ボーイズラブ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ボーイズラブとは、日本における男性同士の同性愛を題材とした女性向けの小説や漫画のジャンルのことである。10代の少年(特に美少年)同士の間での恋愛を指す言葉であり、大人の男性同士の作品はメンズラブと呼ばれる場合があったが、最近では広い範囲で「女性向けの男性間同性愛」を指す。
目次 |
[編集] 概要
少年愛を英語に置き換え、boys loveとしたもので和製英語である。BLと略されることもある。1990年代中頃から用いられ始めた。元々は雑誌JUNEの名前を取ってそのまま「JUNE」と呼ばれていたが、複数の雑誌が「ボーイズラブ」という単語を使いはじめて普及した。(主に(株)ビブロス、雑草社ぱふ)英語圏では日本語を導入して"Shōnen-ai"という。
似た言葉に少年愛・ショタコン・やおい・JUNE(薔薇)などがあるが、前二者が少年に対する愛情・嗜好そのものを指すのに対し、後二者がそのような嗜好を持った少年同士の関係(多くの場合性行為を伴う)に主眼を置いた創作物のジャンルを指すという点で異なっている。ボーイズラブは後者のほうに属する言葉。最近は代わりに「ビューティフルガイ」(「美しい男」の意味)と言う呼び方もされている。
ボーイズラブに該当する作品の多くが、現実の同性愛を描いているというよりは、女性の理想の恋愛像を描くことが多いため、同性愛者の中にはボーイズラブを嫌悪する者もいる。
なお、やおいとはボーイズラブ・JUNE・パロやおい・同人誌・商業の全てを含む総称であり、ボーイズラブもやおいの一部である。だが、ボーイズラブという単語はもともとJUNEから派生し、商業で生まれて普及した単語なので、JUNEと同じくパロディやおいとは別ジャンルとして扱われる。JUNEよりも耽美さや暗さがなく、JUNEよりも明るく軽い作品が多い。パロディやおいとJUNEはもともと男同士の恋愛を扱っているという以外はほぼ別ジャンルであったが、初期は書き手が少なかったため、パロディ・やおいの作家をボーイズラブに引っ張ってくることも多くあった。一方で「やおい」という言葉が一般にも流布しつつあることにより、「BL」をパロディやおいを表すより語感の軽い代替語として使用している例もみられる。
ボーイズラブの作家にはゲイ雑誌で活動する作家もいるが大抵ペンネームは異なる。また、同じように少女漫画家として活動する場合も多いが、この場合は同じペンネームを使用する作家もいる(もちろんボーイズラブ用のペンネームを持つ作家も多い)。
恋愛をテーマとしていること、絵柄の美麗さ(例外あり)などから少女漫画と混同されがちであるが、ジャンルとしてはほぼ独立がなされている。
まだ「少年」同士のものが多いものの、以前は敬遠されていた「オヤジ受」「猛者受」などというものも確立されてきている。「非ショタコン」を叫んだり、また「美形じゃなくても」という考えを持つ読者・著者も増えてきている。外見や性格が似たようなキャラクターであっても、そのキャラクターが攻なのか受なのか、これも同じく読者・著者によって左右される(パロディやおいでは、自分の好みと攻受が逆転しているような作品に対し、罵声を浴びせるような買い手さえいる)。
[編集] メディア展開
小説・漫画・映画のみならず、ドラマCDやアダルトゲーム、OVA、アダルトビデオなどにもボーイズラブ作品があり、特に女子学生や主婦の間で人気があるという。ボーイズラブゲームはボブゲもしくはBLGと略される。男性にも少数ながらファンがいる。
アニメイトなど、アニメグッズを専門に取り扱っている店のなかにはボーイズラブコーナーを設けているところも多い。一般書店では、露骨な性的描写がありながら、年齢制限を設けていないこともあり、一部非難の声が上がっている。その一方で、漫画雑誌については、ごくごく一部の書店のみではあるが、「女性成人向けコーナー」を設け、レディースコミック雑誌やティーンズラブ漫画雑誌とともにそこに隔離し、未成年に買わせないような工夫をしてはいる。
[編集] 特殊用語
→腐女子の項目を参照
[編集] ボーイズラブ小説のレーベル
[編集] 概要
ほとんどが新書版(ノベルズ)・文庫版での出版だが、高い人気を得た作品は単行本で出版されることもある(主に角川書店)。
