コスプレ系飲食店

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コスプレ系飲食店(コスプレけいいんしょくてん、Cosplay restaurant)は、二次元を中心としたおたく文化を背景に持ち、店員がコスプレをして接客を行う飲食店である。喫茶店居酒屋などを業態とする物が多い。

目次

[編集] 概要

一般的には店員(主に女性)がアニメゲーム等のキャラクターや、メイド・各種制服などのコスプレをして、接客・給仕を行う飲食店がコスプレ系飲食店と呼ばれる。

店員がメイドのコスプレを行って接客する喫茶店を特にメイド喫茶メイドカフェと呼ぶ。 現在は、メイド喫茶・メイドカフェがコスプレ系飲食店の主流であり、ほぼコスプレ系飲食店メイド喫茶メイドカフェである。この場合、コスプレという要素が重要で、「Tea Salon EARLティーサロン・アール)」(東京都渋谷区)のように制服がメイド服調なだけで、コスプレ性の無い店は一般的にはメイド喫茶に含めない。逆に「CURE MAID CAFE'キュアメイドカフェ)」のように、設立の経緯から、もしくは店員はコスプレ性の無い制服しか着用しないが、イベント時にコスプレイヤーを招くという形態を取る店はメイド喫茶と呼ばれる。どこからどこまでをコスプレ性があると言うのか、不明な点がある。

コスプレ系飲食店が登場した当初は秋葉原周辺に出店が集中していたが、次第に全国の都市へ拡大している。また、海外に進出している店舗も存在する(「ぴなふぉあ」)。

[編集] 歴史

[編集] 誕生前

コスプレ系飲食店ができる以前から、アンナミラーズなど、ウェイトレス制服に特徴がある飲食店が存在しており、この制服に一部のマニア層が注目していた。

こうした人気に目をつけ、ウェイトレスの制服をコンセプトとした「ヴァリアブル・ジオ」シリーズ(1993年~)や「Piaキャロットへようこそ!!」シリーズ1996年~)といったゲームは、その内容もあいまって急速に支持を集め、制服物というジャンルを確立した。

同時期の1999年には、制服系ジャンルオンリー同人誌即売会コスチュームカフェ」も始まり、このジャンルが今後定着し発展する要素はあった。

[編集] イベント内飲食店の登場

こうした中、各種イベントで行われる企画として、コスプレした店員による飲食店が誕生した。

一つは前述の「コスチュームカフェ」のイベント内で、女性スタッフがコスプレして喫茶店イベントを開催したものである。このイベントは好評を博し、同イベント及び姉妹イベントの「帝國メイド倶楽部」で毎回行われるようになった。

もう一つはキャラクターコンテンツ業者「ブロッコリー」が行った企画である。1998年8月に開催された「東京キャラクターショー」で、「Piaキャロットへようこそ!!」の舞台であるレストランを模した喫茶店を設置、作中の制服をまとったコンパニオンが飲食物を販売した。この企画が成功を収め、コスプレ系飲食店の下地を作ったといえる。

こうしたイベント内で行われるコスプレ喫茶は、現在でも同人誌即売会や展示会などで、主にアニメやゲームとのタイアップ企画として、タイアップ作品のキャラクターのコスプレをして、行われている。

[編集] コスプレ喫茶の誕生

東京キャラクターショーでの企画の成功を受け、ブロッコリーは1999年7月から、ゲーマーズスクエア店にて「Piaキャロレストラン」を数回にわたって期間限定で開店、話題を呼んだ。2000年5月には「カフェ・ド・コスパ」として常設運営を開始、店員はこれまでのPiaキャロットシリーズだけではなく、他の作品のコスプレもして、人気を獲得していった。

また、2000年2月、ゲーマーズ旧本店に「ゲーマーズカフェ」を開店。開店当初はデ・ジ・キャラットのコスプレをした店員がいた他、末期には「GAカフェ」「朝霧の巫女カフェ」などそれぞれの作品にちなんだコスプレ喫茶を展開した(2003年4月の旧本店閉店と同時に終了)。

[編集] メイド喫茶の誕生

2001年3月ゲーマーズスクエア店の運営権がブロッコリーからコスプレ衣装製作会社「コスパ」とその関連会社に委譲された。それとともにカフェ・ド・コスパも「CURE MAID CAFE'キュアメイドカフェ)」へとリニューアル、ウェイトレスの制服をメイド服に統一し、落ち着いた雰囲気のある空間と「癒し」をコンセプトに運営されることとなる。こうして「メイド喫茶(メイドカフェ)」という新たな業態ができた。

