思春期

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思春期(ししゅんき、: Pubertät: puberty)は、人間生殖器以外でも外形的性差が生じ、やがて生殖能力を持つようになり、心身ともに子供から大人に変化する時期のこと。

概念[編集]

医学的には「第二次性徴の発現の始まりから成長の終わりまで」と定義されている。英語の「puberty」は、陰部に恥毛が生え始める時期から由来している。こうした発育の時期は、栄養状態や運動量などからも何歳あたりから何歳あたりまでとは必ずしも一定しない。個人差にもかなり左右される。そのため、生涯発達の発達段階とは別項目となっている。

生理[編集]

身体面[編集]

第二次性徴を反映する。男子の思春期の始まりは精巣が約4mlに増大する(外形上は精巣の増大開始から遅れて陰嚢が増大し始め、きめ細かく赤みを帯び始める)、女子の思春期は乳房の発達が始まる「乳頭期」を迎える(外見上は乳首(乳頭)が大きくなり始め、人によっては乳頭・乳輪に引き攣りや痛みを伴い始める)とも定義されている。年齢では早ければ男性が9歳、女性が7歳7ヶ月から、遅くとも男性が13歳(ローティーン)、女性が11歳11ヶ月(プレティーン)、平均して男性は11歳6ヶ月(小学校高学年)前後、女性は9歳9ヶ月(小学校中学年)前後から[1][2]。二次性徴の出現は同時に出現するのではなく、基本的に以下の順番で出現する。性器以外での外形的性差は女子は思春期開始と同時に乳房の発達が始まることで生ずるが、男子は思春期開始して男性器が一定以上発達するまでは性器以外の外形的性差は生じない。 男女とも染色体異常性分化疾患内分泌器系の異常などを持っている人は、下記通りに出現しない場合がある。

  • 思春期における二次性徴発現の順序[3]
    • 男子
    1. 精巣の増大・陰嚢の変色(男性器の成長のTannerの第2段階)
    2. 陰茎の長大化(男性器の成長のTannerの第3段階)
    3. 陰毛の発生(陰茎の長大化から約1年後から[1]
    4. 精通の発生
    5. 変声(声変わり)の発生
    6. 腋毛の発生(陰毛の成長がTannerの分類で第4段階に達した頃から、髭の発生は腋毛の発生よりやや遅れる[1])、乳輪の面積が若干広くなり、乳頭と共に茶色や黒色に変色する[4]
    7. 包皮の後退、陰嚢・包皮が黒みを帯びてくる。(男性器の成長のTannerの第4段階)
    8. 幅が広くなる
    9. 筋肉の発達
    10. 乳房の発達(女性ほど著明ではない)[4]
    11. 面の変化(女性に比べて著明に現れ、と眼の間隔は思春期前後でほぼ一定だが,前額部と、特に下顎が前方に突出し,側面から見て直線的となる。[1]
    12. 体臭の発生
    • 女子
    1. 乳房の発達(ここから初潮の1年前までは乳房の成長のTannerの第2段階(バスト成長STEP1)[5]
    2. 女性器の発達
    3. 陰毛の発生(乳房の成長のTannerの第3段階から第4段階の間で発生する[1]関係で順序がこれより後になる場合もある)
    4. 初潮の発生(初潮の1年前後の乳房は乳房の成長のTannerの第3段階(バスト成長STEP2)[5]
    5. 腋毛の発生
    6. 皮下脂肪の増大
    7. おなかがまっすぐになり、骨盤が発達し、ヒップがふっくらと膨らんで丸みを帯びていく(初潮の1年前後に発生[5])
    8. ウエストにくびれが形成される(初潮の1年後以降に発生、その頃の乳房は乳房の成長のTannerの第4段階(バスト成長STEP3)[5])
    9. 変声の発生(男性ほど著明ではない)
    10. 顔面の変化
    11. 体臭の発生

心理面[編集]

字面の通りでは、その後に続く「青春期」を「思い始める」時期であると解釈される。海外ではティーンエイジャー (teenager) の中でもローティーン (lowteen) もしくはミドルティーン (middleteen) が相当する。

題材とする作品[編集]

思春期を題材にした映画では、大林宣彦相米慎二が得意ジャンルとし、大林の尾道三部作などが有名である。海外では、過激な性描写のためにDVDが発売後に回収されるという経緯を持つ『思春の森』などがあげられ、いずれも思春期というものがと関わりの深い年代であることを表している。

脚注[編集]

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参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]