ツンデレ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ツンデレは、「ツンツンデレデレ」の略でありキャラクターの形容語のひとつ。

「初め(物語開始段階)はツンツンしている(=敵対的)が、何かのきっかけでデレデレ状態に変化する(変化の速度は場合による)」、あるいは「普段はツンと澄ました態度を取るが、ある条件下では特定の人物に対しデレデレといちゃつく」、もしくは「好意を持った人物に対し、デレッとした態度を取らないように自らを律し、ツンとした態度で天邪鬼に接する」ような人物、またその性格・様子をさす。

イミダス2006』(2005年11月発売)に記載があることから、2005年前後から一般にも注目されるようになったと見られる。本項では後者の由来となったインターネットスラングとしての「ツンデレ」を主に記述する。

目次

[編集] 概要

現在ではおたく用語を起源とするインターネットスラングであるとされ、そのため定義も多様で、確定していない。解釈は流動的かつ感覚的であり、用法の拡散・細分化も著しい。よって大衆に一致したツンデレ像があるわけではなく、用例も性別、人間・非人間の別に左右されず、関係や出来事に至るまで幅広い。

以上の理由より、それがツンデレに該当するのかどうかは話し手・書き手の主観に委ねられる。

ただ基本的には「ツンツンしている面」と「デレデレしている面」の二面性をあわせもつ人物がいて、その二面性のギャップが当人の魅力を効果的に引き立てている場合にツンデレと呼ぶようである。逆にいえば、いくらギャップがあってもそれが魅力につながらない場合はツンデレとは呼ばれ難いようだ。つまり、ツンデレとは好意的に使われる一種の褒め言葉であるといえるだろう。

当人にとってはあくまで「不器用な好意」「障壁のある愛」の表現であり、当人も好意を寄せられている相手も、第三者から指摘されるまでツンデレを自覚していない場合が多い。

受け手にとっては、意のままにならなかった相手に心を開かせる支配欲、もしくは相手に身も心も委ねてしまう被支配欲を満足させる形になる。そのためツン状態(相手を邪険に扱う状態)にも強い感情・関心を伴う点が重要な要素である。恋愛感情や尊敬の念、母性本能や嫌悪感にせよ、同じくらい強い動機を持ったツン状態とデレ状態(相手にあからさまな好意を向ける状態)のギャップが受け手にとっての魅力となる。

[編集] 各文献における記載

用語辞典などに掲載された、「ツンデレ」の意味に関する記述を挙げる。

『イミダス2006』(2005年11月発売、集英社)
「日常ではツンとしているものの、思いを寄せた人と二人きりになると、デレっとすること」[1]
現代用語の基礎知識2007』(2006年11月発売、自由国民社)
「普段はツンツン、二人っきりの時は急にしおらしくなってデレデレといちゃついてくるようなタイプのヒロイン、あるいは、そのさまを指した言葉。」[2]
「素直クールはツンデレと正反対の属性として命名された。しかしながら、ツンデレ同様、完全な定義というものは存在しない。」[3]
知恵蔵2007』(2006年11月発売、朝日新聞社)
「オタク用語から一般に浸透しつつある言葉で、普段はツンツンとしているが、ある条件下になるとデレデレといちゃつく状態や人物を指す。」[4]
『ダ・ヴィンチ』2007年2月号(2007年1月発売、メディアファクトリー)
「もともと好きな異性の前でデレッとしてしまいがちな女性がそうならないように自分を律してツンツンしているというように、一つの性格の中で移行するのが、ツンデレ。」[5]

[編集] 事例

用語辞典などに、ツンデレとして紹介・掲載されたキャラクターや人物を挙げる。

[編集] その他の事例

[編集] 歴史

[編集] 当初

  • 最初期の用例として2002年8月29日の『あやしいわーるど@暫定』における投稿に、『君が望む永遠』の大空寺あゆについて「ツンツンデレデレが良い」、またその後『秋桜の空に』の佐久間晴姫に対して「ツンデレ」とした記述が確認されており、この時期すでに用いられていたことが窺われる。
  • ほどなく恋愛シミュレーションゲームのマニア用語として、登場人物との関係が当初は険悪だが、良好な状態に変わっていく攻略過程を楽しめる人物の事を指し始めた。[要出典]これら人物は、険悪な状態からストーリーが始まるため、攻略過程が他の人物に比べて難しいケースが多々あり、ストーリーや演出によりプレイヤーもが思い入れを深くする事ができる。恋愛シミュレーションゲームにおいてはいわば定番キャラであり、多くのこれらゲームでツンデレキャラが採用されている。
  • ほどなくして恋愛シミュレーションのみならず他のジャンル作品においても、時間経過によりツンからデレ状態に変わる人物をツンデレと称し始めた。この時間経過説が現在でも用いられている狭義説である。