この業態を定着させたのが、「Cafe Mai:lishカフェ・メイリッシュ)」である。2002年7月パソコン専門店T-ZONEの新業態の1つとして、「Mary's(メアリーズ)」として開業したこの店は、店員の制服が昼はメイド服、夜はコスプレ衣装という形態をとっていた。イベントも多数行なうなどして話題を集め、急速に支持を得て成功した。以降のコスプレ系飲食店の方向性を定義づけたと言える。この店舗の成功によって、マスメディアに取り上げられるようになり、マニア層以外にも知られるようになった。この成功から、さまざまなコスプレ系飲食店が秋葉原で急増する。 尚、「お帰りなさいませ、ご主人様」というメイドが主人を出迎える(見送る)、というスタイルは名古屋・大須の「M's Melody(エムズ・メロディ)が発祥で全国に広がったものである。

メイド喫茶が急増した理由には以下のものがある。

  • 特定のキャラクターと結びついていないため複雑な権利関係に巻き込まれなかった。
  • 特定の作家が無く「メイド」という記号性のみであるため、特定のファン層に絞らずオタク文化全体を顧客対象に出来た。
  • メイド服を制服に準ずるものとして比較的穏健な取扱いがなされた。
  • 喫茶店であるため、少ない資本で開業できた。
  • そもそも、所謂オタクとしてカテゴライズされる人間が一般人やカップルなどの視線を気にせずに、ゆっくり喫茶できる店が無かったという背景がある。

特に秋葉原では以下の背景により、メイド喫茶が急増した。

  • PCの街からコンテンツの街への移行時で、この移行時に増えた客が利用する飲食店が少なく(老舗の飲食店かファーストフード程度)、喫茶としての需要があった。
  • 萌えブーム以前の秋葉原のテナントは空きテナントが多く、また坪単価が比較的安かった(坪単価1万円以下もあった)。

これら以外に、喫茶店には漫画喫茶ジャズ喫茶、ゲーム喫茶、カラオケ喫茶、歌声喫茶など、飲食だけを目的としない営業形態がこれまでも存在しており、飲食店としては邪道と見られがちな営業形態に寛容である点も大きな理由である。また喫茶店はノンアルコールを基本としておりキャバクラ等の風俗店と一線を画すことに成功したが、後述のように近年では風俗営業として指摘を受けている例も見られる。

[編集] 『メイドカフェ』の商標登録

一般的にメディアでこうしたメイド喫茶等を取りあげる場合、『メイドカフェ』という語が用いられることが多い。

過去にいくつかの企業間でこの『メイドカフェ』という言葉の商標登録を巡って争われたが、現在ではゲームメーカーアトラスのグループ企業である、パチンコパチスロ機メーカー『アトム』の商品名となっている。(2006年6月、登録4965354)

[編集] 呑み屋系店舗の拡大

2000年8月神田駅前の居酒屋蔵・太平山くら・たいへいざん)」が毎週日曜限定でコスプレ居酒屋を開始。最初はタウン情報誌「東京ウォーカー」に掲載されただけだったのが、インターネット等で急速に伝わり、予約なしに入店できないほどの人気になった。2001年11月には台東区の、秋葉原の近くに個人営業の「ひよこ家」が開店、昼間はメイド喫茶、夜間はメイド居酒屋として営業を行い、固定客を確保して定着するようになった。

2003年5月に神田駅前にコスプレパブMJ+Cエムジェープラスシー、後に新橋に移転、2005年12月閉店)」が開店して以降は、コスプレ居酒屋以外に、コスプレパブやコスプレキャバクラ、メイドバー、コスプレ焼肉店などができている。

[編集] 他地域への急拡大

急増傾向は、秋葉原以外へも波及した。

2003年2月に「Cafe Mai:lish」が吉祥寺に2号店を開店(2004年2月閉店)したのを皮切りに、首都圏では新宿中野横浜などに増えつつある。2005年からは池袋で増加傾向にある。池袋駅東口地区(いわゆる「乙女ロード」「オタク通り」)にアニメイト池袋本店などオタク向け店舗が集中しているからと見られている。

