AV女優
| AV女優 | |
|---|---|
| 基本情報 | |
| 職業分野 | エンターテインメント |
| 業種 | 芸能人 |
| 詳細情報 | |
| 関連職業 | AV男優、AV監督、アダルトモデル |
AV女優(エーブイじょゆう)は、主に性行為を見せるアダルトビデオに出演する専門の女優である。AV女優と紛らわしい言葉として「ポルノ女優」というものがあるが、日本でポルノ女優という場合は映画館で公開される成人映画に出演する者を指し、特に1970年代から1980年代にかけて隆盛を見せた日活ロマンポルノの出演者を指す。近年はAV以外の分野への進出も目覚しいことからメディアでは「セクシー女優」と表現されることもある。
目次 |
[編集] 概説
AV女優には、名前と容姿で魅力をアピールする単体女優と、女優の魅力ではなく作品の内容(企画)で売るタイプの作品(企画もの)に出演する企画女優との2種類がある。一般にAV女優という場合は単体女優を指す場合が多いが、2000年頃から、企画女優の中にも単体女優並みの人気を持つ例が見られるようになった。これをキカタン(企画単体の略)女優などと呼ぶ。また近年、荒井美恵子、小沢なつき、やまぐちりこなど芸能界からの進出も目立つ。
ほとんどのAV女優はAV事務所(AVプロダクション)に所属しており、出演料を折半することでマネージメントされる立場にある。基本的に、AVメーカー(制作会社)から出演依頼を受けることで初めて仕事(撮影)となる。それゆえ、新人AV女優は仕事を得るためにマネージャーと共にメーカー回りをして、ようやく仕事(収入)が得られる。このメーカー回りのことを業界用語では「面接回り」と言うが、一般的に言えば「オーディション」である。
女優のほとんどが本名以外の別名を女優名にして出演している。女優名は女優が自分で決めたり、事務所の社長やマネージャーがその女優の雰囲気に合った名前を付けたり、見た目や雰囲気が似ている芸能人の名前をもじって付けたりすることが多い。プライバシー保護の都合もあって、本名とは一切関係ない女優名になることが多いが、中には本名をもじった女優名を名乗る女優もいる。
AV黎明期は実際には性交を行っていない(擬似性交)ことが多かったが、21世紀に入ってからは、ほとんどのAVでコンドームを付けて性交を行うようになっている。
DVDの一般化による作品の長時間化(ビデオ時代は一般的に1本40〜60分、たまに90分の作品もあった。DVDでは1本90分から2時間、長いと3、4時間以上)、インターネットの普及(ファン同士の情報交換、オンラインストアの購入者による商品評価によって作品の評判がすぐ広まってしまう)が環境の変化としてあげられる。
インターネット利用者の拡大により、日本のAV女優はアメリカをはじめ世界各国のアダルトサイトでアジアンポルノとしての人気も高い。近年では台湾、韓国、中国などアジア諸国でも人気を集めている。これと同時にAV女優のアジア進出も進んでいる。
経済評論家の門倉貴史による「風俗産業で働く女性の時給ランキング(2006年版)」によると、風俗産業の中でもAV女優の時間あたりの給料が最も高い。トップは「単体もの」のAV出演で時給3万1000円〜、「単体もの」で、1回のビデオ出演毎に、80万円〜150万円程度のギャラを受け取ることが出来ると言う。撮影現場で拘束される時間は2日程度になるから、時給に換算すると、1万7000円〜3万1000円程度。ただし、AV業界には、「出れば出るだけ価値が下がる」と言う法則があると言われる[1]。元AV女優の峰なゆか、小室友里も同様の指摘をしている[2][3]。
前述の峰によれば、一時期と比べるとAVの売上本数が減った現在、AVの制作費は下がっており、それに伴い真っ先にAV女優の出演料も下がった。ちなみに現在進行形で出演料は下がり続けているという。また、AV女優人口が増え1人あたりの仕事量が減ったことも背景として挙げている[2]。小室友里は、バラエティ番組『くだまき八兵衛』の中でAV界の出演料の裏事情を明かしている。小室は現役時代に出演料のうち3分の2が所属事務所の取り分となっていた。前述の通り、AV女優は出演本数を重ねていくごとに出演料が減る。出演料が減額しても女優には毎月同額を支払えるように、事務所は減額分を補填しているのだ[3]。
[編集] デビューから引退まで
デビューする年齢はおおむね18歳(法律による)から20代中頃が多い。中には30代以降デビューして人気AV女優となる者もいる。ほとんどの場合は毎月1本、多くて月2本ペースで撮影される。
[編集] 引退とその後
