ホストクラブ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ホストクラブは、男性従業員(ホスト)が女性客の隣に座って接待をする日本の飲酒店。
料金はフリータイム制でキャバクラのような時間制限はない(混雑時や待ちがある場合はフリータイム制でも帰される場合がある)。多くのホストクラブは永久指名制を採用しているが、中には指名変更可能な店もある。
初回の来店客には、年齢確認のため入り口で身分証の提示が求められる。レディースクラブと称している店もある。
目次 |
[編集] 概要
名称は英語で「客を接待する(男性の)主人」を意味する「ホスト」(host)と、社交団体を意味する「クラブ」(club)を合わせた造語で、和製英語である。
日本発祥のサービス業で男性従業員が女性客を接待することをサービス内容としている。「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風適法)」では風俗営業の2号営業の社交飲食店に該当する。性的サービスは許されていない。
ホストクラブのように「笑顔での応対」や「相手に話を合わせながらいい気分で酒を飲ませる」など、感情の演技を求められる仕事を『感情労働』という。また、ホストのように女性が男性に入れ上げる事例を歴史的に探すと、かつての「役者買い」などが該当すると考えられる。
高収入のホストが度々メディアで紹介されているが、ホスト業界は給与・待遇など全ての部分で完全な成果主義に基づく、厳しい世界であり、人間の入れ替わりが激しい(この業界では「飛ぶ」という言葉が日常語である)。
[編集] 変化していくホスト業界
1990年代前半までは、「中年女性向けのいかがわしい店」という印象が強かったがホストクラブ出身のタレントやホストクラブを題材とした漫画やメディアの普及に伴い、若い女性も楽しめる店という印象が強くなった。
テレビや雑誌に接客のプロフェッションとして紹介され、2000年代には『MEN'S KNUCKLE』、『men's Digger』、『Men's SPIDER』などホストをモデルとして起用したファッション雑誌が書店やコンビニに登場し社会的認知度も高まってきた。
ネット社会を迎え、自店舗のホームページを開設する店も増えてきた。ホスト関連の掲示板サイトでは、客同士の情報交換が盛んに行われている。
[編集] 歌舞伎町ホスト業界の変化
- 巨大看板が問題になる
- 2004年はじめ、新宿駅東口前(新宿大ガードからの線路際・部分塀)に置かれたホストクラブの看板が問題となった。男性ホストの写真を大写しにした巨大看板がいくつも並べられ、風紀を乱すとの苦情が寄せられたため、撤去された。
- 全国で初のホスト達のボランティア団体が発足
- 2005年、歌舞伎町のホストクラブ4店舗のスタッフ(手塚真輝、渚カヲル、天草 湘太郎、頼朝 の4名)を中心に、全国で初のホスト達のボランティア団体『夜鳥の界』が結成された。
- 営業時間が変化
- 歌舞伎町では、2006年後半から警察によるホストクラブの摘発が相次いでいた[3]。取締りの内容は風適法に基づく、時間外の無許可営業が主であった。風適法では「午前1時から日の出までの時間において、風俗店は営業を営んではならない」とし、その時間帯の営業を禁止してしまった。その影響で1部営業(19時~午前1時まで)や2部営業(日の出営業ともいう)を開始するホストクラブが歌舞伎町では主流となってきた
- 歌舞伎町ホストクラブ協力会の誕生
- ホストクラブに絡んだ事件が頻発した2006年、警察と商店街組合、愛田観光の愛田武社長を始めとしたホストクラブ経営者たちが集まり、歌舞伎町の今後についての話し合いが行なわれた。交渉を何度も重ねた結果、「ホストクラブも正しい営業をすれば歌舞伎町の財産になる」という意見で和解し、協力してホスト業界から違法行為をなくしていこうという結論に至った(警察も正しい営業をしているホストクラブは残そうという方針になった)。
