ハーバード大学
| ハーバード大学 | |
|---|---|
| 大学設置/創立 | 1636年 |
| 学校種別 | 私立 |
| 設置者 | The President and Fellows of Harvard College |
| 本部所在地 | アメリカ合衆国マサチューセッツ州ケンブリッジ市 |
| キャンパス | ハーバード・スクエア(ケンブリッジ市) オールストン(ボストン市) ローングウッド(ボストン市) |
| 学部 | 教養学部 |
| 研究科 | 文/理学大学院 医学大学院 経営大学院 法科大学院 神学大学院 建築大学院 行政大学院 公衆衛生大学院 教育大学院 歯学大学院 芸術科学大学院 等 |
| ウェブサイト | ハーバード大学公式サイト |
ハーバード大学(英語: Harvard University)は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ケンブリッジ市に本部を置くアメリカ合衆国の私立大学である。1636年に設置された。
アイビー・リーグの一校。米国最古の高等教育機関であり、世界を幅広い分野でリードする。現在に至るまでオバマ大統領を含め8人のアメリカ合衆国大統領や、75人のノーベル賞受賞者(内卒業生が55人で、卒業生のノーベル賞受賞者数としては全米1位)、博士課程の卒業生として5人のフィールズ賞受賞者を輩出している。アメリカの学部課程ランキングで1位にランク付けされ、[1]タイムズ・ハイアー・エデュケーションや上海交通大学などによる世界大学ランキングでは、ほぼ1位を独占している。[2][3]
目次 |
沿革[編集]
ハーバード大学は米国最古の高等教育機関であるが、大学がいつの時点で発足したのかは、明確に特定の日付では定められていない。1636年9月8日(グレゴリオ暦では9月18日)に招集され10月28日(グレゴリオ暦では11月7日)に散会したマサチューセッツ湾植民地の総大会議は、「学校ないしカレッジ[4]」の新設のために資金を支出することを議決した[5]。翌1637年9月7日の植民地総大会議では、「The College(ジ・カレッジ)」を当時の Newe Towne(Newtowne)に開設することが議決されている[5]。1639年から用いられるようになった「ハーバードカレッジ[6]」という名称は、1638年に死去した際に、遺言で蔵書と所有不動産の半分をカレッジに遺贈した、最初の寄付者で清教徒派の牧師ジョン・ハーバードに由来する。1638年には、Newe Towne (Newtowne) が Cambridge と改称されたが、これは大学の初代学長[7]ヘンリー・ダンスター(在任;1640-1654)、最初の寄付者ジョン・ハーバード、初代校長[8]ナサニエル・イートン、さらに、当時の(初代の)マサチューセッツ湾植民地総督ジョン・ウィンソープが、いずれもケンブリッジ大学出身であったことに由来している。College(カレッジ)でなく、University(ユニバーシティ)として言及した最初の例は、1780年のマサチューセッツ州憲法[9]とされている。
キャンパス[編集]
大学の中核はボストン近郊、ケンブリッジのハーバードヤード[10]を中心とするケンブリッジキャンパスであり、マサチューセッツ工科大学のキャンパスからは3kmほどの距離にある。キャンパスは、ボストン市内のオールストン[11]やロングウッド[12]にもある。付近には60を超える大学があり、ハーバード大とマサチューセッツ工科大にゆかり(卒業生または教員)のあるノーベル賞受賞者を合わせると累計150人(ハーバード74人、マサチューセッツ工科大学79人)を超えるなど、世界有数の学園都市を形成している。 [13]
ケンブリッジキャンパスの最寄りの地下鉄(Tと呼ばれる)駅は、「Harvard」。ハーバードスクエアに面し、ハーバードヤードに入る玄関の正門はジョンストンゲート。その正面のユニバーシティーホールの前にはジョン・ハーバードの像がある。ハーバードヤードには、大学事務や1年次の学生が住む寮がある他、第一次世界大戦の学生戦死者を祈念して作られたメモリアル教会、タイタニック号沈没で息子を失ったワイドナー夫妻によって設立されたワイドナー記念図書館、ロマネスク様式建築のセバーホールなどの建築物がある。ヤード周辺には、南北戦争の戦死者を祈念して作られたメモリアルホール、科学教育施設であるサイエンスセンター、デザイン学関係のガントセンターなどがある。また、西洋美術のフォッグ美術館、東洋美術のサックラー美術館、ガラス製植物標本で有名な自然史博物館など、常設公開施設もあり、多くの観光者が訪れる場所となっている。以下は、ケンブリッジキャンパスの代表的な見所である。
