Q符号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Q符号(キューふごう)とは、無線通信において国際的に用いられる略記号のことで、単に略符号とも呼ばれる。
Q符号は国際電気通信条約で規定されており、日本国内においては総務省令の無線局運用規則(第十三条 別表第二号)によって規定されている。肯定文で用いられる場合と、疑問符を付加して疑問文で用いられる場合がある。Qで始まる3文字のアルファベットの一部(QRA~QTZ)はQ符号のために予約(欠番)されており、呼出符号などで用いられることはない。
本来はモールス符号による通信において、通信文を短縮することが目的であるが、アマチュア無線においては音声通信でも日常的に用いられており、規定された語法とはやや異なる意味で慣用的に用いられている場合もある(アマチュア無線における慣用的な用法については異論を唱える人もいる[1])。
目次 |
[編集] 主なもの
| 符号 | 問い(?を付加した場合) | 答えまたは通知 |
|---|---|---|
| QRA | 貴局名は何ですか? | 局名を答える(転じて日本では氏名・ハンドルネームの意、諸外国では識別信号の意に解釈されることが多い) |
| QRH | こちらの周波数は変化しますか? | そちらの周波数は変化します(通信中に周波数が変動する(ずれる)状態を指す) |
| QRL | この周波数は通信中ですか? | この周波数は通信中です(転じて"本業で大忙し、無線をやる暇もない") |
| QRM | こちらの信号は混信を受けていますか? | 混信を受けています(状況を5段階で表現) |
| QRN | そちらは空電に妨げられますか? | 空電の影響を受けています(状況を5段階で表現) |
| QRO | こちらは送信機の電力を増加しましょうか? | 増加してください(転じて上級資格取得に伴う自局設備の大出力化) |
| QRP | こちらは送信機の電力を減少しましょうか? | 減少してください(転じて小電力で運用している局のこと) |
| QRQ | こちらはもっと速く送信しますか? | 速く送信してください |
| QRS | こちらはもっと遅く送信しますか? | 遅く送信してください |
| QRT | こちらは送信を中止しますか? | 中止してください(転じて閉局や活動中断、時に運用者自身の死去を意味することもある) |
| QRV | そちらは用意ができましたか? | 用意ができました(転じて(特に移動しての)無線局の運用、また活動の再開) |
| QRX | 何時に再びそちらを呼び出しますか? | ~に呼んでください(転じて少し待ってくださいの意) |
| QRZ | 誰がこちらを呼んでいますか? | (自分の識別信号で応答する) |
| QSB | こちらの信号にフェージング(受信状態の変動)はありますか? | フェージングがあります(状況を5段階で表現) |
| QSL | そちらは受信証(QSLカード)を送れますか? | 送ります(DXペディションやコンテストで、了解ですか? または、了解です の意味で使用される事も多い) |
| QSO | そちらは~と通信できますか? | こちらは~と通信できます(転じて通信そのものを指す) |
| QSY | こちらは他の周波数に変更しますか? | ~に変更してください(転じて無線機などを売却したり、引越しなどの移動の意味にも使われる) |
| QTH | そちらの位置はどこですか? | こちらの位置は~です(転じて住所のこと) |
| QTR | 正確な時刻は何時ですか? | 時刻は~です |
[編集] Q符号から派生した用語
- QSLカード
- アイボールQSO
- 無線家が直接会うこと。目玉(アイボール)を向かい合わせることからこの名がついた。
- ラバースタンプQSO
- 必要最小限の事項を述べた定型文だけで交信を行うこと。外国語に不慣れな運用者が海外と交信する場合や、電信の初心者において用いられる。ゴム印(ラバースタンプ)で押したようにいつも同じ文面が出ることからこの名がついた。
- QLF
- Q Left Footed。左足で打鍵したような下手な電信のこと。国際電気通信条約や無線局運用規則で定められた正式な Q 符号ではなく、一種の俗語。
- QRP 運用(あるいは単に QRP)
- Q 符号の QRP から転じて、小さな空中線電力での運用を指す。何ワット以下から QRP かという明確な定義がなかったが、現在アマチュア無線では5ワット以下の局を指す。QRP 運用する無線局を QRP 局ということがある。アマチュア無線ではもっぱら QRP 運用を好むという者もいる。
- QRPp 運用(あるいは単に QRPp)
- 上記 QRP 運用を強調して、非常に小さな空中線電力での運用を指す。こちらも何ワット以下からという明確な定義がなかったが、現在アマチュア無線では0.5ワット以下の局を指す。QRPp 運用する無線局を QRPp 局ということがある。アマチュア無線ではもっぱら QRPp 運用を好むという者もいる。
[編集] 関連
- 無線用語 - Q符号以外の無線用語
[編集] 外部リンク
- 無線局運用規則
- 「不明解略語辞典」より「Q符号」(航空・船舶無線で使用されるものも含めた完全版)

