猫耳

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猫の耳と尾を持つウィキペたん

猫耳(ねこみみ)またはネコミミ、あるいは猫の耳状のものを持つ人型のキャラクター。猫の耳のついた髪飾りあるいは演劇・コスプレのコスチュームの一種である。萌え要素のひとつ[1]

分類[編集]

おおまかには、超自然的な存在として分類される使い魔、猫神および化け猫系統(『シャン・キャット』『[黒い猫面]』など)があり、猫を擬人化した擬人化猫系統(『綿の国星』、『ブリッコミミ』など)、亜人・宇宙人などの人間以外の異種族系統(『Wizardry 6』のフェルパー、ファイナルファンタジーXIのミスラなど)、ヒューマノイドに改造された猫系統(『人類補完機構』、『猫でごめん!』、『東京ミュウミュウ』など)。元人間が呪い・病気などで猫化した系統(『猫の恩返し』、『ネコミミデイズ』など)があり、それとは別に猫耳のアクセサリーや猫耳風の髪型をファッションとしている系統(『Dr.スランプ アラレちゃん』、『デ・ジ・キャラット』など)が見られる[2]

歴史[編集]

歌川国芳作、『独道中五十三次』岡崎

藤原定家の日記である明月記などの記述において、鎌倉時代には、猫又化け猫が確認されており、大衆文化である神楽狂言などには猫のキャラクターが登場している。戦国武将で仙台藩祖の伊達政宗が、側室の飯坂の局を「猫御前」と呼んだという挿話も有り、化猫遊女のように、江戸時代の遊郭の遊女が猫キャラクターとして描写されることもあった。江戸時代文政10年(1827年)市村座で初演されている鶴屋南北の『独道中五十三次』にも化け猫は登場する。

愛猫家の浮世絵師として知られる歌川国芳は1835年に『独道中五十三次』の岡崎之図に、猫耳を持った女性(化け猫)の浮世絵を遺している。日本において猫耳が登場したのは、これより古いと推察される。[要出典]

日本の近代文学に残る最初の猫耳は、大正13年(1924年)に宮沢賢治が発表した『水仙月の四日』に登場する猫耳の雪婆んご(ゆきばんご)である[3][4]。 

宮沢賢治が猫耳作品を発表したのと相前後して、新東宝の社長で映画プロデューサーの大蔵貢が当時人気があった講談の佐賀化け猫騒動を多数映画化し、化け猫役を演じた入江たか子らが「化け猫女優」として人気を博したが、化け猫映画では猫耳は登場しておらず、女優の髪を逆立てるなどして猫を表現していた。

ますむらひろしは18歳当時(1971年)、東京という大都市への嫌悪感から、賢治のイーハトーブの世界観に刺激され、水俣病に狂い死ぬ猫をテレビで知り、猫たちの逆襲をテーマにした作品の着想を得、1973年に『霧にむせぶ街』としてデビューした。同年の12月ガロ誌に『母なる大地のこどもたち』で、高校時代の同級生を猫化した作品を発表。『ヨネザアド物語』(1975年)、『アタゴオルシリーズ』(1976年 - )に見られる猫キャラによるパラレルワールドを展開した[5]

一般的に日本のコミックにおける最初の猫耳の少女を描いたとされているのが1978年から連載された『綿の国星』とされているが、一説では日本のコミックにおける最初の猫耳娘は1963年に手塚治虫の描いた『リボンの騎士』のヘケートとされている[2]

擬人化した猫で言えば、アイルランドの伝説に人語を喋る妖精ケット・シーなどの例がある。また、映画『長靴をはいた猫』などでは人語を喋る猫が登場し、映画『銀河鉄道の夜』などでも擬人化した猫を登場させている。反対に、人間が猫化した物は、『猫の恩返し』などに見ることが出来る。

TV放送の世界では、遅くとも1968年米国SFドラマ『スタートレック第55話に登場する黒猫の姿をした異星人が人型に変身した際、頭部に猫耳を着けて登場した。同シリーズでは以降にもアニメ版映画版等で惑星連邦の一員として猫を擬人化したヒューマノイド種族が登場した。

ミュージカルの世界で猫の世界をモチーフに採用したのは1983年から始まった、劇団四季による『キャッツ』シリーズである。この際登場人物のコスチュームの一部として猫耳が見られる。

1983年当時から登場し始めた猫少女同人誌について、同人誌評論家である阿島俊(米澤嘉博)は、「(猫耳少女を)ひとつのジャンルを築いていけるかは疑問である」と述べていた程度であった[2]。1987年には前出の伊達政宗側室・飯坂の局が大河ドラマ「独眼竜政宗」で、「猫御前」(演:秋吉久美子)として登場したが、猫耳などは勿論付かず、単に主人公の政宗から猫、猫と呼ばれるに過ぎなかった(ただ猫を飼育しているとおぼしきシーンはあり、「政宗との間に子ができた」と言いつつ仔猫を見せたり、一時実家に返されたときに猫をなでつつうなだれているシーンはあった)。