- ハーバードヤード:ハーバードホール(1766年)、マサチューセッツホール(1720年)、ホールデンチャペルのある付近がハーバード大学の一番古い部分であり、オールドヤードと呼ばれる。ユニバーシティーホール(1815年、ワシントンDCアメリカ合衆国連邦議会議事堂と同じブルフィンチ設計)の裏側のメモリアル教会、ワイドナー図書館がある部分は、6月に卒業式が行われる広場でターセンテナリー劇場という。ここには、ボストンのトリニティー教会設計のリチャードソンがデザインしたロマネスク様式建築セバーホール、イタリアルネサンス様式のボイルストンホールなどがある。ハーバード大学の建物のほとんどすべてに固有名詞が入っており、同じケンブリッジにあるマサチューセッツ工科大学が、建物を番号で呼んでいるのとは対照的である。
- ジョン・ハーバード像:ユニバシティーホールの前にあり、「3つの嘘の像」と呼ばれる。銘版には、「John Harvard Founder 1638」と書かれているが、ジョン・ハーバードは、ハーバード大学創設者ではなく、寄贈者である。ハーバードカレッジの創設は、1638年ではなく1636年。モデルが、1884年作製当時の学生。像の脚先に触れると幸運が訪れるという。ダニエル・チェスター・フレンチ(1850-1931)作。
- ワッズワースハウス[14]:1726年建築。19世紀半ばまで、学長の住居だった。独立戦争時にジョージ・ワシントンが司令部を置いたことで知られる。
- メモリアルホール:南北戦争の戦死者を祈念して作られたゴシック風建築。内部は、サンダース劇場と呼ばれるコンサートホールになっている。毎年9月末恒例のイグノーベル賞(ノーベル賞のパロディー賞)の授賞式はここで行われる。下部は、ロッカーコモンズと言われ、学生食堂、溜まり場になっている。
- フォッグ美術館:ハーバード大学最古の美術館。西洋美術、印象派やピカソの作品が有名。連結したブッシュ・ライジンガー美術館は、北欧美術。
- アーサー・M・サックラー美術館:東洋美術、イスラム美術など非西洋美術が中心。
- 自然史博物館:ハーバード大学の教授であった博物学者ルイ・アガシーの理想である Study Nature, not books を実現した博物館。岩石、動物標本のほか、ガラス製植物標本が特に有名。考古学、民族学の博物館であるピーボディー博物館と連結している。ルイ・アガシーは、大森貝塚を発見したエドワード・S・モースと師弟関係にある。
- The Coop:これは、ハーバード大学生協であるが、マサチューセッツ工科大学にもある。ハーバードスクエアには、書籍を扱う店とハーバードグッズを扱う店[15]の2店がある。
- ホリオキセンター[16]:ハーバード大学の運営事務所。一階には、ハーバード大学の案内所などがある。学生によるハーバード大学ツアーの開始点。
- ハーバードスクエアからチャールズ川側に行くと、ハウス(下記参照)やフランドル風の建物であるランプーン[17]などの建物がある。ハーバードビジネススクールのキャンパスをつなぐウィークス橋付近は、ハウスの建物を望み、ハーバード大学学生のくつろぎの場となっている。
大学[編集]
ハーバード・カレッジ[18]。Faculty of Arts and Sciences(ファカルティ・オブ・アーツ・アンド・サイエンシーズ)というリベラルアーツ学部によって運営されている。ハーバード大学に入学した学生は、1年次をハーバードヤードとその周辺にある寮で過ごすが、2年次から4年次卒業までは、「ハウス House」と呼ばれるシステムに属し、大部分の学生がハウスに寄宿する全寮制となっている。ハーバード大学のハウスは、ハーバードヤードからチャールズ川の間を中心に12個ある。それぞれのハウスには、専攻、学年、人種の違う学生が400人ほど集まり、専任の教員がいて指導が行われ、同窓会組織も強い。日本の皇太子徳仁親王妃雅子がハーバード在学中に寄宿したローウェルハウスなど、外観が優美な建築物も多い。ハーバード大学の学生の専攻は、他の大学とは異なりmajor(メイジャー)とは呼ばず、concentration(コンセントレイション)と呼ばれる。その他、他の大学とは学期試験(2セメスター制)の時期が異なるなど、ハーバード大学独自の方式や伝統が見られる。同じケンブリッジにあるマサチューセッツ工科大学MITとは、単位交換などができる姉妹校として基本的に協同的な運営が行われている。近年、MITとハーバード大学の共同事業としてブロード研究所が設立されるなど関係が深まる一方、工学系が弱かったハーバード大学でも工学系学科の充実が行われつつある。