AV女優としての寿命は、超人気女優であれば10年近くになる場合もあるが、大部分は2~3年程度であり、それ以上経つと所属事務所との契約終了により引退するケースがほとんどである。単体でのオファーが少なくなった単体女優は企画女優に格下げされる場合もある。引退後はグラビアモデル、ストリッパー、ソープランドなどの性風俗産業へと転じていく者もいるが、大多数が普通の「一般人」に戻る。 AV女優から芸能人へと転身を果たし、成功を収めたといえるのは一時期の黒木香、飯島愛である。「芸能界への転進」はともかく「芸能界での成功」となると困難を極めるのが実態である。桜木ルイ、高樹マリア、及川奈央、蒼井そら、夏目ナナ、長澤つぐみ、みひろなどのタレント転身がアナウンスされているが、飯島愛に次ぐだけの存在と言える者はまだ現れていない。
[編集] 企画女優
AVのコンセプトに基づく作品として、多くの女性の中の一人として出演する。
企画女優としての出演には、名前を広く知られない、顔と名前の両方を広く知られないという2種類の出演方法がある。
知名度の高い単体女優に比べて、膨大な人数が企画女優として登録している。その中には、副業としての出演者も多くいる。ファッションヘルスやソープランドのサービス嬢など、風俗産業の女性が副業で出演する場合がよく見られる。他にはOLや主婦など普通に見える女性が副業で出演する場合もあり、中には現役看護婦や現役スチュワーデスや現役教師など、性風俗産業の世界とは縁遠そうな知的な女性が副業で出演する場合もある。企画は出演料が非常に安い反面、セールス数を問われる単体女優とは異なり引退の時期がない上、一般誌などで宣伝されない(パブNGなどと言う)のでAV出演を周囲に知られる可能性が低く、その気があれば出演を続けられると言われている。また出演料が安いという事は制作サイド側が発注しやすいという側面もあるので、仕事が多くなり単体女優よりも稼げるという事もある。逆に、副業を続けながらチャンスを待つAV女優も多い。
近年では企画女優が注目されるようになったが、その背景としては、AV界にインディーズメーカーのブームが起きたことが挙げられる。インディーズメーカーとは、ビデ倫に加盟せず過激な内容の企画AVを制作するメーカーのことで、作品をレンタルビデオ店に置くことができず、セルビデオが主体の場合が多い。そのため、インディーズ作品には若くて容姿に恵まれながらも、周囲に知られることを恐れる女優が数多く出演することになり、容姿では単体女優にも劣らない企画女優が多数生まれることになったと見られる。
単体女優が、こういった企画女優のように企画色の強い作品に出演することもある。
[編集] キカタン女優
企画女優の中でも単体女優並みに人気が出て、オファーが殺到し多数の作品に全く無制限で出演する場合がある。このような女優をキカタンと呼ぶ。これは『企画単体女優』の略である。
代表的なキカタン女優の例として、長瀬愛、堤さやか、笠木忍、立花里子、紅音ほたる、つぼみ、大沢美加などがいる。キカタン女優のギャラは、読んで字の如く、企画と単体の中間の金額であるが一律ではなくプロダクションなどにもよるが金額の幅が広い。単体なら月に1本と制限されるし、企画なら出演料が安いため、最も稼げるのはこのキカタンだと言われている。
出演本数が多かった例(引退)
- 朝河蘭:2年で516本=新日本プロジェクト(月21本)
- 桃井望:2年で160本=ウィナーズアソシエーション(月6本)
- 長瀬愛:3年で120本=ウィナーズアソシエーション(月3本)
- 笠木忍:6年で200本=バンビプロモーション(月2.7本)など。
- これら4名に共通するのは、2002年頃のAVブーム全盛期に活躍した点である。この代表的な4名の活躍によって(2002、2003年頃に)キカタンと言う新たなジャンルが登場した。
[編集] 単体女優
一般的に主演した場合の出演料は1作目が一番高く、それ以後は徐々に安くなっていくのが通例である。引退間際は受ける気をなくすほど格安と言われている。徐々に安くなる活動を何か月維持できるかが単体の生命線と言える。一般的にデビュー3本契約が大抵であり、その3本目で引退する単体が大部分を占めている。
企画女優の入社は応募入社とスカウト入社が半々と言われるが、スカウトマンは当然美形から狙うため、この単体やキカタンに関してはスカウト入社が8割以上を占めている。企画なら相場があるが、単体はその都度事務所が交渉を行っている。
キカタンの項目で分かる通り、企画系事務所は幅広いメーカーと取引しているが、単体系事務所はごく限られた会社としか取引していない。単体を単体価格で撮るメーカー自体が日本では10社も存在していない。
