司法書士

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司法書士
英名 Shiho-Shoshi Lawyer
実施国 日本の旗 日本
資格種類 国家試験
分野 法律
等級・称号 司法書士
根拠法令 司法書士法
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司法書士(しほうしょし)とは、司法書士法に基づき登記供託手続き、裁判所法務局検察庁等に提出する書類の作成、成年後見人等の財産管理業務を専門に行う日本国の国家資格者である(隣接法律専門職)。

概要[編集]

司法書士法第1条
  • 「この法律は、司法書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、登記、供託及び訴訟等に関する手続の適正かつ円滑な実施に資し、もつて国民の権利の保護に寄与することを目的とする。」(目的規定)
司法書士法第2条
  • 「司法書士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。」(職責規定)

これらの規定に基づき登記(不動産登記、会社・法人等商業登記、動産・債権譲渡登記、船舶登記など)手続き及び供託手続きや裁判所検察庁法務局に提出する書類の作成、成年後見人相続財産管理人不在者財産管理人遺言執行者等の財産管理業務などを業として行う。また法務大臣の認定をうけた司法書士(認定司法書士)はこれらの業務に加えて簡易裁判所における訴訟代理及び紛争の目的の価額が裁判所法第33条第1項第1号に定める額(140万円)を超えないものについての裁判外の和解について代理するなどの業も行うことができる。

歴史[編集]

  • 1872年(明治5年) - 司法職務定制   代書人制度の誕生 

太政官無号達で司法職務定制が定められる。『各区代書人ヲ置キ各人民ノ訴状ヲ調成シテ其詞訟ノ遺漏無カラシム』第10章の「証書人代書人代言人職制」の中に法制度を   支える基本的な職能が定められた。証書人は現在の公証人、代書人は現在の司法書士、代言人は現在の弁護士である

  • 1919年(大正8年) - 司法代書人法制定  司法代書人と一般代書人に分離された。
  • 1935年(昭和10年) - 旧司法書士法制定  「司法代書人」から「司法書士」に名称変更。
  • 1950年(昭和25年) - 新司法書士法制定  新憲法下で新たな司法書士法が成立。官の全面的な監督権が廃止された。
  • 1978年(昭和53年) - 司法書士制度の目的および司法書士の職責に関する規定を明確化。国家試験制度導入。
  • 2002年(平成14年) - 簡裁訴訟代理等関係業務規定・司法書士法人規定の創設。

資格・登録[編集]

司法書士となる資格[編集]

  •  司法書士試験に合格した者 (司法書士法第4条1号)。
  •  裁判所事務官、裁判所書記官、法務事務官若しくは検察事務官としてその職務に従事した期間が通算して十年以上になる者又はこれと同等以上の法律に関する知識及び実務の経験を有する者であつて、法務大臣が司法書士法3条第1項第1号から第5号までに規定する業務を行うのに必要な知識及び能力を有すると認めたもの

欠格事由[編集]

次のいずれかに該当する者は、上記にかかわらず、司法書士となる資格を有しない。

  •  禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつてから三年を経過しない者
  •  未成年者、成年被後見人又は被保佐人
  •  破産者で復権を得ないもの
  •  公務員であつて懲戒免職の処分を受け、その処分の日から三年を経過しない者
  •  第四十七条の規定により業務の禁止の処分を受け、その処分の日から三年を経過しない者
  •  懲戒処分により、公認会計士の登録を抹消され、又は土地家屋調査士、弁理士、税理士若しくは行政書士の業務を禁止され、これらの処分の日から三年を経過しない者

登録[編集]

司法書士となる資格を有する者が、司法書士となるには、日本司法書士会連合会の司法書士名簿に氏名、生年月日、事務所の所在地、所属する司法書士会その他法務省令で定める事項の登録を受けなければならない。平成26年7月時点の登録者数は21,366名(女性3,395名)、861法人である。

認定司法書士制度[編集]

法務大臣の認定を受けた司法書士が、簡易裁判所管轄の民事事件等一定の事件を弁護士と同様に務めることができる制度である。 なお、法務大臣の認定を受けるためには下記の条件を満たさなければならない。

  • 法務省令で定める法人が実施する研修であつて法務大臣が指定するものの課程(特別研修)を修了する。(司法書士法第3条2項第1号)
  • この研修を修了した者の申請に基づき法務大臣が簡裁訴訟代理等関係業務を行うのに必要な能力を有すると認定される。(司法書士法第3条2項第2号)

なお、法務省令で定める法人(研修実施法人)は例年日本司法書士会連合会がなっている。また、法務大臣が簡裁訴訟代理等関係業務を行うのに必要な能力を有すると認定するために能力認定考査が実施され、そこで一程度の習得があると判断されれば認定される。(司法書士法施行規則第11条)

監督[編集]

司法書士に対する懲戒は、法務局又は地方法務局の長が行う(司法書士法第47条)。

司法書士の業務[編集]

業務内容は、司法書士法第3条、第29条及び司法書士法施行規則第31条に規定されている。

通常の司法書士業務(本来業務)[編集]