- 話し合いが行なわれたあと、「(ホストの地位向上という自分たち本位の考え方ではなく)同じ歌舞伎町の住人として地域や街に貢献していく」という主旨のもと、ホストクラブ数店舗が集まり2007年2月『歌舞伎町ホストクラブ協力会』という組合が設立された[4]。
- ホスト協力会加盟店は新宿警察署指導の元、東京都の条例に基づいて営業を行なっている。また警察の生活安全課主体の歌舞伎町のゴミ拾いや清掃活動への参加、歌舞伎町の商店街組合との合同の不正キャッチやぼったくり防止のパトロールなど定期的に地域と協力した活動を行なっている。
[編集] 社会問題との関連
- 未成年者に関する問題
- 18歳未満の者を接待に使うこと、また18歳未満の者を客として店に立ち入らせることは、児童福祉法で固く禁じられている。しかし、未成年者が年齢を偽ってホストクラブで勤務したり、未成年者を客としてホストクラブに連れ込むホストがいるのも現状として問題にあり、警察が、こういったホスト並びにホストクラブの摘発・逮捕を行っている。
- 強引な客引き
- 繁華街で強引な客引きを行うことも有名であり、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に違反する行為(人の前に立ちふさがる、つきまとうなどの行為)を平然と行ったり、言葉巧みにホストクラブに連れ込まれる女性もいる。こういったホストクラブは暴力団と繋がっているとの指摘もある。また、男性社会とのことから稼ぎの少ないホストを暴行し逮捕される事件なども発生している[5]。
- 色恋営業にまつわる問題
- 若い女性がホストクラブ通いを続ける理由として、ホストが女性客との間で「色恋」と呼ばれる擬似恋愛を行い交際しているかのようにふるまう事があげられる。このような営業方法を『色恋営業』と呼ぶ。若い女性がこの営業方法に嵌って膨大な借金を背負わされた末に、風俗嬢やキャバクラ嬢の仕事を強要されることがあり、女子高生が被害者になる事件が起こったり、最悪のケースとしては人身売買、殺人未遂(最高裁判例平成16年1月20日参照)に至ったケースも報告され問題になっている。
- 韓国人ホストの問題
- 韓国人がホストクラブで勤務することを目的に来日するケースが増えており、日本では毎月100人~200人はホストでの就労目的で来日する韓国人がおり、3,000人~4,000人もの韓国人ホストがいるとされている。韓国内の売春取締法が強化されたことで韓国女性の売春目的とする日本へ上陸が増え、その女性を相手にするためにさらに韓国人ホストが入国する形となっている[6]。客としては主に韓国人風俗嬢やホステスであったが、2004年あたりからの韓流ブームなどにより一部の日本人年配女性も顧客となり始めた。韓国人ホストの多くは不法滞在・不法就労であり、逮捕者も多く出ている[7]。また、韓国人ホスト同士のいざこざなどもあり、殺人事件に発展したケースもある[8]。
- 祇園のホストクラブの相次ぐ申告漏れ
- 2008年7月18日には、京都・祇園のホストクラブ16店が、大阪国税局の税務調査で、計約3億5,000万円に及ぶ所得の申告漏れを指摘されている。これらのケースの中には、4年間に亘り全く所得を申告していなかったり、売り上げの一部しか申告していない店が多数あったという。また、本来の売り上げを把握されないよう、記録を破棄したり、実際より少なく記録した偽造帳簿を作成したりするなど、悪質さが際立っており、人気があるとされるホストクラブが、杜撰な経理を行っている実態の一端が判明している[9]。
[編集] ホストクラブで働くスタッフ達
ホストクラブでは主に接待をする男性従業員のことを客の側から見てホスト、店の側からは「プレイヤー」と呼ぶ。接客以外の業務を行なう従業員は「内勤」と呼ばれる。
