・ド・ラ・ローランシー
オスカルの姉。一人娘がいる。裁縫が下手らしい。
ル・ルー・ド・ラ・ローランシー
オルタンスの一人娘。妙に大人を食ったところがある。オルタンスが作った、ル・ルーの人形を常に持っている。ロザリーと仲良くなる。アンドレに心に突き刺さる言葉を投げかける。
爆発したような天然パーマをツインテールにしており、美人と言うより愛嬌のある顔立ち。しかし本人によればこれは「オスカルお姉ちゃま」の血を引いているからであり、将来的に「すっごい美人」になるらしい。
エリザベート・ド・モンテクレール
モンテクレール城に住む美貌の伯爵夫人。時計技師に無理やり人殺し人形を作らせ、その人形でたくさんの少女を殺害。少女の血で沐浴することで、自らの若さと美を保てると信じていた。エリザベート・バートリがモデル。人から「美人」と言われるのが好き。
リオネル
モンテクレール城に住む美しい青年。モンテクレール伯爵夫人の甥という触れ込みだが、その正体はぜんまい仕掛けの人形で犠牲者を恐ろしい力で拘束し、胸部から突き出す刃で殺害する。
カロリーヌ・ド・ルフェビュール
貴族の娘。オスカルに付き添うロザリーに嫉妬し、彼女に意地悪を仕掛けるが、モンテクレール伯爵夫人により殺害、その血は伯爵夫人の湯浴みに使われた。

[編集] ベルサイユのばら 外伝

雑誌「月刊Jam」 (中央公論社刊 )にて1984年6月号~1985年4月号まで連載された。全4話。「黒衣の伯爵夫人」同様、「黒い騎士」騒動の起こった頃のエピソードとして書かれている。「黒衣の伯爵夫人」にも登場したオスカルの姪・ル・ルーを主人公に据えた、コメディ色の強いシリーズである。中央公論社より、愛蔵版・文庫版(全1巻)が刊行されているほか、完全版の9巻にも収録されている。

[編集] 外伝登場キャラクター

本編・「黒衣の伯爵夫人」に登場したキャラクターは、追加点のみを述べる。

ル・ルー・ド・ラ・ローランシー
外伝の主人公。オスカルの姉・オルタンスの一人娘。おしゃべりで好奇心が強く、どこにでも行ってしまうために周囲(主にオスカル)の頭痛の種となっている。非常に勘がよく、機転がきくためオスカルや周囲の人間のピンチを何度も救う。STORY3で初恋を経験するが、相手が男装した女性(オスカルではない)であった事を知り、失恋に終わる。
オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ
ル・ルーから見れば叔母に当たる。作者の絵柄の変化により、より男性的な体つきになっている。STORY2では、突然現れた弟を前に、自身の存在意義について揺れる事になる。
アンドレ・グランディエ
外伝では、ほぼル・ルーの遊び相手兼おもちゃと化している。だが完全ないじられ役ということもなく、オスカルやル・ルーを守る場面も多い。また、馬の世話をするなど、本編ではあまり描かれなかった使用人としての姿が見られることもある。
ロザリー
本編より一層、おっとりした部分・天然ボケな部分が強調されている。周囲の人間が皆渋る中、唯一ル・ルーの来訪を喜んだ人。
マロン・グラッセ
レニエ・ド・ジャルジェ
ジャルジェ伯夫人
モーリス

