超短波

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

超短波(ちょうたんぱ、VHF、Very High Frequency)とは超短波帯 (30 - 300MHz) の周波数の電波をいう。波長は1 - 10m。

解説[編集]

伝播の特徴としては電離層では普通反射せず地表波は減衰が大きく利用しにくいため、空間波による見通し範囲の通信が基本となる。また、スポラディックE層やラジオダクトによる異常伝播で遠くの送信局の妨害を受けることもある。

日本では業務用移動通信・無線航法 (ILS) ・航空無線船舶無線・同報無線・地上アナログテレビジョン放送FMラジオ放送地上デジタル音声放送アマチュア無線(50MHz帯、144MHz帯)で利用される。

日本のテレビのチャンネルでは1 - 12chがVHFである。2011年7月24日(岩手宮城福島は2012年3月31日)に執行された地上波テレビ放送のデジタル化後は、送信電波は全局UHFに統一された。また、通常中波を使用するAMラジオ放送局でも、混信回避の目的からVHF帯・FM放送で送信する事例[1]が存在する。なお、2012年からサービスを開始したジャパン・モバイルキャスティングNOTTV」は、VHFテレビ11ch相当の周波数を利用している。

」が付いたのは、20世紀始めまでは電波は短波までだと思われていたため。短波を上回る短波長の高周波の存在が確認されて付いた。もちろんその後も更に短い波長の高周波が確認され「極超 - 」「超高周波」などと命名されているが、日本のラジオ放送業務に交付する免許状・認定状においては、極超短波以上の周波数を用いるものを含めて「超短波放送」に区分している。

ローVHF[編集]

明確な定義は無いが、FM放送帯の76MHzよりも低い周波数帯域をローVHF (Low VHF) という。主に軍用の移動無線通信に使用されている。日本では主に防衛無線(自衛隊無線)や市町村防災行政無線(同報系)に使用されている。ノイズが多く、異常伝播による混信を受けやすい。アンテナは1/4λアンテナの場合1 - 2.5mと長いため、車載用途や携帯用途には使いづらい。

なお、中波放送の中継やマルチメディア放送に用いられるV-Lo帯とは異なる。

電波行政における超短波と短波の区分[編集]

短波(HF、3~30MHz)のうち25MHz付近より高い周波数の電波は、超短波のように利用される場合が多い。 この周波数には、(通常の)電離層伝播による遠距離通信用としての割当もあるが、27MHz帯の船舶無線市民ラジオなど地上波による通信を前提とした割当のほうが多い[2] 。 またアマチュア無線の28MHz帯では、電離層反射波による外国との交信と共に、モバイル(移動体)のFM通信やアマチュア衛星通信も楽しまれている(アマチュア無線の周波数帯)。 ちなみに無線局運用規則では、4000kHzから26.175kHzまでの周波数帯を「短波帯」としている(第2条4項)。

無線従事者の操作範囲も、この付近より高い周波数はVHFとして扱われる場合が多い。 国際電気通信連合の無線通信規則が規定する資格には、国際的にはHF以下での運用が出来ないものもあるが、日本でこれらに対応する無線従事者は25.01MHz以上でも運用できる場合がある(電波法施行令第3条1項)。 ただし第四級アマチュア無線技士が扱える28MHz帯の電力は、VHFで認められる20Wではなく、25MHz帯以下と同じ10Wである(同3項)。

脚注[編集]

  1. ^ 富山県の北日本放送・新川中継局と砺波中継局及びRBCラジオラジオ沖縄の那覇送信所以外の中継局など。2015年からは東京のTBSラジオ文化放送ニッポン放送でも使用されることになった
  2. ^ 前述のように電離層伝播することがあるので、遠方で同じ周波数を使う際に、運用許容時間空中線電力などの指定に留意が必要な場合がある。

関連項目[編集]