行政書士

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行政書士
英名 Administrative scrivener
資格種類 国家資格
分野 法律
試験形式 筆記試験
認定団体 総務省
等級・称号 行政書士
根拠法令 行政書士法
公式サイト 財団法人行政書士試験研究センター
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行政書士(ぎょうせいしょし)とは、行政書士法に基づき、官公署省庁都道府県市町村警察署保健所その他の行政機関等)に提出する書類及び権利義務事実証明に関する書類の作成、提出の代理、作成に伴う相談に応ずることなどを業とする日本国の隣接法律専門職である。

目次

概要[編集]

行政書士法には、平成9年(1997年)に目的規定(1条)が追加され、行政書士制度の目的が明確化された。

  • 行政書士法第1条「この法律は、行政書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、行政に関する手続の円滑な実施に寄与し、あわせて、国民の利便に資することを目的とする。」

行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(電磁的記録を含む)及び権利義務事実証明に関する書類に関して、法律に基づき作成・作成、提出を代理し、加えて、当該書類作成に伴う相談に応ずることを業とする。

行政書士法に基づき、行政書士が作成することができる書類は、その名称のごとく許可認可登録等(許認可等)の申請書・添付書類など行政に関する書類の他に、契約など私人間(民間の個人や企業・団体の間)で交わされる法律的な書類(権利義務・事実証明に関する書類)もあり、数千種類に及ぶと言われる。

ただし、他の法律で制限されているものは扱えない。

資格・登録[編集]

行政書士となる資格[編集]

  • 行政書士試験に合格した者(行政書士法2条1号)。
  • 弁護士弁理士公認会計士税理士となる資格を有する者(行政書士法2条2~5号)。
  • 20年(高等学校を卒業した者は17年(大学卒業者も同様))以上公務員(または特定独立行政法人、特定地方独立行政法人)として「行政事務」に相当する事務に従事した者(2条6号)。ここにいう「行政事務」とは、行政機関の権限に属する事務のみならず、立法ないし司法機関の権限に属する事務も含まれるが、単なる労務、純粋の技術、単なる事務の補助等に関する事務は含まれず、文書の立案作成、審査等に関連する事務であることおよびある程度、その者の責任において事務を処理していることが必要とされる(旧自治省行政課長通知/昭和26年9月13日)。

欠格事由[編集]

次のいずれかに該当する者は、上記にかかわらず、行政書士となる資格を有しない。

  • 未成年者
  • 成年被後見人または被保佐人
  • 破産者で復権を得ない者
  • 禁錮以上の刑に処せられた者で、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなってから3年を経過しない者
  • 公務員(特定独立行政法人または特定地方独立行政法人の役員または職員を含む)で懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から3年を経過しない者
  • 6条の5第1項の規定により登録の取消しの処分を受け、当該処分の日から3年を経過しない者
  • 14条の規定により業務の禁止の処分を受け、当該処分の日から3年を経過しない者
  • 懲戒処分により、弁護士会から除名され、公認会計士の登録の抹消の処分を受け、弁理士税理士司法書士もしくは土地家屋調査士の業務を禁止され、または社会保険労務士の失格処分を受けた者で、これらの処分を受けた日から3年を経過しない者

登録[編集]

行政書士となる資格を有する者が、行政書士となるには、日本行政書士会連合会の行政書士名簿に登録を受けなければならない。なお、登録の際には登録料や会費として30万円前後が必要となり、その後も会費として毎年6万円前後が必要である。これらの金額は都道府県によって多少の差がある。登録を行わないと、行政書士としての業務を行ってはならないのはもちろんのこと、行政書士と名乗ることもできない。しかしながら、長期会費滞納者が年々増加している実態があり、会費未納行政書士に対する行政書士会単位会長及び都道府県知事への懲戒処分措置要求について、平成23年4月20日以降、日本行政書士連合会のホームページでの公表が実施されるなど、会費未納問題が顕在化している。 平成25年2月時点の登録者数は43,474名、355法人である。

徽章[編集]

行政書士の徽章コスモス花弁の中に篆書体の「行」の字をデザインしたものである。(素材は、純銀の台座に金メッキ貼り)。

なお、行政書士補助者は補助者登録を行うことで補助者徽章の交付を受けることができる(デザインはコスモス花弁の中に「補」の記載。素材は、合金製 光沢ニッケルメッキ)。

記名義務[編集]

行政書士は、その作成した書面について記名しその職印を押印しなければならない(行政書士法施行規則第9条第2項)。

監督[編集]

行政書士に対する懲戒は、都道府県知事が行う(行政書士法14条)。

都道府県知事は、行政書士会につき、報告を求め、または勧告することが出来る(18条の6)。

非行政書士の取り締まり[編集]

他の法律に定めがある場合を除き、後述する独占業務を行政書士または行政書士法人でない者が業として報酬を得て行うと、1年以下の懲役または100万円以下の罰金の適用がある。

業務[編集]

独占業務[編集]

(行政書士法第1条の2)

  • 官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成すること(第1項)

