芸能人

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芸能人(げいのうじん)は、芸能職業とする人。本来「観客の前で芸を披露することをなりわいとする人々」を指す。広義の意味の芸能人は伝統芸能を披露する人々を含む。

概要[編集]

芸能人は売れっ子ともなれば知名度も上がり、収入も増える。結果、ファッション、ライフスタイル(生き方など)、言動などが常に大衆に注目されるようになり、ときとしてカリスマ的な影響力を及ぼす。だが、生活を維持し生計を立てるには不安定で、人気がなくなれば活躍の場は減り、テレビ局側も起用しなくなる。その結果、人々に忘れられれば「お役御免」とされてしまう(露出がなくなると、はなはだしい場合は死亡説まで流れる)。 また一般社会からすると不規則な生活が続くこともある。

明日のスターを夢見て、絶えず若手や旬な新人が出てくるが、表舞台で長く活動できるのはほんの一部である。時の流行りや背景で 古いものは淘汰される傾向もあり、売れない者や時代遅れの流行らなくなった者には華やかな仕事は回ってこなくなり、地方回りの営業ややりたくない仕事もやらざるをえなくなる。

有名になれば、華やかなことだけでなく、自分にとって悪い部分や触れられたくない部分や不都合な過去も世間で暴露され、プライベートなことや芸能界以前の過去の逸話やプライベート(例えば整形前の顔写真や、生い立ち、出身校)まで暴露されることもある。 またそういったことも含め、良くも悪くも話題になっていないと世間から忘れられていく者も少なくない。

芸能人同士の人間関係、上下関係もテレビの裏側では厳しいことがほとんどである。テレビカメラが回っている時以外は全く別の顔であることが多い。

確実に実力で地位を得た芸能人や人脈を広げ着実な活動を続けるベテラン勢は、人気がなくなっても大御所的存在となり、後進の指導等に回る者もいるが、その前に生活が持たなくなり消えていく者が圧倒的に多い。

歌手等でも、歌が上手く、才能があっても1曲しかヒットせず、一発屋として消えていく者も少なくない。

しかし「将来なりたい職業」では常に上位にランクインするなど、大衆文化を享受する人々にとっては依然人気である。

歴史[編集]

近代以前の芸能[編集]

古くは、芸能は神事から発達したものであった。神懸かりの巫女の口から発せられる神託の言葉が人々への言祝ぎになったのが神楽などの原形である。日本土着の宗教である神道大嘗祭新嘗祭などにみられるように農耕信仰の要素を持っており、田楽などが派生し世阿弥らによって狂言などに受け継ぎ発展された。

農村社会が永らく続いた日本においては、成人するまでに村社会において必要なさまざまな実力を身につけることが求められ、周囲の仲間と同等の仕事、例えば重い米俵を担げる、同じ早さで稲刈りができるといった必要な能力を身に着け損ねた者は、大工といった職業集団や旅芸人などへ身売りされるといった側面もあった。江戸時代には武士・百姓・町人(いわゆる士農工商)の身分外の存在として差別される形となって記録されている。同時代、歌舞伎が反社会的なものと見なされながらも発展し、遊郭の遊女は芸能的才能を持っていたため「芸者」とも呼ばれ、外国語で“ゲイシャ”というイメージの元となっている。

現代のようにマネジメント等を専門に引き受ける会社がなかった時代、基本的には師匠に弟子入りし、師の元で研鑽に励むことで芸を受け継ぎ、自分のものにしてゆくのが典型的な方式であったが、世阿弥の例に見られるように時の将軍の覚えめでたく、破格の待遇をもって当時最高峰の知識人であった一流の貴族から直接教養を授かるチャンスに恵まれたことを生かして、自らの技を高めその奥義を記す迄に至った場合もある。また、猿楽田楽といった庶民的なものも含め活動の場はもっぱら舞台しかなく、他者と技を競うといった機会も限られることから自らが必死に研鑽に努めたとしても生活の保障などは期待できなかった。かつては琵琶法師座頭のような障害者も『平家物語』など口承文芸を謡うことで民衆の宗教心をもとに生活を立てていくことが可能であったが、近世に入って世俗化が進むようになると生計を立てるのは苦しくなっていった。