名古屋大須では「M's Melodyエムズ・メロディ、2002年9月開店)」が、札幌では「Cafe Primevereカフェ・プリムヴェール2003年2月開店)」が、神戸では「KANONカノン、2003年8月開店)」が、秋葉原を追うように開店した。2004年には大阪日本橋に開店、仙台では「fairy taleフェアリー・テール、2006年開店)」が、近年は「Cafe Dollカフェドール)」の様に地方から秋葉原に進出した店舗もあり、2007年には堺市堺区南海高野線堺東駅近くに「Moe-Cha」が開店した。その後も2008年5月現在、札幌から沖縄まで各地に店舗ができており、さらに台湾台北韓国ソウルタイバンコクシンガポールカナダトロントの各市内にも常設のメイド喫茶が、また中国北京上海フランスパリなどではイベント等での期間限定店舗が開店するまでになった。今後もこの傾向は続いて行くものとみられる。

最近は、イベントとして期間限定で開店するメイド喫茶(2006年1月の「萌えカフェin六本木ヒルズ」など)や、2006年6月に開業した移動型店舗形式のメイド喫茶など、新たな営業形態も増えてきている。

[編集] バリエーションの広がり

それまで店員の制服や店舗のコンセプトが、アニメ・ゲーム系のコスプレ、またはメイドというジャンルに限られていた状態だったが、その他のジャンルも扱われるようになった。

過去には名古屋・大須に「大須の巫女茶屋2003年2月~11月)」という、メイド同様に萌えの一ジャンルといえる巫女をコンセプトとした店舗があった。大須には以前から「飲食夜神 月天いんしょくやしん がってん。一度閉店した後「やすらぎ居酒屋 月天・がってん」として再開、現在も営業中。)」という女性店員が巫女装束を着た居酒屋もあり、マニアから注目されていた。

近年では、萌え属性の一つである「妹萌え」に着目した「妹系カフェ NAGOMIいもうとけいカフェなごみ)」、シスター教会をイメージした「St.GraceCourtセントグレイスコート)」が秋葉原に、店舗を魔法学校であるというコンセプトの元に営業を行っている「王立アフィリア魔法学院」が池袋にできており、新たな店舗のバリエーションが生まれている。

池袋には男装した女性スタッフによるボーイズラブをコンセプトに据えた(実際は男女カプ系の乙女ゲームに近い)「B:Lily-roseリリーローズ)」、メイドとともに扱われることがある執事をコンセプトにした「執事喫茶 Swallowtail」が開店し、吉祥寺にも「男装レイヤーズ Cafe & Bar Prince CROSS 吉祥寺」が開店して、女性客を意識した店舗もある。

2006年6月に渋谷にスタッフ全員が外国人で外国人執事が女性客をプリンセスとしてもてなすというコンセプトの「外国人執事喫茶 BUTLERS CAFE」が開店。日本初の外国人執事喫茶である。

2006年7月に福岡市内に九州では初めて、男性執事とメイドと男装執事が居る小さなお屋敷というコンセプトの 「Cherish Room CLOVER」が開店。同店は12Fにあり、おそらく九州で一番高所で営業中のメイド喫茶である。

2007年4月には「ぴなふぉあ」の姉妹店として「バトラーカフェ・チェックメイト」がこの種のカフェとしては初めて秋葉原に開店した(店名はコンセプトであるチェスの用語に由来。現在は「バトラーカフェ・チェックメイト」は閉店し、同じ店舗で「ぴなふぉあ2号店」として営業している)。


[編集] 企画

各店舗では客を確保するために、多種多様なサービスやイベントをしている。しかしこうした企画が営業形態自体に影響を及ぼしたり、議論の対象になる場合もある。

[編集] サービス

ポイントカードの発行や会員制サービス、店員とのコミュニケーションがとれるサービスなどがある。

コミュニケーションサービスの中には「メイドと御主人様」などのロールプレイ(「お帰りなさいませ、御主人様(女性客なら”お嬢様”)」などの挨拶で客を出迎える、客の前にひざまずいて注文を取る等)を行う、店員と客がゲームで遊ぶ、飲食物に趣向を凝らす(店員の手作りした飲食物やカクテル、店員が食べ物にケチャップで絵を描く、息を吹きかけて冷まして食べさせる等)などがある。しかし、こうしたサービスが行き過ぎれば人によっては「プチキャバクラ(ライトキャバクラ、ミニキャバクラ)」「擬似風俗」と捉えられることもあり、このような行為をしない店もある。ちなみに風適法における風俗営業の中には、飲食より女性店員の接客を目的とする喫茶店である「カフェー」が含まれている。

