アマチュア無線技士
| この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。 |
| アマチュア無線技士 |
|
|---|---|
| 英名 | Amateur Radio Operator |
| 略称 | アマ |
| 実施国 | |
| 資格種類 | 国家資格 |
| 分野 | 無線 |
| 試験形式 | 盲人は点字又は口述による。 |
| 認定団体 | 総務省(旧郵政省) |
| 認定開始年月日 | 1952年(昭和27年)7月29日 |
| 等級・称号 | アマチュア無線技士 |
| 根拠法令 | 電波法 |
| 特記事項 | 電波を発射する際には、無線局免許状が必要である。 |
アマチュア無線技士(アマチュアむせんぎし)とは、無線従事者の一種。日本の国家資格・業務独占資格・必置資格であり、総務省がこの資格の所管官庁である。
目次 |
概要 [編集]
電波は「人類共通の財産」であり、何人もこれを独占することは許されない。電波は利用できる部分の限られた貴重な「資源」であり、皆が自分勝手にこの資源を利用することは直ちにその枯渇を招くことになる。このため全世界的に、ある程度(電界強度によって規定される。)以上の電波の利用については「正当に許可された者」だけに許される「許可制」となっており、それぞれの業務目的に必要な周波数の「割当制」となっている。これはアマチュア無線についても例外ではない。国際電気通信連合(ITU)に加盟している電波利用の許可やその割当を行うのは各々の国(行政府)であり、このためアマチュア無線技士については国家資格となっている。
電波の利用は公共の福祉増進のために行われるものであるとされており、営利目的の電波利用については相応のさまざまな制限が課される。これに対して営利を目的としないアマチュア無線は、むしろ電波利用の本来の姿のひとつであり、多くの電波を「帯域」として利用することが許されている(詳しくはアマチュア無線の周波数帯を参照の事)。運用は常時、加えて無線技術の点では、全ての無線設備の設計製作、無線通信の点では、国内・国際・宇宙(人工衛星・月面反射通信など)などが許され、移動する局の範囲は、陸上・海上・上空と制限はない。
アマチュア業務を行う為には、個人に対して与えられるアマチュア無線技士(または相当資格)の無線従事者免許と、無線設備及び個人(もしくは社団)に対して与えられる無線局免許の2つが必要である。 前者は従免、後者は局免と呼ばれ、それぞれ「免許証」、「免許状」として発給・許可される。
アマチュア無線技士の資格は電波法第40条第1項第5号において第一級ないし第四級の4種類が規定され、同条第2項に基づく電波法施行令第3条第3項において、その資格の別に応じた無線設備の操作の範囲(電波の型式、周波数、空中線電力など)が具体的に定められている。なお、入門クラスとされる第四級アマチュア無線技士の資格でも、無線局(無線設備)の設計、製作、開局、通信・電波の質の管理などを含めた広範な運用まで全て個人(一人)で行うことができる。これら一連の流れは他の業務局のものと基本的な部分において差はない。すなわちアマチュア無線技士の資格を取得し、アマチュア無線局を開局して運用することなどにより、個人のそれぞれの能力に応じて、いわゆる無線に関するほぼすべての知識や技術・技能をひと通り修得、さらにその中で個人の得意な分野について深く探求することができる。
アマチュア無線は、「趣味」でありながら『国家資格』が必要で、かつ人類共通の資源である電波を利用するというスケールの大きい、また非常に奥の深い趣味であることから、かつてはKing of Hobby(趣味の王様)と言われたこともある。
時折り「アマチュア無線技師」と誤記される。
種別 [編集]
- 第一級アマチュア無線技士(略称:1アマ)Amateur First-Class Radio Operator
- アマチュア無線局の無線設備の操作
- 電波法施行令には空中線電力の制限はないが、総務省訓令「電波法関係審査基準」では、空中線電力が1kW以下(短波帯の移動しない局の場合。移動する局や超短波帯以上においては、これより低い枠が周波数帯ごとに定められている。)までとされている。1kWを超過する空中線電力のアマチュア局の開設は絶対に不可能とは言えないが、貴重な電波を有効に利用するため、全ての無線局はその業務を行うのに必要な最小限度の電力を輻射するものとされており、アマチュア局の業務を行うのに必要な最小限度の電力であることの正当で明確な理由の説明が必要となる[1]。