マスメディアの登場と芸能人の変化[編集]

ヨーロッパ等においても彫刻家音楽家の処遇にそのルーツを見ることができる。著名なクラシック作曲家の伝記をひもとけば、作りたくて作った曲とパトロンの歓心を得るために作られた曲が明白な場合が少なくない。一方、吟遊詩人や興行で回るサーカスの芸人のように民衆から金銭を募ることで生計を立てる人々も存在した。

近代以降の技術の進歩による映画や、ラジオテレビの出現で、また資本主義の急速な進展により大きく変化した。芸能人の活動の場がマスメディアに移っていった。従来の舞台の場合はその興業場所に芸能人、観客双方が足を運ばなければ成立しなかった。現代においては映画の発達やテレビ放送のネットワーク確立に伴い、フィルムやその他映像記録媒体に収録されたものとしてより広く多くの観客へ一度に提供するものとなった。まず映画によって同時に多数の場所で視聴可能となり、ラジオやテレビに至っては受信できる環境にありさえすれば自宅でも楽しむことができる。収入面から言っても知名度を考えても、メディアへの露出は芸能人にとって、成功するための必須とも言える条件になった。が、これと同時に本来の芸を見せるのではなく、話術や容姿またはキャラクターなどが求められる傾向が強くなった。

落語家などの一部にはテレビ出演することで活路を開いた例もある。

芸能人が引き起こす不祥事[編集]

芸能リポーター井上公造梨元勝は芸能人が起す犯罪について、「麻薬関連の再犯率は、一般人だと80%前後だが、芸能界は90%以上と非常に高い[1]。」と語っている[2]。また謹慎に至る芸能人の罪状および罰状は、

の4つのパターンが主だと語っている[2]。 

罪を犯したタレントが大手の事務所に所属している場合、「容疑者」や「被告」ではなく、名前の後に「所属タレント」か「タレント」と表記され、犯罪者として表現されることもあり、インターネットなどでは一般人よりもバッシングされやすい。

再犯について[編集]

  • 不祥事に対する処分は芸能事務所に委ねられるが、テレビ局側の判断になることもある。タレントの謹慎期間は1年未満が大半で、警察沙汰になっても4か月前後でテレビ番組に戻ってくる。一般社会なら不祥事を起せば、同じ会社では働けず、前科があるということで人格否定されやすいが芸能界は復帰が早い。それどころか、「不祥事を乗り越えて」などと芸能マスコミなどが挙って持ち上げる傾向も手伝って、タレントは反省せず犯罪を繰り返してしまう傾向があり以前よりもバッシングがエスカレートされやすい[2]。 
  • 完全にテレビから姿を消した芸能人がいないわけではなく、芸能事務所、芸能人のモラルの低下と、不祥事を起したタレントを異常なまでにフォローする芸能界の甘さを指摘し、一般への影響(つまり、芸能人になれば仮に不祥事を起こしても社会復帰できること)を懸念している[2]。ある事務所の関係者曰く、人気があり視聴率がとれる芸能人は「悲しいかな、『売れる』と見れば、あっという間に復帰する。テレビ局も使いたがる」[3][4]

復帰後[編集]

  • 復帰後、目覚しい活動をすれば、それなりに評価される。だが、これもファッション観察家ノブ山田は麻薬騒動があったロンドン出身のモデルを例に上げ「不祥事で逆に才能が評価される風潮には疑問」と苦言を呈している[5]

芸能事務所が加盟する業界団体[編集]

芸能事務所が加盟する業界団体としては、以下の3団体がある。

詳しくは各項を参照。

分類[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 2009年12月時点での調査。
  2. ^ a b c d 「日経エンタテインメント」2006年10月号
  3. ^ 捨てる神あれば拾う神…薬物汚染、浄化遠い芸能界 朝日新聞 特集「芸能界薬物汚染」2009年8月28日付
  4. ^ 深読みエンタ:華原と酒井の芸能界復帰 チャンス生かせるか1/2 2/2 毎日新聞2012年12月1日 スポーツニッポン編集委員・佐藤雅昭
  5. ^ 「日経エンタテインメント!」2006年4月号

関連項目[編集]