[編集] 飲食物

提供される飲食物は一般的な飲食店で提供されるメニューを基本としているが、全体として以下のような特徴が見られる。

  • 商品に「萌え」又はアニメ・ゲーム世界を想起させる名前を付ける。
  • デザート系を充実させる傾向がある(男性客が多い飲食店としては異例)。
  • デザート系は華やかなものが多い。
  • フード系ではオムライスが前面に出され、ケチャップソース等により装飾を施す場合が多い。大阪・日本橋ではお好み焼きたこ焼きに装飾を施す傾向がある。
  • 器の盛り付けや装飾にアニメ、アスキーアートなどのキャラクターを用いる。
  • 様々なトッピング・オプションや、味よりも色遣い・大きさ等を主眼に置いた商品など遊び要素を含む商品がある。
  • ジュース、カクテル等はオリジナルに力点を置く傾向が強い。

上記に挙げた以外にも、特徴の多くは飲食物の味の改善や新規性より店舗のコンセプトや店員のキャラクター性を補強する性質が強い。しかし中には一般の店舗よりも高級志向、グルメ指向を有する店舗も見られ、両極化の傾向が現れている。

一例として、本格的なアフタヌーン・ティーセットを供する店舗が見受けられる。ティー、スコーン/サンドイッチ、ケーキなどで、食器もティースタンドを用い、セットで 2,000 円程度が相場となっている。

展望においても後述するが、コスプレ系飲食店の中でも喫茶店の場合、調理専門の店員を置かず、注文を受けたウェイトレス(コスプレ店員)が調理して提供する形式が多い。多くのコスプレ系飲食店の店員は調理師資格を有しているわけではなく、ファーストフード店のようにどんな素人でも一定品質に調理できるようにマニュアル化もされていないことから、提供される品質が安定しない場合も散見する。しかしコスプレ喫茶利用者には、各々の味の違いを楽しむといった視点もある。このように、通常であれば明らかな欠点となる手法がコスプレ喫茶では一つのサービスとして機能することがある。

店舗内の装飾についてはオタク文化に関わるフィギュアやアニメポスターを多用するスタイルもあるが、店舗のコンセプト上から通常のオープンカフェ等と変わらない店舗や、店舗のテーマに従ってゴシック風にまとめるなど様々である。ただし消防法食品衛生法建築基準法等については通常の店舗と同様の基準が適用されることから、差異はあくまで小物や壁面の配色等に止まる。

[編集] イベント

イベントでは、各種ゲーム・アニメ等とのタイアップイベントを行なう「Piaキャロレストラン」のような)ものと、店舗独自の多様なコスプレをした店員が登場するイベントがある。

後者の場合、内容に独自性が問われ、その内容如何によっては店舗の将来を左右しかねない。「Cos-Cha」では「店員がスクール水着を着用するイベント」を開催したところ、インターネット上で急速に話が伝わり、店舗周辺に大行列ができ警察が出動した。こうした事例も「プチキャバクラ」などの認識がおこる原因の一つであろう。ちなみに「Cos-Cha」は騒動にもかかわらず以後もこのイベントを3回実施した。

店自体をイベントスペースとして、トークライブやミニライブなどを行っているケースもある。

[編集] 風適法の規制

上述したように、店舗もしくは店員によるサービスやイベントの趣旨・内容によっては、店舗やサービスの存在意義が問われることになる。「プチキャバクラ・擬似風俗であるか否か」「接客業なのか否か」「こういう形態の店舗が喫茶店と言えるのか」という議論もおきている。

2005年10月には福岡県警が、女性従業員の接客行為やサービス、特に客とのコミュニケーション行為などが「接待」に当たるとし、風適法で規定されている「客の接待をして客に遊興または飲食をさせる営業(クラブスナックなど)」にあてはまると判断した。福岡市内のメイド喫茶2店舗に対して同業種の届け出を行なうよう指導、指導を受けた同2店が風俗営業の許可申請を行った。