非独占業務[編集]

(行政書士法第1条の3)

  • 官公署に提出する書類の提出手続について代理すること(第1号)
  • 官公署に提出する書類に係る許認可等に関して行われる聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において当該官公署に対してする行為について代理すること(第1号)
  • 契約その他に関する書類を代理人として作成すること(第2号)
  • 行政書士が作成することができる書類の作成について相談に応ずること(第3号)

税理士法に規定される行政書士業務[編集]

行政書士は、不動産取得税事業所税に関する申告などを行うことができる(税理士法51条の2、同施行令14条の2)

出入国管理法に規定される行政書士業務[編集]

弁護士又は行政書士が外国人に代わって入国管理局の手続きをするときは、一定の手続きについて、依頼した外国人の出頭を要さない。(出入国管理及び難民認定法施行規則 6条の2第4項、19条第3項、59条の6第2項)

業務制限[編集]

上記業務に外形上含まれる業務であっても行政書士は、他の法律により制限される業務は行えない。

行政書士に関する組織[編集]

行政書士法人[編集]

行政書士法人とは、業務を組織的に行うことを目的として行政書士が共同して設立した法人をいう。

  • 行政書士法人の社員は行政書士でなければならない(行政書士法13条の5)。
  • 行政書士法人は、政令で定めるところにより、登記しなければならない(13条の7)。
  • 行政書士法人は、その事務所に、当該事務所の所在地の属する都道府県の区域に設立されている行政書士会の会員である社員を常駐させなければならない(13条の14)。

行政書士会[編集]

  • 会則を定め都道府県知事の認可を受けなければならない(行政書士法16条の2)。
  • 組合等登記令により登記しなければならない(行政書士法16条の3)、登記を怠ったときは、代表者が30万円以下の過料に処せられる(行政書士法24条)。
  • 毎年1回、会員の事務所の所在地等を都道府県知事に報告しなければならない(行政書士法17条1項)。
  • 行政書士として登録を受けたとき、その行政書士会の会員となる(行政書士法16条の5)。
  • 会員に対して会員証を交付しなければならない(行政書士法施行規則13条,会員証は、業務中、官庁や役所の窓口で提示する身分証明書となる)。

日本行政書士会連合会[編集]

日本行政書士会連合会は都道府県単位に設立された行政書士会の上部組織である。詳しくは日本行政書士会連合会を参照。

行政書士試験[編集]

  • 受験資格に制限はない。
  • 毎年度11月第2日曜日に、全国47都道府県で行われる。
  • 総務大臣が定めるところにより都道府県知事が行う。都道府県知事は総務大臣の指定する指定試験機関に委任することができ、現在は財団法人行政書士試験研究センターが試験を実施している。
  • 試験科目は、業務に関する法令として憲法民法行政法商法、基礎法学があり、業務に関する一般知識として政治経済社会情報通信個人情報保護文章理解がある。また、平成17年度まで試験科目であった行政書士法戸籍法住民基本台帳法労働法税法等も一般知識として出題され得る、としている。試験問題は、毎年度4月1日現在施行の法律に準拠して出題される。
  • 出題形式は、5つの選択肢から1つを選ぶ択一式と、40字程度の記述式(法令科目のみ)の組合せである。
  • 合格基準は、全体で60%以上の得点をしつつ、法令科目で50%、一般知識で40%の得点をしていることである。ただし、問題の難易度により、補正的措置が採られることがある。
  • 試験制度改革に伴い、平成18年度試験以降、年々その難易度は高まる傾向にあり、法律系の難関資格として認知されている。
行政書士試験合格率[1][2]
年度 申込者(人) 受験者(人) 合格者(人) 合格率
平成元年度 21,167 2,672 12.62%
平成2年度 22,406 2,480 11.07%
平成3年度 26,228 3,092 11.79%
平成4年度 30,446 2,861 9.40%
平成5年度 35,581 3,434 9.65%
平成6年度 39,781 1,806 4.54%
平成7年度 39,438 3,681 9.33%
平成8年度 43,267 36,655 2,240 6.11%
平成9年度 39,746 33,957 2,902 8.55%
平成10年度 39,291 33,408 1,956 5.85%
平成11年度 40,208 34,742 1,489 4.29%
平成12年度 51,919 44,446 3,558 8.01%
平成13年度 71,366 61,065 6,691 10.96%
平成14年度 78,826 67,040 12,894 19.23%
平成15年度 96,042 81,242 2,345 2.89%
平成16年度 93,923 78,683 4,196 5.33%
平成17年度 89,276 74,762 1,961 2.62%
平成18年度 88,163 70,713 3,385 4.79%
平成19年度 81,710 65,157 5,631 8.64%
平成20年度 79,590 63,907 4,133 6.47%
平成21年度 83,819 67,348 6,095 9.05%
平成22年度 88,651 70,576 4,662 6.60%
平成23年度 83,543 66,297 5,337 8.05%
平成24年度 75,817 59,948 5,508 9.19%

関連項目[編集]

外部リンク[編集]