ブラジャー

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ブラジャー(仏語:soutien-gorge、英語:brassiere)は第二次性徴期以降の女性が胸部に着用する下着で、乳房を支えることが基本目的である。また補正下着としても使用され、この場合、バストの形状を整形すると共に、形が崩れることを防ぐ目的がある。日本の場合サイズはJIS L4006に規定されている。

ブラジャーを着用した女性

目次

[編集] 構成

ブラジャーはファウンデーションの一種で、以下の部分に分かれる。これらの構成要素には様々な種類がある。

ブラジャーの基本構成
  1. カップ:バストを覆う、お椀の形の部分。乳房に合わせて左右に1つずつで、2つのカップがある
  2. ベルト:基本的に、アンダーバスト部分を胸部を一周する形で囲む細い帯で、2つのカップを結び、更に背中まで回りカップが外れないように固定する役割を持つ。
  3. ストラップ:肩紐とも呼ばれる。通常、カップ部分の上端から伸びる、長さの調節できる紐で、肩を廻って背中でベルトと繋がっている。ブラジャーは、バストを下から支え、カップによって形を整えるようになっているので、ベルトでカップ部分が胸部に密着するようにする必要があると共に、ストラップで肩から支えカップを含めたブラジャー全体が、下にずれ落ちないようにする必要がある。そのためストラップで、肩よりブラジャーを吊している構造となっている。
  4. ホック:通常、背中側にある。背中側にホックのある場合、ベルトは背中の部分で繋がっておらず、ホックを止めることでベルトを結び合わせる。左右のカップの間にホックがありベルトが背中の部分で繋がったフロントホックのものや、ホックのないものもある。

[編集] 種類

[編集] サイズ

「アンダーバスト」は、女性の乳房の下の部分で、バストの膨らみが消え、胸とほぼ同じ状態になる位置で測定した数値である。「トップバスト」は、乳房のもっとも高い2つの点を通過した胸まわりを測定した数値である。トップバストとアンダーバストの差の数字を、「カップサイズ」とも言う。

前面から見たブラジャー
背面から見たブラジャー

カップサイズは、差が10cmのAから始まり、2.5cm刻みで、B、C、D、Eとなる。Aよりも小さなものは、2.5cm刻みで、AA、AAAとなる。ブラジャーのサイズは、このカップ記号と、アンダーバストの数字で示される。

既製品のアンダーバストのサイズは、5cm刻みである。調整には、「ホック」部分が用いられる。ホックは1cm間隔ほどである。

アメリカ製の下着の場合、インチフィート法となる。

乳頭期・乳輪期(乳うん期)に対応したジュニアブラジャーは、アンダーバストとトップバストのサイズの差が小さいことからトップバストサイズのみで決まる。

[編集] カップ

カップのカバー面積
バスト部分の布地が、どの程度バストを覆っているかで以下に区分できる。
  • フルカップ:バスト全体を覆うもの
  • 3/4カップ:上部1/4をサイドからセンターに向かって斜めにカットしたデザインのもの
  • 1/2カップ・ハーフカップ:カップの上半分を水平にカットしたデザインのもの
  • トップレス・1/4カップ - カップの上部3/4をカットしたデザインのもの
  • オープンブラ
ワイヤーの有無
ワイヤーは乳房を支え、理想的な形状に整えることが目的とされ、素材はおおむね金属製である。カップのお椀形になった半球の底面部分、つまりはおおよそ胸と乳房の境界を示すバージェス・ラインに沿って、ベルト芯のような感じでカップ素材の布の中に縫い込まれている。サイズが大きくなるほど、バージェスラインも緩やかに(半球の直径が大きく)なる傾向がある。ワイヤーの種類は大きく分けて3つある。
  • ノンワイヤー:ワイヤーをまったく使っていないもの。
  • ソフト・ワイヤー:ワイヤーが芯に入ってはいるが、かなり柔らかいもの。
  • ハード・ワイヤー:ワイヤーが芯として入っており、柔らかさがないもの。
ハード・ワイヤーのブラジャーは、バストの大きさや形状に合ったワイヤー形状である場合着用しても快適であり、乳房が安定しまた補正効果も良い。しかし形状が合わないと痛みを訴える場合がある。着用して跡がはっきり残ったり痛みがある場合、ハード・ワイヤーは避け、ソフト・ワイヤード・ブラジャーかノンワイヤーのブラジャーを選ぶことが望ましい。また、カップを1つ上げて(例:B→C)パッドで調整すると食い込まなくなる事がある。
また、多くのメーカーで、形状記憶合金をワイヤーの素材として使用したものがある。
その他
これら以外に、カップを構成する布地が一重のものと、中にパッドを入れることができるように、内側にポケットが作られたもの、ポリウレタンなどを使って、カップ自体に幾らかの厚みを持たせ、弾力性を与えているものや、1cmか2cm程度の厚さのポリウレタンなどの層、いわゆる作り付けのパッドが付いているものなどがある。またカップの表は、レースまたはレース状の飾り布で覆われているが、これらの布が直接肌に触れないよう、なめらかな裏布を当てて、縫い合わせているのが普通である。
  • 生地が一重であるシンプルなもの
  • 表のレース飾りと、裏の当て布を縫い合わせて二重になっているもの
  • 内側にパッド用の袋が準備され、二重になっているもの
  • カップ自体にパッドが縫い込まれているもの