司法書士法第3条第1項第1号~第5号
  • 登記又は供託に関する手続についての代理(1号)
  • 法務局又は地方法務局に提出し、又は提供する書類の作成(2号)
  • 法務局又は地方法務局の長に対する登記又は供託に関する審査請求の手続の代理(3号)
  • 裁判所若しくは検察庁に提出する書類又は筆界特定の手続において法務局若しくは地方法務局に提出し若しくは提供する書類の作成(4号)
  • 上記に関する事務に関し相談に応ずること(5号)

なお、これらの業務は資格者以外はすることのできない、いわゆる独占業務である。

通常の司法書士業務(附帯業務)[編集]

司法書士法第29条第1項及び司法書士法施行規則第31条
  • 当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により、管財人、管理人その他これらに類する地位に就き、他人の事業の経営、他人の財産の管理若しくは処分を行う業務又はこれらの業務を行う者を代理し、若しくは補助する業務(司法書士法施行規則第31条第1項第1号)
  • 当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により、後見人、保佐人、補助人、監督委員その他これらに類する地位に就き、他人の法律行為について、代理、同意若しくは取消しを行う業務又はこれらの業務を行う者を監督する業務(司法書士法施行規則第31条第1項第2号)
  • 司法書士又は 司法書士法人の業務に関連する講演会の開催、出版物の刊行その他の教育及び普及の業務(司法書士法施行規則第31条第1項第3号)
  • 競争の導入による公共サービスの改革に関する法律 (平成十八年法律第五十一号)第三十三条の二第一項 に規定する特定業務(司法書士法施行規則第31条第1項第4号)
  • 法第3条第1項第1号から第5号 まで及び前3号に掲げる業務に附帯し、又は密接に関連する業務(司法書士法施行規則第31条第1項第5号)

いわゆる成年後見人、相続財産管理人、不在者財産管理人、遺言執行者等の財産管理業務などの根拠規定である。

認定司法書士が通常の業務に加えて行える業務(簡裁訴訟代理等関係業務(認定業務))[編集]

司法書士法第3条第1項第6号~第8号

法務大臣の認定をうけた司法書士(認定司法書士)は次の業務を行うことができる。ただし目的の価額が裁判所法第33条第1項第1号に定める額を超えないものに限る。(司法書士法第3条第1項第6号から第8号及び司法書士法第29条第1項第2号)

  • 簡易裁判所における民事訴訟手続の代理
  • 訴え提起前の和解(即決和解)手続の代理
  • 支払督促手続の代理
  • 証拠保全手続の代理
  • 民事保全手続の代理
  • 民事調停手続の代理
  • 少額訴訟債権執行手続の代理
  • 裁判外の和解について代理する業務
  • 仲裁手続の代理
  • 民事紛争の相談
  • 筆界特定手続について代理をする業務

他の法律で規定されている業務[編集]

非司法書士の取り締まり[編集]

  • 司法書士会に入会している司法書士または司法書士法人でない者(公共嘱託登記司法書士協会を除く)が、司法書士の業務を行ったり、司法書士または司法書士法人の名称またはこれと紛らわしい名称を用いたりした場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられる(司法書士法第73条、第78条)。
  • 第3条第1項第1号から第5号までに規定する「業務」の定義は反復継続する意思で第3条第1項第1号から第5号の事務を行なうことであり、反復継続する意志があれば、報酬を得る目的は必要ではないとされている。(注釈司法書士法、最高裁昭和39年6月11日第2小法廷判決、大審院昭和9年3月16日判決(司法代書人法時代))
  • 認定業務は司法書士法上罰則規定はない。しかしこの業務は弁護士法の法令の別段の定めにあたるため無資格者が行った場合には弁護士法違反となる(弁護士法第72条)

業務制限[編集]

  • 司法書士は、第1項に規定する業務であつても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、これを行うことができない。(司法書士法第3条8項)

司法書士に関する組織[編集]

日本司法書士会連合会[編集]

日本司法書士会連合会は法務局又は地方法務局の管轄区域ごとに設立された司法書士会の上部組織である。詳しくは日本司法書士会連合会を参照。

司法書士会(単位会)[編集]

司法書士は、その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域ごとに、会則を定めて、一箇の司法書士会を設立しなければならない。司法書士会は、会員の品位を保持し、その業務の改善進歩を図るため、会員の指導及び連絡に関する事務を行うことを目的とする。

  • 司法書士会の会則を定め、又はこれを変更するには、法務大臣の認可を受けなければならない。(司法書士法第54条)
  • 司法書士会は、所属の会員が、この法律又はこの法律に基づく命令に違反すると思料するときは、その旨を、その司法書士会の事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長に報告しなければならない。(司法書士法第60条)。
  • 法務局又は地方法務局の長は、必要があると認めるときは、法又は法に基づく命令の規定に違反する事実の有無について、法務局又は地方法務局の保有する登記申請書その他の関係資料の調査(司法書士法等違反に関する調査)を、その管轄区域内に設立された司法書士会に委嘱することができる。(司法書士法施行規則第41条の2)