オスカルの父・レニエの子どもであると名乗り出てきた少年。彼の出現により、レニエは家庭内で微妙な立場に立たされる。途中で、ある事実に気づく。

[編集] 宝塚歌劇

詳細はベルサイユのばら (宝塚歌劇)を参照。

池田理代子の漫画を原作として制作され、宝塚歌劇団で公演された演劇作品。1974年初演。

[編集] テレビアニメ

池田理代子の漫画を原作として作られたテレビアニメ。1979年10月10日から1980年9月3日まで、日本テレビ系列で放送。全40話。

[編集] キャスト

[編集] スタッフ

[編集] 放送リスト

サブタイトル 放送日 脚本 コンテ 演出
1 オスカル!バラの運命 1979年10月10日 篠崎好 小田響堂 山吉康夫
2 舞え!オーストリアの蝶 1979年10月17日 篠崎好 今沢哲夫
3 ベルサイユに火花散る 1979年10月24日 山田正弘 岡崎稔
4 バラと酒とたくらみと 1979年10月31日 山田正弘 永丘昭典
5 高貴さを涙にこめて 1979年11月7日 山田正弘 山吉康夫
6 絹のドレスとボロ服 1979年11月14日 杉江慧子 高屋敷英夫 出崎哲
7 愛の手紙は誰の手で 1979年11月21日 杉江慧子 永丘昭典
8 我が心のオスカル 1979年11月28日 篠崎好 出崎哲
9 陽は沈み陽は昇る 1979年12月5日 篠崎好 永丘昭典
10 美しい悪魔ジャンヌ 1979年12月12日 山田正弘 山吉康夫
11 フェルゼン北国へ去る 1979年12月19日 山田正弘 高屋敷英夫 山吉康夫
12 決闘の朝オスカルは…? 1979年12月26日 杉江慧子 山吉康夫
13 アラスの風よ応えて… 1980年1月9日 杉江慧子 永丘昭典
14 天使の秘密 1980年1月16日 篠崎好 関根芳久 山吉康夫
15 カジノの伯爵夫人 1980年1月23日 篠崎好 今沢哲夫 関根芳久
16 母、その人の名は…? 1980年1月30日 山田正弘 山吉康夫
17 今めぐり逢いの時 1980年2月6日 山田正弘 永丘昭典
18 突然イカルスのように 1980年2月13日 杉江慧子 高屋敷英夫 山吉康夫
19 さよなら妹よ! 1980年2月20日 杉江慧子 さきまくら 竹内啓雄
20 フェルゼン名残りの輪舞 1980年2月27日 篠崎好 さきまくら 竹内啓雄
21 黒ばらは夜ひらく 1980年3月5日 篠崎好 さきまくら 竹内啓雄
22 首飾りは不吉な輝き 1980年3月12日 山田正弘 さきまくら 竹内啓雄
23 ずる賢くてたくましく! 1980年3月19日 山田正弘 さきまくら 竹内啓雄
24 アデュウ、わたしの青春 1980年3月26日 杉江慧子 さきまくら 竹内啓雄
25 かた恋のメヌエット 1980年4月2日 杉江慧子 さきまくら 竹内啓雄
西久保瑞穂
26 黒い騎士に会いたい! 1980年4月9日(この回の1986年11月27日の再放送時には17.0%の最高視聴率を記録した) 篠崎好 さきまくら 竹内啓雄
西久保瑞穂
27 たとえ光を失うとも 1980年4月16日 篠崎好 さきまくら 竹内啓雄
西久保瑞穂
28 アンドレ、青いレモン 1980年4月30日 山田正弘 さきまくら 竹内啓雄
西久保瑞穂
29 歩き始めた人形 1980年5月14日 山田正弘 さきまくら 竹内啓雄
西久保瑞穂
30 お前は光俺は影 1980年5月21日 杉江慧子 さきまくら 竹内啓雄
西久保瑞穂
大賀俊二
31 兵営に咲くリラの花 1980年6月4日 杉江慧子 さきまくら 竹内啓雄
西久保瑞穂
大賀俊二
32 嵐のプレリュード 1980年6月18日 篠崎好 さきまくら 竹内啓雄
西久保瑞穂
大賀俊二
33 たそがれに弔鐘は鳴る 1980年7月2日 篠崎好 さきまくら 竹内啓雄
西久保瑞穂
大賀俊二
34 今“テニス・コートの誓い” 1980年7月9日 山田正弘 さきまくら 竹内啓雄
西久保瑞穂
大賀俊二
35 オスカル、今、巣離れの時 1980年7月23日 山田正弘 さきまくら 竹内啓雄
西久保瑞穂
大賀俊二
36 合言葉は“サヨナラ” 1980年7月30日 杉江慧子 さきまくら 竹内啓雄
西久保瑞穂
大賀俊二
37 熱き誓いの夜に 1980年8月6日 杉江慧子 さきまくら 竹内啓雄
西久保瑞穂
大賀俊二
38 運命の扉の前で 1980年8月20日 篠崎好 さきまくら 竹内啓雄
西久保瑞穂
大賀俊二
39 あの微笑はもう還らない! 1980年8月27日 篠崎好 さきまくら 竹内啓雄
西久保瑞穂
大賀俊二
40 さようならわが愛しのオスカル 1980年9月3日 山田正弘 さきまくら 竹内啓雄
西久保瑞穂
大賀俊二
41 ベルサイユのばらと女たち 1980年9月10日


