ウラジーミル・ナボコフ

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ウラジーミル・ナボコフ
Владимир Набоков
Monument Nabokov Montreux 23.12.2006.jpg
誕生 1899年4月22日
ロシアの旗 ロシアサンクトペテルブルク
死没 1977年7月2日(78歳)
スイスの旗 スイスモントルー
職業 作家詩人昆虫学者
親族 ウラジーミル・ドミトリヴィッチ・ナボコフ(父)
ドミトリ・ナボコフ(息子)
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ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・ナボコフ (ロシア語:Владимир Владимирович Набоков ヴラヂーミル・ヴラヂーミラヴィチュ・ナボーカフ英語:Vladimir Vladimirovich Nabokov, 1899年4月22日ユリウス暦4月10日) - 1977年7月2日) は、ロシアで生まれ、ヨーロッパアメリカで活動した作家詩人昆虫 (鱗翅目) 学者である。チェス・プロブレム作家でもある。アメリカ文学史上では、亡命文学の代表格の一人である。ウラジミール・ナボコフと表記されることもある。

目次

略歴 [編集]

ロシア帝国サンクトペテルブルク貴族の家に長男として生まれた。ロシア革命後、1919年西欧亡命ケンブリッジ大学を卒業。ベルリンパリの生活を経て1940年渡米、1945年アメリカに帰化

ロシア時代より詩を書き始め、ベルリン、パリで「シーリン」の筆名でロシア語小説を発表、ロシア亡命文学界において高い評価を受ける。パリ時代の終わりから英語で小説の執筆を始める。渡米後はコーネル大学等でロシア文学・ヨーロッパ文学を講ずるかたわら、英語で創作活動を続ける。 1955年に小説『ロリータ』の出版により国際的に著名な作家となり、59年、スイスモントルーに移住、生涯執筆活動に専念する。自作の英語作品のロシア語訳、ロシア語作品の英訳 (共訳) にもたずさわった。

鱗翅目研究者としては、ハーバード大学コーネル大学の研究所で、シジミチョウ分類学的研究を行っていた。

家族 [編集]

父親のウラジーミル・ドミトリヴィッチ・ナボコフ (en)はロシア時代、自由主義派の有力な政治家だったが、ベルリンに亡命後、政治集会で暗殺された。

妻のヴェラ・ナボコフ(en)も亡命ロシア人で、ベルリン時代に知り合い結婚した。ナボコフはすべての作品を彼女に献呈している。彼女は『青白い炎』をロシア語に翻訳した。

息子のドミトリ・ナボコフen, 1934年-2012年)も父の著作をロシア語から英語に、また英語からイタリア語に翻訳、父をめぐるエッセーなども著している。その他、オペラ歌手、登山家、レーシング・ドライバーとしても活躍した。

主な作品 [編集]

代表作は『ロリータ』や『賜物』、『セバスチャン・ナイトの真実の生涯』、『青白い炎』、自伝では『記憶よ、語れ』など。小説、詩・戯曲・翻訳・自伝・評伝など多方面で活躍、1923年には『不思議の国のアリス』をロシア語に翻訳。プーシキンの『エヴゲーニイ・オネーギン』の英訳と膨大な註釈も出版している。

文学的な仕掛けと含意、遊び心に富んだきわめて技巧的な作家とされており、その「難解」さと言語遊戯にあふれた作風にも関わらず、日本では全ての作品が邦訳されている。自作の英語・ロシア語翻訳も手がけたことがあり、その「翻訳」の過程で生まれた作品も存在する。

小説(ロシア語・英訳名) [編集]

  • 『マーシェンカ』"Машенька (Mary)" (1926年) 
  • 『キング、クイーンそしてジャック』"Король, дама, валет (King, Queen, Knave)" (1928年) 
  • 『ディフェンス』"Защита Лужина (The Defense)" (1930年) 
  • 『目』"Соглядатай (The Eye)" (1930年)
  • 『青春』"Подвиг (Glory)" (1932年)
  • 『マルゴ』"Камера Обскура (Laughter in the Dark)" (1932年)
    • 篠田一士訳 人間の文学 河出書房新社 1967、新装版1980、英訳版 
    • 貝澤哉訳 『カメラ・オブスクーラ』 光文社古典新訳文庫、2011-ロシア語原典『カメラ・オブスクーラ』版の訳書
  • 『絶望』"Отчаяние (Despair)" (1936年)
  • 『断頭台への招待』"Приглашение на казнь (Invitation to a Beheading)" (1938年)
  • 『賜物』"Дар (The Gift)" (1938年) 
    • 大津栄一郎訳 白水社 1967/改訳 福武文庫(上下) 1992  
    • 沼野充義訳、河出書房新社〈世界文学全集〉 2010
  • 『魅惑者』"Волшебник (The Enchanter)" (1939年) 
    • 出淵博訳、河出書房新社 1991 英語版を基にした