専攻[19]: 41専攻(アフリカ・アフリカンアメリカン研究、人類学、応用数学、生化学、生物学、化学、化学物理、古典、コンピューター科学、地球惑星科学、東アジア研究、経済学、工学、英米文学と言語、環境科学と公共政策、伝承と神話学、政治学、歴史学、文学史、科学史、芸術史、言語学、文学、数学、音楽学、中東言語文化、哲学、物理学、心理学、宗教比較、ロマンス語と文学、サンスクリット・インド研究、スラブ語と文学、社会科学、社会学、特別専攻、統計学、視覚環境学、女性・性に関する研究)。
ザ・ゲーム[20]: 毎秋恒例のイェール大学とのフットボール交流戦。ハーバード大学で行われる場合は、オールストン(ボストン)側にあるスタジアムが会場。その他、約40個のスポーツチームがある。
WHRB: 学生により運営されているFM局(95.3MHz)
ローブ[21]ドラマセンター:現代劇上演劇場。
ハスティ・プディング・シアトリカルズ[22]:マン・オブ・ジ・イアー[23]とウーマン・オブ・ジ・イアー[24]という男優、女優を選定する。
M2: ハーバード大学ケンブリッジキャンパス、マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学メディカルキャンパス(ロングウッド地区)の3キャンパスを結ぶシャトルバス。ハーバード大学の学生は無料で利用できる。
ハーバード・クリムゾン: ハーバード大学日刊の学生新聞。
ハーバード・ガゼット[25]: ハーバード大学の広報新聞。
ハーバード・ランプーン: 全米最古の風刺雑誌。 12のハウス:
- リバーハウス(ハーバードヤードとチャールズ川の間にあるハウス): アダムス[26]、ダンスター[27]、エリオット[28]、カークランド[29]、ロエル[30]、マザー[31]、クインシー[32]、ウィンスロプ[33]
- ラドクリフ・クアドラングル[34]にあるハウス: キャボット[35]、クーリエ[36]、フォルツァイマー[37]
- ダドリー・ハウス[38]:ハーバード13番目のハウスとして、大学院生を組織化している。ハーバード大学が、不動産部門、アパートを持っており、大学院生のための住居を斡旋している。コナントホールなどの大学院生専用居住施設もある。
大学院[編集]
大学院は、学術系大学院のGSASなどのほか、ビジネス・スクール(HBS、経営学大学院)、ロー・スクール(HLS、法科大学院)、ケネディスクール(HKS、行政・政治学大学院)、メディカル・スクール(医学)などの専門職大学院がある。ロースクールはハーバードヤード北側、ケネディスクールはヤードから少し離れた場所にある。ビジネススクールはチャールズ川をはさんだオールストン(ボストン)キャンパスに、メディカルスクールは距離的に離れたロングウッド(ボストン)キャンパスにある。これらの大学院は全米で常にトップクラスにランキングされている。
ハーバード・GSAS[39]
- GSASは、ファカルティ・オブ・アーツ・アンド・サイエンシーズ[40]の大学院で、大学院生数は最多。人文科学・社会科学・自然科学・工学・生命科学を含む学術大学院。主にPhDの学位を出すが、少数ながらAM[41]、SM[42]、ME[43]、MFS[44]を出すプログラムも存在する。現在GSASで提供されている学位プログラムの一覧[45]
- 数学、物理学、天文学、化学物理学、化学と化学生物学、化学生物学、応用数学、応用物理学、コンピュータ科学、工学/応用科学、建築/ランドスケープ/都市計画、生物医学、免疫学、分子細胞生物学、神経科学、生物進化学、ウイルス学、生物物理学、生物統計学、システム生物学、人間進化生物学、歯科医学における生物科学、公衆衛生における生物科学、統合生命科学、地球/惑星科学、経済学、ビジネス経済学、人類学、森林学、心理学、アフリカ・アフリカンアメリカン研究、ケルト語/ケルト文学、古典、比較文学、東アジア学、英語、映画/視覚学、ドイツ語/ドイツ文学、行政学、健康政策、歴史学、アメリカ文明化の歴史、芸術と建築の歴史、科学史、内陸アジア/アルタイ研究、言語学、医療科学、中東研究、音楽、近中東言語と文明化、組織行動、哲学、政治経済と行政、公共政策、地域研究(ロシア/東ヨーロッパ/中央アジア)、宗教、ローマ語/ローマ文学、サンスクリット/インド/チベット/ヒマラヤ研究、科学/技術/経営、スラブ語/スラブ文学、社会政策、社会学、南アジア研究、ビザンチン/中世研究、統計学
