インバネスコート

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スイスのマイリンゲンにあるホームズ像
シャーロック・ホームズの格好をしたクマの人形(左側)。えんじ色のインバネスコートを身につけている
着こなしの一例 を持っている
着こなしの一例 シルクハットを被っている

インバネスコート(Inverness coat)は、男性用の外套の一種。単にインバネスと呼ばれることもある。

概要[編集]

丈が長いコートに、ケープを合わせたデザインを持つ。コート部分は袖のあるものと、無いものがある。ケープの長さは、袖無しの場合は手首程度までの丈の物が多く、袖のある場合は肘~手首程度の範囲の丈の物が多い。ケープは取り外しが出来る物と出来ない物があり、袖無しの物は取り外せない場合が多い。 ケープの背中部分がコートの背中部分と一体化している物もある。

スコットランドインヴァネス地方で生まれたとされているためこう呼ばれている。雨天など過酷な気象でもバグパイプ(スコットランドの楽器)を守り・演奏するのに作成されたといわれている。

鹿撃ち帽、パイプと合わせた姿は、シャーロック・ホームズのトレードマークとして知られている。ただし、この姿で居る描写は原作の中ではされておらず、挿絵や映像作品などから二次的に出来上がった姿である。

シャーロック・ホームズのインバネスコートのいでたちは、作者サー・アーサー・コナン・ドイルがスコットランドのエディンバラ出身であった事に関係があるものと思われる。

日本におけるインバネスコート[編集]

日本では主に男性の和装用コートとして用いられ、「二重回し」「二重マント」「とんび」などとも呼ばれる。「インバ」「エンバ」とも・・・ 一般に「インバネスコート」は袖があるもの、二重回しは袖が無くてケープの下はベスト状でケープが肩を覆っている。トンビはケープは背中に達しておらず背中の部分にケープが無いものを言う事が多い。 着丈は二重回しもトンビも膝下まで達する。 これらの呼称は混乱しており、さまざまな定義が成されているが、歴史的にどれかが正しいと言える物ではない。参考までに比較的よくなされる定義を記す。

  • 「インバネスコート」 - 袖のあるケープ付きの外套
  • 「二重回し」「二重マント」 - 袖の無いケープ付きの外套
  • 「とんび」 - 袖が無く、ケープの背中部分がコートの背中部分と一体化している外套

明治20年(1887年)ごろに伝わり、大正から昭和初期にかけて流行した。当時は「インバネスコート」「二重回し」「二重マント」「とんび」と呼ばれる外套は『お大尽』だけが着ることのできるものであった。インバネスコートのデザインは和服の大きな袖が邪魔にならないため、実用性が非常に高かったことが流行の一因と思われる。和装の衰退により現代ではあまり見られなくなったが、レトロでエレガントな雰囲気を持った和装コートとして依然需要がある。

映画監督の伊丹十三は「着物にインバネスってのは、ライスカレー福神漬け、と同じように和洋折衷大成功の一例である」と語っている。

長崎のグラヴァー邸で知られるトーマス・グラヴァーを筆頭に、開国直後の、スコットランドから日本への技術伝達、訪日・友好は深く、また日本人留学生をアバディーン(グラヴァーの故郷)、グラスゴーエディンバラなどに、当時混乱の日本政府に先立って受け入れている[要出典]。この事により、帰郷した日本人やスコットランド人により「インバネスコート」・「蛍の光」・「ウイスキー(竹鶴政孝による。妻の竹鶴リタはスコットランド人)」などが日本に紹介・持ち込まれたと思われる。