マナー

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マナー (英語: manners) とは、行儀・作法のことを指す[1][2]

概要[編集]

マナーの様式は多くの場合、堅苦しく感じられるが、その形は社会の中で人間が気持ち良く生活していくための知恵である[3][4][5]。マナーは民族文化時代宗教のさまざまな習慣によって形式が異なる[3][5]。また、個人間でも価値観や捉え方による差異がある。[要出典]ある国では美徳とされていることが、他の国では不快に思われることもある。例えばアメリカでは他者の目の前でげっぷをすれば不快に思われるが、中国では食後にげっぷをするのが儀礼に適っている。また、日本では食事の際に飯椀を持ち上げて食べることが一般的であるが、諸外国では逆に食卓に置いたままフォークを用いるのが一般的であり、食器を持って食べると「乞食のようで卑しい」と批判される、など。

「他者を気遣う」という気持ちを所作として形式化し、わかりやすくしたものが形式としてのマナーである[3][4][5]

整った形式が存在しているマナー例[編集]

テーブルマナー[編集]

食事の際のマナーを「テーブルマナー」と呼ぶ。食事が洋食か和食であるかによってマナーは異なる[6]中華料理や諸外国料理にも該当するテーブルマナーがあるが、日本国内で食事をする場合に限ればさほど問題にならない。ただし、海外にて食事をする際は、「郷に入っては郷に従え」との諺どおり、現地のマナーに従うことが望ましい。

和食[編集]

洋食[編集]

洋食は欧州のヨーロピアン・スタイルと北米のアメリカン・スタイルに大別することができるが、共通する部分も多い[7]

  • 席に着いたら、まずナプキンを「ひざ」に掛ける。席を離れる際はナプキンを椅子に置く。帰る際にナプキンをテーブルに置いて去る[7]
  • 食物を切る時は右手でナイフを、左手でフォークを持つ(左利きの人も同じ)。ただし食べる時は、フォークを右手に持ち替えてもよい(米)。フォークとナイフは外側に置かれているものから使用する。
    • 社団法人日本ホテルレストランサービス技能協会の石澤國重専務理事によると、現代の風潮からすると、ナイフとフォークを左右逆に持ってもマナー違反にはならないという[8]
  • 皿の上にナイフとフォークをクロスさせて(または「ハ」の字を描くように)置くと "まだ食事中" のサイン、並べて置くと "食べ終えた" のサイン。ナイフの刃は常に自分の側に向ける。一度使ったナイフやフォークをテーブルの上には置いてはいけない[7]
  • 音を立てて飲まない(スープやコーヒーなど)、音を立てて食べない(食器の音、食べる音)。
  • 皿に口をつけない、器を持ち上げない(ただし、軽く手を添えてもよい)、口に物が入ったまま喋らない[9]
  • 飲み物は右手側、パンなどは左手側に置くようにする[10][7]

パブリックマナー(公共のマナー)[編集]

名古屋鉄道のマナー広告
  • エレベーターが利用階まで来るのを待っている間、ドアの正面で待つのではなく、横に立って降りる立場の邪魔をしないようにする[11]
  • レディーファースト : 欧米諸国、特にイギリスフランスから伝わったマナー。女性をエスコートする際、さまざまな場面で尊重したり、危険から守るなどして扱うこと[12]
  • 携帯電話は、図書館や映画館などの公共の場所においては電源を切るかマナーモードにしておく[13]

国旗掲揚・降納の国際マナー[編集]

国旗掲揚、降納の際の立ち振る舞い、国旗の並べ方などにも国際的なマナーが成立している[14]

マナーの問題点[編集]

マナーのマニュアル化[編集]

マナーとは「他者を気遣う」という気持ちの現れであり、相手を不快にさせないように個人個人が考えを巡らして行動すべきものである。しかし、「他者を気遣う」ということよりマナーをマニュアル化し、マニュアルに沿って行動しているかどうかでマナーの善し悪しを判断してしまう場合がある。例えばビジネス・マナー等でそういった傾向が見られ、その結果、命令や規範がなければ行動できない、マニュアルに載っていること以外の対応力に欠け、「考える」ことをしないといった弊害が見られる[15]

マナーのルール化[編集]

あいさつをマナーでなくルールとして強要・押しつける組織も存在する。マナーはあくまでも個人が自発的に守るものであり、それゆえ罰則はないが、ルールは違反するとペナルティーが課せられる。つまり「マナーの心」は置き去りにされ、マナーを守らないのがマナー(ルール)違反ということになる[16]

世界のエチケット[編集]

以下、五十音順

脚注[編集]

  1. ^ 出典 : 『広辞苑』・『大辞林』他
  2. ^ 英語の "manner" は、「仕方・やり方・流儀、態度、行儀・作法、風習、~風」などの広い意味がある。出典 : goo辞書 英和辞書 mannergoo辞書)2011年7月24日閲覧。
  3. ^ a b c 出典 : 『絵でわかる マナー事典』 現代マナー・フォーラム 西東社 1996年8月 p.1.
  4. ^ a b 出典 : 『恥をかかない マナー&エチケット事典』 清水勝美 新星出版社 2000年9月 p.3.
  5. ^ a b c 出典 : 『ポイントがわかるマナー手帳』 外山晴彦 榎島景子 西東社 2002年9月 p.1.
  6. ^ 出典 : 『マナーと常識事典』自由国民社
  7. ^ a b c d Proper Table Manners
  8. ^ 大路直哉・フェリシモ左きき友の会『左ききでいこう!愛すべき21世紀の個性のために』株式会社フェリシモ、2000年、95項。
  9. ^ 出典 : 『生活基本大百科』part6「テーブルマナー : 洋食」
  10. ^ Business Etiquette in Brief, Ann Maine Sabath, 1993
  11. ^ 出典 : 『生活基本大百科』
  12. ^ 出典 : ジャン・セール著『ふらんすエチケット集』白水社
  13. ^ 出典 : 『冠婚葬祭・暮らしのマナー大百科』
  14. ^ 参考 : 国旗#国際的な慣習
  15. ^ 出典 : 「ザ・アール」宮本映子取締役による「できる人のビジネスマナー」月刊総務
  16. ^ 出典 : 『反社会学講座』ちくま文庫

関連文献[編集]

  • 『マナーと常識事典』自由国民社(現代用語の基礎知識2007年版付録)
  • 『生活基本大百科』(集英社

関連項目[編集]

外部リンク[編集]