- また免許の扱いは総合通信局(沖縄総合通信事務所を含む。以下同じ。)決裁でなく総務省本省の総合通信基盤局回付(すなわち放送局や大電力の業務無線局の送信所同様に総務大臣直接免許)になるなど、事実上相当の困難を伴う。実際、短波帯以外における大出力が月面反射通信専用設備以外で許可された例はほとんど無い[2]。
- 第二級アマチュア無線技士(略称:2アマ) Amateur Second-Class Radio Operator
- アマチュア無線局の空中線電力200W以下の無線設備の操作
- 第三級アマチュア無線技士(略称:3アマ) Amateur Third-Class Radio Operator
- アマチュア無線局の空中線電力50W以下の無線設備で18MHz以上または8MHz以下の周波数の電波を使用するものの操作
- 従って、10MHz帯、14MHz帯の運用はできない。
- 第四級アマチュア無線技士(略称:4アマ) Amateur Fourth-Class Radio Operator
- アマチュア無線局の無線設備で空中線電力10W以下の無線設備で21MHzから30MHzまで又は8MHz以下の周波数を使用するもの、空中線電力20W以下の無線設備で30MHzを超える周波数の電波を使用するものの操作(モールス符号による通信操作を除く。)
- 従って、10MHz帯、14MHz帯、18MHz帯および4630kHzを含む全周波数帯のモールス符号による電信の運用はできない。
過去の種別には、電波法令制定当初にあった第二級アマチュア無線技士(略称:旧2アマ、現行の2アマとは異なる。)および電信級アマチュア無線技士(略称:電信アマ)、電話級アマチュア無線技士(略称:電話アマ)があった。 これらは、電話アマ(現4アマ)、3アマ、4アマとみなされる。 沿革およびその他の経過措置を参照。
相当資格 [編集]
左記の無線従事者は、右記のアマチュア無線技士に相当する操作を行うことができる。
| 第一級・第二級総合無線通信士 | 1アマ |
| 第三級総合無線通信士 | 2アマ |
| 第一級・第二級・第四級海上無線通信士 |
4アマ |
第三級海上無線通信士、海上特殊無線技士、航空特殊無線技士、陸上特殊無線技士は、アマチュア局の操作を行うことができない。
取得 [編集]
日本無線協会が実施する国家試験により取得する。また、3・4アマは、養成課程講習会を修了することでも取得できる。
無線従事者免許証は1・2アマは総務大臣が、3・4アマは国家試験の受験地または養成課程の実施場所を管轄する総合通信局長が交付する。
欠格事由の適用除外 [編集]
原則として精神病者、耳の聞こえない者、口の利けない者又は目の見えない者には無線従事者の免許を与えないとされているが、 この例外としてアマチュア無線技士は次の者には免許を与えるとしている。
| 精神病者以外の | |
| 耳の聞こえる者で、口の利けるもの | 1アマ、2アマ、3アマ、4アマ |
| 目の見える者 | 1アマ、2アマ、3アマ、4アマ |
| 上記以外の者 | 1アマ、2アマ、3アマ |
また、総務大臣又は総合通信局長が無線設備の操作に支障がないと認める場合にも適用されないこととなっており、他の資格と比較してよりゆるやかに適用されている。
国家試験 [編集]
国(地方電気通信監理局(1985年(昭和60年)までは地方電波監理局))が実施していた時期は年2回(4・10月、一次試験または予備試験については3・9月)平日の実施であったが、実施団体が日本無線協会に移行後は実施回数が増加し、4アマについて東京では毎週実施していた時期もあった。 また、実施日を平日から土日を主に、更にほとんどを日曜のみと休日の実施を積極的に行っている。
1・2アマは、年3回(4・8・12月)実施。
3アマ、4アマは、2000年代以降は、次のように実施されている。
- 本支部で年4回から13回実施。但し、実施地は本支部の所在地とは限らない。
- 東京の本部では前項に加えて月1回、同日中に受験受付・実施・結果発表・合格者の免許申請受付まで行う当日受付試験を行う。(1999年(平成11年)10月より実施。)
- アマチュア無線フェスティバルなどの行事として臨時の当日受付試験を行うことがある。(東京では原則として同月の当日受付試験が中止となる。)
試験科目 [編集]
1アマ
- 無線工学
- 1.無線設備の理論、構造及び機能の概要
- 2.空中線系等の理論、構造及び機能の概要
- 3.無線設備及び空中線系等のための測定機器の理論、構造及び機能の概要
- 4.無線設備及び空中線系並びに無線設備及び空中線系等のための測定機器の保守及び運用の概要