愛媛県警も松山市内のメイド喫茶に同様の指導を行っており、指導を受けた同店は「あくまで『喫茶店』としての営業を続ける」として、届け出は出さず、指摘されたサービスを取り止めている。11月には大阪・日本橋地区の店舗にも「店員とゲームをすることが接待にあたる」と、管轄署である浪速警察署による指導が入り、指導を受けた店舗が浪速署に「接待にあたる営業を行わない」とする誓約書を提出、該当するサービスを終了した。警視庁は2005年10月時点で都内の店舗に対しては同様の指導は行っていないとしたが、2006年11月に渋谷にある店舗が、都内では初めての行政指導を受け、その店舗は営業を休止した。2007年6月には万世橋警察署が後述するトラブル・犯罪等に関する防犯連絡会議を通じて、風適法に触れるようなサービスを行う店舗を把握する動きも見られる。2007年8月には静岡市で夜間はパブ、土日の昼間はメイド喫茶として営業していた店舗が、パブ営業の際に風適法の許可をとらずに女性従業員に接待をさせたとして、静岡中央署が同店舗の経営者を風適法違反容疑で逮捕、メイド喫茶営業の際にも接待営業があったか調べている。今後も他の道府県で同様の判断が示されるか注目されている。

これらとは別に、埼玉県熊谷市の飲食店が、メイド喫茶に業態変更した際に、埼玉県公安委員会の承認を受けずに店舗を改装し、客室総面積を以前に届け出た時から変更をしたとして、2006年3月に風適法違反(構造設備の無承認変更)の容疑で埼玉県警と熊谷署が摘発、さいたま地検熊谷支部に書類送検した。また、風適法の適用を巡る問題ではないが、2007年8月には和歌山県和歌山市和歌山県民文化会館に入居している喫茶店が月1回メイド喫茶として運営する計画を進めていたが、和歌山県側が「利用者が限られる営業は許されない」と反発、喫茶店の経営者が計画を断念した。経営者は県民文化会館の喫茶店では狭いので、別の店舗で企画を実施するように変更している。

[編集] 展開と展望

[編集] 現状

現在コスプレ系飲食店は、全国各地に拡大し続けている。そして店舗のほとんどが秋葉原に集中している。このような現状を鑑みて、「メイドカフェバブル」と揶揄する人も少なくない。一説によれば、飲食系・非飲食系全てを含めた全国のコスプレ系業態は100店舗を超えている(調査機関等による本格的な調査報告が無いため、確実な数字はない)。

店舗が増えれば、客獲得競争が激化するので、各店舗は様々な方策を立てている。主に店独自のサービスやイベントの実施、または各種メディアを活用した宣伝、等である。こうした多様な展開が様々な影響をコスプレ系飲食店に及ぼしている。

様々なサービス・イベント・宣伝などを行っても、採算が取れてる店舗はごくわずかであろう、という見方が大勢を占めている。一般的な飲食店と比較すれば、飲食物のレベルはお世辞にも高いとはいえず、固定客を確保しても回転が悪ければ収入も得られない。実際に「採算が取れない」「労使間のトラブル」など様々な理由で閉店に追いこまれた、または店員が他店に移籍した店舗が多数存在する。人気店員の引き抜きも起きており、人気店員が移籍した場合、そのファンの客も移籍先の店舗に流れる事も珍しくない。(人気店員の引き抜きは秋葉原では確認されていない)

だが一部では過剰な「アキバ系萌えサービス」を廃し、フードメニューや紅茶やコーヒーに対する専門店並のこだわりを売りにしたメイド喫茶店も徐々に出てきている。「アキバ系萌えサービス」といっても秋葉原では風営法の許可が必要な店舗はメイドカフェの中ではなく、風営法の許可が必要となったのは福岡のメイドカフェのサービスから。

大阪・日本橋には、既存のカフェレストランから業種転換して幅広い客層を取り込み成功した「e-maidイーメイド)」や、オープン前に洋食店へ修行に行き本格的に料理の腕を磨いたメイドが在籍し、内装デザインもメイド自身が手がけた「Love Charmラブチャーム、後に閉店)」という店舗があり、萌えだけではなく、穏当な価格設定やフードメニューも質と量ともに充実させるという理念を掲げた店も登場している。ただし秋葉原では2007年3月の「ショコラッテ」閉店からフードメニューの充実がメイドカフェの売上に貢献するとは限らないという風潮が高まり、フードメニュー以外の商品、グッズ、撮影などからの売上を視野に入れるようになっている。

サービスの項目でも触れているが、コスプレ系飲食店は通常の飲食店の定石が必ずしも正しいとは言えない一方、あくまで飲食店であることからコスプレや店員の質にのみ注力しても経営は成立しえない。また、黎明期はアニメ・ゲームの販促としてある規模を有した資本により経営された店舗もあるが、現在は多くが個人経営で脆弱な資本を基に経営を行っており、店員の質も引き抜き合戦が起きることからもわかるとおり、単純な募集活動や店内での訓練によって得られるものではない。これらのことから既存の飲食店に対する経営分析等は適用できず、各店舗が未だ模索段階にあると言える。

