ヘアヌード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内, 検索

ヘアヌードは、(主として女性の)陰毛修正されずに写っているヌード写真・映像。日本ではかつて修正が義務付けられるなどの規制があったが、1990年代初めに事実上の解禁状態となり、一大ブームを巻き起こした。

目次

[編集] 写真におけるヘアヌード

[編集] 概説

「ヘアヌード」は和製英語。講談社の元木昌彦が仕掛け人となり『週刊現代』上で、「ヌード」に陰毛を意味する和製英語「アンダーヘア」を組み合わせ「ヘア・ヌード」と表記したことに始まる(本来英語で陰毛は「pubic hair」)。元木はこの功績から「ヘアヌードの父」と呼ばれることもある。英語圏ではそもそも陰毛だけに着目されることはあまりないため、同義語は存在しないが、俗語としては「full frontal」などが近い。

ヘアヌード
スタジオ撮影のヘアヌード
モノクロ写真のヘアヌード

従来、警察当局では、写真表現に関しては主に陰毛が写っているか否かを基準にわいせつを判断し、取締りを行ってきた。表現の自由を求める写真家は、りんごなどの小道具を使って巧みに陰毛を隠したり、雑誌編集者が製版の段階で修正を行うなどして、陰毛を隠してきた。

1980年頃、成人向けの書店で「ビニ本」と呼ばれるビニール袋入りの写真集が販売されていた。半透明の下着を身に付けた女性モデルの陰毛がうっすらと透けて見えているものであり、しばらくブームになったが、扱っていた書店が摘発を受けたことで終焉を迎えた(非合法に販売されていた「裏本」などの販売は2006年半ばまで続いたが、その後は姿を消した)。

1980年代末井昭編集の雑誌『写真時代』(1981年-1988年)では荒木経惟らによるヌードを掲載したが、時々陰毛が写っている事があり警視庁に呼び出されては注意を受けていた。またロバート・メイプルソープの写真集「Lady リサ・ライオン」(宝島社、1984年)もあった。「ブルータス」誌の特集「裸の絶対温度」も陰毛の写った写真が掲載されていた(1985年 - )。

篠山紀信撮影の樋口可南子写真集「ウォーターフルーツ」(1991年2月)では数枚の写真に陰毛が写っていたが、警視庁では摘発を行わなかった。その後、陰毛の写った写真集が次々と出版された。同年秋には当時のトップアイドル・宮沢りえが写真集『Santa Fe』で突然のヘアヌードを発表した。

[編集] 話題を呼んだヘアヌード写真集

この節は執筆の途中です この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています
ヘアヌード解禁の記念碑的写真集。
新聞の全面広告が話題になる。
世界的に著名な写真家による写真集。
発売直後に急遽発売中止となり、その際に行った記者会見が話題となった。
その後は古本屋で高額で取引されるようになった。
20歳の誕生日に発売。記者会見でなぜか涙を見せたことなども話題に。
  • 林葉直子『SCANDAL』(テイアイエス 、1998年)
剛毛な陰毛が話題に。
一時低迷していたが、写真集発売後にバラエティー番組で人気が復活
ヘア解禁前の1983年に撮影された17歳時の未公開ヘアヌード写真を収録。
50歳の初ヌードながら大いに話題を呼ぶ。
妊娠中に撮影された「マタニティーヌード」で、一般のヘアヌードとは異なり同世代女性からの反響が大きかったのが特徴。妊婦のあいだでヌード撮影ブームを巻き起こし[1][2]、少子化対策担当相の小渕優子からも肯定的なコメントが出された[3]
  • 細川ふみえ 『fumming』 (篠山紀信撮影、2009年12月講談社)
  • 嘉門洋子『写真集 嘉門洋子』(橋本雅司撮影、2011年2月講談社)
  • 田畑智子『月刊NEO田畑智子』(松井康一郎撮影、2011年8月イーネットフロンティア)

[編集] 映画におけるヘアヌード

[編集] 概説

日本における映画興行では、映倫という自主規制組織による審査を通る必要があり、かつては陰毛についてはぼかし処理をかけるという規則があった。

「情熱の画家ゴヤ」(1971年ソ東ドイツ映画)が公開されたときゴヤが「裸のマハ」を描く場面でモデルのヘアがスクリーン上に映し出されたが、芸術性の高い作品ゆえ当局も手が出せなかった。 その後、1985年6月、第1回東京国際映画祭においてマイケル・ラドフォード監督のイギリス映画1984年』(1984年製作)がぼかし無しの状態で上映された。この作品では女優のスザンナ・ハミルトンらが陰毛を露出するシーンがあるが、東京における初めての大規模映画祭開催とあって製作者側への配慮から例外措置が取られ、その後も同映画祭内に限って陰毛描写を認める流れができあがった。

1992年5月フランス映画美しき諍い女』が一般公開では初めて、ぼかしのないヘアヌードシーンを含んだ状態で上映された。映倫がこの上映を認めた背景としては、ヌードモデルをテーマにした作品でありヘアヌードシーンが映画の大半に及ぶため修正を入れると内容への影響が大きいこと、写真において前年に「ヘア解禁」が行われていたこと、さらにはこの作品は前年の第4回東京国際映画祭において既にぼかし無しの状態で上映されていたことなど、複合的な環境があげられる。

映倫はこの作品の審査から陰毛修正を「原則」レベルに緩め、性行為と直接関わりのないヘアヌードシーンについては実質的に無修正が恒常化することになった。1994年には『愛の新世界』における鈴木砂羽片岡礼子のヌードシーンが日本映画史上初のヘアヌードとなり、その後徐々に製作サイドにも浸透しつつある。ヘア解禁以前に公開された作品については2000年代、「ヘア無修正版」などと称してDVD等のメディアで再リリースされる例が増加している。