- 法規
2アマ
- 無線工学
- 1.無線設備の理論、構造及び機能の基礎
- 2.空中線系等の理論、構造及び機能の基礎
- 3.無線設備及び空中線系等のための測定機器の理論、構造及び機能の基礎
- 4.無線設備及び空中線系並びに無線設備及び空中線系等のための測定機器の保守及び運用の基礎
- 法規
- 1アマと同様である。
3アマ
- 無線工学
- 1.無線設備の理論、構造及び機能の初歩
- 2.空中線系等の理論、構造及び機能の初歩
- 3.無線設備及び空中線系等のための測定機器の理論、構造及び機能の初歩
- 4.無線設備及び空中線系並びに無線設備及び空中線系等のための測定機器の保守及び運用の初歩
- 法規
- 1.電波法及びこれに基づく命令の簡略な概要
- 注 モールス符号の理解が含まれる。
- 2.国際電気通信連合憲章、国際電気通信連合条約及び国際電気通信連合憲章に規定する無線通信規則の簡略な概要
- 1.電波法及びこれに基づく命令の簡略な概要
4アマ
- 無線工学
- 1.無線設備の理論、構造及び機能の初歩
- 2.空中線系等の理論、構造及び機能の初歩
- 3.無線設備及び空中線系の保守及び運用の初歩
- 法規
- 電波法及びこれに基づく命令の簡略な概要
試験の形式及び時間 [編集]
多肢選択(マークシート)式で2011年10月より、
- 1アマは無線工学150分、法規150分
- 2アマは無線工学120分、法規150分
- 3アマは無線工学・法規70分
- 4アマは無線工学・法規60分
ただし、盲人は
- 1・2アマは点字による記述式
- 3・4アマは記述式による口述試験(口頭試問)
受験料 [編集]
受験料は、平成18年(2006年)7月より1アマ8,950円、2アマ7,450円、3アマ5,250円、4アマ5,000円
| 年度 | 平成21年度 | 平成22年度 | 平成23年度 | |||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 資格 | 1アマ | 2アマ | 3アマ | 4アマ | 1アマ | 2アマ | 3アマ | 4アマ | 1アマ | 2アマ | 3アマ | 4アマ |
| 申請者数(人) | 2,118 | 1,461 | 2,332 | 4,377 | 2,166 | 1,257 | 2,383 | 3,920 | 2,274 | 1,566 | 2,757 | 4,481 |
| 受験者数(人) | 1,496 | 1,003 | 2,146 | 4,048 | 1,518 | 865 | 2,204 | 3,617 | 1,674 | 1,151 | 2,532 | 4,138 |
| 合格者数(人) | 655 | 404 | 1,646 | 2,765 | 707 | 364 | 1,697 | 2,529 | 738 | 585 | 2,035 | 3,008 |
| 合格率(%) | 43.8 | 40.3 | 76.7 | 68.3 | 46.6 | 42.1 | 77.0 | 69.9 | 44.1 | 50.8 | 80.4 | 72.7 |
| 総務省総合通信基盤局電波部電波政策課の資料による。 | ||||||||||||
試験の難易度 [編集]
- 無線工学において、確実な解答を得るために必要となる自然科学系の基礎知識の水準は、3アマ・4アマは中学校卒業程度、2アマは高等学校卒業程度、1アマは大学1年から短期大学卒業程度と言われる。しかし実際には中学校、高等学校で習う範囲のものとはかなりかけ離れた専門的なもの(各級ともにオームの法則など工科系大学の教養課程修了程度以上のものが含まれる。)である。試験の問題に出てくる学術用語・専門用語もしっかり理解出来る様にならなければならない。
- 法規においては「電波法」「電波法施行規則」「無線従事者規則」など、電波法及びその関連法令や総務省省令・政令、モールス符号(3アマ以上)の概要も理解しなければならない。すなわち各法、特に各法律用語の意味を正確に理解し、実際に各法を遵守した無線局の運用・管理(監理)等ができるか否かが問われる。これは各級ともに大学教養課程にある基礎法学などの修了程度と言われ、かなり難解な文章を読みこなすだけの十分な国語力・読解力が要求される。
- またこの資格は、金銭上の利益を目的としないだけで、いわゆる私設無線局の総合責任者資格でもあることから、「初歩」「基礎」「概要」の差こそあれ、いずれの級も無線に関する幅広い知識を問うものとなっている。このため、中学校、高等学校、大学の卒業者であっても、受験勉強は必須である[3]。但し、年齢制限もなく筆記試験は多肢選択式のため、各々の学校卒業相当の年齢以下でも合格が可能である。3歳で3アマ、小学校1年生で1アマに合格した例がある。