[編集] ベルト

ベルトはアンダーバストの位置でホックによって留められ、ブラジャー全体を固定する役割を持つ。

ホックの位置
主に以下の二つのタイプがある。
  • ホックが背中のほぼ中央に来るタイプ(通常)
  • ホックがカップの間に来るタイプ(フロントホック)
基本的にホックは、それぞれのカップから伸びたベルトの一番端につき、留めると背中のほぼ中央に来る。しかしフロントホックと呼ばれるタイプは二つのカップの間にホックがある。
このタイプは後ろに手を回す必要が無いため、リハビリ中の人や授乳中の人、あるいは体が堅かったりブラジャーを着けるのに慣れていない人などに向いている。また一般的なブラジャーに比べて背中や脇から脂肪を集めやすいので、乳房の間に谷間を作りやすいという利点がある。
ホックの数
カップ種類などに応じ、1 - 3個のものなどがある。
ベルトの太さ
ベルトは太い方がブラジャーがずれにくいが、一方で胴が曲げにくくなるために窮屈な感じを受けやすくなる。この窮屈感を「アンダー圧」と言い、ボーン(下記)の有無・ベルトの太さや伸縮性などによって左右される。カップ種類・補正力などに応じ、さまざまな太さがある。特にベルトの太いタイプを「ロングブラジャー」と言い、補正力が高く、ドレス着用などの際に用いられる。
ベルトの形状
一文字のものやU字型のものがある。
ボーンの有無
肉質が柔らかい、あるいは乳房が大きい場合、乳房が脇の方に流れやすく、着用感が悪くなったり形崩れを起こしたりする原因となる。そこでカップから3cm位の位置に、ボーンと呼ばれる芯が入ることがある。補正力を特に重視するタイプでは、ボーンの数が多い。

[編集] ストラップ

ストラップの長さ
バストの上下での個人差を調整するため、アジャスターが付くものがある。
アジャスターの位置
アジャスターが前部の場合、装着後に調節しやすい。
ストラップの前面結合位置
乳房のほぼ中心を上に延ばした位置にストラップの結合部分が来るなど、カップのどの辺りで繋がっているのかについてもカップ設計と関係した種類がある。脇の下部分辺りより皮下脂肪を集め、乳房全体を胸部のより前へ、またより高く持ち上げるように、カップやベルトの形状が構成されているものがある。この場合、ストラップとカップの結合位置は、バストの中心の上ではなく、両脇にかなり寄った位置になる。
背面
ストラップは背中に結合するもののほか、ベルトと一体化しているものがある。また、ずり落ちを防ぐため、ストラップのベルトとの結合位置をより背中の中心に近い位置に調整できるようになっていたり、ストラップが背中でクロス形で交差するバッククロスがある。首の後ろで回してストラップを一本にし背中のベルトと結ばないものもある。
ストラップの取り外し
ファッション性の追求から、ストラップを外すことができるものもある。半透明のもの、チェーンのものもある。単独で販売されるものもある。
ストラップレス
ストラップがないものである。円筒形となるため、チューブとも呼ばれる。ストラップ取り付け可能のものもある。

[編集] 歴史

女性の胸部を覆うブラジャーのような下着は古代ギリシャにおいても、クレタ文明時のクレタ島スパルタで着用されていたことが知られており、ゾナと呼ばれる一枚布の下着であった。