店の従業員は風適法第22条により満18歳以上であることが必須とされている。また18歳未満の者を接待に使うことは児童福祉法で固く禁じられている。これに違反すると刑事罰が適用されることになる。
- ホスト(プレイヤー)
- ホストクラブで、接待をする男性従業員のこと。通常「源氏名」を使用している(名前の由来は、「好きな当て字」、「尊敬する人物」、「ペットの名前」まで様々)。
- 容姿端麗である部分よりも、むしろ「個性」や「女性をエスコート出来る」といった能力が重要視される。極論、容姿が端麗であってもその他の面に欠落していれば、人気を得ることは出来ない。そのため高収入と呼ばれるホストの中には、容姿の面で劣る部分があってもそれをカバーできる別の面や能力を持つ者も多い。
- 内勤
- ホストクラブで働くボーイのこと。仕事のアシスタント的存在でキャバクラでいう黒服にあたる。ホストを引退して、内勤になる人がほとんどだが、逆に内勤として入って、ホストに転向する人もいる。小さい店だと、内勤業務も全てホスト達で済ませて、内勤がいないところもある。内勤の仕事内容には以下のようなものがある。
- 従業員の出勤管理
- 客の対応(カウンター、ウエイター)
- 調理(厨房)
- 会計(キャッシャー)
- 付け回し(色々なテーブルの客に対し、ホストを席につかせたり、抜いたりすること)。
- その他事務作業
- 代表
- 代表取締役のこと。店の最高責任者。店によってはオーナーが別にいる場合もあれば、代表とオーナーが同じ場合もある。
ただし『会社法』上の代表取締役や筆頭株主(=オーナー)であるとは限らず、本当の最高責任者(金主)が別にいることが多い。経営者としての働きよりも顔役として就任している場合が多い。
[編集] ホストの仕事
[編集] 業務に関する基本的な用語
- 担当
- 担当ホストの略。指名を受けたホストで客の隣に座る。「指名者」または「口座」ともいう。
- ヘルプ
- 担当以外に同じテーブル席についてくれるホストのこと。担当ホストではないので客の隣には座れず、「ヘルプ椅子」に座って接客する。酒を作る、灰皿を取り替えるなどの他、担当が席を離れたときに話し相手になって場をつないだりする。
- 細客、太客、エース
- 客の使う金額によってランクづけした言い方。あまり金を使わない客のことを細客と呼び、逆にひと月に多額の金を使ってくれる客のことを太客と呼ぶ。ホストの売り上げや価値観によって変わるため、いくら使えば太客と呼ばれるかは一概には言えない。そのホストの手持ちの客の中で、一番の太客を「エース」と呼ぶ。
- 同伴
- 客と食事などをしてから店に一緒に出勤する事。確実に店に来てもらえると同時に、特別給与なども支給されるところもある。
- アフター
- 閉店後に、店に来てくれた客とお店以外に行き接客を続ける事。食事や酒を飲みに行ったりと、客を楽しませる時間外営業。次回来店の指名につながる可能性が大きいのでホストは駆け引きを頑張る。
- 永久指名制
- 自分が指名した担当ホストは、(そのホストが辞めたりしない限り)永久的に変更することができないシステムのこと。これは従業員間のトラブル(客の取り合いetc)などを避けるためにあるシステムである。
- 年齢確認
- 児童福祉法により、18歳未満もしくは高校生以下のホストクラブへの入店は固く禁じられている。また20歳未満への酒類、たばこの提供もできない。そのため新規の来店客には写真付き身分証明書提示による年齢確認が必須となる(見た目の若さに関係なく掲示を求められる)。誤って未成年を入店させたがゆえ、摘発をうけた店は多く、そのため身分証明書による「年齢確認」は、従業員や経営者が一番、神経を尖らせなければいけない事項である。
- 強制指名日