こうした状況の中、乱立状態にあるメイド喫茶やメイド関連業種の初の業界団体として2007年4月に「CANDY FRUITキャンディフルーツ)」が中心となって『日本メイド協会』が設立された。協会加盟の会員間の情報交換や、従業員の教育やセミナーの開催、統一基準による検定試験の実施、メイドの普及や地位向上などを主目的としており、法人・個人を問わず入会を呼びかけることにしている。また、2007年6月に「ミアグループ」が中心となった「日本メイド喫茶協同組合」が設立されており、業界の覇権争いと見る向きもある。いずれの団体も活動としては自社、関係者の加入に留まっている。2007年10月13日に日本メイド協会による第1回メイド検定が実施され、全国各地から約60名の女性が受験した。しかしこの検定内容はあくまでキャンディフルーツ独自の解釈のため、ただの検定ビジネス、個人情報の収集目的という批判が集まっている。

一方で、秋葉原以外の地区を中心にコスプレ系飲食店だけでなく、他の店舗との競争に打ち勝つために、そして急速に一般化した現状に対応するため、あえて「ミニキャバクラ」という認識の元でメイドだけではない、コミュニケーションサービスを重視した、もしくは脱オタク路線をとり、一般受けしやすい店舗運営を行う経営者も出てきている[1]

[編集] マスメディアの活用と影響

客層を拡大しようとインターネットやマスメディアを活用する店舗も多い。特にマスメディアの効果は絶大で、非オタク層など新たな客層が増えてきており、売上げを上昇させている店舗もある。店員をアイドルデビューさせる店舗も出てきている。

しかし、マスメディアが取り上げる店舗の偏りも指摘されており(マスメディアを活用する店が限られているという実状もある)、マスメディアによる「メイド喫茶のイメージ」が固定化し、それが一般に定着してきている、という声も少なくない。 例えば、メイド喫茶におけるメイドの振る舞いは、完全に日本独自の解釈であり、語源の意味を無視した和製英語のようなものである。本来は個人宅での使用人だが、店舗で雇用されていれば単なる「従業員」である。店舗従業員に制服やマニュアルに沿った言い回しがあるのは当然である。つまりメイド喫茶とは、従業員がエプロンドレスを制服として、使用人のような言い回しで接客するものである。 したがって、メイド喫茶を含むコスプレ系飲食店にも他の業種と同様に店舗独自の個性があって当然なのだが、一度歪曲された状態で固定されたイメージを覆すのは難しい。またマスメディアが特定の店舗ばかりを取り上げやすく、ただ「萌え」「アキバ系」等の符号の一つとして、流行として安易に取り上げる現状は楽観視できない。

マスメディアの宣伝が新規参入に拍車をかけている実状もある。新規参入組の中には、飲食店の営業経験がない企業・個人によるものや、性風俗水商売からの参入と思われるものもおり、店舗としての営業・サービスの質が問われることも少なくない。特に性風俗・水商売系と思われる店舗では、通常の飲食店を名乗ってはいるものの、実際は性風俗・水商売まがいと見受けられるような店舗もあった。マスメディアが取り上げた事象を真に受け、オタク文化を研究せずに安易に流行に乗る形での開店が増えた、と見る向きもある。

2005年12月にユーキャン流行語大賞で「完全メイド宣言(秋葉原のメイド喫茶「@home cafe」従業員によるアイドルユニット)」が「萌え~」で受賞している。しかし、メイド喫茶は萌え産業では明らかに後発の分野であり、「萌え」が流行するに至った過去の経緯などを一切無視した「売名行為」ではないかと受賞を疑問視する声もある。

2006年5月22日毎日新聞大阪朝刊に亀田早苗による「メードカフェ:女性記者が体験 『ご主人様、大丈夫か?』」と題した論説が掲載されたが、その内容に対して「独善的」だとする批判もある([2], [3])。

[編集] トラブル

コスプレ系飲食店がメディアに取りあげられ、口コミでも急速に話題になったことから、さまざまなトラブルも顕在化するようになった。店舗内で大騒ぎしたり、後述のようにトラブルを起こすなど、一部の客のマナーも問われる事例も増えてきた。客側の問題も考えなければならない状況になっており、各店舗は店内掲示やインターネットの公式サイト上などで、客に対して注意を呼びかけているが、マスメディアでの取り上げ方ではこうした事が中々伝わりにくいのも現実の一つだといえる。

