陸上無線技術士
| この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。 |
| 陸上無線技術士 | |
|---|---|
| 英名 | Technical Radio Operator for On-The-Ground Services |
| 略称 | 陸技 |
| 実施国 | |
| 資格種類 | 国家資格 |
| 分野 | 電気・通信 |
| 試験形式 | 筆記 |
| 認定団体 | 総務省 |
| 後援 | 日本無線協会 |
| 等級・称号 | 第一級、第二級 |
| 根拠法令 | 電波法 |
| 公式サイト | (財)日本無線協会 |
陸上無線技術士(りくじょうむせんぎじゅつし)は、無線従事者の一種。総務省所管。平成元年(1989年)に制定された。英語表記は"Technical Radio Operator for On-The-Ground Services"。
目次 |
[編集] 概要
第一級(一陸技)、第二級(二陸技)の2種に分かれる。( )内は略称である。
従前の第一級無線技術士(略称は一技)は一陸技、第二級無線技術士(二技)は二陸技とみなされる。
第一級・第二級・第三級陸上特殊無線技士は、二陸技の下位資格である。
操作範囲
- 一陸技
- 無線設備の技術操作
- 第四級アマチュア無線技士の操作の範囲に属する操作
- 二陸技
- 次に掲げる無線設備の技術操作
- 第四級アマチュア無線技士の操作の範囲に属する操作
一陸技は無線設備の技術操作(目的・範囲を問わず全ての無線局が対象となる。船舶局や航空機局も含まれる、下記参照。)、二陸技は取り扱える空中線電力と周波数に制限がある。通信操作を行うことはできない。 無線通信に用いる設備の技術操作を行うための資格であり、特に放送局においては必置資格と言える。
- 一陸技は無線設備の技術操作に関して最高の資格であり試験の難易度も高い。第一級総合無線通信士(略称は、一総通)と並んで無線従事者免許の最高峰である。一総通だけでも一陸技以外のすべての無線従事者の操作範囲の操作が可能であり、一総通と一陸技を持っていれば、他の無線従事者免許の操作範囲を全て包含する。
- 名称に「陸上」が付されているが、操作範囲としては陸上設備に限定されているわけではなく、英語表記(~ On The Ground Services)の翻訳上の都合を優先させたような国内名称となっている(陸上特殊無線技士の操作範囲は陸上に限定される)。資格の名称によって操作範囲が認識できるような他の無線従事者(通信士は総合・海上・航空、特殊無線技士は海上・航空・陸上)との整合性も無く誤解を与えやすい点で改称が求められる。
-
-
- ただし、無線設備の技術操作に関して航空通信士の技能証明や船舶局無線従事者証明書・海技士(通信・電気通信)等をあわせて要求される無線局の場合は、陸上無線技術士の免許のみを基礎としてこれらを取得できないため、これらを保有する者の監督下で行う場合などを除き、その無線局の無線設備の操作を行うことができない。
-
- アマチュア局の操作範囲は第四級のみにとどまる。これは法規の試験に「国際法規(国際電気通信連合憲章・同条約および無線通信規則)」および「モールス符号に関する知識」の出題が無いため、これらの知識が証明されないからである。
- 日本独自の免許であり、総合無線通信士、海上無線通信士、航空無線通信士、第一級海上特殊無線技士、アマチュア無線技士と異なり国際的に通用しない。但し、アマチュア無線の相互運用協定締結国においてアマチュア無線を運用するときのみ当該国で有効となる。
[編集] 取得
次のいずれかによる。
- 国家試験に合格すること。
- 総務省令 無線従事者規則第33条に定める資格、業務経歴、その他の要件を有すること。
[編集] 国家試験
日本無線協会により7・1月の年2回実施される。
試験方法及び科目
無線従事者規則第3条に筆記によることが、第5条に科目が規定されている。
[編集] 試験科目
一陸技
- 無線工学の基礎
- 法規
- 電波法及びこれに基づく命令の概要
- 無線工学A
- 無線設備の理論、構造及び機能の詳細