養成課程講習会 [編集]
1966年(昭和41年)の制度開始当初は、日本アマチュア無線連盟(JARL)が実施者に認定され、電信アマ(現3アマ)と電話アマ(現4アマ)に対し、次の計6コースが設定された。
| コース | 電話アマ | 電信アマ |
|---|---|---|
| 標準 | 受講制限無し | 受講制限無し |
| 短縮 | 選抜試験合格者及び同等以上の学歴の者 | 選抜試験合格者及び同等以上の学歴の者 |
| 移行 | 電信アマ現有者 | 電話アマ現有者で電気通信術選抜試験合格者 |
実際には電話級標準、電話級短縮、電信級移行の3コースが主で、稀に電信級短縮が実施されていた。 以後、時間数の削減、実施者の日本アマチュア無線振興協会(JARD)への移行、第4級補習コース(過去6か月以内の修了試験の未受験者及び不合格者が対象)の設定などの変遷があった。
| 年 | 資格 | 無線工学 | 法規 | 電気通信術 | 資格 | 無線工学 | 法規 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1966年 | 電信アマ | 20時間以上 | 20時間以上 | 25時間以上 | 電話アマ | 20時間以上 | 20時間以上 | ||
| 1983年 | 18時間以上 | 18時間以上 | 25時間以上 | 18時間以上 | 18時間以上 | ||||
| 1986年 | 10時間以上 | 12時間以上 | 25時間以上 | 10時間以上 | 12時間以上 | ||||
| 1990年 | 3アマ | 12時間以上 | 14時間以上 | 25時間以上 | 4アマ | 10時間以上 | 12時間以上 | ||
| 1993年 | 8時間以上 | 10時間以上 | 25時間以上 | 6時間以上 | 8時間以上 | ||||
| 1998年 | 6時間以上 | 8時間以上 | 25時間以上 | 4時間以上 | 6時間以上 | ||||
| 2005年 | 6時間以上 | 10時間以上 | 無し | 4時間以上 | 6時間以上 | ||||
| 注 総合通信局長(従前は電波監理局長、電気通信監理局長)が認めた方法による場合は変更できる。 | |||||||||
2009年(平成21年)より営利団体でも養成課程講習会を実施できることとなり新規参入が認められた。 各団体が実施しているのは、次のとおりである。
| コース | 無線工学 | 法規 | 受講資格 |
|---|---|---|---|
| 4アマ標準 | 4時間 | 6時間 | 受講制限無し |
| 3アマ短縮 | 2時間 | 4時間 | 4アマ相当の資格者 |
| 3アマ短縮は総合通信局長が認定したもので、 4アマとの差分を受講するものである。 |
|||
JARDには4アマの過去1年以内の修了試験の未受験者及び不合格者に対する再受講制度がある。
修了試験は国家試験と同等である。
| 年度 | 平成21年度 | 平成22年度 | 平成23年度 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 資格 | 3アマ | 4アマ | 3アマ | 4アマ | 3アマ | 4アマ |
| 実施件数 | 112 | 305 | 129 | 245 | 141 | 267 |
| 受講者数(人) | 3,772 | 11,365 | 4,350 | 9,391 | 4,947 | 10,137 |
| 修了者数(人) | 3,729 | 11,209 | 4,316 | 9,232 | 4,896 | 9,972 |
| 修了率(%) | 98.9 | 98.6 | 99.2 | 98.3 | 99.0 | 98.4 |
| 総務省総合通信基盤局電波部電波政策課の資料による。 | ||||||
受講料は実施団体ごとに異なる。
取得者数の推移 [編集]
| 1アマ | 2アマ | 3アマ | 4アマ | |
|---|---|---|---|---|
| 平成12年度 | 22,115 | 72,383 | 146,455 | 2,863,163 |
| 平成13年度 | 22,353 | 72,621 | 147,169 | 2,879,314 |
| 平成14年度 | 22,594 | 72,854 | 147,923 | 2,894,522 |