トラブルの中でも最たるものとして、「盗撮」行為が挙げられる。通常のカメラ・デジタルカメラや携帯電話等のカメラなどを使って無断撮影されることが多く、店舗の雰囲気を乱し、店員のプライバシーの侵害ともなるため、基本的にほとんどの店では撮影禁止にしていることが多い。(ポイント制サービスで許可している店舗もある)店舗によっては携帯電話の取り出し・使用すら禁止にしている所もある。

また、人気店員に対する「ナンパストーカー」行為やインターネット上での「誹謗中傷」なども多発している。

一部の人気店員はコミックマーケット東京ゲームショーなどにおいてコスプレイヤーや企業ブースのコンパニオンとして活躍していたり、ネットアイドルとして人気を博している者もいる。また、度重なるマスコミの報道で、店員がさながら芸能人アイドルのように持ち上げられ(特にバラエティ番組では主にお笑い系の芸能人が店員の媚びを売るかのような接客に対し、過剰にメロメロになる様が面白おかしく報道された)、一部の客の歪んだ想いが引き起こした結果といえるが、多くの店員はあくまで一般人である事を考えると、憂慮せざるを得ない事態を招きつつある。ただし「@home cafe」従業員によるアイドルユニット「完全メイド宣言」のようにCD・DVDの発売や大学・学園祭などへの参加を通じて“メイド”をアイドル化させた(過剰な宣伝を繰り返した)ことで店側が客を煽っていたケースもあるため、客のモラルだけでなく店側のモラルを問題視する声もある。

さらに、秋葉原を中心に他店への「引き抜き」行為なども店舗間では深刻となっている。店員の質がそのまま客の入りに直結するだけに、経営者は引き抜きに対して非常に神経質になっている。そのため、最近は秋葉原を避け、新たな客層を求めて渋谷・池袋などに開店する店舗も増えつつあり、また、従業員のコスプレについても「メイド」以外の新しいスタイルを模索する店舗も(少しずつではあるが)出始めている。

2006年1月には秋葉原地区の「CAFE&DIMENSION」で、閉店後に男性が押し入り、帰宅しようとしていた女性店員に凶器を突きつけて脅し、猥褻目的で連れ出すという事件が発生した。店を出た直後に付近を通りがかった警ら中のパトカーによって女性は保護され、男性は営利誘拐の現行犯で逮捕された。当該店舗はこの事件を重く見たのか、一時閉店に追いこまれるという事態に発展した(その後従業員や常連客などの再開を熱望する声が多く、結果として再開することとなる)。また別の事例として、同年10月には秋葉原の路上でチラシを配っていた女性店員に男性が近づき、店に案内させ階段で刃物を突きつけわいせつな行為に及んだものの、女性店員が声をあげたため男性は逃走し、未遂に終わったという事件もおきている。これ以外にも同様の事件が数件おきており、こうした「メイド狩り」と呼ばれる行為に対し警視庁が調べを進めているが、一部では上記にも紹介されているような“イベント”や“引き抜き”による「店舗間の競争」によって経営難に陥った店舗が話題作りのために自作自演したケースもあり、警察関係者の間からは「事件が起きるたびに、“話題作りのために振り回されるのではないか”と不安になる」と不満の声も出ている。

また、風俗店だと勘違いして来店する客もいるようで、接客する女性がキスをされる、胸を触られるなどのトラブルも起きている。こうしたトラブルを防止するために「当店は風俗店ではありません」という内容の看板や注意書きをする店も増え、秋葉原の老舗のひとつ「CureMaidCafe」では「元祖メイド喫茶」から「元祖癒しの空間」にキャッチコピーを2006年の5周年リニューアルから変更を行った。

さらに最近では置き引きの被害にあった客も出てきており、件数も2006年の1年間で22件だったのが、2007年では5月末の時点で29件に増加しているという報道があった。実際には秋葉原のコスプレ系飲食店での事件の件数ではなく、万世橋警察署の所轄地域内にあるネットカフェ、ファーストフード店などでの被害であり、コスプレ系飲食店での事件はマスコミ報道された3件のみであることが6月の万世橋署で行われた「秋葉原地区メイドカフェ等防犯連絡会議」で報告されている。これらの事件はいずれも万世橋署に被害届が出されたもの。

