RSTコード

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Sメータ上のS表示

RSTコード無線通信、特にアマチュア無線における相手側の受信状況を報告する際のコードで、了解度readability、R)、信号強度signal strength、S)と電信での音調tone、T)の3つからなる。

RSTコードを用いた報告をRSTレポート、あるいは単純にシグナルレポートと表現する。 信号強度は本来主観値だが、現在では受信機の Sメータの読みが報告される場合が多い。了解度と音調は主観値を報告し、音声通信の場合は RS を、電信の場合は RST を使用する。 RSTコードの歴史は古く、1934年には無線通信の分野で使われていた [1]

了解度[編集]

了解度(R)は通信内容をどの程度了解できるかを表し、1から5までの数値で表現する [2]。了解度はメリットと表現されることもある。 それぞれの数値の定義は以下の通り。

R 説明
 1: 了解できない
 2: かろうじて了解できる
 3: かなり困難だが了解できる
 4: 事実上困難なく了解できる
 5: 完全に了解できる

信号強度[編集]

コリンズのSメータ

受信信号のレベルを表す信号強度(S)はどの程度の強さかを1から9までの数値で表現する[2]。数値に定義が付されているように本来主観値であるが、現在では信号強度を表す受信機の Sメータ上の読みがそのまま報告されることが多い。 受信機の Sメータが表示する実際の電波の強さは、使用するアンテナや機種により異なる。 それぞれの数値の定義は以下の通り。

S 説明
 1: 微弱でかろうじて受信できる信号
 2: 大変弱い信号
 3: 弱い信号
 4: 弱いが受信容易な信号
 5: かなり適度な強さの信号
 6: 適度な強さの信号
 7: かなり強い信号
 8: 強い信号
 9: 非常に強い信号

信号強度が 9 以上の場合、9+20dB などのように 9 以上の部分をデシベルで表現したり、あるいは単純に 9+ のように表現する場合がある。

音調[編集]

電信を受信したときの音調(T、トーン)は1から9までの数値で表現する[2]。それぞれの数値の定義は以下の通り。特に問題が無ければ 9 を報告するのが普通である。音声による通信では使用されない。

T 説明
 1: きわめて粗い音調
 2: たいへん粗い交流音で、音楽の感じは少しもしない音調
 3: 粗くて低い調子の交流音で、いくぶん音楽に近い音調
 4: いくらか粗い交流音で、かなり音楽に近い音調
 5: 音楽的に変調された音色
 6: 変調された音、少しビューッという音を伴っている
 7: 直流に近い音で、少しリプルが残っている
 8: 良い直流音で、ほんのわずかリプルが感じられる
 9: 完全な直流

米国 ARRL での音調の定義は以下のようになる [3]。こちらがオリジナルだが、より具体的な表現となっている。

T 説明 (英語)
 1: Sixty cycle a.c or less, very rough and broad
 2: Very rough a.c., very harsh and broad
 3: Rough a.c. tone, rectified but not filtered
 4: Rough note, some trace of filtering
 5: Filtered rectified a.c. but strongly ripple-modulated
 6: Filtered tone, definite trace of ripple modulation
 7: Near pure tone, trace of ripple modulation
 8: Near perfect tone, slight trace of modulation
 9: Perfect tone, no trace of ripple or modulation of any kind

アマチュア無線で自作の送信機が多く使用されていた時代には、電源の性能などが悪くリプルを含んだ音調の局があった。また無線通信の初期の時代には、十分に平滑されていない電源を使って独特の音調で送信を行う電信局があり、音を聞くだけで局を区別できたと言われている。音調の定義はこれらの時代背景を反映したものになっている。

付加コード[編集]

あまり使われることはないが、電信での信号音の品質を表すための以下のコードが知られている[3]

  • X :クリスタルオシレータで制御された安定した音
  • C :チャープ(周波数の変化)がある音
  • K :キークリック音がある

RSTコードの最後に記号を追加し、"599K" のように使用する。

RSQコード[編集]

PSK31 のウォータフォール型
スペクトル表示

RSTコードは PSK31 に代表される短波帯デジタルモードにうまく適用できないため、RSQReadability Strength Quality)と呼ばれるコードが国際アマチュア無線連合(IARU)より勧告されている [4]。 RSQコードは以下のように定義されている [5][1]

RSQ での了解度(readability)は読み取り可能なテキストの割合を示す。

了解度(Readability) (テキストの %)
R  % 説明
 1: 0 % Undecipherable
 2: 20% Occasional words distinguishable
 3: 40% Considerable difficulty, many missed characters
 4: 80% Practically no difficulty, occasional missed characters
 5: 95%+ Perfectly readable

RSQ での強度(strength)は、Sメータ上の表示ではなく、多くの短波帯デジタルモード用のプログラムで表示されるウォータフォール型のスペクトル表示で読み取れる、ノイズに対する信号の強さを示す。

強度(Strength)
S 説明 (英語)
 1: Barely perceptible trace
 3: Weakv trace
 5: Moderate trace
 7: Strong trace
 9: Very strong trace

RSQ での品質(quality)はウォータフォール型の信号表示やスペクトル表示などでのスプリアス成分などから判断する。

品質(Quality)
Q 説明 (英語)
 1: Splatter over much of the spectrum
 3: Multiple visible pairs
 5: One easily visible pair
 7: One barely visible pair
 9: Clean signal, no visible sidebar pairs

脚注[編集]

  1. ^ a b IARU. RSQ reporting for digital modes below 30 MHz. IARU Region 3, 13th Regional Conference, Document No.06/XIII/032, August 2006.
  2. ^ a b c シグナルレポート(RS/T)(JARL 資料の窓)”. JARL. 2010年6月26日閲覧。
  3. ^ a b FSD-220: Handy Operating Aid(ARRL Public Sevive)”. ARRL. 2010年6月26日閲覧。
  4. ^ RSQ signal reporting for amateur radio digital modes”. IARU. 2010年6月26日閲覧。
  5. ^ RSQ reporting table”. IARU. 2010年6月26日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]