| 平成15年度 | 22,817 | 73,088 | 148,722 | 2,909,162 |
| 平成16年度 | 23,050 | 73,281 | 149,404 | 2,924,065 |
| 平成17年度 | 23,697 | 73,705 | 156,415 | 2,938,927 |
| 平成18年度 | 24,685 | 74,147 | 169,149 | 2,956,732 |
| 平成19年度 | 25,427 | 74,462 | 180,033 | 2,974,569 |
| 平成20年度 | 26,065 | 74,846 | 188,545 | 2,989,532 |
| 平成21年度 | 26,683 | 75,229 | 195,122 | 3,002,920 |
| 平成22年度 | 26,683 | 75,229 | 195,122 | 3,002,920 |
| 平成23年度 | 28,147 | 76,167 | 208,322 | 3,007,802 |
| 総務省総合通信基盤局電波部電波政策課の資料による。 | ||||
沿革 [編集]
1950年(昭和25年)まで続いた無線電信法には、アマチュア無線に特化した資格制度は存在しなかった[4]。 当時のアマチュア局は法規上は私設無線電信無線電話実験局であり、従事には(プロの)無線通信士の資格を要するのが基本だった。 資格を有しない者が今日的意味でのアマチュア局を開設したい場合は個々に能力試験[5]を行い、合格した申請者には「実験局従事の件が許可」された。
1940年(昭和15年)12月以降は、開局や継続には無線通信士第二級以上又は新設の電気通信技術者第三級(無線)以上の所有が絶対的条件となり、純然たるアマチュア局にもプロの資格が求められることになった。 昭和16年12月8日に私設実験局は運用停止を命じられるが、戦後の再開時に実験局時代の従事許可は無効だった。
| 年 | 変遷 |
|---|---|
| 1950年 (昭和25年) |
電波法、無線従事者国家試験及び免許規則(現 無線従事者規則)が制定された。 1アマ:アマチユア無線局の無線設備の通信操作及び技術操作 |
| 1952年 (昭和27年) |
電波監理委員会廃止、通信行政が郵政省に移管した。
|
| 1958年 (昭和33年) |
電波法令が改正、「無線従事者操作範囲令」が制定され、電信アマと電話アマが新設された。 1アマ:アマチユア無線局の無線設備の操作
従前の2アマは電話アマと見なされ、1963年(昭和38年)までに電気通信術試験に合格すれば2アマになれた。
試験の種別は、1・2アマは予備試験と本試験、電信・電話アマは本試験のみとされた。
11月5日現在有効な免許証は終身有効となった。
|
| 1961年 (昭和36年) |
無線従事者操作範囲令が改正された。 1アマ:アマチユア無線局の無線設備の操作
|
| 1964年 (昭和39年) |
1・2アマの試験が、本試験のみとなった。 電気通信術の能力は、
|
| 1965年 (昭和40年) |
電波法令が改正され、
|
| 1966年 (昭和41年) |
JARLによる養成課程講習会が開始された。 |
| 1972年 (昭和47年) |
沖縄返還に伴い、沖縄の第一級、第二級、電信級、電話級アマチュア無線技士は、各々本土の1アマ、2アマ、電信アマ、電話アマとみなされた。沖縄の旧第三級無線技術士の資格を有していた者は、無線工学の試験が科目免除となった。
計量法が改正され、周波数の表示がサイクル(c)からヘルツ(Hz)となった。 |
| 1975年 (昭和50年) |
電信・電話アマの無線従事者免許証の交付者は、地方電波監理局長または沖縄郵政管理事務所長となった。 |
| 1978年 (昭和53年) |
目の見えない者が1・2アマになれることとなった。 |
| 1981年 (昭和56年) |
無線従事者国家試験センター(現 日本無線協会)が電話アマ試験の指定試験機関に指定された。 |
| 1982年 (昭和57年) |
無線従事者操作範囲令、無線従事者国家試験及び免許規則が改正された。 1アマ:アマチユア無線局の無線設備の操作 |
| 1983年 (昭和58年) |
欠格事由の適用除外の範囲が拡大され、次の者に免許が与えられるようになった。
無線従事者免許証が手帳型からラミネート処理にかわった。また、申請にあたり医師の診断書の添付が原則として不要となった。 |
| 1984年 (昭和59年) |
無線従事者国家試験センターが電信アマ試験の指定試験機関に指定された。 |