萌え要素としての猫耳[編集]

萌え要素を与えられた猫耳の原点は何か[編集]

日本の萌え要素を含む猫耳の元祖については、意見が分かれており、1978年大島弓子の連載作品『綿の国星』の須和野チビ猫が日本最初の猫耳キャラクターであるという説[6]

コミックにおける最初の猫耳娘は1963年に手塚治虫の描いた『リボンの騎士』のヘケートとされている[2](『漫画ブリッコ』1984年中田雅喜のコラムより)という説。

1976年にSF短編小説『帰らぬク・メルのバラッド』(コードウェイナー・スミス著)の日本語訳が発表されている(ただし文中には猫耳ありとは書かれていない)。それがきっかけとなって猫耳キャラクターが日本で認知される素地となった。そのため、同小説の主人公ク・メルが日本の猫耳の元祖と言われている。[要出典]という三つが挙げられてる。

「日本獣耳(けもみみ)普及委員会」の結論としては、日本では化け猫の影響で不気味でおどろおどろしいとされてきた獣耳に萌え要素を与えて普及させたのは手塚治虫の作品群であり、その原点はやはり『リボンの騎士』のヘケートの猫耳姿であろうと述べている[7]

その後の展開[編集]

猫耳を含む獣耳が普及しやすいのは、ひとえに耳を描くだけで簡単にその動物の持つ特性を付与させることが出来るからである[7]

1980年代にはロリコンキャラがブームとなったが、そのきっかけが吾妻ひでお、大塚英志による『漫画ブリッコ』『プチ・アップルパイ』によるパイロット作品の影響が大きく、この二人が提供したSFのロリコン的な猫耳キャラクター作品群はその後の展開には無視できない要素とされている。また家庭にファミコンが普及すると、RPGゲームが流行となったが、パーティーを組む場合の種族間のゲームバランスを取るために、「平均的」「力が強い」「賢い」そして「素早い」の四つの設定が多く、「平均的」は人間族、「力が強い」はドワーフ、「賢い」はエルフときて、「素早い」がネコ族に割り当てられ易かったため、猫耳キャラはゲームにも親和性が高かったとされている[2]。その結果、元々猫耳なしで描写されていた猫関係のキャラまでも猫耳をつけるようになった。例えば、前出の飯坂の局も、近年の歴史ゲーム(Ameba 戦国サーガなど)では、猫耳少女「飯坂猫」として登場している。

つけ猫耳・ファッションの猫耳について[編集]

前述のように、猫の耳を描くだけで人物に猫的な属性を加えることが可能となる。猫耳キャラクターの一般化に伴い、ただ単に若い女性に猫耳をつけただけのキャラクターが多くなっていった。そのため、猫耳装具を装着したキャラクターやデザイン上の都合で猫耳を付したキャラクターを狭義の猫耳とし、生の猫耳を有するキャラクターや猫耳の有無を問わず猫的性格を有するキャラクターを猫娘または猫少女と呼び、両者を区別する場合がある。

1990年代には、通常のキャラクターであるにもかかわらず、猫をかぶる時や甘えて不満をもらすときなどを表現するために、猫耳を書くという漫符表現が使われる作品が出はじめた。(例:『月詠-MOON PHASE-』葉月など)

現実での猫耳[編集]

実際の人が猫耳グッズを装着することも決して少なくない。仮装・コスチュームプレイ(コスプレ)として扱われる場合が多いが、渋谷109には「ネコミミ付パーカー」を扱うギャルブランドがあり、赤ちゃん用の衣料にも帽子部分に猫耳・獣耳を付けたものが多くみられる。

脳波ネコミミ[編集]

2012年4月より、脳波で動く猫耳型のアクセサリー「necomimi」が市販されている。開発元は脳波や心拍などの生体信号を用いたプロダクト/サービスのプロジェクトチーム「neurowear」。カチューシャに、脳波センサーとセンサーの信号に反応して動く猫耳が付いた製品で、着用者の脳波の種類に応じて動きが変わる。[8]

猫耳付の乗り物・建物[編集]

東日本旅客鉄道(JR東日本)の試験用車両であった新幹線E954形電車新幹線E955形電車には試験的に空力ブレーキが装備されており、その形状が猫耳を連想させたことから「猫耳付の新幹線」と呼ばれ、ファステックたんという擬人化キャラクターも描かれた。ただし後の新幹線の量産車両には空力ブレーキは装備されていない。

両備グループでは貴志駅の猫の駅長たまにちなみ、貴志駅を猫耳つきの駅舎に改築したり、たまをモチーフにした猫耳付の電車(和歌山電鐵2270系電車岡山電気軌道岡軌7000型電車)やバスを導入している。


脚注[編集]

関連項目[編集]