オナホール

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貫通型オナホール

オナホールとは、性具のひとつで、男性器を女性器へ挿入する快感を再現するための膣口および膣をかたちどった製品のことである。「オナニーホール」の略。俗に「オナホ」と略される。安価な使い捨ての製品から比較的高価な洗浄して再利用できるものまである。

概要[編集]

軟質樹脂などを筒状にしたもので、陰茎の挿入を繰り返し女性器への挿入に近い性的快楽を得ることができる。古くはコンニャクを使用する簡単な方法もあった。使い捨てのオナホールは紙コップにスポンジを詰めただけの物が多かったが、近年は一般的なオナホールのように樹脂を利用したものもある。

また、オナニーなどでは問題無く射精できるが、実際の女性との性交において、女性の膣内で射精に至れない、いわゆる膣内射精障害と言われる性機能障害射精障害)の中で、誤った(膣への挿入、ピストン運動といった通常の性行為とかけ離れた)オナニー習慣が原因とされる場合、そのリハビリにオナホールが有効なのではないかという説がある[1]

かつてはアンダーグラウンドなイメージの強いものであったが、現在は一般客が入りやすいアダルトグッズショップやアダルトDVDショップ、ネット通販でも購入出来るようになり、バイブレータディルドといった女性用の性具とともに男性のオナニーグッズとして一躍メジャーなものとなった。近年ではパッケージデザインも洗練されてきており萌えイラストを採用したり、アニメのパロディキャラクターを使ったものなどが主流化している。

使用[編集]

使用に際しては、異物等が内部に無いかを確認し、摩擦を緩和するために潤滑用の水溶性のラブローションを使用する。コンドームを着用すると射精時の精液の飛散を気にすることなく使用でき、精液の処理も簡単になるメリットがある。ただし、コンドーム使用により摩擦感や快感が減じるのは性交と同様であり、また、仮にコンドームを使用することで精液の飛散は防げ得たとしても、オナホールに付着したローションやコンドームの潤滑剤を洗浄するための手入れは欠かせない点に留意が必要である。なお、耐久性については材質・構造・製品により様々である。お湯などでオナホールやローションを人肌に温めるのも快感を増すための一つの工夫であるが、暖め過ぎによる破損や火傷には十分な注意が必要である。近年ではオナホール専用のウォーマーも存在する。

ダッチワイフラブドールの股間部分にオナホールを装着し、使用する場合もある[2]TOKYO名器物語の爆発的な売り上げを占めているのは、この用途による処も大きい。

構造[編集]

膣に相当する部分に関しては、通常は伸縮性に富むシリコーンのほか、塩化ビニール熱可塑性エラストマーなどが用いられる[3]。ただし見た目をあまりにリアルに作り過ぎてしまうと「わいせつ」とのことで、日本国内では警察の取締の対象になってしまう。しかしながら純粋に設計上の問題として、亀頭を膣口部に導くためのガイド構造が必要とされる場合があるが、それが小陰唇に見えてしまうという問題があり、猥褻な形状でなく実用的であり、また使用者は自然な(恐らくは本物の女性器に近い)外見を求めているため、各メーカーは様々な工夫と配慮を行っている。なお、日本以外で制作されたものの場合、非常に写実的な外観を持った製品も存在するが、税関を通過できない場合があるため、輸入に当たっては注意を要する[4]

大きさや形状は陰茎が収まる筒状の物から女性性器を精巧に模った物、女性のまで象った物など様々である。一般に女性の性器を忠実に模した物が多く見られ、実物の陰毛を植毛した製品や、単なる円筒・多面体と言った無機質なデザインの物も存在する。価格は、数百円程度の物から、数万円台のものまである。耐久性は値段に比例する傾向があるが、工業製品としての規定がある訳ではないので、製造業者によってまちまちである。また、バイブレーター機能を内蔵していたり[5]、ピンクローターを装着できる構造になっている物もあり、より強い刺激を得ることができる。高級品では、人工皮膚(シリコーン等の軟質合成樹脂素材を使用し、より人体に近い触り心地を再現するため、異なる固さの樹脂で積層構造としている)なども使われる。内部をうねらせたものや襞に突起を配置したもの、疑似的な処女膜を作ったもの[6]、振動部を取り付けたものなど、手でペニスを刺激する場合とはまた違う快感を得るために細工をほどこした製品がある。また、幾つかに分解して洗えるタイプも出ている。

種別として、膣に相当する穴(ホール)が、膣口の反対側、即ち子宮側まで貫通している「貫通型」と、そうではない「非貫通型」に分かれる[7]

貫通型[編集]

貫通型は洗浄を行いやすく、オナホールを清潔に保ちやすいのがメリットの一つである[8]。ただし、先端開放部からのローションや精液の漏出に注意する必要がある。また、丈の短い製品の場合、射精後に陰茎を貫通させ、感度を増した亀頭をオナホールの縁で刺激するという、非常に快感の強い特徴的な後戯が可能である[9]。 前後どちらからも挿入できる利点を生かし、挿入する方向によって使用感が異なる設計のオナホールも存在する。

非貫通型[編集]

非貫通型は先端が閉鎖されているもので、洗浄・乾燥が比較的困難なほか、子宮側に空気の逃げ出す穴が無いため、あまりに陰茎に密着する製品の場合、挿入が困難となる場合がある。が、それが転じて内部の空気を抜くことでピストン運動の引き時に陰茎に負圧がかかり、吸い付くような快感が得られるという利点がある(バキューム効果。フェラチオ#バキュームフェラも参照)[10]。また、先端から精液やローションが漏出する虞がない点も利点である。