| 1985年 (昭和60年) |
地方電波監理局が、地方電気通信監理局と改称された。
電信アマの電気通信術試験から送信が削除され受信のみとなった。
|
| 1988年 (昭和63年) |
1・2アマの電気通信術試験から送信が削除され受信のみとなった。また筆記試験が記述式から多肢選択式となった。 |
| 1989年 (平成元年) |
無線従事者操作範囲令が廃止、「無線従事者の操作の範囲等を定める政令」が制定され、翌年から施行された。 1アマ:アマチュア無線局の無線設備の操作
|
| 1990年 (平成2年) |
日本無線協会が2、1アマ試験の指定試験機関に指定された。 |
| 1991年 (平成3年) |
養成課程講習会はJARDの事業に移行した。 |
| 1992年 (平成4年) |
耳が聞こえ、口の利ける者がなれる者に4アマも加わった。 |
| 1995年 (平成7年) |
無線従事者の操作の範囲等を定める政令が改正された。
|
| 1996年 (平成8年) |
1アマの電気通信術試験から和文受信が削除され、欧文受信のみとなった。 |
| 1997年 (平成9年) |
無線局認定点検事業規則(現 登録点検事業者等規則)が制定された。
|
| 2000年 (平成12年) |
無線従事者の欠格事由にある、耳の聞こえない者、口の利けない者または目の見えない者に対する適用除外の範囲が拡大された。
|
| 2001年 (平成13年) |
郵政省廃止、通信行政が総務省に移管した。
無線従事者の操作の範囲等を定める政令が廃止、電波法施行令が制定された。 |
| 2005年 (平成17年) |
10月より
となった。 |
| 2009年 (平成21年) |
4月より営利団体でも養成課程講習会を実施できることとなった。
|
| 2010年 (平成22年) |
4月より無線従事者免許証がラミネート処理からプラスチックカードにかわり、英語で免許の内容が付記されるようになった。
10月に株式会社QCQ企画が関東総合通信局より養成課程の認定を受けた。 |
| 2011年 (平成23年) |
10月より1・2アマの電気通信術が廃止され、法規にモールス符号の理解度に関する問題が出題される事となった。
|
| 注 引用部の拗音の表記は原文ママ。 | |
外国人運用 [編集]
総務省告示 [8] による日本においてアマチュア無線を運用できる外国資格を次に示す。
| 国名 | 外国の資格 | 相当資格 | 操作範囲 |
|---|---|---|---|
| アメリカ | Amateur extra | 1アマ | 1アマ |
| Advanced | 2アマ | 2アマ | |
| General | |||
| Conditional | |||
| Technician(注) | 4アマ | 4アマ | |
| Novice | 3アマ | 3アマの内、 3.5MHz帯、3.8MHz帯、7MHz帯、21MHz帯 |
|
| ドイツ | A class | 3アマ | 3アマ |
| B class | 1アマ | 1アマ | |
| C class | 4アマ | 4アマ | |
| カナダ | Advanced Amateur class | 1アマ | 1アマ |
| Amateur class | 3アマ | 3アマ | |
| Digital class | 1アマ | 1アマの内、30MHz未満を除く | |
| オーストラリア | Amateur Licence (unrestricted) | 1アマ | 1アマ |
| Amateur Licence (limited) | 4アマ | 4アマ | |
| Amateur Licence (novice) | 3アマ | 3アマ | |
| フランス | Group A | 4アマ | 4アマ |
| Group B | 3アマ | 3アマ | |
| Group C | 2アマ | 2アマの内、30MHz未満を除く | |
| Group D | 2アマ | 2アマ | |
| Group E | 1アマ | 1アマ | |
| 大韓民国 | First Class Amateur Radio Operator | 1アマ | 1アマ |
| First Class Radio Operator for General Services | |||
| Second Class Radio Operator for General Services | |||
| Second Class Amateur Radio Operator | 2アマ | 2アマ | |