[編集] 逸話

アニメ「巨人の星」の監督であり、『ベルサイユのバラ』テレビアニメの12話まで総監督を担当した長浜忠夫は、ベルサイユ宮殿の王侯貴族や貴婦人を演ずる声優陣に「巨人の星」の星飛雄馬や花形満ばりの大げさな演技を要求した。これにオスカル役の田島令子が困惑し、チーフプロデューサーに泣きついたこともあって、長浜監督が降板させられる事態になった。長浜の後任となった出崎統は、対照的に、「詩的で繊細な「出崎調」の演出を心がけたため、「ベルばら」はアニメファンのあいだで熱烈な支持を得るようになった」と山崎はコメントしている[4]。一方、原作では自らの意思で革命に身を投じるオスカルが、アニメ版ではアンドレの意思に従って革命に参加するような発言をしたり、アランの人物像がスマートさよりも過度に武骨に描かれている等、出崎による演出は男性中心的なイメージが強く、女性が自らの意思で自分の人生を選び取っていく生き方に感動した原作ファンからは支持されていないとも言われる[要出典]

[編集] 劇場版アニメ

ベルサイユのばら
監督 こだま兼嗣
竹内啓雄
製作 藤岡豊
脚本 山田正弘
篠崎好
杉江慧子
出演者 戸田恵子
水島裕
富山敬
上田みゆき
音楽 馬飼野康二
主題歌 鈴木宏子
撮影 高橋宏固
編集 鶴渕允寿
配給 共同映画
公開 1990年5月19日
上映時間 90分
製作国 日本
言語 日本語
allcinema
Variety Japan
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テレビアニメ版の再編集作品。声優を変更して新たに収録し直された。1990年公開。

[編集] キャスト

[編集] スタッフ

  • 監督:こだま兼嗣/竹内啓雄
  • 製作:藤岡豊
  • プロデューサー:加藤俊三
  • 原作:池田理代子
  • 脚本:山田正浩/篠崎好/杉江慧子
  • 企画:梅谷茂/山本又一朗
  • キャラクターデザイン:姫野美智
  • 作画監督:荒木伸吾
  • 撮影:高橋宏固
  • 音楽:馬飼野康二
  • 美術:水谷利春/窪田忠雄/川井憲
  • 録音:山田悦司
  • 構成:竹内啓雄

[編集] 劇場版アニメ(21世紀版)

東京国際アニメフェア2007にて、パイロット版が上映された。キャスト・公開時期は未公開。

[編集] スタッフ

[編集] CDドラマ

2003年GOHAN RECORDSより、「―忘れ得ぬ人・オスカル―」という副題がついたCDドラマが出されている(品番 GPCV-1001)。

[編集] キャスト

このメンバーはその後パチンコ台(エース電研・トリプルA)としてリリースされた「CRベルサイユのばら」にも声の出演をしている。

[編集] 実写版映画

ベルサイユのばら
LADY OSCAR
監督 ジャック・ドゥミ
製作 山本又一朗
脚本 パトリシア・ルイジアナ・ナップ
出演者 カトリオーナ・マッコール
音楽 ミシェル・ルグラン
撮影 ジャン・パンゼル
編集 ポール・デイヴィス
配給 東宝
公開 1979年3月3日
製作国 日本
言語 フランス語
興行収入 9億3000万
(1979年邦画配給収入7位)
allcinema
Variety Japan
allmovie
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池田理代子の漫画を原作として作られた実写映画。1979年3月公開。ストーリー展開は原作と異なる。監督は「シェルブールの雨傘」の名匠ジャック・ドゥミ、音楽にアカデミー賞作曲家ミシェル・ルグラン。製作にあたってフランス政府の協力によりヴェルサイユ宮殿での撮影が特別に許可されるなど、大きく話題になった。公開当時、資生堂とタイアップしたことにより、口紅のキャンペーン用に大量のCMスポットがテレビに流れた。コピーは『劇的な、劇的な春です。レッド』。美術や人物が期待されていたイメージと異なる・ストーリーが原作と大きく異なること、ドゥミ監督の演出に精気が欠ける(最初からバイト気分だったとも、既に往年の才気がすっかり衰弱していたとも言われる)、群集場面など予算の限界が見えすぎる等の理由から評判はよくなかったが、話題の「ベルサイユのばら」の映画化ということで映画自体はヒットした。

[編集] キャスト

  • オスカル:カトリオーナ・マッコール
  • アンドレ:バリー・ストークス
  • マリー・アントワネット:クリスティーナ・ボーム
  • フェルゼン:ジョナス・ベルクシュトローム

[編集] スタッフ

[編集] 関連項目

[編集] ベルばらKids

2005年10月より朝日新聞土曜日別冊朝刊「be on Saturday・エンターテインメント」に「ベルばらKids」が掲載されている。

池田作画の4コマ漫画とコラムから成っており、漫画のキャラクターは全員が3頭身。ただしオスカルのみ通常頭身で登場したことがある。
内容は、通常の「ベルサイユのばら」とほぼ同じだが、4コマ漫画らしくギャグテイストになっている。
秋葉原のメイド喫茶に行くルイ16世、パソコンを持つアンドレ、ベルサイユ宮殿にテレビがある、オスカルが歴史書を見て未来を知っているなど、21世紀の日本と世界が繋がった設定となっている。
また、アンドレの母など、本編には登場しなかったキャラクターも登場する。