中国内モンゴル自治区で、2004年代の墳墓から、精巧な刺繍が施され、現代のブラジャーと酷似した形態でベルトに相当する部分とストラップに相当する部分のある、女性が胸部に着用した製の下着が発見された。

しかし現在のブラジャーの原型は、フランスで1889年エルミニー・カドル(Herminie Cadolle)が最初のものを発明し、さらに現在の形に近いものが1913年2月12日アメリカ合衆国メアリー・フェルプス・ジェイコブ(Mary Phelps Jacob)によって発明、特許をとった。

戦中・戦後期において、専業主婦による裁縫技術の普及していた日本では自家製されることも多かった。

日本でのブラジャーの事始めは1951年にさかのぼり、ワコールがフロントホックタイプのものが国内にて出回るようになったのは1975年のこととなっている。

[編集] 特殊用途

  • スポーツ用(スポーツブラ女性用サポーター
    • で蒸れないよう通気性や吸湿性に優れた素材(多くは綿)が使用され、また激しい動きに耐えられるように、伸縮性やストラップの形状などに配慮されている。ワイヤーやホックは擦れて肌を傷めるおそれがあるので、使用されていないタイプも多い。ホックの無い場合は頭からかぶって着用する。また、心拍計センサーを組み込んだものもある。
  • 第二次性徴期用(ジュニアブラ)
    • 第二次性徴期に入り、乳房が成長中に着用するブラジャー。乳房は乳頭期→乳輪期(乳うん期)→乳房第一期→乳房第二期→成熟期(成長期)の順で成長していくため、各成長過程に対応したブラジャーがある。ジュニア用のスポーツブラもある。
  • 産前・産後用
    • 妊娠中は乳腺が発達し、短期間でカップやアンダーサイズが大きくなる。この時通常のブラジャーを使用していると、乳腺を圧迫し、母乳の出が悪くなってしまうことがある。このため、サイズアップに堪えられるワイヤーや伸縮性を持つ素材、また発達した乳房を支えられる強度のあるストラップを用いる。
    • 授乳の際にブラジャーを外す手間がかからないよう、カップの部分が取り外せるなどの工夫がなされている。ブラジャーだけでなく、産前産後に適した機能を持つ下着を総称して、マタニティインナーとも呼ぶ。
  • 結婚式
    • ドレスを着用するため、補正力が高く、ストラップの取り外しが可能なタイプが一般的。背中の開きが大きなドレスに対応した、バックレスと呼ばれるタイプもある。一部に青色が入っていることがあり、「Something Four」にちなむ。ブラジャーだけでなく、結婚式の際に花嫁が着用するのに適した機能を持つ下着を総称して、「ブライダルインナー」とも呼ぶ。
  • 乳癌経験者用
    • 乳癌などで乳房の一部または全部を切除した人、または治療で乳房の片方だけサイズが大幅に減少した人を対象にしたブラジャー。大きなパッドでも入れやすいパッド受けがつき、手術痕にブラジャーが触れないようにデザインしてある。
  • 男性用
    • 男性がコスプレなどの異性装をする際には女性用製品を使用すればよいが、最初から男性向けとして設計された製品も存在し、男性が着用する理由のひとつには適度な締め付け感により安心感を得られるというものが挙げられる。

[編集] 選び方

  • デザイン重視
  • 用途を考慮した、機能性重視による選び方
    • バストアップブラ:バストを大きく見せることが目的のもの。
    • Tシャツブラ:Tシャツなど、体にフィットするアウターを着用する際、ブラの形状が外側から目立たないようにデザインされたもの。多くはシームレスブラ(モールドカップブラ)である。

[編集] 問題

ストラップがずれる、ワイヤーが当たって痛い、サイズが合わない・分からないなどが考えられる。ブラジャーは身体に密着するため、僅かに胸に合わないだけでも窮屈だったり、時に痛みを覚えたりもする。身体に合わないブラジャーを着け続けると、こすれる部分に炎症が起きたり、将来的に胸の形が崩れたりする可能性もある。オーダーメイドのものもある。

[編集] 日本シェア

  1. ワコール(23.1%)
  2. トリンプ(10.6%)
  3. シャルレ(5.9%)
  4. セシール(5.1%)
  5. グンゼ(2.4%)

日経「2002年主要商品・サービス100品目シェア調査」より。その他の会社に、ルシアンピーチ・ジョン千趣会などがある。

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ

[編集] 外部リンク

  • excite - 日本女性のブラジャーの平均サイズ