女らしさ
女らしさ(おんならしさ)とは、これが女性の特性(あるいは特徴・要件等)である、と特定の話者や特定の集団が想定している観念群のことである。「男らしさ」に対置される観念。
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概説 [編集]
「女らしさ」は、文化圏、地域、宗教の教派、歴史、時代、世代、家庭環境、個人の嗜好などの影響を受けつつ形成され、多様である。同一地域、同一文化圏であっても、時代とともに変化してゆくことは多く、ある人が思い描く「女らしさ」も、年齢や経験とともに変化してゆくことは多い。
これが生物学的差異に由来するものか、文化的に醸成されたものに過ぎないのかは議論がある。例としては、前者には脳の性差、ホルモンの違いなどで性格の傾向が規定されている可能性、後者には躾(しつけ)・社会環境による人格形成への影響などが挙げられる。
近代における「女らしさ」 [編集]
明治時代から「女らしさ」は女性の自然の発露であると述べる人もいた。あまりに人工的なものは疎んじられていた、と指摘する人もいる。
フェミニズム [編集]
フェミニズムにおいては、「女らしさ」は強制、ととらえられる。
現代の若者の意識調査 [編集]
文部科学省の外郭団体である財団法人「一ツ橋文芸教育振興会」と「日本青少年研究所」は、2003年秋に日本・米国・韓国・中華人民共和国の高校生各千人を対象にアンケート調査を行い、2004年2月にその結果を発表した。この結果にもとづき、読売新聞は、日本では「女は女らしくすべきだ」を肯定した生徒が28.4%であり、他国(米58.0%、中71.6%、韓47.7%)よりも「突出して低い」と報じた。また、「男は男らしく」を肯定した人も43.4%と、4カ国で唯一半数以下であると指摘した[1]
なお、上記の新聞記事が引用し、日本青少年研究所が公開している調査報告書には、単純集計結果と男女別集計結果が記されている。この報告書における男女別集計結果によれば、調査対象者と各項目を肯定した者の男女比は下記の通りである[2]。
| 日本 | 米国 | 中国(大陸) | 韓国 | |
|---|---|---|---|---|
| 調査対象 (男子:女子) | 35.0:64.8 | 47.6:52.1 | 45.7:54.0 | 52.9:47.1 |
| 女は女らしくすべきだ 肯定 (男子:女子) | 38.9:22.5 | 61.0:55.5 | 75.4:68.0 | 61.3:32.3 |
| 男は男らしくすべきだ 肯定 (男子:女子) | 49.2:40.4 | 65.1:62.4 | 83.0:79.7 | 67.4:40.9 |
読売新聞2月20日朝刊の社説は、「日本青少年研究所」が公開した4カ国対象の意識調査において、「女は女らしくすべきだ」を肯定した日本の生徒が少なかった事などにもとづき、「教育界で流行している『ジェンダーフリー』思想の影響を見て取ることができる。」とし、その社説の最後で「調査結果は、倒錯した論理が広がったときの恐ろしさを示している。」と結論づけた[3]。
現代日本での「女らしさ」の具体例 [編集]
心理学者柏木恵子は[要出典]、「美」と「従順」を基調としている、としている。
脚注 [編集]
- ^ 2004年2月17日読売新聞朝刊
- ^ 高校生の生活と意識に関する調査 (日本青少年研究所 2004.2)
- ^ 読売新聞2004年2月20日朝刊:社説
関連項目 [編集]
関連文献 [編集]
- 宮本百合子著『「女らしさ」とは』(初出、「アカハタ」1946(昭和21)年11月12日号)(宮本百合子全集 第十五巻、 新日本出版社、1980年)
- 羽仁説子『新しい女らしさをもとめて』知性社、1958、ASIN B000JAU4BG
- 村中兼松『性度心理学―男らしさ・女らしさの心理』帝国地方行政学会、1974、ASIN B000J9X20W
- 村中兼松『男らしさ・女らしさからみた職業・結婚・人間関係』ぎょうせい、1977.03、ASIN B000J8Z2JW
- イソノ え-たろ『愛される女らしさ』ミリオン出版社、1979.05、ASIN B000J8D5E6
- 秋山達子『いい女への旅立ち―聡明な女らしさを求めて』祥伝社、1978.10、ISBN 4396101384、 1987.10 ISBN 4396310137
- 川上源太郎『こころのおしゃれ―聡明な女らしさを育てる本』芳文社、1981.01、ISBN 4832200054
- 鈴木健二『女らしさ物語―美しく生きる45章』小学館、1982.12、ISBN 4093960313、 集英社 1985 ISBN 4087490238
- 鈴木丈織『女らしさを生かす職場学―相手を知り、自分を伸ばす』早稲田教育出版、1984.01、ISBN 4898262198
- 秋山さと子 『ほんとうの女らしさを求めて―女の魅力を育てる本』海竜社、1986.10、ISBN 4759301615
- 鈴木健二『女らしさ愛らしさ―美しく生きるための心得』大和出版、1986.10、ISBN 4804770488 1992.10 ISBN 4804701397
- 佐佐木綱『女らしさ・男らしさ―計画の視点より』淡交社、1989.05、ISBN 4473010953
- 森隆夫『豊かな個性―男らしさ・女らしさ・人間らしさ』ぎょうせい、1991.12、ISBN 4324030219
- 青木やよひ、磯田 三雄 『ちょっと変じゃない?―「女らしさ」「男らしさ」ってなんだろう』小峰書店、1992.10、ISBN 4338104015
- 浦里はる美『女らしさを磨く―女優浦里はる美の宝箱』生有会、1994.06、ISBN 4795236089
- 渡部昇一著『人間らしさの構造』講談社学術文庫、1977.05、ISBN 4061581430
- スーザン・ブラウンミラー『女らしさ』 勁草書房、1998.07、ISBN 4326652101
- 小倉孝誠『「女らしさ」はどう作られたのか』法藏館、1999.04、ISBN 4831872466
- 伊藤緋紗子『「女らしさ」という名の幸せ』講談社、1999.09、ISBN 4062641119
- 星島恵美子『女性のスピーチ実例集―女らしさを生かし自信をもって話せる』講談社、1999.09、ISBN 4062641119
- 蔦森樹『男でもなく女でもなく―本当の私らしさを求めて』朝日新聞社、2001.02、ISBN 4022613238
- 高橋裕子『「女らしさ」の社会学―ゴフマンの視角を通して』学文社、2002.09、ISBN 4762011649
- 森永康子『女らしさ・男らしさ―ジェンダーを考える』 (心理学ジュニアライブラリ) 北大路書房、2002.11、ISBN 4762822841
- 『男らしさ・女らしさって何? (こんのひとみ心の言葉)』ポプラ社、2003.03、ISBN 4591076237
- 渡部昇一著『男は男らしく 女は女らしく』ワック・マガジンズ(ワック文庫)、2004.12、ISBN 4898315275
- 新井えり『「女らしさ」の磨きかた―本当の美しさが宿る心くばり、マナー、言葉遣い、愛情』グラフ社、2005.10、ISBN 4766209230
- 小倉孝誠『“女らしさ”の文化史―性・モード・風俗』中央公論新社、2006.08、ISBN 4122047250
- 小倉千加子『オンナらしさ入門(笑)』理論社、2007.04、ISBN 4652078277
- ケイト・ボーンスタイン『隠されたジェンダー』新水社、2007 ISBN 488385101X