- ハーバード・ビジネス・スクール
- ハーバード・ロー・スクール
- ハーバード・ケネディスクール
- ハーバード・デンタルスクール
- ハーバード・メディカルスクール
- このメディカルスクールは、マサチューセッツ総合病院の運営を行っている他、いくつかの病院と提携をしている。世界最先端の医療研究も行われている。
- ハーバード・公衆衛生大学院 - 武見国際保健プログラムが設置されている。
- ハーバード・デザインスクール
- ハーバード・教育学大学院
- ハーバード・神学大学院
- ラドクリフ研究所:1879年創立のラドクリフ女子大学は、ハーバード大学と提携した女子大学であったが、1999年に完全に吸収されラドクリフ研究所となった。ヘレン・ケラーが卒業したことで知られる(1904年)。
図書館[編集]
図書館システムは1530万冊の蔵書を持ち、大学図書館として世界最大級の規模を誇る。この規模は、米国議会図書館に次いで全米2位の蔵書数であり、世界では米国議会図書館、大英図書館、フランスのビブリオテーク・ナショナルに次いで4位となっている。図書館システムの中心にあるのは、ワイドナー記念図書館であり、その他、90個あまりの図書館を有する。例えば、多数の日本語書籍を所蔵するイェンチン図書館やカウントウェイ医学図書館などがある。
大学運営と資金力[編集]
ハーバード大学の巨大なシステムを支えているのは、寄付金などを蓄積してきた349億ドル(2007年度・約4兆円)という米国内はもとより、全世界でも飛び抜けて巨大な大学基金とその運用であり、全米2位イェール大学の2倍近くある。年間の寄付金(エンダウメント)は、約800億円。(参考までに、日本の21世紀COEプログラムは年間全予算が約370億円である。)
- 学長:現在の学長であるドリュー・ギルピン・ファウストはハーバード大学史上初の女性学長にして、史上初の非ハーバード出身の学長である。歴史学者であり、就任前は大学附属のラドクリフ研究所長であった。
- プロボスト:スティーブ・ハイマン(医学関係者)
- 教員数:2,300(うち終身雇用権テニュアを持つもの:870;テニュアを持つ教員数が少ないのが、他の大学と比べた場合の特徴となっている。他大学ではAssociate Professorになるとテニュアを持つ場合が多いが、ハーバード大学は異なる。これは、ハーバード大学にある研究所内のFull Professor以外の教員の多くが非テニュアとして雇われているからである。)
- 学部生:6,650(男性3,400 女性 3,200)(白人48%、アジア系17%、アフリカ系8%、ヒスパニック8%など)
- 大学院生:13,000
(GSAS:3,600、ビジネススクール:1,800、ロースクール:1,900、教育学:1,100、メディカル:800など)
- 大学学費:$34,998(約400万円)(2008年度)(注:2学期分、約8か月分の学費。夏学期を受講すればさらに上乗せされる。なお返済不要の財政援助も充実しており、2006年度より世帯年収6万ドル以下の学部生は授業料を全額免除され、世帯年収6万ドル~8万ドルの学部生も大幅に授業料が減額、さらに$8万ドル~$18万ドルの世帯年収の学生には年収の10%ほどの授業料のみしか要求されない。[46]また、PhD課程で学ぶ学生には年収に関係なく、授業料全額免除+年間約3万ドル(専攻により額は異なる)の生活費が給付されている。これらの財政援助は留学生に対しても適用される。)
- 必要経費:$2,000(約23万円)および寄宿費$9,260(約100万円)(食事込み)
- 政府研究費(2004年度):FAS(直接経費$80,204,000、間接経費$32,660,000、合計$112,864,000)、メディカルスクール(直接経費$141,587,000、間接経費$60,062,000、合計$201,649,000)
特徴[編集]
歴史的には清教徒会衆派が指導者を育成するために設立したので、現在でも神学校(ディビニティースクール)があり、卒業式にはプロテスタント関係者が参加するなどの関係がある。またキャンパス内にあるメモリアル教会でも宗教関連の行事が開かれる。なお設立当初の目的は「社会と教会の指導者を育成する」となっており、教育モットーは「神とその子キリストを知る」というヨハネの福音書17章3節「その永遠のいのちとは、彼らが唯一のまことの神であるあなたと、あなたの遣わされたイエス・キリストとを知ることです。」の聖書の言葉からのものであった。