[編集] 広がり

2ちゃんねる内においてエロゲー板を中心に露出を重ね、ほどなくして2005年ニュー速VIP板での流行などを経て既成事実的に定着していった。さらに、単純な四文字言葉であるための用便の気軽さと「勘違いしないでよね!」などのわかりやすいフレーズとともに各方面に広まり、それに従って「ツンデレ」という言葉を用いる対象(範囲)も以下のように広義に拡大していった。

  • 個人の性格や恋愛関係そのもの、それらを含む場面や出来事全体をも指して言うようになった。
  • ツンデレ=二次元女性キャラであったものが、実在の女性のみならず、男性キャラや同性愛、九州男児[要出典]など実在の人物や分類に対して使用されることが多くなった。
  • 更に範囲を動物・事物の振る舞いまで拡げ、猫が勝手気ままに行動する、機械が大事なところで故障するといった場合の猫や機械をツンデレと評するなどが挙げられる。アニメ・ゲーム制作者側がツンデレを積極的にアピールする事例も増え、映画『クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!』(2006年)ではツンデレがギャグとして用いられている。
  • バトル漫画において、主人公がピンチに陥った際「後で自分が倒すまで、主人公には斃れて貰う訳に行かないから」という理由で颯爽と助太刀に現れるライバルキャラのことがツンデレと呼ばれたこともある(『ドラゴンボール』のベジータ等)
  • 野球系シミュレーションゲームパワプロクンポケットシリーズ(8以降)にはツンデレキャラが登場し、若年層にも認知の広がりを見せている。(8では雪白冬子、9では霧生夏菜、10では天月五十鈴、神条紫杏) 当該ゲームをこういったキャラのために購入する人もいるとされる。

[編集] 流行とその後

2006年にかけて、週刊誌などマスメディア上で「ツンデレ」の語が用いられた[6]。これは例えばティーン向けファッション雑誌で理想の恋愛像や魅力的な女性像などとして紹介するもので、この場合以下のような観点から特殊な用例であると考えられる[要出典]

  • 交友が深まるにつれてデレデレになっていくのは普通の恋愛過程であり、これは「デレた」とは言えても「ツンデレ」とは言えない。ツンデレの場合は最初から相手への関心が強く、その気持ちの方向性がプラス(デレ)かマイナス(ツン)かの違いであるというだけで、相手に向ける気持ちの量はツンのときも、デレのときも同じである。またツンからデレに移行するときの落差や期間がかなり急で、ツン状態やデレ状態の峻別が明瞭である。
  • マスメディアでは自立した人であるとかこだわりを持った人、クールな人などとをツンとして紹介されることも多い。ツンの認識に個人差があるとはいえ、ツンのみで一つの性格を成しうるものではなく、あくまでデレとともに対照的かつ表裏一体をなす性格を指す。

ツンデレキャラにはまっている人たちを「ツンデレラ(ツンデレラー)」または「ツンデラー[4]」と呼ぶことがあるが、「ツンデレ」ほどは浸透(普及)していない。「ツンデレラ」は2006年の新語・流行語大賞にノミネートされたが入賞はしなかった。

2007年1月末に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれた新作おもちゃの流通関係者向け展示会「トイフォーラム2007」で、使い込むにつれ音声ガイダンスの態度が軟化するという「ツンデレ」ナビゲーションモードを搭載したワンセグ携帯テレビがタカラトミーから発表された。これは同年、関連会社のイー・レヴォリューションより発売された。

[編集] 脚注

[ヘルプ]
  1. ^ a b 『イミダス2006』、958頁、「『萌え』ロジー」(監修:株式会社虎の穴峯嶋敦)の記事中、「主な萌えの属性とキャラクター」の項より
  2. ^ 『現代用語の基礎知識2007』、1238頁、「さまざまなことば」(文:コラムニスト稲垣吉彦)の記事中、「ツンデレラ」の項より
  3. ^ 『現代用語の基礎知識2007』、1247頁、「趣味と萌えのことば」(はてなダイアリーより)の記事中、「素直クール」の項より
  4. ^ a b c 『知恵蔵2007』、125頁、「2006年の流行語・世相語」(文:社会学者稲増龍夫)の記事中、「ツンデレ」の項より
  5. ^ 『ダ・ヴィンチ』2007年2月号、67頁、「ハルヒとキョンの関係から探る〈ハルヒ〉人気の秘密」(文:精神科名越康文)より
  6. ^ [1]

[編集] 文献情報

  • 「ツンデレ属性と言語表現の関係―ツンデレ表現ケーススタディ―」 冨樫純一(大東文化大学専任講師)シンポジウム「役割・キャラクター・言語」(2009/03/28,29 神戸大学百年記念館)[2]

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク