貴志駅

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貴志駅
新駅舎(2010年8月撮影)
新駅舎(2010年8月撮影)
きし - Kishi
甘露寺前 (1.2km)
所在地 和歌山県紀の川市貴志川町神戸803番地
所属事業者 和歌山電鐵
所属路線 貴志川線
キロ程 14.3km(和歌山起点)
電報略号 キシ
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
乗降人員
-統計年度-
1342人/日
-2010年度-
開業年月日 1933年昭和8年)8月18日
備考 無人駅(「猫の駅長・助役」配置)
貴志駅 駅舎
〈たまミュージアム貴志駅〉
情報
用途 駅舎
設計者 水戸岡鋭治・ドーンデザイン研究所
施工 南海辰村建設
建築主 和歌山電鐵
構造形式 木造・檜皮葺
改築 2010年(平成22年)8月4日
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貴志駅(きしえき)は和歌山県紀の川市貴志川町神戸(こうど)にある和歌山電鐵貴志川線である。

当駅の売店の飼いたま」が同社より正式に駅長に任命されたことで話題を呼んだ[1]

歴史[編集]

南海電気鉄道時代は有人駅で、駅の隣側に倉庫が建てられていた。貴志川線の和歌山電鐵への移管に伴い2006年4月1日から無人駅とされた。この際に駅と倉庫の間に置かれていた猫小屋が、土地が紀の川市の公有地となったため撤去を求められ、「猫たちを駅の中に住まわせてもらえないか」とたま達の飼い主から相談を受けた和歌山電鐵社長の小嶋光信が「たまを駅長に就任させる」というアイデアを打ち出した。

たまの駅長就任以後、改札口では、平日昼間にはたま駅長が改札台の上に乗って乗降客を出迎えていることがあった。2008年1月5日にたまが客招きの功績から「スーパー駅長」に任命されたのを機に、同年4月20日に出札窓口の跡を利用して、水戸岡鋭治デザインの猫用「駅長室」が設置された。

たま駅長(2007年2月12日)。改札台上で「客招き」の業務中。

待合室の壁には、南海時代に走っていた南海1201形電車を地元の幼稚園児が描いた絵画や、地元の小学生が社会科見学として貴志駅や小山商店を訪れたことへの感謝文を各児童が貼りつけたものが飾られていた。

年表[編集]

  • 1933年昭和8年)8月18日 - 伊太祁曽駅(現在の伊太祈曽駅)- 当駅間の延伸に際し、和歌山鉄道の駅として開業。
  • 1957年(昭和32年)11月1日 - 和歌山電気軌道との合併により同社鉄道線の駅となる。
  • 1961年(昭和36年)11月1日 - 南海電気鉄道との合併により同社貴志川線の駅となる。
  • 2006年平成18年)4月1日 - 和歌山電鐵への継承により同社貴志川線の駅となる。同時に無人化。出札窓口は閉鎖され、待合室に設置されていた自動券売機も撤去された。
  • 2007年(平成19年)1月5日 - 駅の売店「小山商店」の飼い猫「たま」が駅長に就任。同居する「ちび」「ミーコ」も助役に就任。
  • 2008年(平成20年)4月20日 - 出札窓口跡を改装して、たま用駅長室を設置。
  • 2010年(平成22年)
    • 2月 - 開業以来の初代駅舎を解体し、新駅舎建設開始。
    • 8月4日 - 新駅舎「たまステーション貴志駅」竣工、使用開始。
  • 2012年(平成24年)1月5日 - 三毛猫「ニタマ」が駅長代理に就任。

駅構造[編集]

貴志川線の終着駅単式ホーム1面1線と1線の保線用留置線を持つ地上駅である。線路は駅を過ぎても続いており、踏切を越えた先に2両分の引上線がある(保線用留置線も同じ位置まで伸びている。下の「改修後のホーム」画像参照)。夜間滞泊設定駅である。

駅舎は長らく開業以来の木造駅舎であったが、老朽化のため観光拠点としてふさわしいよう2010年に建て替えられた。2270系「いちご電車・おもちゃ電車・たま電車」のリニューアルデザインを手がけた水戸岡鋭治による、「エコでネコロジー」をテーマとした猫の顔をモチーフとしたデザインで、南海辰村建設による和歌山県産の木材を多く用いた木造の駅舎[2]に、伝統工法を用いた檜皮葺の屋根となっており[3]、駅舎には「たまミュージアム貴志駅」という名前が付けられている。