ハーバード大学、イェール大学、プリンストン大学の3大学は伝統的にBig Threeまたは各校の頭文字をとってHYPと呼ばれている。ハーバード大学は他に比べ「リベラル」であると言われ、マイノリティーの受け入れにも積極的である。アメリカ合衆国の政権でいえば、前学長がクリントン政権にいたことからわかるように民主党と関わりが深い。ただ、ジョージ・W・ブッシュ元大統領(共和党)がハーバードビジネススクール出身であり、かつてのヘンリー・キッシンジャー氏のように共和党政権の主要人物が教鞭をとっていたことからも単純には議論できない。
- ハーバード大学の学部教育の問題として、マイノリティへの成績の付け方が他大学に比べ甘いこと、また実際の教育が教授でない教員(フェロー)によって行われている実態があることが指摘されている。これは教授が研究や大学院教育に重点を置いているためであるが、教授が学生の指導を密接に行うリベラルアーツ・カレッジとの違いになっている。マサチューセッツ州のアマースト大学、ペンシルベニア州スワースモア大学といったリベラルアーツ・カレッジを卒業して、ハーバード大学の大学院に入学する学生も多い。大学院の教育は、専門職大学院を始めとして、その質の高さから世界の教育機関の規範となっている。ただ、GSASなど、他の大学に比べて放任教育の傾向があるといわれる。
ハーバードと地理学[編集]
アメリカ合衆国最高の教育水準を保つハーバード大学であるが[47]、地理学に関しては1956年以降地理学者がいない状態が続いている[48]。ハーバード大学は、かつて地形輪廻を提唱したウィリアム・モーリス・ディヴィスや環境決定論で知られるエルズワース・ハンティントン、人文地理現象を自然との関係で捉えようとしたイザイア・ボウマンなどの地理学者を輩出してきた[49]が、1948年2月に財政難を理由に地質・地理学科の地理学部門の閉鎖が決まった[48]。実際には地理学者エドワード・アッカーマン[50]の準教授への昇任をめぐる駆け引きがきっかけとされ、学内からはエドワード・アルマン、学外からはリチャード・ハーツホーンやカール・O・サウアーが地理学部門を守るために尽力したが、結局廃止に追い込まれた[51]。
杉浦芳夫は、『二〇世紀の地理学者』の中で卒業生のイザイア・ボウマンが時のハーバード大学総長ジェームス・コナントに存続を働きかけていたら、状況は変わっていたかもしれないと述べている[52]。しかしボウマンは、同じ政治地理学分野で考えの合わなかったダウエント・ホイットルセーがハーバード大学で教鞭を執っていたこともあってか、コナントに働きかけをすることをしなかった[48]。閉鎖にともなってアッカーマンはシカゴ大学へ、アルマンはワシントン大学へ移籍し、最後まで残ったホイットルセーは、1956年に急死し、ハーバード大学の地理学は終焉を迎えた[52]。
主要世界大学ランキング[編集]
TIMES世界大学ランキング(2011/2012年)[53][編集]
| 分類 | 順位 |
|---|---|
| 総合 | 第2位 |
| 社会科学 | 第2位 |
| 芸術・人文学 | 第2位 |
| 生命科学 | 第1位 |
| 医学・保健 | 第2位 |
| 自然科学 | 第6位 |
| 工学 | 圏外(50位未満) |
上海交通大学による世界大学ランキング(2011年)[54][編集]
| 分類 | 順位 |
|---|---|
| 総合 | 第1位 |
| 分野別 | |
| 自然科学・数学 | 第1位 |
| 生命科学・農学 | 第1位 |
| 医学・薬学 | 第1位 |
| 工学・コンピュータ科学 | 第38位 |
| 社会科学 | 第1位 |
| 学問別 | |
| 数学 | 第2位 |
| 物理学 | 第2位 |
| 化学 | 第1位 |
| コンピュータ科学 | 第5位 |
| 経済学 | 第1位 |
QS世界大学ランキング(2011/2012年)[55][編集]
| 分類 | 順位 |
|---|---|
| 総合 | 第2位 |
| 分野別 | |
| 芸術・人文科学 | 第1位 |
| 社会科学・経営学 | 第1位 |
| 生命科学・医学 | 第1位 |
| 自然科学 | 第2位 |
| 工学・技術 | 第16位 |
| 学問別 | |
| 化学 | 第1位 |
| 物理/天文学 | 第2位 |
| 数学 | 第1位 |
| 金属/材料科学 | 第4位 |
| 環境科学 | 第1位 |
| 地球/海洋科学 | 第1位 |
| 医学 | 第1位 |
| 生物科学 | 第1位 |
