ショタコン

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ショタコンとは、少年を対象に抱く愛情・執着のこと、またはそのような感情や好みを持つ者のことを指す造語。正太郎コンプレックスを語源とする(#起源を参照)。

ショタコンの好みの対象、つまり少年は「ショタ」と呼ばれる。なお、ショタがショタコンの略称であるかのように述べられることがしばしばあるが、双方の単語は区別して使用され、混乱を招くなどの理由でショタをショタコンの意で使うべきでないとの主張もある。

起源[編集]

1981年、アニメ雑誌『ふぁんろーど』(現『ファンロード』)の編集長イニシャルビスケットのKが読者からの質問に答えるコーナーで、「少女を好きな男性はロリコンと呼ばれるが、では少年を好きな女性は何と呼ぶべきか?」という内容の問いに対し、半ズボンの似合う少年の代表として『鉄人28号』の主人公・金田正太郎の名を挙げ、そこから名を取って「ショウタロー・コンプレックス」と回答したのが始まりである。

イニシャルビスケットのKは、『アニメック』編集長の小牧雅伸との会話中、小牧が少年の代表例として「金田正太郎」を挙げたことからこの用語を思いついた。このことは小牧雅伸が証言している。

発言当時『太陽の使者 鉄人28号』(日本テレビ系 1980-1981年放映)が放映されていたこともあって同番組の主人公・金田正太郎から取ったと考える人が多いが、イニシャルビスケットのKと小牧雅伸が「半ズボンの似合う少年」としてイメージしたのは、漫画原作やアニメ第1作、あるいは実写TVドラマの金田正太郎であり、『太陽の使者 ~』の金田正太郎ではない[1]。ただし、発言当時イニシャルビスケットのKがこの点を明確にしなかったことや、読者に正太郎(旧)を知る者が世代的に少なかったこと、正太郎(旧)がいわゆる美少年のイメージにそぐわなかった、等の理由で読者の多くが正太郎(新)という認識であった。

このコーナーは真面目に回答する場合もあれば適当に返すこともあった。イニシャルビスケットのKは懐疑的な表現でコメントを寄せていたが、他に適当な呼び方が無かったこともあり、いつのまにか「ショタコン」は少年愛者を指す言葉として広く定着していった。「ショタコン」という言葉を使う者の中には、鉄人28号の金田正太郎の事を直接は知らない可能性も大きいが、それについてイニシャルビスケットのKは「ロリコンという言葉を使う者の多くが、語源となったウラジーミル・ナボコフの小説の『ロリータ』を知らないのと同様であり、問題はない」と述べている。

いずれにせよ、そのような性嗜好を持つ女性の存在が顕著になったなどの理由ではなく、一種の言葉遊びから生まれた言葉である。

ショタものの特徴[編集]

ショタものの特徴として、主人公の少年が相手(男性の場合も女性の場合もある[注 1])から誘惑されるという形で性描写が行われ、少年が性的に受動的であることが挙げられる。ただし、この傾向は近年の男性向けのポルノ漫画全般にみられるものであり、ライターの堀あきこやおいが「女性性からの逃避」であると解釈されるのと同様に、これを「男性性からの逃避」として解釈できるのではないかとしている。[2]

歴史と変遷[編集]

用語の誕生と普及[編集]

  • 1981年、「正太郎コンプレックス」(ショタコン)という用語が誕生。
  • 1984年、ショタコンの「少年探偵団コンプレックス」説がふぁんろーどにより否定される。
  • 1988年、『魔神英雄伝ワタル』を放映。大手アニメ製作会社が児童向け作品への路線変更に成功したことで、少年・少女を主人公としたアニメが業界で流行する。以降、いくつかの子供向けアニメのヒットを通して、細いながらも「ショタコン」という用語が浸透していく。
  • 1990年代半ば以降、半ズボンと白い靴下を履いた童顔の少年に愛情を持つ者に対して、ショタコンという呼び方が広まり始めた(別名:半ズボンコンプレックス)。また、服装に限定されず、二次元の少年に抱く愛情も含めてショタコンと呼ばれた。
  • 1995年5月5日、初のショタ専門同人誌即売会ショタケット」が開催される。
  • 1996年頃から、成年向けショタ系アンソロジーコミックが次々と創刊されていく。購買層を男性に絞った性行為重視の漫画が多く掲載されていた。
  • 1990年代後半には、萌え属性の概念の発達により、ネット上でショタ萌えの用語も使われ始めた。インターネットの普及により、3次元の少年を扱った写真やビデオの存在が広く知られるようになる。
  • 名称の誕生から十数年を経て、広く流布した背景には、同人誌などの限定された分野以外に、サブカル誌などで取り上げられたことが大きい。当時の若者のサブカルブームも相まって、一般の認知度が増していった。

児童ポルノ法との関わり[編集]

「現代用語の基礎知識」の1999年版(1998年発行)と2000年度版(1999年発行)で、「ショタコン=ショートアイズコンプレックス」説が掲載される。ショートアイズとは「目と目の間が狭い少年」という意味であったが、同時にミゲル・マイキー・ピニェイロ(es:Miguel Piñero)の1975年の戯曲の題名でもあり、児童暴行犯を指し示す隠語でもあった。だが、現代用語の基礎知識であっても、1996年発売の1997年度版においては単にロリコンの正反対のものとして扱われていた。

1999年5月に公布、11月に施行された児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律では、当初漫画も規制される方針であった。後にこの方針は撤回されたが、1999年には『ROMEO』をはじめとする多くの成年向けショタ系アンソロジーコミックが休刊・廃刊した[3]

ショタコンの現状[編集]

そもそもの発端からして「ショタコン」は「ロリコン」に対立する言葉として発案されたものであり、その対象は成人女性であった。また創作作品の描写でも性愛的な要素は少なく少年の純粋さを愛でるといった人形愛的な要素が強い傾向があった。

2000年前後から、少年性愛を追求するような傾向が見え出し直接的な表現を用いた性的指向の強い同人誌が増え始め、対象となる少年の年齢や嗜好が細分化されていった。また、元々男性に使われる用語だった少年愛者と、元々女性に使われる用語だったショタコンとの同一化が進み、おのおのが男女双方に対して用いられるようになった。

同人誌即売会[編集]

ショタコン作品のみを扱った同人誌即売会「ショタケット」「ショタスクラッチ」が定期的に開催されている。ショタケットは「こどもの日」に掛けて、5月5日(もしくはその前後のゴールデンウィーク中)に開催され、ショタスクラッチは年に3回程度の頻度で開催される。

ショタ系漫画雑誌[編集]

過去の漫画雑誌[編集]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 英語圏では「ショタ」(shota)は主に少年同士を指し、少年と女性(年齢は問わない)の場合は「ストレート・ショタ」(straight shota)と表記し区別されている。

出典[編集]

  1. ^ 渡辺由美子「ショタの研究」 『国際おたく大学』岡田斗司夫編、光文社、1998年、32ページ。ISBN 4-334-97182-2
  2. ^ 堀あきこ 『欲望のコード―マンガにみるセクシュアリティの男女差』 臨川書店、2009年、226-227頁。ISBN 978-4653040187
  3. ^ 『欲望のコード―マンガにみるセクシュアリティの男女差』226頁。

関連項目[編集]