[編集] 英訳版

1981年三友社出版が全7作の英訳版の刊行を企画し、同7月に The Rose of Versailles Vol.1、11月に The Rose of Versailles Vol.2 が発行されたが、以後、企画が頓挫しており、復刊ドットコムなどでファンから完結が待ち望まれている。訳者は、『ニッポンマンガ論 ― 日本マンガにはまったアメリカ人の熱血マンガ論』(マール社1998年)などの著者フレデリック・L. ショット

[編集] その他

  • TVアニメ版が放映開始される直前の1979年9月17日に放送された「ルパン三世」の第101話『ベルサイユは愛に燃えた』で、オスカルはルパン三世と共演している。現代に現れたオスカルは、ルパンにマリー・アントワネットの宝冠の所在を教えて盗み出させ、折半にするという約束をするが、裏切って宝冠を独り占めにしようとする。実は、宝冠に飾られている青真珠に封入された、石になる秘薬を飲み、既に石になってしまっている永遠の恋人アンドレの許へ行こうとしていたのである。なお、ルパンはオスカルが女性である事に気づかず、「男」にときめいてしまう自分に戸惑ったりする。この話はルパン三世100回記念のシナリオ公募作品であった。ちなみにオスカルの声を演じていたのはアニメ本編の田島令子ではなく、「ラ・セーヌの星」の主役だった二木てるみである。
  • 2000年LAREINE(ラレーヌ)が、アニメ版の主題歌「薔薇は美しく散る」をカバー。原作者の池田理代子もコーラスで参加。初回限定盤のジャケットには池田理代子の描き下ろしイラストが描かれている。
  • 2006年の春にタキイ種苗から『ベルサイユのばら』と名付けられたペチュニアの新品種が発売されている。また発売記念グッズにベルばらのイラストが使われた。
  • 2004年2月4日の フジテレビトリビアの泉にて『ベルサイユのばらの頃のパリは糞尿だらけ』というトリビアの回答VTRにて、原作の一部分の絵が用いられ、声もオスカルを田島令子が、アンドレを志垣太郎がそれぞれ演じた。
  • ヴァレンヌ逃亡によりマリー・アントワネットが恐怖のあまり一夜で白髪になるという描写があるが[5]、マリーが一晩で白髪になったと記した文献や伝承は無く、殆どのフランス人はこの逸話を知らない[要出典]。しかし、日本では子供向けの歴史漫画にまでこの逸話が実話として描かれてしまった事もあり、実話と信じている人も相当に多い[要出典]江戸川乱歩の『白髪鬼』や、『あしたのジョー』にも白髪化の描写があるが、医学的に人間の髪が一夜にして白髪になるという事は無いと柳田理科雄は指摘している[6]。この迷信を信じる人の割合は日本が突出して高い[要出典]
  • 連載当時にはオスカルのファンクラブも結成されていた。『ばらベルサイユ』という機関紙が発行されており、現在ではその一部を2002年発行の『ベルサイユのばら大事典』で見ることができる。ちなみに機関紙を中心となって編集していたのは作中、舞踏会のシーンにプラカードを持って登場したこともあるエミリという女性。
  • 本作ではオスカルの死後、バスティーユ陥落からアントワネットの処刑までがわずか10回の連載で収められているが、これは一番人気のオスカルが退場することによって人気が落ちることを懸念した編集部の意向によるものであったことを作者自身が明らかにしている[要出典]
  • 原作者の池田理代子はテレビアニメ版のビデオを購入はしたものの、「眼が疲れる」という理由で一度も通して見た事が無い[要出典]

[編集] 外部リンク

[編集] 脚注

  1. ^ 『愛蔵版ベルサイユのばら上巻』(中央公論社1987年)の著者の前書きより。
  2. ^ 結婚前のドイツ語名はマリア・アントーニア・ヨーゼファ・ヨアンナ・フォン・ハプスブルク=ロートリンゲン
  3. ^ 単行本9巻170頁「ベルサイユのばら 連載を終えて…」参考。
  4. ^ 『テレビアニメ魂』(pp.178-180)
  5. ^ 単行本9巻65頁。
  6. ^ 柳田理科雄『空想科学読本4』メディアファクトリー刊(2002年)参考。