| 心理学 | 第1位 |
| コンピュータ/情報科学 | 第5位 |
| 電気/電子工学 | 第6位 |
| 機械/航空/製造 | 第3位 |
| 英語 | 第1位 |
| 現代言語学 | 第1位 |
| 歴史学 | 第1位 |
| 哲学 | 第1位 |
| 地理/地域研究 | 第3位 |
| 言語学 | 第3位 |
| 社会学 | 第1位 |
| 統計学 | 第2位 |
| 政治/国際学 | 第1位 |
| 法学 | 第1位 |
| 経済学 | 第1位 |
| 会計/金融 | 第1位 |
| 土木/構造工学 | 圏外(200位未満) |
| 化学工学 | 圏外(200位未満) |
不祥事[編集]
- サマーズ発言と不信任決議:2005年1月、サマーズ学長が、「科学や工学の分野で秀でた業績を残した女性が少ないのは、男女間に生まれつきの素質の差があるからだ」という趣旨の発言をし、世界中に配信された。これをきっかけに、ハーバードカレッジの教員会が、サマーズ学長を不信任とする決議を採択している。2006年2月21日、同年6月に学長を辞任することを発表した。
- 2012年5月、リベラルアーツ学部で行われた政治学の試験でカンニングが発生。後日、学年の約半数にあたる125名が退学や停学、仮進級といった処分を受けた。この試験は、出題された課題を自宅で答案(レポート)としてまとめて提出するもので、インターネット等の資料の閲覧が認められるものの、丸写しや他の学生との相談による作成は認められていない。しかし多数の学生の回答ぶりが酷似していたことから、大学側が調査を開始。一部の学生側からは、特定の学生のノートをコピーして資料として使用したもので、答案作成そのものを相談して作成した訳ではないとの弁明が出されたが、学校側は大量処分に踏み切った[56]。
その他[編集]
オールストンキャンパス拡張計画:ビジネススクールのあるオールストン地区のキャンパスを拡張するプロジェクトが実施されている。
日本との関係[編集]
著名人
大学関係者全般についてはハーバード大学の人物一覧を参照
ハーバード大学関係の日本人会
- Kennedy School 日本人会[57]
- Business School 日本人会[58]
- Public Health School 日本人会[59]
- ボストン日本人研究者会[60]
- HarvardMed-J[61]
フィクションなど[編集]
ハーバード大学は、文学、劇場映画、テレビドラマなどにも登場する。ただし、撮影場所には、別の大学のキャンパスが利用されることもある。
文学[編集]
劇場映画[編集]
- ある愛の詩
- きっと忘れない
- キューティ・ブロンド
- グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(主な舞台はマサチューセッツ工科大学)
- ソーシャル・ネットワーク
- ビー・バッド・ボーイズ
- ミスター・ソウルマン
- 私は「うつ依存症」の女
テレビドラマ[編集]
出典・脚注[編集]
- ^ http://colleges.usnews.rankingsandreviews.com/best-colleges/national-universities-rankings/
- ^ http://www.timeshighereducation.co.uk/Rankings2009-Top200.html Times Higher Education Top 200 World Universities]
- ^ ARWU 2009
- ^ 英: a School or College
- ^ a b Quincy, Josiah (1860). History of Harvard University. 117 Washington Street, Boston: Crosby, Nichols, Lee and Co.., p. 586
- ^ 英: Harvard college
- ^ 英: President
- ^ 英: Schoolmaster
- ^ ただし、「Harvard University」という連語としてではなく「The University」としての言及である。Constitution of Massachusetts 1780
- ^ 英: Harvard Yard
- ^ 英: Allston、ビジネススクール
- ^ 英: Longwood、メディカルスクール