| Second Class Radio General Radio Technical Operator | |||
| Third Class Amateur Radio Operator (Telegraph) | 3アマ | 3アマ | |
| Third Class Amateur Radio Operator (Telephone) | 4アマ | 4アマ | |
| Special Radio Operator for Aeronautical | |||
| Special Radio Operator for Radio-telephone A | |||
| フィンランド | General | 2アマ | 2アマ |
| Technical | 3アマ | 3アマ | |
| Novice | 4アマ | 4アマ | |
| アイルランド | A class | 2アマ | 2アマ |
| B class | 4アマ | 4アマ | |
| ペルー | Advanced | 1アマ | 1アマ |
| Intermediate | 3アマ | 3アマ | |
| Beginner | 4アマ | 4アマ | |
| 注 モールス電信証明書所持者又は1991年2月14日以前に発給された者は、3アマ相当。 | |||
上記に加えて、アメリカのAdvanced、General、Conditional、Technician、Novice、ドイツ、フィンランド、アイルランドの資格所有者は、社団局において一定の条件の下、本国での操作範囲の操作を行える。
詳細については、当該告示を参照。
その他 [編集]
経過措置
旧2アマ、電信アマ、電話アマは、電波法改正附則により電話アマ、3アマ、4アマとみなされ無線従事者免許証の書換えを要しない。
| 資格 | 新資格 | 根拠条項 | 施行日 |
|---|---|---|---|
| 旧2アマ | 電話アマ | 昭和33年法律第140号による電波法改正附則第2項 | 昭和33年11月5日 注1 |
| 電信アマ | 3アマ | 平成元年法律第67号による電波法改正附則第2条第1項 | 平成2年5月1日 注2 |
| 電話アマ | 4アマ | ||
| 注1 免許申請については昭和33年郵政省令第28号による無線従事者国家試験及び免許規則改正附則第1項により昭和34年5月1日より施行された。 注2 施行日以降でも、国家試験合格の日又は養成課程修了の日から3ヶ月以内に免許申請したものであれば附則第2条第2項により電信アマ・電話アマとして免許された。 |
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外国での運用
外国人運用の表の国々とは、相互運用協定が結ばれ日本のアマチュア無線技士の資格で当該国で運用できるが、国毎に独自の制限が加わる場合がある。
- 操作にあたっては無線従事者免許証を所持することが必要である。また、英文の無線従事者免許証記載事項証明または英語が付記された無線従事者免許証を所持することを要求される国もある。英文証明が要求されない国でもあっても証明できる文書を所持することが望ましい。
任用の基準または受験資格
- 1アマは、電波法第24条の2に規定する登録点検事業者[9] [10]の点検員となることができる。
- 3・4アマ養成課程の講師の知識及び技能を有する者として
- 1アマが無線従事者規則第21条に規定されている。
- 2アマはアマチュア業務の経歴3年により同等以上と認められると電波法関係審査基準にある。
- 1アマはアマチュア業務の経歴1年、2アマは同3年によりJARDのアマチュア無線技士養成課程講師になれる。
- 1・2アマは、職業訓練指導員 (電子科)を受験できる。
国家試験の科目免除
かつての国家試験には、他種別の無線従事者のアマチュア無線技士に、およびアマチュア無線技士の他種別の無線従事者に対する科目免除があった。資格再編前の最終改正[11]によるものを示す。
| 現有資格 | 受験資格 | 免除科目 | 現有資格 | 受験資格 | 免除科目 | ||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 ア マ |
2 ア マ |
電 信 ア マ |
電 気 通 信 術 |
法 規 |
無 線 工 学 |
第 三 級 無 線 通 信 士 |
電 話 級 無 線 通 信 士 |
特殊無線技士 | 予 備 試 験 |
無 線 工 学 |
|||||||
| 国 際 無 線 電 話 |