ヘアヌードが事実上の解禁状態となった1990年代以降では、1994年の『愛の新世界』における鈴木砂羽片岡礼子のヘアヌードが、日本映画における初のヘアヌードとされる。現在では、CM契約において、イメージを重視する企業側が女優に対してヌードにならないよう要請する場合もある[4]ため、若手女優のヌードシーンは激減している。ヌードシーンを披露しながらもCM契約を継続できた星野真里(『さよならみどりちゃん』)などのような例もある。近年ではヘアヌードを披露することを「役者魂を見せる」「体当たり」とメディアで報じられる傾向にあるが、「役者魂とはそういうことではない」という意見もあり、しばしば論争にもなっている。

[編集] 主な日本映画でヘアヌードを披露した女優

この節は執筆の途中です この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています

映画でヘアヌードを披露した女優の一覧。ビデオ映画も含める。

  • 1993年
墨田ユキ - 『墨東綺譚』(新藤兼人監督)
  • 1994年
鈴木砂羽片岡礼子[5] - 『愛の新世界』(高橋伴明監督)
  • 1995年
富田靖子 - 『南京の基督』(區丁平監督)
  • 1996年
藤井かほり - 『スワロウテイル』(岩井俊二監督)
嶋田博子 - 『「物陰に足拍子」より MIDORI』(廣木隆一監督)
  • 1997年
椎名英姫 - 『OPEN HOUSE』 - (行定勲監督
冴木かおり夏生ゆうな - 『紅色の夢』(中田昌宏監督)
  • 1998年
大家由祐子 - 『D坂の殺人事件』 -(実相寺昭雄監督)
  • 2000年
荻野目慶子 - 『三文役者』(新藤兼人監督)
内田春菊中原翔子 - 『ビジターQ』(三池崇史監督) 
金谷亜未子井上彩名 - 『歯科医』(中原俊 監督)
星遙子 - 『不貞の季節』(廣木隆一監督)
宮前希依[6] - 『弱虫 チンピラ』 - (望月六郎監督)
  • 2002年
佐々木ユメカ - 『トーキョー×エロティカ』(瀬々敬久監督)
  • 2003年
杉本彩未向 - 『花と蛇』(石井隆監督)
  • 2004年
河井青葉 - 『ガールフレンド』(廣木隆一監督)
伊東美華 - 『完全なる飼育 赤い殺意』(若松孝二監督)
黒沢あすか - 『でらしね』(中原俊監督)
秋吉久美子 - 『透光の樹』(根岸吉太郎監督)
黒田エミ - 『花井さちこの華麗な生涯』(女池充監督)
伊藤歩 - 『ふくろう』(新藤兼人監督)
  • 2005年
早良めぐみ - 『ゲルマニウムの夜』(大森立嗣監督)
山下葉子未向 - 『サンクチュアリ』(瀬々敬久監督)
杉本彩荒井美恵子不二子 - 『花と蛇2 パリ/静子』(石井隆監督)
板谷由夏 - 『欲望』(篠原哲雄監督)
  • 2007年
川越美和[7] - 『松ヶ根乱射事件』(山下敦弘監督)
喜多嶋舞[8]美景[9] - 『人が人を愛することのどうしようもなさ』 - (石井隆監督)
  • 2008年
小島可奈子 - 『泪壺』(瀬々敬久監督)
月船さらら - 『世界で一番美しい夜』 - (天願大介監督)
  • 2009年
町田マリー - 『美代子阿佐ヶ谷気分』 - (坪田義史監督)
  • 2010年
佐藤寛子[10] - 『ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う』(石井隆監督)
安井紀絵佐久間麻由 - 『名前のない女たち』(佐藤寿保監督)
江澤翠- 『愛するとき、愛されるとき』(瀬々敬久監督)
  • 2011年
嘉門洋子 - 『不伦纯爱』(矢崎仁司監督)
冨樫真神楽坂恵- 『恋の罪』(園子温監督)
鈴木杏 - 『軽蔑』(廣木隆一監督)

[編集] ヘア無修正で劇場公開された外国映画

西暦は日本公開年。代表例のみ。

[編集] 脚注

[ヘルプ]
  1. ^ MSN産経ニュース「【報告します!】そこまで脱いじゃうの!? 30代に「マタニティーヌード」大ブーム hitomiさんの成功も影響か」(2009年7月11日)
  2. ^ J-CASTニュース「hitomiに負けずに妊婦が挑戦 「臨月ヌード」がブーム」(2009年7月3日)
  3. ^ J-CASTニュース「小渕少子化相、hitomiの妊婦ヌード称賛」(2009年7月13日)
  4. ^ 前評判との落差で物議をかもした伊東美咲(『海猫』)の例がこれに該当すると報じられている
  5. ^ 解説・あらすじ 愛の新世界 - goo 映画
  6. ^ 弱虫(ちんぴら)
  7. ^ 日刊ゲンダイ「川越美和 陰毛露出は脱ぎ損だった」(2007年2月26日)
  8. ^ 日刊ゲンダイ「過激なDVD、写真集を発売する喜多嶋舞の仰天シーン」(2007年8月3日)
  9. ^ 人が人を愛することのどうしようもなさ - 映画作品紹介
  10. ^ Fカップグラドル佐藤寛子がヘアヌードに挑んだ映画のスゴイ評判”. ゲンダイネット. 日刊現代 (2010年7月26日). 2010年8月2日閲覧。
  11. ^ 日刊ゲンダイ「映画「バベル」で菊地凛子が大胆に脱いでいる」(2007年1月25日)

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

個人用ツール
名前空間
変種
操作
案内
ヘルプ
ツールボックス