小説(英語) [編集]

  • 『マグダ』"Magda" 川崎竹一訳 河出書房新社 1960 
  • 『セバスチャン・ナイトの真実の生涯』"The Real Life of Sebastian Knight" (1941年)
    • 富士川義之訳、講談社 1970/講談社文芸文庫 1999
  • 『ベンドシニスター』"Bend Sinister" (1947年) 
    • 加藤光也訳 サンリオSF文庫 1986/改訳 みすず書房 1999 
  • ロリータ"Lolita" (1955年) 
    • 大久保康雄訳、河出書房新社 1959(上下)、新装版1977ほか/新潮文庫で再刊 
    • 若島正訳(新訳) 新潮社 2005/新潮文庫 2006 
  • 『プニン』"Pnin" (1957年)  
  • 『青白い炎』"Pale Fire" (1962年) 
    • 富士川義之訳 筑摩世界文学大系「ナボコフ、ボルヘス」 1984/ちくま文庫 2003
  • 『アーダ』"Ada or Ardor" (1969年) 
  • 『透明な対象』"Transparent Things" (1972年) 
  • 『道化師をごらん! 』"Look at the Harlequins" (1974年)
  • 『ローラ(未完)』"The Original of Laura" (1977年) 
    • 若島正訳・解説「ローラのオリジナル」作品社 2011

短編集 [編集]

  • 『チョールブの帰還』"Возврашение Чорба" (1929年) - 「バッハマン」など
  • 『九つの物語』"Nine Stories" (1947年)
  • 『フィアルタの春』"Весна в Фиальте и Другие рассказы" (1956年)
  • 『ナボコフの一ダース』"Nabokov's Dozen" (1958年)
  • 『四重奏』"Nabokov's Quartet" (1966年)
  • 『ロシア美人』"A Russian Beauty and Other Stories" (1973年) 
  • 『独裁者殺し』"Tyrants Destroyed and Other Stories" (1975年)
  • 『ロシアに届かなかった手紙』"Details of a Sunset and Other Stories" (1976年)
  • 『ナボコフ短篇全集』"The Stories of Vladimir Nabokov" (1995年)
    • 諫早勇一・貝澤哉・加藤光也・杉本一直・沼野充義・毛利公美・若島正訳、作品社 全2巻 2000-01/増補版 全1巻 2011

批評その他 [編集]

  • ニコライ・ゴーゴリ"Nikolai Gogol" (1944年) 
    • 青山太郎訳 紀伊国屋書店 1973、平凡社ライブラリー 1996
  • 『ナボコフ自伝 記憶よ、語れ』"Conclusive Evidence: A Memoir" (1951年)
  • 『ナボコフ=ウィルソン往復書簡集』"The Nabokov–Wilson Letters" (1979年) 
  • 『ヨーロッパ文学講義』"Lectures on Literature" (1980年) 
  • 『ロシア文学講義』"Lectures on Russian Literature" (1981年)
    • 小笠原豊樹訳、TBSブリタニカ 1982、復刊阪急コミュニケーションズ 1992
  • 『ナボコフのドン・キホーテ講義』"Lectures on Don Quixote" (1983年) 
  • 『ナボコフ書簡集』"Selected Letters" (1989年) 
    • 三宅昭良・江田孝臣訳、みすず書房(全2巻) 2000

戯曲 [編集]

  • 『ワルツの発明』"The Waltz Invention" (1938年)

詩集 [編集]

  • 『詩集(私家版)』"Стихи" (1916年)
  • 『二つの道』"Альманах: Два пути" (1918年)
  • 『星団』"Гроздь" (1922年)
  • 『天上界の道』"Возвращение Чорба" (1923年)
  • 『詩集 1929-1951』"Стихотворения 1929-1951" (1952年)
  • 『詩集』"Poems" (1959年)
  • 『詩とチェスの詰め手問題』"Poems and Problems" (1971年)

翻訳 [編集]

  • ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』(1923年) 英語→ロシア語
  • 訳詩集『三人のロシア詩人たち』(1945年) ロシア語→英語
  • レールモントフ『現代の英雄』(1958年) ロシア語→英語
  • イーゴリ遠征記』(1960年) ロシア語→英語
  • プーシキン『エヴゲーニイ・オネーギン』(1964年) ロシア語→英語

関連文献 [編集]

  • ブライアン・ボイド 『ナボコフ伝』(上・下) 諌早勇一訳、みすず書房 、2003年
  • 富士川義之 『ナボコフ万華鏡』 芳賀書店、2001年
  • 若島正・沼野充義編 『書きなおすナボコフ、読みなおすナボコフ』 研究社、2011年

外部リンク [編集]