内部には正面より見て左側にたま駅長の飼い主が経営する売店「小山商店」とたま駅長の「駅長室」(共に日曜日休業)が、右手側には地元特産の果物のジュースやジェラートを販売する「たまカフェ」(毎月第3水曜日休業)が設けられている。右手側外には別棟で男女別および車椅子対応のトイレ、およびホームへの車椅子用のスロープが設置されている。

ホームには「いちご神社」「おもちゃ神社」「ねこ神社」の三つの小さな祠が建立され、それぞれに電車と果物はじめ農作物、電車とおもちゃや遊具、電車とねこや動物全般を祀っている。

南海電気鉄道からの移管以前・以後を通じてスルッとKANSAI対応のカードは使用できない。朝夕・混雑時のみ有人集札を実施し、小山商店では回数券一日乗車券のみ販売している。

駅周辺[編集]

駅前にはタクシー乗り場・バス停(路線バスの項参照)がある。駐車場はない[4]のに加えて貴志川線の利用を促進させるため、和歌山電鐵では乗用車でたま駅長に会いに訪れる際には伊太祈曽駅または和歌山駅周辺の駐車場に停めて、貴志川線を利用して訪れるよう案内している[5]

貴志川町イチゴの産地であり、和歌山電鐵のシンボル車両である2270系「いちご電車」はこれにちなんだものである。早春にはイチゴ狩りに訪れる観光客も多く、紀の川市貴志川庁舎(旧貴志川町役場)横の特売場ではイチゴも販売されている。なお、当駅到着前と当駅発車直後の車内放送ではイチゴにちなみビートルズの楽曲『ストロベリー・フィールズ・フォーエバー』をアレンジしたチャイムが流れる。[6]

駅近くの店舗でレンタサイクル「いちご自転車」の貸し出しが行われている(要予約)。

当駅出入口から南へ100m程の所に『工房レトロ貴志川ギャラリー』というオリジナルの猫グッズ・原画ショップがある。たま駅長や和歌山電鐵とは直接の関係はないが、店内は個性的な猫絵グッズであふれており、当駅周辺で猫グッズを取り扱っているのは小山商店以外ではこの店のみである。

駅から徒歩数分の場所には路線名の由来ともなった貴志川が流れている。そこに架かる諸井橋付近の国主峡一帯は大池貴志川県立自然公園にも指定されていて、休日にはバーベキューを楽しむ家族連れで一帯の公園が賑う。ここではホタル養殖が行われており、夏季には屋形船も営業される。お盆には毎年花火大会が開催され、夏の風物詩となっている。

少し上流の海南市との市境にホタル養殖場があり、毎年6月上旬に公開され見学することができる。この期間限定で貴志川線の車両には地元の和歌山県立貴志川高等学校の生徒が制作したヘッドマークが先頭車の前面に装着される。

駅から北へ4km程行くとJR和歌山線船戸駅に至る。

路線バス[編集]

紀の川市地域巡回バス(貴志駅バス停)
貴志川路線:東貴志コース
貴志川路線:西貴志コース
桃山路線(細野貴志コース):彦谷口 行、那賀病院 行

また以下のバスは駅前には乗り入れておらず、東側約100mに位置する和歌山県道10号岩出野上線上に停留所がある。

紀の川コミュニティバス(貴志駅下バス停)
船戸駅岩出駅打田駅西方面への路線。

※かつては和歌山バスが当駅近くの『貴志駅筋』バス停から旧野上町(現紀美野町)の動木方面への路線を有していたが、1993年頃に廃止されている。末期の便数は1日わずか1本ほどであった。

脚注[編集]

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  1. ^ 和歌山のネコ駅長「たま」、経済効果は11億円 - AFRB、2008年10月5日
  2. ^ 南海辰村建設「和歌山電鉄 貴志駅新駅舎」、2010年8月20日(同年8月23日閲覧)。
  3. ^ 代表メッセージ|和歌山電鐵株式会社「和歌山電鐵貴志駅リニューアルデザイン発表」2009年10月20日。当初は2010年3月完成と発表されていたが、着工が遅れた関係で同年8月4日に完成した。
  4. ^ 道路を挟んだ反対側に駐車場があるが、これは同所にあるたこ焼店のものである。
  5. ^ アクセス|和歌山電鐵株式会社
  6. ^ 但し、題名の「ストロベリー・フィールズ」とはイチゴ畑ではなく、孤児院の名前である。

関連項目[編集]