単体デビューのオーディションも同様で、メーカー全社を回るわけではなく、この7、8社を回れば大抵の事務所が合否の結論としている。企画系の事務所が大所帯なのに対し、単体系は数人しか所属していないのが特徴である。社員も数名や社長1人の会社などが珍しくない。1対1でマネージャーが単体を管理しているのが特徴である。例として、まりかなどがいる。単体の撮影日数は大抵2日で、短い場合で1日で撮り終えたり、長い場合で3日間。
[編集] 一般芸能界との関連
AV女優は、一般のテレビ局が制作するドラマ番組などからの出演依頼が来ることがあるが、そのほとんどは「裸体を見せる必要性」からポルノ女優同様にサスペンスドラマにおける全裸死体の役や入浴シーンのエキストラ役、その他でも時代劇での脇役の遊女の役となっている。同じ遊女や風俗嬢の役であっても、物語の中心を担う役であれば通常の女優が充てられる傾向にあるが、近年では、サスペンスドラマ自体が減少したり特に過激な性的な映像に関しての規制が強くなっているので、最盛期の1990年代と比べて激減傾向となっているのが現状である。
深夜放送のドラマやバラエティー番組に有名AV女優がレギュラーやゲストで出演することも珍しくなくなって来ており、芸能界へ芸能人としてステップアップした例は飯島愛や及川奈央、夏目ナナ、蒼井そらやみひろが加入していた恵比寿マスカッツのAV女優などで増え続けている。特にテレビよりVシネマに共通の傾向で「SMもレイプもOKだが、Vシネマの出演だけはNG」と言う芸能女優は多い。しかし、そういった芸能女優が嫌がる役も積極的にこなす点で、テレビ業界にとっては貴重な存在となっている。テレビ番組関連媒体の出演者プロフィールにも職歴を「AV女優」ではなく「モデル」「セクシータレント」などと記載されることが多い。
以下に芸能人のAV女優への転向及びAV女優の芸能挑戦の例を示す。AV女優の芸能としてのチャレンジの例や、芸能人のAV参入の例など「グラビアの仕事を少ししたことがある」程度の人間まで含めると膨大な人数となるため、本項では希志あいのなど、転身が特に話題になった者以外は、AV以前の活動期間が2年未満のものは除く。カッコ内はAVデビュー時期とする。一方で、元々AV女優になる前提で最初だけグラビアアイドルや芸能もどきの活動を行い、知名度を得たところでAV女優に転身するという「芸能カラー」を漂わせた「ハク付け」のケースも多い。それは下記の人物の一部も含む。
- 元スポーツ選手・元一般芸能人
- 東城えみ(2005年10月20日) - プロレスラー(JDスター女子プロレス アストレス2期生)
- 荒井美恵子(2006年10月19日) - タレント・グラビアアイドル・歌手(ギリギリガールズ)
- 桜樹ルイ(1989年4月) - アイドルタレント、おニャン子クラブのオーディション出演経験あり
- 山崎亜美(2007年2月8日) - 子役アイドル(ねずみっ子クラブメンバー、千夏名義の出演も)
- きこうでんみさ(2007年5月3日) - アキバ系アイドル
- 桜一菜 - NHK教育テレビ『真剣10代しゃべり場』に出演。
- 桃咲あい(江藤ひな)- モーニング娘。の最終オーディションまで通ったという触れ込み。
- 平井まりあ - テレビ番組「恋のから騒ぎ」に出演
- 峰なゆか - 同上
- CHACO(2004年10月14日)- 制服向上委員会3期生
- 小沢なつき(2004年4月30日)- 「魔法少女ちゅうかなぱいぱい!」主演
- 葉山レイコ(1988年9月24日)- AV引退後はNHK教育テレビの語学番組に出演
- 矢吹まりな - 「黒BUTAオールスターズ」
- 萩原舞(2003年9月12日)
- 北島優(2004年4月23日)
- 桃瀬えみる(2006年7月21日)
- みひろ(2005年1月28日)
- YUKA(2004年3月26日)- 「小島由佳」という芸名で「岸和田少年愚連隊」「カオルちゃん最強伝説 番長足球」「棒 Bastoni」などに出演
- 聖乃マリア - 「井上麻衣」という芸名で女優として活動していた。
- 青木りん(2006年5月7日)
- 範田紗々(2006年7月6日)
- 櫻井ゆうこ(2007年1月5日)
- 板垣あずさ(2007年11月8日) - グラビアアイドル時代の芸名は「板垣梓」。制コレ'04ノミネート
- 灘坂舞(2007年)
- 琴乃(2007年4月5日)- プチエンジェル第2期生
- 希志あいの(2008年2月22日)- 数カ月グラビアアイドルとして活動。
- 麻生美由樹
