性的同意年齢
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性的同意年齢(せいてきどういねんれい)とは、性交の同意能力があるとみなされる年齢をいう。近代社会においてはおおむね医学的な観点からして児童性愛にならない下限と一致しているが、一部の国家ではより低い場合もある。
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[編集] 概説
性的同意年齢は、司法権ごとに大きく幅がある。おおむね16~18歳に設定されていると見てよいであろうが、12歳や21歳とする法も実際には存在している。多くの司法権では、性的同意年齢は精神的・機能的に発達した年齢であることを意味するものと解釈される。性的虐待は同意年齢に満たない者に対してなされるものであるから、あらゆる年齢に被害者がいることになる。法的な婚姻以外の性行為を一切禁じる司法権もある。この同意年齢は、性行為の形式や行為主体の性別、責任のある立場の濫用など他の制限によっても変わりうる。
同意年齢に達していない者への性行為は認められていないが、未成年者同士の性行為はある程度認める司法権もある。法を犯したことに対する罪は、「未成年者略取」程度の軽いものから、「法定強姦」まで幅がある。
[編集] 日本
日本の刑法では、性交同意年齢は13歳に設定されている。性交同意年齢あるいは単に同意年齢とも言う。旧刑法346条では12歳であったが、現行刑法は1歳引き上げていた(年齢を数え年から満年齢で計算するようになったため)。だが、全世界的に見ればこの設定年齢は若い範疇に属すると言える。
ただし、児童福祉法は18歳未満を児童と規定する。そのため、一般に18歳以上という認識が広まっており、民法上の婚姻可能年齢(男子18歳・女子16歳)の規定もあり、13歳で可能という認識を持つ者は少ない。性的同意年齢に達した人間は性的主体として法的に認められる(ただし、単に自己の性的欲求を満たすことを目的にした18歳未満との性交は淫行条例に違反する場合もある)。この性的主体としての権利とは望まない性行為に対し拒む権利である。性的虐待を受けた人間はこの能力が欠如している事で知られる。
低年齢の場合、妊娠・性感染症などの危険性を知らなかったり、心的外傷を負う結果になったり、性的虐待を受ける事態になることもある。そのため、性行為とはいかなるものか、それにはどのような危険性が伴うものかといった認識力が備わっていなければならない。この前提による概念が性的同意年齢である。しかし、法的問題とこの概念は必ずしも一致せず、個人差がある。
[編集] 古典イスラーム法(シャリーア)
古典イスラーム法(およびそれによって導かれる保守的イスラーム)では、結婚以外のセックスは基本的に死罪に値すると定められているため、結婚最低年齢が事実上近代法における性的同意年齢に対応する。イスラーム法では、預言者ムハンマドが9歳の少女アーイシャと結婚を行いセックスをしたとするハディース[1]に従い、女児の結婚最低年齢を9歳とする解釈が主流である。男児は地域によっても違いがあるが、おおむね10~14歳で結婚が可能とされる。このため、現代においては医学的に見て児童の範疇に属する少女と成人男性との性行為も、イスラーム法上は合法(ハラール)である場合が少なからず見られる[2]。ただしこれは前近代の他の地域の法体系も同様であり、女性や児童の人権保障の水準が現在とは比べ物にならないほど低かったことを示すもので、イスラームの特殊性に帰せられるものではない。
このような性行為は現代社会においては肉体的・倫理的観点からして児童性的虐待に分類されるのが通常であり、現代イスラーム社会でも多くの国で性的同意年齢は非イスラーム諸国同様の水準に落ち着いている。しかし一部にはいまだにイスラーム法の厳格な適用を行う国家が存在しており、12イマーム派のイランやワッハーブ派のサウジアラビアでは女児の結婚最低年齢(性的同意年齢)は9歳である。そして実際にそのような早婚も存在している[3]。
[編集] ポリネシア社会
現在では西洋化が進み、欧米並みの基準が通用するようになっているが、ポリネシア社会では12歳を過ぎたら性的同意年齢であると考えられており、多くの女性が12歳から15歳の間に最初の出産を経験していた。現代でも文明化が進んでいない地域ではこの社会通念が通用しており、このような地域が欧米の法制度で裁かれるとピトケアン諸島少女性的暴行事件のように住民の成人男性全員が犯罪者という状況が起きてしまう。ポリネシア文化圏はイギリス連邦所属地域が多いため、イギリスの性犯罪法による16歳未満との性行為による犯罪で処罰されることになる。
このような事態を避けるために、年齢詐称が行われることも多い、日本のように戸籍制度が整備されていないこともあり、年齢を上であると詐称して結婚してしまうことが普通に行われている。このような文化の社会では18歳を過ぎるまで未婚のままでいることを村社会的に容認できない社会であることも重要な問題であり、原始的な生活水準の地域では十代前半での結婚と出産は通常の状態であり、欧米並みに結婚を18歳まで待つだけの社会的な余裕も無い。これを欧米法で犯罪とするのはおかしいとする意見もあり、ピトケアン諸島少女性的暴行事件では弁護側が主張した。
アフリカ大陸南部も同様の状況にあると言われている。
[編集] 脚注
- ^ ブハーリーのハディース集成書『真正集』「婚姻の書」第39節第1項(アーイシャ自身からの伝)、同第40節(アーイシャおよび伝承者ヒシャームからの伝)その他。ハディース中の「9歳で婚姻を完成させた」という一文が実際に性行為を行ったという意味とされるのは集成書の注記による。
- ^ 預言者ムハンマド自身、アーイシャと結婚した際は50を過ぎていた
- ^ サウジで10歳の少年と9歳の少女が結婚!! ただしこの場合児童同士の結婚であり、成人男子と女児との結婚と同列には議論できない