- 強制指名日に指名を取れないと罰金を支払うことになる。
[編集] ホストのテーブルマナー
ホストクラブでは、接客するときの礼儀作法のことを『テーブルマナー』と呼んでいる。客に気持ちよく飲んでもらうための基本的な作業なのでホストはこれを徹底してできるように努力する。テーブルの上をキレイにする、酒を作る、タバコの火をつける、灰皿を交換するなど。以下に具体的な例を示す。
- 酒を作る
- ヘルプが酒を作る順番は、客→担当→先輩→自分の順番である。自分の酒を作るときは「一杯いただきます」、「いただいてよろしいですか?」と客に確認してからつくる。
- 乾杯
- 一番、最初は必ず乾杯をする。このときグラスは両手で持ち相手のグラスの下半分にグラスを合わせる。
- テーブルの上をよりきれいに見せる
- 客の前は、コースターの上の飲み物・灰皿・チャーム(おつまみ)だけの状態にする。それ以外のボトルや割り物、アイスなどはすべて自分側に固める。おしぼりもきれいに三角にたたみ、水滴などを拭いておく。また、姿勢をよくして座る
- 火をつける
- 客がタバコを手にした時点ですぐにライターを用意する。自分の手元で一回火をつけて、両手で差し出す。火は席を軽く立って相手の近くまで差し出す。火力は最弱にする。ジッポーやラブホテルの宣伝用などのライターは使ってはいけない(ジッポーは火力調節ができない他、オイル切れやフリントの磨耗により使用不可能になる恐れがあるため)。いつでも火をつけられるようにライターは常に手の中に入れておく。
- 灰皿を替える
- 基本的に吸殻が一本たまったら交換する。きれいな灰皿を、吸殻の入った灰皿の上にかぶせ、2つ同時に自分の手元まで持ってくる。引き寄せたらきれいな灰皿だけ客の手元に戻し、タバコを嵌めるくぼみを客の方に合わせる。
- グラスの水滴をこまめに拭く
- グラスは底部を持って(決して縁は持たない)水滴がついていたら綺麗に拭く。
- お酒を注ぐとき
- ボトルのラペルは客のほうに向けて注ぐ(店によってはラペルを上に向ける場合もある)。
- 客がトイレなどで席を立ったとき
- おしぼりを用意してトーション(ひざ掛け)をたたむ。テーブルの上やソファの上を整理しゴミや余ったおしぼりなどをさげる。すぐに完了したら近くの席にヘルプとして着き、客が戻ってきたらすぐにもとの席に戻る。
- 自分が他の客の席へ移るとき
- 乾杯と同様に「ごちそうさまでした」とグラスを合わせる。自分のグラスの中身は全て飲み干してから移動する。
[編集] 従業員の禁止行為 『爆弾』
- ホストがしてはならない行為、禁止事項のことをホスト業界では『爆弾』という。以下の3つを指す。
- 同店内の他のホストの指名客と深い関係になる行為
- 他のホストの指名客に対して担当ホストが不利になるようなことを言うこと
- 店や他の従業員に迷惑をかける行為
- 具体的には、以下のようなものがある。
- (客が聞かれて嫌なことを聞こうとする)
-
- 年齢・職業・プライベートなど
- (同店内のほかのホストの指名客に対して)
-
- 携帯番号・アドレスを交換する
- 名刺を渡す
- 身体に触れる
- 指名替えを煽る(客・担当が誤解するような言動も含む)
- その他、思わせぶりな言動 etc
- (担当ホストが不利になるような言動)
-
- 指名者(担当)の情報をもらす
- プライベートや、休みの日の行動などを勝手に教える
- 上記以外にもさまざまな状況がある。
- ホストクラブでは、客が本指名を決定した時点で、担当ホストのみが指名客と連絡を取り合うことになる。自分と同じ店で働いている他のホストの指名客とは店外であろうとも絶対に関係をもってはならない。
- 担当ホストの給料は客の飲み代から出ている。その客を店に来なくさせたり、自分と深い関係にして奪うということは担当ホストの給料の横取り、つまりお金を盗む行為と一緒とみなされる。