電動型[編集]

筒・箱型のホールにローターなどの振動を与える装置を取り付けたり、または自慰の際の手の上下運動を再現して刺激を得る製品など。これら電力で動く製品一般を指す。快感が得られる一方で、高価であり音が出るという欠点がある。

形状[編集]

全体的な構造として、以下のものが見られる。

  • 筒・箱型:もっとも一般的なもの。、または肛門直腸をモチーフに作られ、1,000円を割るものから1万円台のものまである。シリコンラテックスなどの軟質素材のみで作られ、動力のないタイプ。ダッチワイフにセットして使用するものもある。オナホールは数百円のものが多いが、樹脂を利用して内部構造を工夫し快感を向上した高価なものもある。大抵のオナホールは使い捨てである。
  • 乳房型:乳房を模ったもので、パイズリを疑似体験できる。人によっては、自分の胸の部分に置いてブラジャーやスクール水着等を着用して女性になった気分で揉むと言う使い方をする者もいる。
  • 人形型:外側は着せ替え人形のようなデザインだが裏返すと女性器を模した挿入口があるもの。取り外して内部を洗えるタイプもある。また近年の萌えブームによりアニメフィギュアを模したものもある。
  • 頭部型:近年は少ないが、女性の頭部を模したものである。口が挿入口になっており空気で膨らませるタイプと樹脂製とがある。理容師の用いる練習用の頭部マネキンのような形状。
  • 形状再現型:リアルな女性器の複製品(腰部、臀部を含む)。ものによっては有名AV女優から型取りしたと謳っているものもある。据え置き型のため腰を動かして使用でき、擬似セックスを体感できる。パッケージも美少女ゲームアニメとコラボレートしたり、AV女優の写真を利用するなど工夫されているものが多い。人間の手や足を模し、手のひらや足裏に女性器を模した挿入孔を有したものもある。
  • USB連動型:パソコンとUSBケーブルで接続して使用可能なオナホール。オナホールの動きとCGキャラの動きが反映される製品も有る。

使用上の注意[編集]

  • 潤滑用に水溶性ローションの代わりに食用油ワセリン・(グリセリンを含む)温感ローション等の油性潤滑剤を使用すると、ゴム部分が溶けて破損する事がある。
  • これらの器具を複数人数で共有すると、性病などの蔓延を招く恐れがある。
  • 基本的に精液タンパク質糖質をふんだんに含んでいるため、非常に細菌の類が繁殖しやすい。使用したらよく洗い、きちんと乾かして収納する。これを怠ると性病が発生したり、陰茎感染症で傷つく事がある[11]
  • 性器は非常にデリケートである為、硬質のもの、内口径のきつすぎるものを長時間使用すると亀頭が鬱血したり怪我に繋がることもある。
  • 材質が人体に悪影響があるか不明なものもあるため、コンドームを着用して使用するほうが良い場合もある。
  • ローションをつけないとけがの恐れがある[12]
  • 薬事法への対処の為か、必ずジョークグッズと商品には記載されているため、怪我や性病など重大な事が性器に起きたとしても自己責任で対処するべきである。

脚注[編集]

  1. ^ 小堀善友 他 「射精障害患者に対するMasturbatorを用いたリハビリテーション」[1][2] 2009年 (2010年11月閲覧)
  2. ^ 「ワンランク上の快楽をもたらす空気嫁」『おなほとえっち』(2011) p.65
  3. ^ 『南極1号伝説』(2009) p.83
  4. ^ 『南極1号伝説』(2009) p.83 - p.90
  5. ^ 『南極1号伝説』(2009) p.84
  6. ^ 「処女姦淫【ミク】【ルイ】(A-ONE)」『おなほとえっち』(2011) p.102
  7. ^ 「オナホール形状の基礎知識」『おなほとえっち』(2011) p.16
  8. ^ 『南極1号伝説』(2009) p.86
  9. ^ 「命を代償に得る壮絶な快感」『おなほとえっち』(2011) p.48
  10. ^ 『南極1号伝説』(2009) p.86
  11. ^ 『おなほとえっち』(2011) p.56
  12. ^ 『おなほとえっち』(2011) p.50

参考文献[編集]

関連項目[編集]

  • 性具
  • ダッチワイフ - 股間部にオナホールを装着できるものがある。
  • ラブドール - 高級ダッチワイフ。股間部にオナホールを装着できるものがある。

メーカー[編集]

  • トイズハート - 1983年設立、1999年にオナホールに参入。世界で初めてオナホールをブランド展開した。その功績から、代表者の白山久壽は「オナホールの父」と呼ばれている。
  • WINS(ラブクラウド) - 1990年代中期から55万個を売り上げたロングセラー「東京名器物語」で有名。
  • TENGA - 2005年に販売開始。高いデザイン性を特徴とするブランド。
  • G PROJECT - 2012年に販売開始。2次元イラストをパッケージに使用し、スタイリッシュかつ高品質な製品を発売している。
  • Men'sMax - 2012年に販売開始。「本物以上に、本物。」をブランドコンセプトとして掲げており、常に最高品質の製品を提供している。

ゆるキャラ[編集]

  • おなほん - 2014年にオナホール解説書籍『現役オナホールが解説するオナホ奥義・自慰百珍』を刊行