2000年代に入った頃から、男性向けアダルト本の出版社が、男性向けの売り上げが様々な規制のあおりを受け凋落し始めたのを受け、そのノウハウをボーイズ・ラブジャンルに応用する形で次々と新規参入を果たしたため、レーベル数は膨大になっている。そのため、老舗として知られたレーベルに影響が見え始めていて、リーフ出版の倒産、クリスタル文庫の出版鈍化などが起きている。
[編集] 主なレーベル
- アイノベルス(雄飛)…2007年版元経営破綻により消滅
- アイスノベルス(オークラ出版)
- アイス文庫(オークラ出版)
- アクアノベルス(オークラ出版)
- アズ・ノベルズ(イーストプレス)
- アルルノベルズ(ワンツーマガジン社)
- オヴィスノベルズ(茜新社)
- キャラ文庫(徳間書店)
- キルシェノベルズ(マイクロマガジン)
- CROSS NOVELS(笠倉出版社)
- クリスタル文庫(成美堂出版)
- GENKI NOVELS(ムービック)
- 講談社X文庫ホワイトハート(講談社)
- SHYノベルス(大洋図書)
- CVノベルス(リーフ出版)…2007年版元経営破綻により消滅
- シャレード文庫(二見書房)
- シャレードパール文庫(二見書房)
- ショコラノベルス(心交社)
- ショコラノベルスHYPER(心交社)
- ダリア文庫(フロンティアワークス)
- ダリアノベルス(フロンティアワークス)
- ディアプラス文庫(新書館)
- 花丸ノベルス(白泉社)
- 花丸文庫(白泉社)
- パレット文庫(小学館)
- ビーボーイスラッシュノベルズ(ビブロス)…2006年版元倒産により、新会社リブレ出版に移る
- ビーボーイノベルス(ビブロス)…上記に同じ
- プラチナ文庫(プランタン出版・販売フランス書院)
- ベリーノベルス(永岡書店)…2005年に1度出たのみ。その後発行は止まっている
- ラキアノベルス(ハイランド)…版元・ハイランドがビブロスの関連会社だったため、あおりを受けて倒産。レーベルは消滅
- ラキア・スーパーエクストラ・ノベルズ(ハイランド)…上記に同じ
- ラピス文庫(プランタン出版・販売フランス書院)
- リーフノベルス(リーフ出版)…2007年版元経営破綻により消滅
- リンクスロマンス(幻冬舎コミックス)
- ルチル文庫(幻冬舎コミックス)
- 角川ルビー文庫(角川書店)
[編集] 主なボーイズラブ漫画誌
(小説も出していることが多い)
- drap ドラ (コアマガジン)
- Chara キャラ (徳間書店)
- コミックJUNE(マガジン・マガジン)
- コミックアクア(オークラ出版)
- CIEL シエル (角川書店)
- ディアプラス(新書館)
- 花音(芳文社)
- BE×BOY GOLD(リブレ出版)(隔月)
- BOY'S ピアス(マガジン・マガジン)
- マガジンBE×BOY(ビーボーイ)(リブレ出版)
- 麗人(竹書房)
- ダリア (フロンティアワークス)
- コミックマガジンリンクス (幻冬舎)
- ルチル (幻冬舎)
- ジュニア
- GUSH(ガッシュ)(海王社)
- 花恋(カレン)(日本文芸社)
[編集] 主なボーイズラブ小説誌
- 小説b-Boy (リブレ出版)
- 小説アクア (オークラ出版)
- 小説リンクス (幻冬舎)
- 小説ディアプラス (新書館)
- 小説キャラ (徳間書店)
- シャレード (二見書房)
- 小説花丸 (白泉社)
- 小説ショコラ (心交社)
[編集] 主なボーイズラブドラマCDレーベル
- インターコミュニケーションズ
- サイバーフェイズ
- バナナジュースカンパニー(モモアンドグレープス社)
- フィフスアベニュー(販売協力:白泉社・ジェネオンエンタテインメント)
- マリン・エンタテインメント(販売協力:ジェネオンエンタテインメント)
- ムービック(販売協力:ジェネオンエンタテインメント)
- Binetsu(ランティス)
- リーフ出版
- リブレ出版
- Atis collection
[編集] 主なボーイズラブゲームレーベル(会社)
- Alice Blue(制作休止)
- ビジュアルアーツ
- プラチナれーべる
- Spray
- アイン
- Nitro+CHiRAL(ニトロプラスキラル)
- パルミエ
- 郎猫儿(ランマール)