- なお、一般的にホストクラブでは従業員同士の客の取り合いやトラブルなどをさけるために永久指名制が採用されている。
[編集] 来店回数による客の呼び方
一般的にホストクラブでは客を、新規、二見(にげん)、常連、枝、フリーの5種類に分類している。どこの店の「ナンバー1ホスト」も新規客を獲得して、二見を呼ぶことからスタートしている。
- 新規
- キャッチや飛び込みなどで入る、初回の客。一見と呼ぶこともある。
- 二見
- 本指名を入れて自分の担当が決まってから初めて来た客のこと(2回目)。リピーター。
- 常連
- 指名者(担当)がいて何回か店に飲みに来ている客のこと。
- 枝
- 本指名を既に入れていて自分の担当がすでに決まっている客が店に一緒に連れてくる新規客のこと。枝を連れてきたほうを幹と呼ぶ。
- フリー
- 店には来たことあるが、まだ本指名をいれておらず担当が決まっていない客のこと。
[編集] 売上に関する用語
売上を左右するのが「指名本数」と「販売単価」である。特に販売単価はホストの腕で左右される。ホストクラブでは毎月売り上げランキングを発表するが、それと平行して指名ランキングを発表する店もある。人気のあるホストは、指名ランキングの常に上位にいる。
- 指名本数
- 本数とは、ホストについた客を数える単位のことをいう。1人、2人ではなく、1本、2本と数える。指名された数のことを「指名本数」と呼ぶ。ホストの人気のバロメーターでもある。
- ナンバー
- ホストの売り上げ成績の順位。売上ランキングのこと。売り上げ成績が一番良かったホストがその店のナンバー1となる。
- 小計と総売上
- 締め日
- 店が売上を確定する最後の日のこと。締め日までの売上でその月(または半期)のホストの給料が確定する。ナンバーを争うホスト達が競う日。
- 売掛
- 本指名の客の飲み代をツケ(その場で支払わないで店の帳簿につけさせておき、あとでまとめて支払う形)にすること。略して『掛け』ともいう。ほとんどの店では信頼関係の無い初回、もしくは店に数回しか訪れていない客の売掛は容認していない。
- 未収
- 店で決められている一定期間内までに回収できなかった売掛のことをこう呼ぶ。未収金の略。回収は担当ホストの責任となるため、未払い分はホスト自身の給料から補填するか、店に借金をすることになるので大変な負担になる。
- 煽り
- 売上を伸ばすために客に金を使わせるよう煽る(勧める)こと。
- 役職
- ホストクラブでは売り上げ成績の良かったホストに対し、評価のひとつとして役職をつけている店が多い。その種類もさまざまで「代表」、「取締役」、「支配人」、「店長」、「主任」、「幹部」、「幹部補佐」などいろいろある。ただ、店によって役職の順位が違うので、どれが偉いのか店によって異なる。
- お茶引き
- その日指名が一度もなかったホストのこと。
[編集] 給料システム
- 歩合給
- ホストクラブの給料システムは歩合制(売上高に応じて賃金が支払われる給料制度。歩合給)である。客を店に呼び、その客が店で飲んだ代金が担当ホストの売上になり、一ヶ月(または半期)の合計売上のなかから決められたパーセントが給料として支給される。パーセンテージは店舗によって異なる。
- 最低保証
- 客を呼べず売上を上げられないホストへの保証。出勤した日に一人も客を呼べなくても、特定の日給が支払われるシステムのこと。ホストを初めて始める人に対し、客を増やしていくまでは最低限の日給が出る。最低日給と呼ぶこともある。店舗によって異なるがだいたい3,000円 - 5,000円がメインである。あくまでも最低限の保証なので、いち早く歩合だけの給料体制になれるように新人のホストは努力を求められる。
[編集] ホストクラブ基礎知識
[編集] 指名の種類・方法