勿論こうした一連のことから見ても客のモラルやマナーも考える必要もある。それとともに、店舗側も店舗自体もしくは店員の安全・危機管理も問われていると言っていいだろう。こうした一連のトラブルを鑑みた万世橋警察署と千代田区などが2007年6月に「秋葉原地区メイドカフェ等防犯連絡会議」を設置、各店舗に対して防犯対策を喚起しており、今後連絡会のような組織を作る事にしている。

逆に、客では無く店側がトラブルの元凶となってしまったケースもある。2005年に名古屋駅近くでコスプレ喫茶「moexレイヤーズ」が開店したのだが、警察の許可を得ずにコンパニオンがコスプレをしたまま公道で客引き行為を行った事が問題となり、店の責任者が警察から行政指導を受けるという事態になってしまった。なお、この店は2006年2月をもって閉店している。

[編集] 飲食店以外のコスプレ系業態

秋葉原を中心に、コスプレ系飲食店とは別の形で、コスプレをした店員を常駐させた新たな業態が展開されている事例もある。

おそらくこうした形での元祖といえるのが、漫画専門古書店まんだらけ」だと言えるだろう。現在のようなコスプレを主体とした店舗ができる以前から「コスプレ店員」を常駐させていた。

2000年ごろから、秋葉原に店舗を構えるインターネットカフェ漫画喫茶ゲームセンターではメイド服を制服にした、もしくはコスプレをした店員が常駐する店がでてきている。現在では更にリラクゼーションマッサージリフレクソロジー)店(マッサージ店単独で営業されている店舗と、メイド喫茶に併設されている店舗とがある)やパチンコ店、雀荘美容室眼鏡店、カラオケボックスなどにも広がりをみせ、漫画喫茶やゲームセンターでも秋葉原以外の地域にコスプレ店員を常駐させている店舗ができるようになった。

2005年には「メイドホテル」と銘打った宿泊施設も登場、マスメディアやインターネット上で話題となったが、採算が取れずに1ヶ月ほどで閉館となったというケースもある。

[編集] 出張メイド・イベントコンパニオン業

「出張メイドサービス」という業態もできている。福岡の「maidear(メイディア、現在は営業終了)」がその始まりで、メイドの衣装を着た女性スタッフが派遣され、依頼者の部屋の掃除や洗濯を行うもので、その後コスプレ衣装制作会社「キャンディフルーツ」が東京で同様のサービスを開始、マスメディアに取り上げられた事から話題となり、同業者も急増している。興味深いことに、このサービスにはオタク層だけでなく、ごく普通の主婦の間でも少なくない利用があるという。

2007年には石川県金沢市にメイドが同乗し買い物や観光などでの外出を補助する「メイドたくしー」なる福祉タクシーが登場したが、障害者を装った健常者のみの利用が相次ぎ、国土交通省が定める福祉限定許可から外れ、道路運送法に違反する恐れがあるとして1ヶ月で廃業した。

「出張メイドサービス」と類似するが、一般的なイベントコンパニオン業態の範囲内に収まる、コスプレイヤー専門又はコスプレ衣装を着用したアニメ関連企業向けに特化したイベントコンパニオン派遣企業も存在する。通常のコミケ会場企業ブースでのイベントコンパニオンはこれまで、モーターショー等でみかけるモデル体型のイベントコンパニオン又は企業対コスプレイヤー個人の直接契約によるイベントコンパニオンが主であったが、秋葉原のメイドカフェ「ミアカフェ」が運営するコスプレイベントコンパニオン専門派遣企業「ミア・スタッフ」がコスプレイヤーに特化したイベントコンパニオン派遣サービスを展開している。同様に、コスパやキャンディフルーツなどのコスプレ衣装メーカー数社が類似のサービスをイベント向けオーダーメイドコスプレ衣装納入の一環として行なっている。

また、海外でも、男性が全裸に蝶ネクタイ、シャツの襟・カフス、尻を露出したエプロンのみの格好で、パーティーなどでサービスを行う「執事コンパニオン」ビジネスがスタートした。ストリッパーの趣味の良い代わりとなる存在として注目を集めている。

  • 参考:
    • 原文 -- No Sex please, we're British butlers, Tue Jun 6, 2006, By Paul Majendie ロイター

[編集] その他

なお、同種のものに「コスプレ風俗」というものがあるが、これに関しては「コスプレ (性風俗用語)」を参照されたい。

[編集] 関連項目

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