- ^ http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Nobel_laureates_by_university_affiliation
- ^ 英:
- ^ Palmer & Brattle St
- ^ 英: Holyoke center
- ^ 英: Lampoon
- ^ 英: Harvard College
- ^ 英: concentration
- ^ The Game
- ^ 英: Loeb
- ^ 英: Hasty Pudding Theatricals
- ^ 英: Man of the Year
- ^ 英: Woman of the Year
- ^ http://www.hno.harvard.edu/gazette/
- ^ 英: Adams
- ^ 英: Dunster
- ^ 英: Eliot
- ^ 英: Kirkland、Leverett
- ^ 英: Lowell
- ^ 英: Mather
- ^ 英: Quincy
- ^ 英: Winthrop
- ^ 英: Radcliffe Quadrangle
- ^ 英: Cabot
- ^ 英: Currier
- ^ 独: Pforzheimer
- ^ 英: Dudley House
- ^ 英: Graduate School of Arts and Sciences
- ^ 英: Faculty of Arts and Sciences
- ^ 英: Master of Arts
- ^ 英: Master of Science
- ^ 英: Master of Engineering
- ^ 英: Master of Forest Science
- ^ http://www.gsas.harvard.edu/programs_of_study/degree_programs.php
- ^ http://www.admissions.college.harvard.edu/financial_aid/hfai/index.html
- ^ 佐藤 樹"ハーバード大学・マサチューセッツ工科大学(MIT)・ウッズホール海洋生物研究所・スミソニアン博物機構に関するレポート"茨城県立土浦第一高等学校サイト内(2011年8月6日閲覧。)
- ^ a b c 竹内・杉浦 編(2001):320ページ
- ^ 竹内・杉浦 編(2001):311 - 312ページ
- ^ 英: Edward A. Ackerman
- ^ 竹内・杉浦 編(2001):319ページ
- ^ a b 竹内・杉浦 編(2001):319 - 320ページ
- ^ http://www.timeshighereducation.co.uk/world-university-rankings/
- ^ http://www.arwu.org/index.jsp
- ^ http://www.topuniversities.com/university-rankings/world-university-rankings
- ^ “誇り喪失 大規模カンニング 米ハーバード大、70人退学処分”. 産経エクスプレス (MSN). (2013年2月4日) 2013年2月4日閲覧。
- ^ http://www.ksgj.org/
- ^ http://www.u-netsurf.ne.jp/hbscoj/
- ^ http://hsph.jp/
- ^ http://www.boston-researchers.jp/wp/
- ^ http://hmj97.umin.jp/
参考文献[編集]
- 竹内啓一・杉浦芳夫 編『二〇世紀の地理学者』古今書院、2001年10月9日、386pp. ISBN 4-7722-6004-8
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- Harvard University(英語版)
- Harvard Graduate School of Design(GSD)
- Harvard School of Public Health(HSPH)
- Harvard Graduate School of Education(HGSE)
- Harvard Divinity School(HDS)
- Lowell House
- Yenching Library
- Harvard Club of Japan
- ライシャワー日本研究所 (RIJS)
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