眼鏡キャラクター

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「真美人」 楊洲周延画。眼鏡をかけた明治時代の女性。

眼鏡キャラクター(めがねキャラクター)とは、眼鏡をかけていることが特徴の一つとなっている人物をあらわす言葉。明確に定義された言葉ではないが、眼鏡の有無をキャラクター分類の基準にすることは広く行われている。

概要[編集]

眼鏡は視力を矯正する道具であり、眼鏡を掛けているということはその人の裸眼での視力が低下している(目が悪い)という印象を持たせることになる。この印象からさらに「勉強のし過ぎで目が悪くなった」という類推が生まれ、結果として「眼鏡を掛けている=頭がいい」というイメージが生まれた。また、単純に「目元」を強調することが知性の高さをイメージさせるという効果もあると思われる。

これを利用すると、ファッションであれば眼鏡を着用することで知性的なイメージをかもし出すことが可能になり、またフィクションの世界では頭のいい登場人物に眼鏡を掛けさせることで外見と性格を一致させ、より印象の強いキャラクターを作ることが可能になる。

ただし、最近はファッション性に富む眼鏡が広く知れ渡っているものの、それ以前はレンズが極端に厚い「瓶底眼鏡」(渦巻きを書き込むことでこれをさらに強調する)など、あまり見た目の良くない眼鏡のほうが認知度が高く、眼鏡を掛けることはむしろイメージを下げることでもあった。

現在では眼鏡キャラクターに一定のファンがいることが認知されている。多くのフィクションでもこれらのファン(特に異性キャラのファン)を意識したキャラクターが存在し、現在では萌えのジャンルの一つに挙げられることもある。

フィクションにおいては普段は冷静に保っているが、何らかの拍子で眼鏡が外れてどこかに行ってしまうと、「メガネメガネ…」と足元を探したり、眼鏡が曇ったり泥がついたりなどのアクシデントで見えなくなってしまうと、それぞれにおいてパニックになることがあったり、眼鏡がないと壁や電柱に頭をぶつけたり、精神的ショックを受けて眼鏡が割れるなど現実ではありえないことが古典的に用いられる。

漫画表現における描写[編集]

眼鏡の装着によってキャラクターの外観を大きく変えることなく、個性も表現するための漫画的デフォルメ描写として、目にかかる部分を省略する、あるいは逆ナイロールフレーム(アンダーリム)や鼻眼鏡が用いられることがあり、キャラクターの瞳の印象が見た者に素直に伝わる。そのため、瞳を大きく描く美少女系の絵柄(萌え絵)においてはこの表現が用いられることがしばしばある(また、場合によっては敢えて目に重ねたまま省略せずに描かれる場合もある)。また、キャラクターの造形もしくは絵柄(前述の美少女系も含む)によっては普通の眼鏡を掛けさせることが困難な(あるいは、かけさせると不格好となる)ため、それを回避するためにこの表現を用いることもある。

呼称[編集]

女性キャラに対しては「メガネっ娘」「メガネ女子」、男性キャラに対しては「メガネ君」「メガネ男子」という呼び方がある。特に「メガネ男子」は女性が男性眼鏡キャラに使う呼称として有名であり、女性向けに男性眼鏡キャラを特集した本のタイトルにもなっている。

少年のメガネキャラといえば、『ドラえもん』の「のび太」が有名である。連載初期当時、眼鏡をかけたひ弱な少年が主人公という設定は斬新であったと原作者は語っている。

男女共通のものとしては「メガネっ子」があるが、同じ発音である「メガネっ」が存在する影響で、男性に対してこの呼称を使う機会は少ない。

「メガネっ子」、「メガネっ」の呼称起源に関する明確な資料が存在しないため正確な成立時期は不明である。現在確認可能なものでは1980年代に話題になった漫画Dr.スランプ』とそれを原作としたアニメーション作品がある。この作品内では既に主人公「則巻アラレ」に対してこの呼称が使用されている。

評価[編集]

先述のとおり、眼鏡キャラクターには眼鏡を掛けることで知的さがアップしているもの、逆にドジ性や野暮ったさ、おたく性を強調させているものが存在する。

黒石翁(作家・石黒直樹ペンネーム)は、いわゆるドジッ子を除く多くの知性的な女性の眼鏡キャラクターについて、相手に威圧感を与える・相手より優位であることを眼鏡を掛けることで暗に示していると指摘している。一方、心理学者の香山リカは、男性の眼鏡キャラクターに女性ファンがいることについて、眼鏡を掛ける=視力の悪さというハンディキャップを背負っているという感覚が一般的にあることを指摘し、安心感や信頼感が生まれていると考察している。心理学者の内藤誼人は、フィクションの世界では眼鏡をかけたキャラクターが相対的には希少であるために、希少性の高いものに惹かれる人間の心理が眼鏡キャラクターを魅力的に見せているのではないかと考察している[1]

良いイメージの眼鏡キャラクターの概念が登場したのは最近であり、それ以前は、洗練されていないというイメージの象徴でもあった。さらにフィクションでは眼鏡を掛けている姿を仮の姿とし、眼鏡を外すと元の人物に戻るなどという演出も存在した。実際スーパーマンは一般人として能力を抑えている間は眼鏡を掛けており、映画や漫画では「眼鏡を外すと素顔は美人である」という演出が定番の一つであった(アイザック・アシモフが『アシモフの科学エッセイ』中でこのことを“ハリウッドで使い古されたネタだ” “知性の象徴である眼鏡を捨てることを美化するのは、無学を礼賛する愚劣極まりない行為”と批判しており、「眼鏡を外すと美人」はこの当時すでに使われていたといえる)。現在はそのような演出はまれであり、眼鏡を掛けているときこそが素顔とする考え方さえ存在する。しかし、眼鏡を掛けたファッションモデルは男女問わずいない[2]事で分かるように、眼鏡をかけている人は野暮ったい、というイメージは未だ多くの人に持たれている。

日本国外での事情[編集]

日本国外でのフィクションに登場する日本人の多くは眼鏡を掛けているとされる。日本人=眼鏡というイメージは古くからあり、ビゴーの風刺画などにも眼鏡を掛けた日本人を見ることができる。

脚注[編集]

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  1. ^ ペンダコ (2012年1月22日). “心理学のプロが分析! アニメで八重歯やメガネ女子が人気の理由”. マイナビニュース (マイナビ). http://news.mynavi.jp/c_cobs/jijinews/trend/2012/01/post_727pt1.html 2012年3月19日閲覧。 
  2. ^ 私生活では近眼なら眼鏡はプライベートでのみ使用し、普段はコンタクトレンズを使用して裸眼に見せているはず

参考文献[編集]

関連項目[編集]