指名(しめい)とは客が気に入ったホストを自分の卓(テーブル)に呼ぶことをいう。指名をもらったホストのことを指名者(「担当」と同義)と呼ぶ。
- 場内指名
- 担当が決まっていない場合、男本などを見て気にいったホストを自分の卓に呼ぶとき使うシステム。初回は無料のところが多い。
- 送り指名
- 初回で行ったとき、帰りに店の入り口外まで送ってくれるホストを指名できるシステム。「本指名」ではないが、だいたい送り指名をもらった時点で、次回からその客の担当になる可能性が高い。
- 担当者のいない客(新規・フリー)にチェックのときに一番、気に入ったホストを聞く。公平のために内勤が聞きにくるので、ホストは席を空ける。「送り指名」をもらったホスト以外は今後その客と連絡をとりあってはいけない。次回、来店時に必ずそのとき送りにしたホストを指名しなければいけないわけではないので、フリーでも来店することができ、再び送りを聞かれることになる。
- 手順
- 内勤がホストに送り指名が入ったことを伝える。
- ホストは客の席に行きお礼を言う。
- アドレスの交換をして入り口で「ありがとうございました」と言って送り出す。
- ヘルプ指名
- 担当のいる客が仲の良いヘルプを自分の卓に呼べるシステム。ヘルプ指名をもらったホストにも指名料(500円くらい)が入る。
- 本指名
- 本番指名の略。気に入ったホストを自分の担当(最終指名者)に決めること。初回来店のときに見定めて2回目以降に本指名することが多い。担当がつけば来店のたびに指名料金を支払うことになり指名をもらったホストには指名料が入る。ホストクラブの多くは「永久指名制」であるため本指名の決まった客には他のホストは営業をかけてはいけないルールになっている。
[編集] 料金体系
ホストクラブの料金体系は、1.テーブルチャージ(場所代)、2.飲食料金(ボトルやフードの値段)、3.TAX(税金やサービス料)という組み合わせになっているのが一般的である。これに指名をすれば指名料が加わる。
- テーブルチャージ
- 入店後、席に着いただけで発生するサービス料のこと。場所代。これにTAXが加わる場合はそちらも別途となる。料金表などに略して『TC』と記述されることもある。
- 指名料
- 担当ホストを指名するときに発生する料金。本指名を決めた瞬間から、その店では基本そのホストのみが接することになり、来店するたびに指名料を支払うことになる。
- 初回料金
- 初めて来店する客のために設定されたお得な料金のこと。ほとんどの店で用意されている。内容はさまざまだが、「焼酎ボトル一本と割り物飲み放題で5000円」というコースが多い。フードを頼んだり、初回サービスのメニューに入っていない酒を頼むと別料金が発生するが特に頼みたくなければ頼む必要はない。店に着いて「初回」と告げると、まず年齢確認のための身分証の提示を求められる。
[編集] ホストの営業スタイル
ホストはシチュエーションによって様々な営業スタイルを使い分けている。ここで言う営業スタイルとは客への接する態度、アプローチの手段のこと。
- 友達営業
- 『友営』、『友業』と略す。飲み友達的ノリでワイワイやったり、相談にのったり友達のように楽しく接する営業スタイル。
- 色恋営業
- 『色営』と略される。客に恋愛関係のように思わせて、店に通わせる営業スタイル。相手を好きな素振りを匂わしたり、恋人のように接する(本当の恋人と思わせるために枕営業をすることもある)。色営をされている女性客を色カノという。色カノに対して恋愛感情を匂わせるような言動をとることを「イロをかける」「色恋する」という。
- オラオラ営業
- 『オラ営』ともいう。尊大な態度で客に接し「ボトル入れろや!」と偉そうにしたり、煽る営業方法。この煽りノリが好きでボトルを入れてしまう客もいれば、オラオラが大嫌いな客もいるので、見極めが大切な営業スタイル。
[編集] その他の用語
- 男本
- 『男メニュー』、または『ホストファイル』ともいう。初めて店に来た客が話したいホストを選ぶときに見る写真アルバムのこと。店の在籍ホスト全員の写真とプロフィールが載っているので、見せてもらって気に入った顔がいれば席についてもらえる。テーブルに呼んだからと言ってその人に指名を入れなければいけないわけではない。
- イベント日
- ホストクラブで企画されるさまざまな催し物や行事のこと。そのなかでも主要なのが、ホスト自身のバースデイイベント。そのほかに周年祭、クリスマスやバレンタイン、ハロウィンなど季節的なイベントもある。ホストクラブでは月に一度はイベントを行っている。イベント日は通常よりセット料金が高くなることもある。
- 裏引き
- ホストが店を通さずに客と店外で会ってお金をもらうこと。直引きともいう。ホストとして名を上げたいと思っているホストは店の売り上げを優先するが、とりあえず早急に稼いで辞めたいと思ってるホストは裏引きに精を出してあまりナンバーは気にしない。
- 痛客(いたきゃく)
- 無理矢理、酒を飲ませたり、暴れたり、破壊行為を働くなど(店や従業員に)迷惑をかける客のこと。
- 放置
- シャンパンコールなどの特別な時間以外にヘルプも担当もつかず、客だけがポツンと一人で席に残されている状態。
- マイナス営業
- 客の数に対してホストの数が不足している状態。
- 飛ぶ
- 客または店の従業員(ホスト、内勤)などが突然、行方をくらますこと。客が売掛の支払いが困難になって飛ぶ場合を「飛ばれる」と言う。
- 体験入店
- 一日だけ体験で働くことのできるシステム。略して体入。体験入店後にその店で働くかどうかを選択できるようになっていて、おおまかな仕事の流れやテーブルマナー、接客などを体験させてもらえる。従業員の年齢層や店の雰囲気を見たり、待遇について質問できる貴重な機会である。体験入店は店の雰囲気を味わうために行われるので給料は支払われないことがある。
- 同業
- 『同業者』の略で他店舗のホスト、またはホストクラブのことをこう呼ぶ。
- 同業回り
- 交流のある他店のホストクラブへ飲みにいくこと。新規の店がグランドオープンしたときにお祝いとして駆けつけたり、他店のホストの誕生日に祝いに行ったり、人脈作り、単に勉強として他の店の雰囲気を知るためであったり、など理由はさまざま。男性一人でホストクラブに入るということはほぼ無いので、ホストは自分の客などの女性と一緒に店に入ることになる。
- チャンスボトル
- 残りが少なくなっているボトルのこと。
- シャンパンコール
- 高級シャンパンを注文してくれた客のテーブルに、店中のホストが一斉に集まり、ボトルを開けるタイミングに合わせて(またはボトルを一本飲み干すまで)かけ声をかけてくれるパフォーマンスのこと。シャンパンを入れてくれた客に感謝の気持ちを込めて、集合したホスト達がコールを行う。
- 【シャンパンコールの演出が行なわれるのは以下のような場合】
- 高級シャンパンを入れてくれた客への感謝とお祝い。
- 店内の活気づけと、他卓への見せ付けと煽り。
- (締め日のナンバー争いなどで)客が自分の担当ホストの売上を上げたいと思ったとき。客、担当、ヘルプみんなで飲むので担当の飲む負担が少なく、5分ほどで一本空くため「派手に、簡単に」売上を上げることができる。
- ドンペリ
- 高級シャンパン「ドン・ペリニヨン」の略称。色によって値段が違い、安い順に、白、ピンク(ロゼ)、ブラック(エノテーク)、ゴールド、プラチナとなる。値段は店によりさまざま。およそ、白が4~6万円、ピンクが10~15万円、ブラックが12~20万、ゴールドが30~50万円、プラチナは70~100万円程になる。イベント時などでは一日に何本も空けられることもある。
- カフェドパリ