その他司法書士関連団体[編集]

上記組織の他、全国的に下記の司法書士関連団体(任意)が活動している。

  • 日本司法書士政治連盟
  • 全国青年司法書士協議会
  • 公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート
  • 全国公共嘱託登記司法書士協会協議会
  • 司法書士国民年金基金
  • 全国司法書士女性会
  • 一般社団法人商業登記倶楽部
  • 特定非営利活動法人渉外司法書士協会
  • 一般社団法人民事信託推進センター
  • 一般社団法人日本財産管理協会
  • 一般社団法人全国司法書士法人連絡協議会
  • 日本組織内司法書士協会

司法書士試験[編集]

第一のルートは、法務省が実施する司法書士試験に合格することである。司法書士試験は、まず「筆記試験」が実施され、次に筆記試験に合格した者を対象にした「口述試験」が実施される。

筆記試験は、毎年、7月の第1週(又は第2週)の日曜日に各法務局管轄の受験地で行われている。

午前の部は、多肢択一式35問を2時間で解答する。科目は、憲法民法商法会社法その他の商法分野の法令を含む)、刑法から出題される。

午後の部は、多肢択一式35問と記述式2問を3時間で解答する。科目は、択一では供託法民事訴訟法民事執行法民事保全法司法書士法不動産登記法商業登記法から出題され、記述式では不動産登記商業登記から出題される。

これら11科目が試験科目であり、民法、不動産登記法、商法、商業登記法はまとめて主要四科目と呼ばれ、出題数の大半を占めている。

口述試験は、毎年、10月中旬頃に実施される。試験科目は、筆記試験と同一の範囲からの出題となっている。(ただし、通年受験者のほぼ10割が合格する試験であり、形式的なものである。)

年度 出願者(人) 受験者(人) 合格者(人) 合格率
平成元年度 18,234 406 2.2%
平成2年度 18,533 408 2.2%
平成3年度 18,599 408 2.2%
平成4年度 18,339 403 2.2%
平成5年度 18,044 405 2.2%
平成6年度 18,266 440 2.2%
平成7年度 17,682 479 2.7%
平成8年度 19,090 504 2.6%
平成9年度 21,158 539 2.5%
平成10年度 21,475 567 2.6%
平成11年度 21,839 577 2.6%
平成12年度 22,715 615 2.7%
平成13年度 23,190 623 2.7%
平成14年度 25,416 701 2.8%
平成15年度 28,454 790 2.8%
平成16年度 29,958 865 2.9%
平成17年度 31,061 883 2.8%
平成18年度 31,878 26,278 914 2.9%
平成19年度 32,469 26,860 919 2.8%
平成20年度 33,007 27,102 931 2.8%
平成21年度 32,558 26,774 921 2.8%
平成22年度 33,166 26,958 948 2.8%
平成23年度 31,228 25,696 879 2.8%
平成24年度 29,379 24,048 838 2.8%
平成25年度 27,400 22,494 796 2.9%

職務従事経験者[編集]

第二のルートとして、一定の職にあった者の中から法務大臣による考査を経て司法書士資格を得ることである。法務大臣の「司法書士の資格認定に関する訓令」第1条に、次に掲げる者は、法務大臣に対し、資格認定を求める事ができるとあり、 (1) 裁判所事務官裁判所書記官法務事務官又は検察事務官として登記、供託若しくは訴訟の事務又はこれらの事務に準ずる法律的事務に従事した者であって、これらの事務に関し自己の責任において判断する地位に通算して10年以上あった者(2) 簡易裁判所判事又は副検事としてその職務に従事した期間が通算して5年以上の者が規定されている。その者が資格認定を求めた場合の判定は、口述及び必要に応じ筆記の方法によって行うと規定されている。

資格取得後[編集]

筆記及び口述試験合格後、または法務大臣の認可を受けた後、事務所所在地を管轄する都道府県司法書士会へ入会して、日本司法書士会連合会が行う司法書士名簿への登録を受けなければ司法書士としての業務を行うことができない。また、二人以上の司法書士を社員とする司法書士法人を設立することもできる。なお、司法書士は予備自衛官(法務職)の任用資格になっている

なお、法律上資格取得後直ちに入会・登録ができる制度にはなっているが、多くの試験合格者は業界団体の主催する研修を受け、先輩の事務所に入所し数年間の訓練を受けた上で登録・開業するのが一般的である。

司法書士の徽章[編集]

司法書士の徽章バッジ)は、「五三桐花」(意匠である「五三桐花紋」は、日本では比較的ポピュラーな家紋でもある)。直径13mm、厚さ約3mmで、裏に通しのナンバリングが施されている。司法書士徽章は、司法書士会に入会後交付され(実際には、貸与される。貸与料は、返還まで6500円)、退会届提出時、あるいは業務停止の処分を受けたときは司法書士会に返還しなければならない。

関連項目[編集]

脚注[編集]


外部リンク[編集]