手淫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

手淫(しゅいん)とは、を使って性器を刺激し性的快感を得ることをいう。自分の手を使って行う自慰(オナニー)のほか他者の手によって行われる手コキ手マンも含まれる。「手淫」という語の初出は、緒方洪庵が訳した『扶氏経験遺訓[1]

手コキ
手マン

性行為における性的興奮を得る為に、男性自身ではなくパートナーが男性のペニスを触ったり、手の前後(ピストン)運動で射精させることは、俗に手コキ(てコキ)と呼ばれている。「手」で「扱(しご)く」の意。

性行為における性的興奮を得る為に、女性自身ではなくパートナーが女性のクリトリス陰唇を指で触ったり、陰茎の代わりに指を挿入してピストン運動することは俗に手マン(てマン)と呼ばれている。手マンにより膣分泌液が激しく吹き出す「潮吹き」に至ることもある。

ラテン語では男性器の場合は"digitatio"といい、女性器の場合は"titilatio"という。

男性器の手淫[編集]

本節に於いては、俗に言う「手コキ」について記述する。自慰については「オナニー」を参照。

射精を伴わない手淫[編集]

自慰行為のほか、性交時の愛撫前戯の一環として行われる。多くはへの挿入前にソフトマッサージのようにペニスを刺激し、勃起の度合いや精神的な興奮を高めるために行われる。フェラチオシックスナインと同時並行して実施される場合もある。

素手で行われるだけでなく、ローションやパートナーの唾液で滑りをよくしたり、パンティブラジャー等の下着衣服の一部、ハンカチ頭髪等でペニスを包んでフェチフェティシズム的な興奮を意図することもある。

また、性交中にペニスの硬度が低下した場合(いわゆる中折れの状態)、一時的に結合を解いて、硬度を高めるために行われることもある。なお、この場合、コンドームを装着したままで強い刺激を行うと、コンドームの破損につながる危険があるため、注意が必要である。

射精を伴う手淫[編集]

男女の性交時に膣外射精を行う場合、ペニスを引き抜いた後に、男性が自分の手でペニスを刺激して射精に至る場合が多いが、これを女性が扱いて射精させる場合もある。 射精時に顔射口内射精胸射腹射が行われる場合もある。

また、パートナーの女性が生理妊娠のため性交できない場合、代替措置として行われる場合もある。まれに、妻が夫の浮気を防止するため、手コキにより射精させ、性欲減退による浮気防止をはかることもある。なお、射精は毎日行えるため手コキのみを行う夫婦も多い。 また、女性側がセックスに対し乗り気でない場合等も手コキが行われることが多い。 これとは別に、以下のような理由で、手コキのみでの射精を愛好する男性もいる。

  • 女性器との結合やフェラチオ等よりも、ペニスに強い刺激を与えることができるため、EDにより性交が困難であったり、膣内射精障害である男性も、パートナーの身体に性器を接触させながら射精ができる。
  • 女性に射精の瞬間を見てもらうことができ、それと同時に、女性の胸や足など、好みの場所に性器を接触させながら射精できるため、オナニーを見られるのとは違った満足感も得られる。
  • 前述したように、衣服や下着等でペニスを包んで射精できるため、フェティッシュ的な快感を得られる。
  • 精神的に女性側が上位となる為羞恥プレイの一環として、女性からの言葉攻めを行う場合も、フェラや性交に比較して容易である。
  • 女性が主体的に行えるため、痴女プレイに適している。
  • 女性が脱衣せずに行えるため、CFNMのプレイにも適している。
  • 体位が自由なため通常の性交ではない体位で射精することが出来る。
  • 援助交際の場合、性交やフェラチオよりも安い金額で女性とプレイを楽しむことができることが多い。
  • ラテックスフェチの男性はコンドームを付けた状態のペニスを女性に見てもらえる、また刺激してもらうことが出来る。この場合のコンドームは避妊具としてではなく、興奮を高める道具として使用される。これとは別に、ブラジャーやパンティ等に擦りつけて手コキを行う場合はコンドームを使うことで衣服が汚れず、片づけが楽である。

イメクラ性感エステピンサロ、抜きキャバといった性風俗店においては、手コキは手淫の延長線上にあり、特別なものではなくフェラや素股に代わるひとつのサービス方法である。

また、アダルトビデオでは手コキ専門のシリーズもある。逆痴漢や淫乱女子高生などの痴女モノは女優単体・企画物共に多く発売されている。

男性が射精への欲求を満たすばかりではなく、女性が積極的にイケメン男性のペニスをもてあそんでみたいという欲求も、近年は顕著になってきている。このような女性の欲求を満たすための女性向け風俗店として、おさわり系ホストクラブという女性向けセクシーパブも営業している。おさわり系ホストクラブはホストと呼ばれる男性接客係が下半身を露出して接客し、女性客がホストの男性器を触って遊ぶ風俗である。こうした店舗では、女性客がホストの男性器を手淫で刺激して射精させることを楽しむことが多い。

手淫の実施方法[編集]

ペニスの順手、逆手で握る等のバリエーションがあり、パートナーとよく相談して行うべきである。 また、ローションや女性の唾液等で滑りを良くする事で亀頭へ強い快感をもたらす。 男性器への性的刺激を受け、射精が近くなると精巣が固く引き締まってくる。片手で陰茎をしごきながらもう一方の手で精巣を触って固さを確認すれば、射精が近いか知ることができる。

射精すると性欲性感が急速に減退し勃起が解消されるため、男性が射精に至る寸前に手によるピストン運動を止め、射精を遅らせることがある。これにより男性に長時間の性的快感を与え、女性も性的充足感を得ることができる。この射精させない手法を俗に「寸止め」と言い、手コキにおいて深い快感を与えるためには不可欠である。

手コキを終える頃合いは、射精が完全に終了し、勃起が解消され始める頃が適している。これより早いと男性の快感が不足し、遅過ぎると射精後に苦痛を伴う。また、連続して射精させる場合や男性が疲れていたりする場合は、刺激を加え続けてもなかなか射精に至らないことがある。

風俗店における手淫[編集]

風俗店・性風俗店では手コキで射精させるサービスを行っている店舗もある。かつてはソープランドの「スペシャルサービス」(おスペ)と呼ばれていたり、キャバクラに手コキサービスを加えたヌキキャバ、ビデオボックス(個室ビデオ)やのぞき部屋オナクラ、アジア系マッサージ店でのオプション、ピンサロ(ピンクサロン)でのフェラに代わるサービス方法など、多くの存在が挙げられ、サービスそのものは新しくはない。東京では新宿歌舞伎町渋谷新橋などに多く存在し、地方都市の歓楽街にも見られる。

その他の方法[編集]

手以外の部位を使って男性器を刺激する方法としては、代表的なものではフェラチオがある。また、足を使う「足コキ」もあり、足の指を使ったフェチ向けの方法という性格が強く、素足のほかパンティストッキングや網タイツなどを着用して行うこともある。巨乳の女性が男性器を胸で挟んで刺激することは「パイズリ」という。太ももを使って射精させる素股ファッションヘルスで多用されている。

女性器の手淫[編集]

手マン」を参照。自慰については「オナニー」を参照。

脚注[編集]

  1. ^ 赤川学 『明治の「性典」を作った男 謎の医学者・千葉繁を追う』 筑摩書房〈筑摩選書99〉、2014年9月、pp.31-32。

関連項目[編集]