- メルシャンから発売されているスパークリングワイン。ホストクラブでは大体、1万円~1万5千円くらいである。味は甘口で、酒が苦手な人でも飲みやすい。フルーツの風味で種類が多く、基本はライチ、ピーチ、洋ナシ、グレープフルーツ、さくらんぼ、青りんごがある。他に、冬の「雪」、春の「桜」など季節ごとに限定の味が出るのも特徴。類似のものにサントリーのポンパドール(通称ポンパ)などがある。
[編集] マスメディアとホストクラブ
[編集] ホストクラブ出身のタレント
[編集] ホストを兼業しているタレント
[編集] ホストをモデルとして起用しているファッション雑誌
- MEN'S KNUCKLE(メンズナックル)、HOST KNUCKLE(ホストナックル)
- Men's SPIDER (メンズスパイダー)
- men's Digger(メンズディガー)
- MEN'S ROSES(メンズローゼス)
[編集] ホストクラブを描いた作品
- 漫画
- 夜王(原作/倉科遼、画/井上紀良、発行/集英社)
- 帝王(原作/倉科遼、画/関口太郎、発行/小学館)
- ギラギラ(原作/滝直毅、作画/土田世紀、発行/小学館)
- 桜蘭高校ホスト部(著/葉鳥ビスコ、発行/白泉社)
- 3.3.7ビョーシ!!(著/久保ミツロウ、発行/講談社)
- NIGHT BLOOD(著/富田安紀良、発行/講談社)
- B.O.D.Y.(著/美森青、発行/集英社)
- Deep Love REAL(原作&プロデュース/Yoshi、著/Tetsu、発行/講談社)
- テレビ
- 夜王(TBS、2006年)
- ギラギラ(テレビ朝日、2008年)
- ナンバーワン(TBS、2001年)
- Deep Love 第2部ホスト(テレビ東京、2005年)
- ライオン丸G(テレビ東京、2006年) - 特撮ヒーロー番組ではあるが、主人公の職業がホストである。
- POP JAM X'masスペシャル DJ OZMAのアゲ♂アゲ♂HOLY☆
騎士 (2006年) - SMAP×SMAP (フジネットワーク)内のコント、「ホストマンブルース」(2002年~)
- CSI:科学捜査班 シーズン7第14話「傘の骨」(アメリカのテレビドラマ、2007年) - ホストクラブが日本発祥であると説明されている。
- 映画
- エッセイ
- 『うさぎとくらたまのホストクラブなび』(共著/中村うさぎ、倉田真由美、発行/角川書店)
- 『激安!ホスト天国』(著/内藤みか、発行/河出書房新社))
- 『男の裏顔 女の裏顔』(著/頼朝、発行/河出書房新社)
- 自伝本・ノンフィクション
- 『一億欲しいか!』(著/芳晶せいじ、発行/辰巳出版)
- 『1億5千万円の恋 ホストに恋した4年の日々』(著/なお、発行/宙出版)
- 『現金恋愛 私が愛した5人のホスト』(著/ナツ、発行/ミリオン出版)
- 『ホストの世界 真夜中への招待状』(著/沢村拓也、発行/河出書房新社)
- 『ホスト裏物語』(著/高崎ケン、発行/彩図社)
- 『NIGHT SUN』(著/陽生、発行/ミリオン出版)
- DVD
[編集] 脚注
- ^ 【ファンキー通信】歌舞伎町の人気ホストがひと肌、脱いだ!?livedoorニュース- 2005年10月14日
- ^ 夜鳥の界 公式HP
- ^ 2006年9月21日歌舞伎町ホストクラブ一斉立ち入りがあった[1]。
- ^ 歌舞伎町ホストクラブ協力会 公式HP
- ^ 第4回歌舞伎町ルネッサンス推進協議会会議録を参照。
- ^ 2008年12月6日夕刊フジ
- ^ 赤坂で韓国ホストクラブ摘発 45人が不法滞在2008年9月11日スポニチ
- ^ 韓国人ホスト日本上陸 推定3000~4000人
- ^ 祇園のホストクラブ16店 3億5千万円申告漏れ指摘 朝日新聞 2008年7月18日
[編集] 類義語
- ジゴロ、ボーイズ、メンパブ、メンズパブ、ホスクラ、チャラパブ