無 線 電 話 甲 |
無 線 電 話 乙 |
無 線 電 話 丙 |
無 線 電 話 丁 |
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| 第三級無線通信士 | ○ | ○ | 1アマ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||
| 航空級無線通信士 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||
| 電話級無線通信士 | ○ | ○ | ○ | 2アマ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||
| 無線技術士 | ○ | ○ | ○ | ||||||||||||||
| ○ | ○ | ○ | |||||||||||||||
資格再編後は、他種別の無線従事者のアマチュア無線技士に、およびアマチュア無線技士の他種別の無線従事者に対する科目免除は規定されていない。[12]
免許証の番号
- 1字目は発給した総合通信局、2 - 3字目(昭和50年までは2字目)は免許の年を表す。
- 4字目(同上3字目)は1アマがH、2アマがI、3アマ(旧電信アマを含む。)がL、4アマ(旧電話アマを含む。)がN。
脚注 [編集]
- ^ 電波監理審議会(第861回)議事要旨 総務省平成14年6月27日公表(国立国会図書館アーカイブ 2009年1月13日収集)
- ^ “V/U 500W免許”. 7J2YAF/JN2SIP (現JS2HZM). 2013年2月4日閲覧。
- ^ 無論、試験難易度の具体的詳細については無回答であるが、過去、各級の試験が電波監理局により直接実施されていた頃、電波監理局に「初歩」「基礎」「概要」あるいは「簡略な概要」といった「言葉」について問い合わせをすると、「法文明記されている言葉解釈の範囲」として、数学はこのぐらい、物理学はこのぐらい、また法学はこのぐらいのレベルまでが要求されると回答されていた。今日でも総合通信局に同じ問い合わせをすると、同じく「法文明記されている言葉解釈の範囲」として、概ね上述の回答がされる。
- ^ 実際には後述の能力試験に一度合格すれば、再開局(含継続)時や他管轄区域へ移動の際は試験が省略された。 丹羽一夫編 「CQ誌でつづるアマチュア無線外史」 CQ出版社 1982 (関連文書の写真あり)
- ^ 岡本次雄(JA1CA)によれば、電気通信術は1988年までの1アマ程度(欧文60字和文50字の送受信)。 学科の無線工学は記述式の頃の2アマ程度だったという。 学歴や経歴によっては無試験の場合もあった。 日本アマチュア無線連盟 「アマチュア無線のあゆみ」 1976 CQ出版社
- ^ たとえば一級及び二級通信士が一アマを受験する場合、全科目免除つまり無試験で合格となった。[1]
- ^ 第一級無線通信士は全ての通信操作および二級技術士と同様の技術操作が可能なので、(実質は500Wまでだった)アマチュア局の運用もできそうだが、この資格で開設を求めても容れられなかったようである。 庄野久男(JA1AA 旧J2IB)は一級通信士の資格を有するものの、戦後の再開時には一アマを受験した。 (「私のりれき書」 CQ ham radio 1959年12月号) ただし前述の科目免除規定は、制定時には一級通信士の一アマ受験を想定していない。[2]
- ^ 平成5年郵政省告示第326号 電波法施行規則第34条の8及び第34条の9の規定に基づく外国において電波法第40条第1項第5号に掲げる資格に相当する資格、当該資格を有する者が行うことのできる無線設備の操作の範囲及び当該資格によりアマチュア局の無線設備の操作を行おうとする場合の条件(総務省電波利用ホームページ 総務省電波関係法令集)
- ^ 登録検査等事業者制度(同上 無線局開局の手続き・検査)
- ^ 登録点検事業者制度の概要(関東総合通信局 その他)
- ^ 昭和61年郵政省令第30号による無線従事者規則改正
- ^ 平成2年郵政省令第18号による無線従事者規則全面改正
関連項目 [編集]
外部リンク [編集]
- 日本無線協会 国家試験実施団体
- 日本アマチュア無線振興協会 養成課程講習会実施団体
- QCQ企画 養成課程講習会実施団体
- ラジオ少年 養成課程講習会実施団体
- 特定非営利活動法人クリスタルテック 養成課程講習会実施団体
- 日本アマチュア無線連盟
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