- AYA(牧野田彩)- 元小室ファミリー/期間限定ユニット「ASAYAN」からデビューした「L☆IS」の元メンバー。RQなどを経てAVデビュー。2010年10月23日都内の自宅マンションから飛び降り自殺と報道された(享年30歳)。
- 三枝実央
- 佳山三花(2008年10月31日) - グラビアアイドル時代の芸名は「小田有紗」。
- 原紗央莉(2008年11月25日) - グラビアアイドル時代の芸名は「七海まい」。
- Hitomi (2008年11月6日)- グラビアアイドル時代は「田中瞳」の芸名で活動していた。
- 松浦ひろみ(2009年2月1日) - マルチ・シンガーソングライターを名乗り、セクシー路線に進出
- あいださくら(2009年8月6日)
- まりか(2009年12月5日)
- 水瀬ちあき(2010年3月1日) - 宝塚歌劇団員の娘役として活動。
- 七色あん(2010年4月1日) - 2002年度おはガール。
- やまぐちりこ(2010年8月27日) - AKB48の結成時メンバーで、アイドル時代は『中西里菜』だった。
- ほしのあすか(2010年11月6日) - グラビアアイドル時代の芸名は「星野飛鳥」。
- 小向美奈子(2011年10月14日) - 元人気グラビアアイドル。覚せい剤取締法違反の容疑で逮捕の後、ストリッパーへ転身後、AV女優となる。
- 一般芸能界への進出
- 飯島愛 - タレントとして活躍。「Tバックの女王」。自伝本『プラトニック・セックス』がベストセラーに。2007年3月に芸能界を引退、2008年12月死去。
- 黒木香 - 横浜国立大学在籍として、一種の文化人的なポジションでテレビに積極出演していた時期がある(1980年代末)。当時はAVが社会現象的に普及した時期で、盟友と見られたAV監督の村西とおるとセットで、1980年代はかなりの頻度でテレビ出演を行っていた。
- 墨田ユキ・高樹マリア - 一般作に出演。
- 小林ひとみ・後藤えり子・葉山レイコ・朝岡実嶺 - 一般のドラマや一般映画に出演。
- 春咲あずみ・北原多香子・宝月ひかる・吉沢明歩・恋小夜・Rio(柚木ティナ)・穂花・前嶋美歩・立花里子・宮路ナオミ・松嶋れいな・赤西涼 - グラビアアイドルとして活躍。特に、春咲あずみに関しては、作詞作曲演奏、歌で2010年に活躍する兆しも伺える。これ以外にも主なAV女優がDVD「エクシタシー」にてグラビアアイドルとしての挑戦を受けている。
- 及川奈央 - ドラマ、バラエティ番組など非常に広く活動している。子供向け特撮番組やNHK大河ドラマ「龍馬伝」にも出演を果たす等、元AV女優としては従来では考えられない分野にも進出を果たした。
- みひろ - 執筆した小説が映画化・漫画化されるほか、舞台・映画の主演、お笑いのゲスト審査員として活躍。また、志村ファミリーの一員として、スペシャル番組ではあるものの、一時期ゴールデン枠(テレビ)のレギュラーを持っていた。
夏目ナナ・蒼井そら・小澤マリア・長澤つぐみらが一般芸能界に進出または掛け持ちを行っている。
非常に特殊な例として、コスプレヒロイン物AVを製作する際に、一般向けバージョンを同時撮影する例がある。これは、同路線のメーカーであるGIGAが、グラビアアイドルを起用した一般向けコスプレビデオの別ブランドであるZENに供給するもので、ヴァイオレンス色、セクシー色は濃いものの、初期AVやポルノの時代にはトップクラスの女優でも得られなかった一般向け長編ドラマ主演の機会といえる。立花里子、小峰由衣ら一定の演技力を備えた女優に声がかかることが多い。
[編集] 参考文献
- 永沢光雄『AV女優』(ビレッジセンター出版局 1996年 ISBN 4-89436-025-X ISBN 4-16-749302-0)
- 永沢光雄『おんなのこ(AV女優2)』(コアマガジン 1999年 ISBN 4-87734-269-9 ISBN 4-16-749303-9)
[編集] 脚注
[編集] 注釈
[編集] 出典
- ^ 門倉貴史 (2006年4月3日). “風俗産業で働く女性の時給ランキング' 風俗産業で働く女性の時給ランキング (PDF)” (日本語). 2011年5月17日閲覧。
- ^ a b 峰なゆか (2009年5月13日). “元AV女優、峰なゆかが語るAV業界ウラ話 結局、AV女優ってギャラいくら貰ってるの?” (日本語). カルチャー. メンズサイゾー. 2011年5月17日閲覧。
- ^ a b “元AV女優•小室友里がAV界のギャラのカラクリ&加藤鷹のテクの凄さと習得法を告白!” (日本語). 東京都: 無制限99円取放題. (2011年4月) 2011年5月17日閲覧。