- 無線設備のための測定機器の理論、構造及び機能の詳細
- 無線設備及び無線設備のための測定機器の保守及び運用の詳細
- 無線工学B
二陸技
- 無線工学の基礎
- 電気物理
- 電気回路
- 半導体及び電子管
- 電子回路
- 電気磁気測定
- 法規
- 電波法及びこれに基づく命令の概要
- 無線工学A
- 無線設備の理論、構造及び機能
- 無線設備のための測定機器の理論、構造及び機能
- 無線設備及び無線設備のための測定機器の保守及び運用
- 無線工学B
- 空中線系等の理論、構造及び機能
- 空中線系等のための測定機器の理論、構造及び機能
- 空中線系及び空中線系等のための測定機器の保守及び運用
試験の水準は大学の電気工学関係学科卒業程度と言われるが、一陸技の出題範囲、出題傾向は他の大学卒業程度の無線従事者国家試験とかなり異なっており、無線工学の基礎、無線工学A、無線工学Bの実質的な難易度は最高とされている。
[編集] 一部免除
科目合格者
- 試験の翌月の初めから3年間。
科目免除認定校の卒業者
- 卒業の日から無線工学の基礎を3年間。
- 一陸技については一陸技
- 一・二陸技、第一級総合無線通信士については二陸技
- 学校、学科については一部免除認定校一覧[1]を参照のこと。
| 現有資格 | 受験資格 | 免除科目 |
|---|---|---|
| 第一級総合無線通信士 | 一陸技 | 法規 |
| 第二級総合無線通信士 | 二陸技 | 法規 |
| 第一級海上無線通信士 | 二陸技 | 無線工学の基礎 |
| 現有資格 | 業務経歴 | 受験資格 | 免除科目 |
|---|---|---|---|
| 第一級総合無線通信士 二陸技 |
現有資格によりアマチュア局を除く無線局の無線設備の操作に3年以上従事した経歴。 | 一陸技 | 無線工学の基礎 法規 |
| 第二級総合無線通信士 | 現有資格によりアマチュア局を除く無線局の無線設備の操作に3年以上従事した経歴。 | 二陸技 | 無線工学の基礎 法規 |
電気通信事業法の資格者
- 電気通信主任技術者の伝送交換主任技術者は、無線工学の基礎及び無線工学A。
筆記試験の形式及び時間
多肢選択(マークシート)式で無線工学の基礎、無線工学A、無線工学Bが各々150分、法規が120分
受験料
平成18年(2006年)7月より一陸技13,950円、二陸技11,850円
| 年度 | 平成21年度 | 平成22年度 | ||
|---|---|---|---|---|
| 資格 | 一陸技 | 二陸技 | 一陸技 | 二陸技 |
| 申請者数(人) | 5,864 | 2,028 | 6,184 | 2,103 |
| 受験者数(人) | 5,032 | 1,743 | 5,342 | 1,855 |
| 合格者数(人) | 1007 | 365 | 1,059 | 401 |
| 合格率(%) | 20.0 | 20.9 | 19.8 | 21.6 |
| 全科目免除者数(人) | 45 | 46 | 50 | 37 |
| 注 申請者数、受験者数、合格者数には、全科目免除者数を含まない。 | ||||
[編集] 資格、業務経歴、その他の要件
右欄の資格と業務経歴を有する者は、認定講習を修了することにより左欄の免許が与えられる。
| 資格 | 要件 |
|---|---|
| 一陸技 | 第一級総合無線通信士または二陸技を有し、それによりアマチュア局を除く無線局の無線設備の操作に7年以上従事した経歴。 |
| 二陸技 | 第二級総合無線通信士を有し、それによりアマチュア局を除く無線局の無線設備の操作に7年以上従事した経歴。 |
[編集] 取得者数
| 一陸技(人) | 二陸技(人) | |
|---|---|---|
| 平成12年度末 | 28,033 | 27,805 |
| 平成13年度末 | 28,761 | 28,232 |
| 平成14年度末 | 29,542 | 28,583 |
| 平成15年度末 | 30,213 | 28,891 |
| 平成16年度末 | 30,804 | 29,189 |
| 平成17年度末 | 31,517 | 29,546 |
| 平成18年度末 | 32,220 | 29,807 |
| 平成19年度末 | 32,975 | 30,139 |
| 平成20年度末 | 33,723 | 30,418 |
| 平成21年度末 | 34,702 | 30,777 |
| 平成22年度末 | 35,841 | 31,213 |
この節の統計は、総務省総合通信基盤局電波部電波政策課の資料による。
[編集] その他
下記の資格などの何れかに、一陸技または二陸技が任用されるか、受験できるか、試験科目免除になるか、業務経歴で取得できるものがある。年齢その他の制限があるものも含まれており、詳細は各項目を参照のこと。
任用の基準にあるもの
- 電波法第24条の2に規定する登録検査等事業者[2] [3]の判定員又は点検員
- 電波法第38条の8第2項に規定する技術基準適合証明の登録証明機関の証明員
- 無線従事者規則第13条に規定する国家試験一部免除認定校の教員
- 無線従事者規則第21条に規定する無線従事者養成課程の講師
- 無線従事者規則第34条に規定する無線従事者認定講習課程の講師
- 電波法第47条に規定する指定無線従事者国家試験機関の試験員
任用の条件にあるもの
受験資格があるもの
- 消防設備士(甲種特類を除く。)
- 社会保険労務士(一陸技)
- 職業訓練指導員 (電子科)(二陸技)
試験科目が免除されるもの
| 無線従事者 | ||
|---|---|---|
| 現有資格 | 受験資格 | 免除科目 |
| 一陸技 | 第一級総合無線通信士 | 無線工学の基礎、無線工学A、無線工学B |
| 第二級総合無線通信士 | 無線工学の基礎、無線工学A、無線工学B | |
| 第三級総合無線通信士 | 無線工学の基礎、無線工学 | |
| 第一級海上無線通信士 | 無線工学の基礎、無線工学A、無線工学B | |
| 第二級海上無線通信士 | 無線工学の基礎、無線工学A、無線工学B | |
| 第三級海上無線通信士 | 無線工学 | |
| 第四級海上無線通信士 | 無線工学 | |
| 第一級海上特殊無線技士 | 無線工学 | |
| 第二級海上特殊無線技士 | 無線工学 | |
| 第三級海上特殊無線技士 | 無線工学 | |
| 航空無線通信士 | 無線工学 | |
| 航空特殊無線技士 | 無線工学 | |
| 二陸技 | 第一級総合無線通信士 | 無線工学の基礎 |
| 第二級総合無線通信士 | 無線工学の基礎、無線工学A、無線工学B | |
| 第三級総合無線通信士 | 無線工学の基礎、無線工学 | |
| 第一級海上無線通信士 | 無線工学の基礎 | |
| 第二級海上無線通信士 | 無線工学の基礎、無線工学A、無線工学B | |
| 第三級海上無線通信士 | 無線工学 | |
| 第四級海上無線通信士 | 無線工学 | |
| 第一級海上特殊無線技士 | 無線工学 | |
| 第二級海上特殊無線技士 | 無線工学 | |
| 第三級海上特殊無線技士 | 無線工学 | |
| 航空無線通信士 | 無線工学 | |
| 航空特殊無線技士 | 無線工学 | |
業務経歴で得られるもの
就職先
などがある。 県域放送の出力が2kW(テレビ局は500W)以下の放送局やコミュニティ放送局は、二陸技で可。
試験制度の変遷
平成7年度(1995年度)までは、
- 予備試験があり、無線工学の基礎が本試験の1ヶ月前に実施されていた。
- 科目免除認定校卒業による予備試験の免除は卒業の日から10年間だった。
- 国(地方電気通信監理局(沖縄郵政管理事務所を含む。))が国家試験を実施していた。
- 筆記試験は記述式だった。
免許証の番号
[編集] 脚注
- ^ 国家試験の一部免除認定校一覧 (PDF)(総務省電波利用ホームページ 無線従事者関係の認定学校等一覧)
- ^ 登録検査等事業者制度(同上 無線局開局の手続き・検査)
- ^ 登録点検事業者制度の概要(関東総合通信局 その他)
[編集] 外部リンク
- 財団法人 日本無線協会
- 無線従事者国家試験過去問閲覧サイト kema's Web
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